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第39節 草津戦

2012-10-25 19:13:52 | ファジアーノ岡山
 プレーオフ進出圏まで勝ち点差3.勝っても周り次第,引き分けなら絶望的,負けたら終わり.しかも負ければ松本に追い抜かれるという状況.

     チアゴ
   川又  関戸
田所 千明  仙石 澤口
 植田  竹田  後藤
     中林

 出場停止のキムに代わりチアゴが久々の先発.攻撃が機能するかどうか大きな不安材料だ.

 この日は試合を見る前から嫌な予感がしていた.そして試合を見ているとその予感が的中する方向に試合が流れる.立ち上がりから草津にペースを握られ,ファジアーノは全くペースをつかめなかった.
 チアゴと川又を同時起用すると問題になるのは守備.それでもこの日はその穴を埋めるようにチーム全体が守備をしていた.それでも試合のペースが掴めない.問題は攻撃にあった.チアゴが入るといつものような攻撃にならない.チアゴが自体が悪いわけでなく彼の高さが目に入ると周囲の選手がどうしても簡単にロングボールを放り込んだり,アーリークロスを入れたりしていつものサッカーを放棄してしまう.
 もちろんこのやり方でもチャンスは生まれる.しかしこれでは攻撃が単調になりやすく相手に対応されやすい.その上相手も「一方的に攻められている」という印象を持ちにくい.しかもポゼッションも高まらないので相手に攻撃される時間も増える.それは今季失点を減らしてきた方法と正反対のやり方だ.実際岡山の攻撃は単発で,ポゼッションしながら攻撃するいつもの戦い方は全くできなかった.

 試合は0-0で展開した.草津が主力3人を欠いており本来のプレーができていなかったからだろう.なのでチアゴがいる間に,この日唯一チャンスになりそうだったセットプレーが狙い目だった.けれど今季のファジアーノはセットプレーから得点が取れていない.チアゴの高さで怖さは増し,惜しい場面も何回か作れたがゴールを奪うのはそう簡単ではなかった.そして流れの中からはほとんどチャンスが作れないままチアゴは交代した.
 チアゴが交代すればいつものサッカーになるかと言えばそんな甘くは無い.そもそもキム不在の穴は誰が入っても簡単に埋められるものではない.バイタルでボールを受けられるのが川又だけで得点を取れるほどJ2は甘くない.

 何とか状況打破できないか?そんなことを思っていると,この大事な試合の,大事な時間帯に岡崎を交代出場させた.これまで彼は期待させるプレーはできていない.そんな彼にあの状況で結果を残せというのは「ファジアーノをJ1で優勝させろ」というくらい難しい話だ.そんな奇跡は起きるはずも無かった.こんな試合で奇跡に頼るような監督っていかがなものか?今季の勝負弱い采配を象徴する交代策だった.

 という0-1の敗戦.極々僅かな可能性はあるが今シーズンは終わったと言っていいだろう.しかし2000人も入らないチームに負けたというのが一番悔しいかもしれない.シーズンを終えるならもう少し派手な場所で終えたかった.というわけで勝手に採点.

チアゴ(5.0)ボールを中々引き出せず
川又(5.5)チャンスは十分にあった
関戸(5.5)ボールに触る位置が低くなりがち
田所(5.5)効果的な攻撃ができなかった
千明(5.5)攻守に顔を出したが決定的ではなかった
仙石(5.0)動きが少なかった
澤口(5.0)良いクロスもあったが守備は押し込まれた
植田(5.5)攻撃は惜しかったが
竹田(5.0)サイドに引っ張られた
後藤(5.0)冷静なプレーだった
中林(6.0)前の連中に「点取れよ!」というような気迫のプレー

上條(4.5)存在感無し
岡崎(4.0)出場していたか分からず
三村(-.-)何もできず
真子,篠原,服部,田中

影山(4.0)
 こういう試合でやってはならない交代.この試合にプレッシャーを最も受けていたのは監督かもしれない.

第38節 東京V戦

2012-10-20 21:38:28 | ファジアーノ岡山
 残り5試合.6位との勝ち点差6.この日負ければ,というかこれから1試合でも負ければ完全に今年は終わり.そういう状況でアウェイでは勝利したが苦手な東京Vとの対戦.6位の彼らに勝ち点3をやってしまえば本当に,本当に終わり.そういう意味で今季最大の山場だろう.

     川又
   キム  関戸
田所 千明  仙石 澤口
 後藤  竹田  篠原
     中林

 こんなときに石原は怪我をし,植田は出場停止.田所が怪我から復帰していなかったらどうなっていただろう?何にしても不安な試合だった.

 試合はイーブンな形で進む.やはり上位は引いて守らないので戦いやすい.相手は個人技に優れたチームだが,そのために攻撃が単発がちで守備ブロックの中に入り込まれることはほとんど無く守りやすい状況だった.
 対する岡山だが,個人的には前3人はこれが現状のベストだと思っているので不安は無かった.そしてその通りのプレーを彼らは披露してくれた.川又が前で体を張り,関戸とキムはその下でボールを持ち時間を作る.キムは前へ推進力を持ち,関戸は前を意識しながら広い展開ができる.そのおかげで仙石の攻撃参加がこの日はよく見られた.相手としては非常に掴みにくい状況だったと思う.
 そして岡山の攻撃のバロメータ,つまりバイタルへの縦パスを千明が繰り出すと,もう一段縦に入れた後,仙石へ戻しサイドを経由して川又のゴールが生まれた.中央を狙う勇気が相手のDFを中央に寄せ,そしてあいたサイドからの攻撃への対応を難しくした.今の岡山の良い形が見事に出た.
 その後も岡山は相手を何度か崩しながら試合をコントロールし,同等にゲームを進めた.

 しかし後半3分.キムが2枚目のイエローで退場.前半からファールの判定が審判と異なっていて言い合っていたようだが,どう見てもイエロー,そもそも1枚めは注意でも良いレベル.このファールだって特に退場させるようなファールでは無かった.この窪田陽輔という糞審判は自分の言うことを聞かない生徒に罰を与える学校の先生になっていた.イエローは自分が偉いことを示すために見せるものでは無い.

 早い時間に10人になったファジアーノ.ただこの糞審判の判定が結果的には良い方に働いた.そこからの40分は守る,とはっきりしたからだ.システムは3-4-2.つまり後ろ2列のバランスは保ったまま,前がサイドをスライドしてボールの出所を押さえるやり方.そしてそこからの守備はこれまで岡山が見せた最高のものだったと思う.個人技主体の東京Vの攻撃は完全に息を潜めた.
 更に幸運なことに東京Vはアレックスを木島に入れ替えたのだ.あの選手は非常に嫌だったし,木島なら逆に退場を狙える.その瞬間勝利を確信した.

 そして田所のゴールが本当に勝利を確信させてくれた.あの時間に10人のチームのWBがあそこまで走りこめて,なおかつぶれずにシュートを決められたのは本当に素晴らしい.

 2-0の快勝.これにより6位とは勝ち点差3の9位.残り4試合.もう一度可能性が高まった.何が起きても不思議では無い状況だ.正直この時期までプレーオフに可能性を残しているとは,少ししか思っていなかった.それでは勝手に採点.

川又(7.0)ゴール前の落ち着きは素晴らしい
キム(4.5)不運だが抑えなければいけない
関戸(6.0)前線で起点を作った
田所(7.5)MOM.チームを勇気付けるプレーだった
千明(6.5)攻守で中盤を支配した
仙石(6.5)前に絡む動きが良かった
澤口(6.0)固い守備だった
後藤(6.5)よく守った
竹田(6.5)DFを上手くコントロールした
篠原(6.0)不安定ながらよく守った
中林(7.0)相変わらず素晴らしい守備

三村(5.5)中途半端だった
上條(5.5)どこかで狙うのかと思っていたが
チアゴ(-.-)やるべきことをよく理解していた
真子,岡崎,大屋,田中

影山(6.0)
 退場時のシステムを選手に任せてうまくいった,というのは監督としてはちょっと寂しい.とは言えどういうやり方でもこの試合に勝たせたことは評価.

天皇杯 名古屋戦

2012-10-17 00:04:09 | ファジアーノ岡山
 番外編として天皇杯.J開幕当初からいるJ1チームと初めて公式戦で対戦することになったこの試合.相手は名古屋.スタメンどころか控えまで顔と名前が一致する.これが歴史があり,J1に20年いるということだろう.相手は岡山にチームがあることすら知らない選手もいるかもしれない.
 ちなみに名古屋は組織的なチームというより個人の力をベースに戦うチーム.結構戦いやすいチームだろう.とにかくこのチームは田中が前に出てきたときに自由にさせないことが鍵だ(それによって出来たスペースを使うことも).とにかく彼はFWよりも怖い.あとの選手は常識的なレベルだ(ケネディや玉田がいれば別だが).とにかくファジアーノとしては今の力がJ1と比べてどの位置かを確認する良い機会だ.
 この試合の先発は次の通り.

     川又
   関戸  石原
服部 千明  仙石 澤口
 植田  竹田  後藤
     中林

 左WBが田所の負傷で代わったこと,キムの疲労を考えて関戸にしたこと以外はベストメンバーだ.

 試合は名古屋が3-4-3を試してきたために岡山が思った以上にペースを握れた.システムの習熟度と適正が岡山の方が上回っていたからだ.名古屋は3バックを最近リーグでも試しているらしいが,正直あのメンバーではしんどいだろう.特にDFのビルドアップ能力が不足している.田中はともかくその他の選手はそれ程でもない.中盤も田口以外はゲームメイクが得意な選手はいない.

 名古屋は戸惑っている上に岡山が前からボールを奪いに行ったことで慌ててしまった.いつものようにロングボールを当てる的も無いので落ち着く場所も無い.更に選手の動きが鈍いため名古屋は昔の3バックのように前後が開いたような形になっていた.
 もし岡山の選手に名古屋の選手に近い質があれば前半で勝負を決めていただろう.しかし岡山の選手は精度を欠き慌てたプレーを繰り返したために,せっかく得たペースを10分を過ぎる頃に名古屋に渡してしまった.そこから一方的になるかと思ったが,前半が終わりに近づくと過剰なリスペクト状態から開放されたのかもう一度ペースを掴み始め,仙石の素晴らしいシュートで先制した.

 せっかくのJ1との対戦なのだから本来の名古屋とやってみたかったな,とHTに思っているとその希望はすぐ果たされた.後半開始から4バックで本来の名古屋を見せてくれたのだ.しかも一番怖い田中がFWに.とにかく彼を徹底的にマークして勝負はそこから.そう思った矢先にキムがミスからボールを失いカウンターから失点.まあJ1チームでも田中が前に来ると失点するんだから仕方ない話だが.
 そこから名古屋は完全に勢いを取り戻し攻守ともJ1チームになった.最も変わったのは判断のスピード.慣れたシステムで非常にスムーズで,判断が速いので他の動きも全て速くなり岡山は後手後手になった.逆転されるのは時間の問題だった.
 ただ逆転されたことより残念なのは2失点目もミス絡みだったことだ.J1チームはミスを許してくれない.植田や後藤,川又,仙石がJ1で通用しなかった理由がよく分かったし,中林も楢崎と比べると安定感に欠けた.

 そのまま終わると思われた試合.しかし相手の足が止まり始めたこともあり,岡山は攻撃する時間をもう一度作れるようになった.崩しどころはイライラしていた金崎だった.「あれを退場させれば…」なんて思ってると彼のイエローカードのリスタートから得たチャンスで関戸がコントロールショット.楢崎も届かない見事なシュートだった.
 あとは金崎を退場させるだけ.という時に岡山で最もJ1経験のある選手がレッドカード.あのタイミングであのプレーを彼が選択したのは本当に信じられなかった.このプレーは彼の引退の引き金になったのかもしれない.

 J1相手に一人少ない状態.ただそこからどちらがいいプレーをしていたかと言えば岡山だった.J1は最後まで走りぬくサッカーをしないのだろうか?いくら技術があっても走れなければJ2以下だ.
 そんなゲームは今村義朗という糞審判が壊してしまった.そこまでも散々不公平なジャッジを繰り返した彼は,とどめとしてPKを岡山に言い渡した.将来日本サッカーが駄目になるとしたら審判が原因になることは間違いない.そしてあんなプレーで倒れたのが名古屋の10番をつけるプレーヤーというのも情けない話だ.輝かしい未来は待っていないだろう.

 という2-3の敗戦.延長で負けるよりはダメージが少なかったと前向きに捉えたい.とは言え石原が負傷し,キムは休めさせられず,服部も植田も次のリーグ戦に出られない.散々な天皇杯となった…,とも言い切れない.名古屋くらいのチームでも,組織が機能してないなら対抗の余地があることは分かったし,スペースが出来れば今の攻撃は十分に通用した.判断のスピードがもう少し上がればJ1は別世界ではない.間違いなく自信にはなったはずだ.
 以前CWCでG大阪がユナイテッドと戦ったあとの天皇杯で別次元の試合をしたことがある.この日の後半に感じたことを同じように残り5試合のリーグ戦に活かして欲しい.それでは勝手に採点.

川又(5.5)ボールキープも苦労した
関戸(6.5)相手に嫌なプレーができた
石原(5.0)精度不足が結果に影響することを痛感して欲しい
服部(1.0)弁解の余地無し
千明(6.0)フィジカル強化の課題が明確に
仙石(6.0)最も落ち着いてプレーできていた
澤口(4.5)運動量でカバーできるレベルではなかった
植田(3.5)軽率なプレーが多かった
竹田(6.0)ギリギリのところで誘い込みながら守れた
後藤(5.0)1対1で振り回された
中林(5.0)判断の悪さが目立った

キム(5.0)ミスパスを連発した
三村(5.0)何ら存在感も無く
チアゴ(-.-)出場時間程度の信頼しかない

影山(5.5)
 中途半端だが現在地は見えた.現状を考えれば十分の出来.

第37節 福岡戦

2012-10-11 19:49:47 | ファジアーノ岡山
 下位2連戦で勝ち点1.それでも周囲がもたついてくれたおかげで,普通なら絶望的な状況なはずが何とかプレーオフ圏内にしがみついている状況.こんなラッキーを活かさない手は無い.是非ともここで勝利して上に喰らいついていきたいところ.
 この日は津山開催.一度は行ってみたいのだが今年も都合がつかず.しかしあそこでJリーグ開催というのは昔は本当に想像すらできなかったこと.ファジアーノができたことの大きさを改めて感じる.

     川又
   キム  石原
田所 千明  仙石 澤口
 植田  竹田  後藤
     中林

 取り敢えず現状のベストメンバー.とは言え福岡の面子を見ると勝てそうな気がしない.何であんなに順位が低いんだろう?既に今季のJ1昇格も無くなったそうだし.

 試合はいきなり動いた.多分ファジアーノであれだけ綺麗にカウンターが決まったことは無いんじゃないだろうか?幸先良いスタートを切り,そのまま試合のペースもつかんだ.ただ残念なのはその後何度もあった決定機を生かせなかったことだ.
 この日の福岡は岡山対策をしてきたわけではなくラインを高く保ち自らのスタイルで押し通してきた.しかも福岡の切り替えは遅くDFと中盤の連携も悪いためにプレッシャーも弱かった.そんな相手だったので岡山にはスペースがかなりあった.だからこそ前半でもっと圧倒できたし,連戦のことも考え後半は省エネサッカーでやり過ごしたかった.贅沢かもしれないが,強いチームとはそういうことができる.

 とは言え前半は完全な岡山ペース.で,気になるのは後半に湘南戦と同じようにならないかということ.そしてその課題はこの日も解決できなかった.攻めるのか,守るのか,引くのか,行くのか,コントロールするのか,畳み掛けるのか.何ともいえない試合を展開していれば,福岡くらいの相手にはやられてしまう.岡山としては全く見所の無い後半だった.

 この日は相手が調子が悪いこともあり勝利を得ることができたが,4-0くらいで勝てそうな試合を2-1でギリギリ勝利.こんな戦い方では体力的な疲弊も大きいだろう.またこれだけオープンな戦いで得点をできなければ,下位チームにスペースを消されてしまうと本当に得点が出来ない状況に陥るだろう.上位には喰らいついてはいるが,あまり希望が持てない残り試合だ.
 この日良かったことと言えば,これまで一度も勝利したこと無かった津山でようやく勝利できたことだ.元々サッカーが盛んな土地だし,湯郷は近いし,作陽もあるし…,という環境なのだが,距離のせいかファジアーノはどうも浸透していない.そういう意味でこの勝利は観戦に来た地元の人に僅かだろうけど興味を持つきっかけを与えられたと思う.サッカー観戦の面白さを伝えるためにネクストの試合は県北を回ってみるのもいいと思うのだが.津山,美作,高梁,と.なでしこと親子ゲームとか.
 それでは勝手に採点.

川又(7.0)MOM.ゴールするだけだが,それが全て
キム(5.0)2点取れた.ちょっとらしくない出来.
石原(6.0)この試合で決めないでいつ決める?
田所(6.5)怪我が心配
千明(6.0)失点時はちょっと判断をミスした
仙石(6.0)特に目立たず
澤口(6.0)悪くは無いが目立ったプレーも無く
植田(5.5)失点時の軽いプレーは課題
竹田(5.5)ギリギリ守れたが
後藤(5.5)前に出て裏を突かれることが多すぎる
中林(6.0)当たり前にいつものプレー

関戸(5.5)状況打破をしようとしたが,大きくは変えられず
上條(5.0)もってない,というのがぴったり
篠原(-.-)
真子,服部,田中,三村

影山(6.0)
 後半何ら立て直しできずズルズルと,一歩間違えれば逆転負け.試合中の対応力に関して大きな課題がある.

第36節 富山戦

2012-10-05 22:34:11 | ファジアーノ岡山
 台風が直撃しようかという中での強行開催.すぐそばの松本は中止だというのに.悪天候の方が偶発的な得点で勝ち点を奪える可能性も高いという富山の意図があったかもしれない.とは言え岡山だってプレーオフ圏内ギリギリの勝負だ.「絶対に泣けられない試合」と監督が言っていたが,「ぜったに勝たないといけない試合」だと思う.

     川又
   キム  上條
田所 千明  仙石 田中
 植田  竹田  後藤
     中林

 先発は少しいじってきた.特に田中がJ初先発.どういう選手か期待したいところ.

 立ち上がりは富山が非常に動きが悪く「そりゃこの成績になるわ」と納得するほどだった.しかしその時間に岡山が効果的なプレーができなかったことに加え,強風の風下ということでパスがうまく繋がらなかったことから,徐々に富山がペースを握るようになった.

 それ以降の岡山のプレーはちょっと精彩を欠いた.玉際で負ける場面が増え,また勝利へのプレッシャーからか攻め急いで相手にボールを渡してしまう場面が何度も見えた.そうやってリズムを失う中,仙石は環境に対応したプレーが苦手なのかいつまでも風を読めないままパスミスを続けた.また田中は(ちょっとかわいそうな状況でのデビューだったが)プレーに安定感が無く周囲の選手が安心してプレーできなかった.期待された攻撃もいまいちだった.そういった個のプレーの悪さもチームの足を引っ張った.

 前半は中林と相手の決定力の無さのおかげで失点せずに終えられた.ただあの中林でさえ風の影響で単なるミドルシュートを恐々止めるほどの状況だったことを考えれば,風上になる後半は積極的にミドルシュートを打てば,普通のキーパーが相手ならいつかゴールは決まるだろう,とも思った.
 後半立ち上がりは予定通り岡山のペースで試合が進むかに思えた.しかしチャンスを決め切れない中で中途半端な攻撃を繰り返し,相手にカウンターを浴びるようになっていた.

 そんなタイミングで選手交代.そして直後に石原がゴール.悪天候の時は枠に飛ばせば何か起きる,という典型的な例だった.シュート意識の低かったチームに渇を入れるようなゴールだった.
 これで焦った相手は風雨の中でミスも増えるし,上手く時間を使いながら試合を進めれば…,と思っている最中に失点.試合中殆どペースを与えていない中,気をつけるのはカウンターとセットプレーのみで良かったのだが.しかも得点直後の最悪の時間.どうやったらこの悪癖を治せるのだろうか?

 引き分けるべくして引き分けた.そんな試合.負けに等しい結果だ.「この時期は下位チームも必死」なんて言い訳をするかもしれないが,プレーオフを狙っているチームだって必死なはずだ.シーズン終了時にこの時期の下位チームとの連戦で失った勝ち点5の意味が分かるだろう.その失ったものの大きさは今想像している以上だと思う.そして気づかされるだろう.プレーオフ進出を自分たちが本気で信じきれていなかったことを.残留争いほどの切羽詰った必死さが無かったということを.そうじゃないとこの2戦の情けない試合は説明ができない.

 ここから一歩踏み出せれば本当の意味で強いチームになれるのだが,その一歩は乗り越えるのが非常に難しいものだ.多くのチームが足踏みしている.ファジアーノはどっちになるか?それでは勝手に採点.

川又(5.0)積極性が不足していた
キム(5.0)プレーが雑でチャンスを失っていた
上條(4.0)ほとんどの時間で消えていた.
田所(6.0)厳しい環境でよく戦った
千明(5.5)悪いピッチで上手い守備だった
仙石(4.5)パスミスを繰り返して停滞させた
田中(5.0)3年前なら戦力だった
植田(5.5)大きな崩れも無く
竹田(5.5)マークがルーズだった
後藤(5.0)安易に飛び出し裏を突かれた
中林(6.0)失点の場面以外は良く守った

石原(6.5)シュートしたことに価値がある
関戸(6.0)流れを再び戻した
篠原(-.-)時間短すぎ
真子,服部,澤口,大屋

影山(5.0)
 久しぶりに的中した采配も,3枚目の交代の遅さで帳消し.価値にこだわる采配でなく「絶対に負けられない」采配.これで上を目指すのは厳しい.