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外国人不就学児が減少 浜松、戸別訪問など成果

2012-03-22 09:38:44 | 多文化共生
不就学ゼロモデルは可児市であり、小島祥美さんでしょう。

(以下、静岡新聞から転載)
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外国人不就学児が減少 浜松、戸別訪問など成果(3/22 07:57)

 「外国人の子どもの不就学ゼロ作戦」に取り組む浜松市、県などの浜松多文化共生事業実行委員会は21日、同市役所で会合を開き、外国人不就学児童・生徒の数が昨年4月の96人から、今年3月12日時点で13人まで減ったと報告した。関係機関の連携による徹底調査や戸別訪問によるきめ細かな指導などが成果につながったとして事業を継続する。
 調査は外国人登録者と各種学校の在籍者を照合して行い、学校に通っていないすべての子どもの家を職員らが訪問して不就学の実態を明らかにした。その上で、学校見学に誘ったり手続きに同行したりするなどして個別に支援した。外出が苦手な子どもには日本語講師を派遣して学習に慣れさせ、経済的に厳しい家庭には援助制度を紹介した。
 現在不就学の13人のうち、8人は既に学習支援教室などに足を運び、就学への意欲を見せつつあるという。
 会合に出席した在浜松ブラジル総領事館のジョゼ・アントニオ・ピラス総領事は「素晴らしい成果。世界の他のブラジル人集住地域でも応用できないか、本国政府が検討している」と述べた。鈴木康友市長は「不就学が発生しない“浜松モデル”を作りたい」と話した。

性同一性障害で性別変更した夫、子どもの戸籍「不当」と申し立て

2012-03-22 09:37:49 | ダイバーシティ
(以下、FNNニュースから転載)
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性同一性障害で性別変更した夫、子どもの戸籍「不当」と申し立て 「息子の父親は僕」

心と体の性別が一致しない「性同一性障害」で、戸籍上の性別を女性から男性に変えた夫が、妻が第3者の精子提供を受けて授かった子どもについて、「戸籍上の父親と認められないのは不当」だと申し立てた。
変わる家族の姿と、法制度との溝は越えられるのか、全国で初めて、司法の判断が問われる。
「性同一性障害の夫婦が子どもを持ちたいって思うこと、その気持ちは当たり前のことで。一般の夫婦と何ら変わりないことです。なぜ、性同一性障害者だけが、差別されないといけないのか」と訴えるのは、性同一性障害で、戸籍上の性別を女性から男性に変えた前田 良さん(仮名・29)。
20歳の時、性同一性障害と診断された前田さん(仮名)は、その後、戸籍上の性別を女性から男性に変更した。
今の妻と結婚し、妻が第3者からの精子提供を受け、2009年に男の子をもうけた。
しかし、2人を戸籍上の両親とする出生届は、受理されなかった。
前田さん(仮名)は「喜びに満ちた日々が送れると思ったら、一夜にしてどん底に落とされたっていう感じでしたね」と話した。
現在日本では、不妊治療をしている夫婦が、第3者からの精子提供で子どもをもうけた場合、夫は戸籍上、父親と認められている。
しかし、第3者の精子で生まれ、父と子に遺伝的なつながりがない点は同じでも、性同一性障害で性別を変更した前田さん(仮名)の場合は、父親と認められないという事態が生じている。
立命館大学法学部の二宮周平教授は「不妊の原因は千差万別です。それを、こっち(生まれながらの男性)は許すけど、こっち(性同一性障害者)は認めないというのは、何か不合理な気がするんですね」と話した。
生殖補助医療の進歩に、法整備が追いついていない現状の中、前田さん(仮名)は2012年1月、法務省に近い新宿区役所に、息子の出生届を提出した。
区役所は職権で、「父親がいない子」として、男の子の戸籍を作った。
一方、前田さん(仮名)は21日、東京家庭裁判所に異議申し立てを行った。
前田さん(仮名)は「息子は、僕をパパと呼び、妻をママと呼び、息子からすると、僕たちが親です。息子の父親は、僕だけです」と話した。
こうした申し立ては全国で初めてで、司法がどのような判断を下すのか、注目される。

(03/22 01:14)

フクシマで死を見つめて 自殺防止活動に取り組む僧侶・中下大樹さん

2012-03-22 09:37:01 | ダイバーシティ
(以下、毎日新聞から転載)
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ザ・特集:フクシマで死を見つめて 自殺防止活動に取り組む僧侶・中下大樹さんに聞く

 東京を拠点に自殺や孤独死の防止活動を続けてきた僧侶、中下大樹さん(36)。この1年は福島県の仮設住宅に通い、自ら命を絶った人の遺族らと交流を重ねてきた。これまでに2000人以上の死の現場に立ち会ったという中下さんは、「フクシマ」で失われゆく命をどう見つめているのか。【山寺香】
 ◇岩手・宮城との違いは将来が見えないこと。原発の恩恵を受けてきた地域では、不安、不満を口にできないつらさもある。

 「それはお受けできません。僕は、あの方たちと一生、お付き合いをしていくつもりなのですから」。東日本大震災と東京電力福島第1原発事故の二重災害に見舞われた福島県。そこで死を選ぶまでに追い詰められた人たちの苦悩を知りたいと、無理を承知で「同行取材させてほしい」と中下さんに申し入れた。その答えだった。家族の自殺について遺族が本音を打ち明けてくれる関係を築くまでに、半年以上かかったこと。その事実を近所にも隠している人が多いこと。中下さんの穏やかな、だがきっぱりとした言葉にうなずくしかなかった。

 中下さんは大学院でターミナルケア(終末期の医療や看護)を学んだ後、「死の問題を突き詰めたい」と僧侶になった。新潟県のホスピスに勤務して末期がん患者数百人をみとり、07年からは東京に活動を移し、貧しさから葬式を出せない家庭や孤独死した人のために葬儀を執り行う「葬送支援」、孤独死を防ぐために1人暮らしの人の家を月に数回訪ねる活動、さらに「死にたい」と訴える人からの電話相談にも応じる。明治大学で死生学を教える非常勤講師も務めた。

 東日本大震災の直後から被災地に入り、遺体安置所で読経をしたり、がれき撤去の手伝いなどもしながら、家族を失った人たちの声に耳を傾けてきた。この1年間に被災3県に延べ190日間入り、うち約100日を福島で過ごした。当初は仮設住宅を訪れても「よそ者は帰れ」と拒絶されるばかりだったが、5回、6回と重ねるうちに「泊まって行くか?」と声をかけられるようになった。

 やがて、親しくなった人たちと雑談する中で、気になる話を聞くようになる。「あの家の人は急に死んじゃったけれど、きっと自殺だよ。酒ばかり飲むようになって、様子がおかしいと思っていたら……」。まるでろうそくの火が消えるように、仮設住宅からいなくなる人たちがいた。

 「多い場合には、約200世帯の仮設住宅で、自殺とみられるケースが3件もあった」と中下さん。内閣府が統計を取り始めた昨年6月以降、「震災関連自殺」は3県で56人。うち福島は10人と決して突出しているわけではないが、「原発や放射能への考え方の違いや、ふるさとに帰れない苦しみなどが相まって、より深刻なケースが多い。酒に溺れ、体を壊しても治療せずに亡くなる“緩慢な自殺”など統計に反映されない死も多数あります」と指摘する。

 では、具体的にどんな悲話があるのか。

 木々が葉を落とし始めた昨秋、富岡町出身の50代の男性が、仮設住宅で命を絶った。以前、中下さんが一緒に酒を飲んだこともある人だった。自営業を営んでいたが、原発事故で町が警戒区域に指定され、新たな土地で事業を再開するには設備投資が1億円近くかかる。しかも移住先は決まっていない。一生をかけて築き上げた事業を一からやり直さねばならないことに絶望を深め、やがてアルコールに依存し、うつ状態になっていたという。

 妻は仮設住宅に中下さんを招き入れ、お茶をふるまいながら「夫が死んだことはつらいが、苦しんでいたからホッとしていると思う」と語り、さらに「もう家には帰れないとあきらめている。除染にお金を使うより、早く移住先を確保してほしい」と亡き夫に代わって訴えたという。

 「福島と岩手・宮城の違いは、何よりも“将来”が見えないこと。また、原発の恩恵を受けてきた地域では、今も原発や放射能への不安や不満を口にできないというつらさがある。それを言った途端、周囲に白い目で見られ、仮設で居場所がなくなったという話もよく聞きます」

 昨夏、福島県の内陸部にある仮設住宅に近い火葬場で、中下さんは80代男性のひつぎに向かってお経を唱えた。家族はなく、参列して手を合わせたのは、一緒に避難している古くからの知人3、4人だけ。葬儀と呼ぶにはあまりに簡素な別れの場面だった。

 亡くなった男性は、原発事故前まで浪江町で農業を営み1人で暮らしていた。放射線量が高く、事故直後にバスに乗せられ避難して以来、「生まれ育った町で人生をまっとうしたい」と切望していたという。仮設住宅から近所の人の目を盗むように1人で浪江町の自宅に戻り、納屋でひっそりと首をつった。<迷惑をかけてごめんなさい>と書かれた遺書が仏壇の前に残されていた。

 「ロシア語に『サマショール』という言葉があります。旧ソ連のチェルノブイリ原発事故で、強制退去を命じられた地域に勝手に戻って暮らす人のことで、言うことをきかないわがままな人という意味です。同じように、地縁を大事にする土地柄の人たちは近所の目を気にし、一人だけ違う行動をとることに罪悪感を抱きがち。この男性も、避難を続けるようにという周囲の説得に従えない自分を“邪魔な存在”と感じ、追い詰められていったようです」

 環境の激変そのものがストレスとなり、死を選ぶ人もいる。中下さんによると、あるお年寄りの男性は、温暖な浜通りから、冬には雪が降り積もる内陸の会津地方に避難した。だが慣れない雪に外出しづらくなって家にこもるようになり、酒と睡眠薬を同時に飲むようになった。そしてある日、吐いた物をのどに詰まらせて死亡。「事故死」として処理されたが、中下さんは「自殺」とみる。

 寝る間も惜しみ被災地の自殺防止に奔走する中下さんだが、取材の最後に「でもね……」と言葉を切り、少しためらうように言った。「病気などで亡くなる方に比べ、自殺された方の死に顔は、安らかに見えることが多いんです。眉間(みけん)もきれいに開いていてね。不謹慎かもしれませんが、活動を続ければ続けるほど、自殺が本当に悪いことなのか、分からなくなってくるような気がして……」

 そして、こう続けた。「裏を返せば、(安らかな死に顔は)生きているのが地獄の苦しみだったということ。被災者を支えるセーフティーネットが未整備だったり機能していないために、死ななくてもいいのに死を選ばざるを得ない人がたくさんいる。苦しむ人を孤立させないため、すべきことはまだあるはずです」

 中下さんは今、家族を亡くした人に声をかけ、仮設住宅の集会所などで同じ痛みを抱えた人同士が思いを分かちあう会を開いている。震災後、「絆」の大切さが叫ばれているが、福島で今、起きていることは従来の地縁や血縁に頼るだけでは解決できないと考えるからだ。

 悩み、苦しむ人を救うことは難しい。けれども、隣でうなずくことで、生きる力が回復するのを支えることはできるのかもしれない。

 時に迷い、時に共に涙を流しながら、中下さんは福島で痛みを抱える人の傍らに立ち続けようとしている。

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毎日新聞 2012年3月22日 東京朝刊