多文化共生なTOYAMA

多文化共生とは永続的なココロの営み

統計データを使えば予測可能なことも多々あるだろうにそれをしないのはどうしてなのかって話

2018-11-27 00:00:00 | 多文化共生
毎日のように外国人労働者の受入について報道されている。

外国人の受入にあたっては、労働環境は当然のことながら、住民として生活が保障される基本的な法制度を整えることが最低限、必要なことだと思っている。
そうしたことが整っていない現状で、都道府県別にみて、外国人に選ばれる地域、日本人にも見捨てられる(というと言い過ぎかもしれないが)地域がある。どんな傾向があるのか、まずは都道府県別に、ざっくり眺めてみよう。もしかしたら、土台がフェアじゃないって話もあるかもしれない。

こちらは住民基本台帳人口移動報告から作図したものである。



転入者、転出者に占める外国人の割合というのは、かなりを占めていることは、あまり指摘されていないが、かねてより知る人ぞ知るところである。ざっくり言って1億2千万人中の200万人程度が移動して「人口が増えたの減ったの」と言っているような状況なのである。少なくともこの10年ほどはそういう状況だと思う。
どこの自治体とはいわないけども、外国人の転入がそのまま人口増につながっているという具体的で明確な数字も確認している。

各都道府県別にざっくり見ても、2%に満たない外国人人口が、水色とオレンジで、同じ土俵でグラフ化できること自体、異常な感じがすると思わなければならない。
プラス側に出ているのが、転入超過、マイナス側に出ているのが転出超過である。
東北は総じて日本人が転出していっているが、外国人は転入超の状況にある。一概にはいえないが、外国人に選ばれる東北という印象を抱く。
外国人も日本人も増えているところもあれば、どちらも減少しているところもある。

そして、人口減少、労働力不足、実習生制度と3点セットで語られることも多いのだけど、この社会移動には実習生はほぼ含まれていないはずだ。
そういうことを念頭に置いて眺めてみると、なかなか想像力を掻き立てられる。さて、ざっくりいって、人口移動が生じるのは10代後半から20代前半くらいなものだ。大学進学とかね。
外国人も大学進学なのか?ホントか?うーむ、どうなんだ。
次に年齢別に見てみよう!



んで、このグラフ。小さくてきっと見えないなぁー。
どうしても見たいときは、個別に連絡をいただくか、自分で作図してちょ。公開データなので、誰でも見れますよ。

で、こちらの3つのグラフがあるが、
(1)「日本人が増加、外国人が減少グループ」
(2)「日本人が減少、外国人が増加グループ」
(3)「日本人が減少、外国人も減少グループ」
それぞれ2県ずつ年齢別にグラフ化している。

ざっくり見ると、やはり10代後半から20代後半までの人口移動が大半を占めている状況がわかる。

(1)は千葉県と福岡県だが、千葉県は20~24歳までの年齢層で日本人は非常に増えているが、外国人は転出していっている。25~29歳の年齢層になると、日本人も外国人も転出していっている。

(2)は北海道と群馬県で、15~29歳の年齢層で日本人は転出超過なのだが、外国人は転入超過の状態にある。

(3)は茨城県と広島県で、20~29歳の年齢層で、日本人も外国人も転出超過になっている。
どーなんダ!
市町村単位のデータもあるはずなので、各自治体においては、どうして転出するのか、なぜ転入しようと思ったか、といったことをつぶさに点検した方がいいだろう。手元にデータがあるのだから、それをしないのは自治体の怠慢と指摘されても仕方がないダロー。

基本的な法整備を整えるのは国の責務として当然のことだが、魅力ある地域を作っていくのは自治体であり、地域住民なのだ。
オレっちの地域は日本人にも外国人にも嫌われているらしいとか、外国人には好かれているが日本人には嫌われているようだとか、明白にわかるわけだから、それを施策や地域のネットワーク力に生かしていかない手はないだろう。

そして、これはたまたま外国人と日本人を対比しただけのものであって、障害者だったり高齢者だったり、子育て世代だったり、いろいろチェックできる手立てはあるはずだ。現に子育てに配慮されているということから引っ越ししたという話も聞いたりするダロー。

こういう分析がなされていないということは、なにも、やる気のない役人が多過ぎるという問題ではなくて、社会全般的に自らを楽しめる人間が圧倒的に少なくなってきていることに原因があるようにも思う。
タイトルだけ見て鵜呑みにして怒りまくったり、愚痴を言ったり、正確に読み込んでいこうという基本的な姿勢が失われてしまっている。
(こういうグラフを頼まれもしないのに作ってみたり、仮説を検証していく楽しさを知らない人が多過ぎるってことなんだわ。文句ばかり垂れ流しても何の益もない。)

最後の部分については、また機会を改めて。