多文化共生なTOYAMA

多文化共生とは永続的なココロの営み

外国人労働者の受入が人口減少社会を迎えた日本社会の特効薬なんていうのは完全に錯覚という現実

2018-11-16 19:35:29 | 人口減少社会
前回の続きみたいなものだ。

外国人雇用状況調査によると、平成29年10月末現在で、約128万人の外国人労働者がいることになっているが、奴隷制度と国際的な非難の声が強い技能実習生が2割、留学生が2割、身分に基づく人(つまり日系人やその家族等)が3割5分、その他2割5分といったところだ。
留学生を労働力としてカウントしている時点でどうかと思うが(資格外活動だから)、ともかくこれが現状だ。
日本の人口は127百万人ほどで、おおざっぱにいって、労働力人口(15-64歳)は75百万人くらいだ。15歳以上が労働力かというと、必ずしもそうではないが、65歳以上の団塊の世代のかなりが労働力人口にカウントされるだろうから、だいたいそんなところで大きくブレるものでもない。
1.28百万人/75百万人は、どのくらいのスケールかというと、1.7%くらいのものだ。1.7%であっても、「もはや外国人労働者がいないと!」といった状況ナンダ。というのが、まずは現状認識。ここはキッチリ押さえておきましょう。特に加工食品を食べている人。中国産の食材がドーノという前に、自分が食べているものを誰が作っているのか考えるべき。

次に、将来的な像をおおざっぱに見ていこう。

日本の労働力人口は、20世紀末にはすでに減少に反転していて、バブルが崩壊してから10年ほどで人間のバブルも縮小に転じているわけだ。
2110年にどうなっているかというと、労働力人口が23百万人、高齢者人口が18百万人で、
若年:労働:高齢 の比率は
1:5:4
くらいになると予想されている。
これはどこにでも出ているものなので、今さら衝撃を受けるようなものでもないが、衝撃的な予測であることには何ら変わりはない。

で、外国人労働者である。
報道にバラツキはあるが、だいたい今後5年間で、外国人労働者を35万人近く受け入れようという目論見のようである。だいたい年に7万人ほどの労働者を増やしていきたいという考えのようだ。
このスケールを確認しておきたい。

現在、日本に在住している外国人住民数は約256万人。
実はこれって、めっちゃ急増してるんだわ。
2016→2017 約18万人 増
2015→2016 約15万人 増
2014→2015 約11万人 増
1.28百万人/2.56百万人はざっくり半分くらいだから、年間7万人ほどづつ外国人労働者を迎え入れたいというのは、おおむね明後日の数字でもない。

ということで、グラフを眺めてみてほしい。



1947年から2110年までの実数と推計値だ。
緑が総人口で、赤が外国人住民数。
2017年までは実数で、それ以降は、年間7万人ずつ外国人人口を乗せて行っている。ジッサイは15万人ずつ乗せるのが正しい推計かもしれないが、労働力人口と対比してみてほしいのだ。
2110年では、
総数 45百万人
若年  4百万人
労働 23百万人
高齢 18百万人
外国  9百万人(外数)
という感じだ。
総数でいうと、5人に1人が外国人。労働者の2人に1人くらいが外国人。という感じ。
うへー、すごい多いジャン。ちゃんと制度設計しろよってことになる。

ただ、このテキストを読む前に、グラフを目にした人は、おおむねこう思うだろう。
「なんだよ、今後5年間で35万人の外国人労働者を受け入れるっていっても、焼け石に水ジャン!」と。
そう、それが正しい認識なのだ。

政府がどーのこーのと言うまえに、まずは自衛を考えるノダ!
自分や家族はもちろん、ご近所さんや、みなさんのネットワークの中で。
私は武士のムスメですとか言っている場合ではない(笑)