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ACLノックアウトラウンド第2戦

2007-09-27 23:41:59 | Sports:football
 まずは浦和.

 アウェイだが浦和のサポータの方が多い.声も大きい.このサポータは浦和の一番の戦力というのは間違いない.試合はいきなり相手のミスからの得点で動く.これで浦和は一気に有利になった.当然不利になった相手は目の色を変える.しかしこの国はなぜか「ラフプレー」という方向にその力がはたらく.
 試合は一気に荒れだし相手の4番は前半20分までに間違いなく退場していなければならないプレーをしていた(しかしカードさえ出ず).しかし別の選手が抗議とシミュレーションで退場.彼らのプレーは十分に甘く判定されたいたにも関わらず不満を言う彼らの精神構造は異常である.
 そこからは今度は2番の選手がラフプレーが酷くなる.彼もサッカーであれば前半のうちに退場しているはずだった.それでも退場しない.ホームということを加味しても相当甘い判定だった.

 相手のプレーに見所は一つとしてなかった.サッカーをしていないのだから当然だ.彼らはルールの無い単なる球蹴りを公の場で行っていた.公の場で恥をさらしていた.日本のチームがあんなプレーをすると「日本の恥さらし」と罵倒されるだろう.そんなプレーだった.
 後半そんな相手に天罰が下る.相手4番の見事なオウンゴール.このときばかりは神様ってちゃんと見てるんだ,と思った.彼はあのオウンゴールを恥じるよりこの試合を通してやったラフプレーを恥じるべきなのだが.

 結局0-2で浦和の勝利.内容を含めて実力差をみせた.試合終了後,彼らは更に審判に抗議しレッドカードを貰い中指を立てる.無様でクレイジーだ.あれだけ有利な判定をしてもらっても(多くの警告は見逃されている)まだ不満なようだ.どれだけ普段から有利な判定をしてもらっているのか恐ろしくなるほどだった.
 こんなチームが昨年のCWCに出ていたなんて….アジアの恥だ.同類に思われたくない.世界中からリスペクトされないといわれているこの国.少なくともこのチームは世界中のどのチームからもリスペクトされない試合をした.今年このチームを勝たせなかった浦和はCWCの優勝を与えてもいいかもしれない.
 ちなみに浦和は次もお隣のチーム.できたら次はサッカーの出来るチームであることを願う.


 次に川崎.

 試合は川崎ペース.その殆どは川崎に主導権があり,相手はカウンター一発を狙う.川崎はやはり得意のカウンターに持ち込む場面が少なく,ポゼッションからの攻撃は前の個人技がうまく繋がったときに機能した.相手のレベルがそれ程高くないためにそれでも攻撃の機会はかなり多かった.

 しかし得点が決められない.相手は常時4バックを後ろに待機させガチガチに守る.あれだけ人がいるとシュートもわずかに精度が落ち,そこにGKの好セーブが続けば中々点も入らない.そういう意味でドフリーだった箕輪のヘディングは決めなければならないものだった.そこが川崎の足りなかった部分だろう.
 対する川崎も1トップに3バックを崩さず守る.だから数的優位を作れなかったのかもしれない.そこも川崎の実力だったのだろう.4バックにしても守りきれる力がACLレベルだと必要になるということを示していると思う.
 とにかくこの試合は浦和戦の試合より相当クリーンで(それでもラフだったが)試合時間も短く感じる楽しいものだった.悲しいかなPKというくじ引きに負けてしまったが.極めて勝利に近い敗戦.とてもいい経験だろう.特に谷口にはこれがいいきっかけになるかもしれない.


 という2試合を見て思ったのは,日本のリーグのレベルはアジアレベルでは十分に高いということ.ベスト8レベルでは両チームが相手に試合を支配されることは無かった.リーグがこの大会へ力を入れればこの程度の結果は出せたのだろう.本当は昨年この程度の結果を残さなければならなかったのだが,G大阪は勝つサッカーをしなかったのでしかたない.もう1チームは論外.
 こういう大会ではある程度割り切った戦いをしなければならないのだろう.その大会のレベルを超越したチームのみが魅せるサッカーができる.日本のチームは実力はあるがそんな試合が出来るほどではない.そういう試合で勝ち抜けるほどのレベルになったとき,ようやく年末のCWCが楽しみになるのだろう.

 川崎の選手のコメントが印象的だった.「こんな楽しい大会ならまた出たい」.どちらのチームのファンでも無いが見ているほうも楽しかった.代表の親善試合より興奮する.近い将来の成功は間違いないだろう.ただサッカーをするチームだけで大会は行いたいものだ.サッカーの大会なのだから.

第26節

2007-09-25 23:09:06 | Sports:football
 まずは神戸と名古屋.

 5連敗中の神戸は大久保をFWに上げ,左に古賀,右に栗原を入れてきた.結果を見ても分かるがこの采配は的中した.神戸はボッティが中心とはいえ大久保の出来が勝敗を大きく左右するシステムだった.MFのポジションでは攻守に貢献しながらフィニッシュにまで顔を出す.中盤でボールキープをしゴール前では高い決定力を見せる.
 その彼が加地や今野のように運動量豊富であればよいが,流石にそこまで万能では無い.特にこの暑い時期には後半の運動量低下は顕著だった.彼が中心がゆえチーム全体のパフォーマンスに影響した.更に言えば当然相手チームも分析してきているのだから今回の連敗は必然だったのだろう.
 大久保をFWへ戻す今回の采配.どちらかといえば1.5列目の選手なので4-4-1-1に近い形で攻撃を中心に動けるようになった.レアンドロのような動くFWと彼のような1.5列目から出てくるタイプが揃うのは非常に強力だ.そこに栗原のように前へ向かうタイプと左サイドのパサーというかクロスの得意な古賀.いろいろなパターンが想像できる.そして中盤の底にはボッティ.相手としては非常にやりにくかっただろう.

 対する名古屋は….一体このチームは何なんだ?と思うくらい酷い出来.運動量はなく中盤はガラガラ.攻撃の意図は見られず.ここまで半年以上戦ってきたチームとは思えない動き.よくこれで鹿島に勝ったもんだ.やはりヨンセン中心の戦術が崩れた今,若いチームが安定した結果は難しいのかもしれない.

 そんな名古屋に対して神戸が負けるようであれば神戸は本当に重症だった.しかしこの日は5-0で快勝.十分な結果だった.一桁順位が今季の目標か.対する名古屋はまた別のチームのような試合をするだろうから全く予想できない.中位に落ち着くという以外にチームカラーを明確にしていく努力が必要だろう.所属する選手に合わせるチームというのがチームカラーなのかもしれない.


 次に横浜と浦和.

 試合内容は横浜.しかし勝負は浦和.これが浦和の強さだ.前半終了後の早野のコメントが全てだった.「内容はいいが点が取れなければいっしょ」.この日浦和は疲労困憊だった.前の3人と後ろの7人の間は極端に開き,守備は5バック.現代サッカーからは程遠い.いくら守備的でももっとコンパクトにまとめたブロックでプレッシングするのだが,この日は弱小チームの引きこもりと大差ないもの.疲れているにしろちょっと目指すものが低いように感じる.

 何度も書いているが,それで勝ててしまうのが今のJリーグのレベル.勝てるのだからその戦い方を止める必要も無い.彼らのやっていることは正論だ.まるで中東チーム.それと今の日本がどっちが強いか?というのはアジアカップで結果が出た.つまりJリーグももう一つ殻を破る必要があることを示しているのだろう.浦和が首位争いに加われなくなれば,日本のサッカーは次の段階へ進む.いい指標だ.ただ世界はその先だが.

 本当に試合内容に触れる部分は殆ど無かった.そもそも前半で飽きてしまったし結果も予想がついた.後半得点が入って見る気は失せた.山瀬がいればもうちょっと変わったかもしれないが.


 次に磐田とG大阪.

 G大阪は前日に浦和が勝った以上負けられない戦い.前節よりは動きが戻りチームに躍動感が出た.しかし攻撃が単調だった.中盤でボールをまわしサイドにボールを送ると浅い位置からクロス.それ自体は悪くないがそればかりなのが悪い.攻撃のテンポが一定.中央突破は全く見られないし,そもそもテンポアップできないから突破に持ち込めない.同じテンポばかりで見ていてもリプレーかのようだった.3バックになりカウンターサッカーになった磐田の餌食になるのを待つだけだった.

 前半にG大阪は失点した後,後半に建て直しが必要だった.そこで入れたのが寺田.そろそろ批判させてもらうが,彼は攻撃的なポジションなのに下がってボールを貰い横パス,バックパス.引いてきてスペースへ飛び出すわけでもない.前へドリブルし変化をつけるわけでも無く,スペースへ飛び出すわけでも無い.ゴール前で位置取りが良いわけでも無いし,スペースを作る動きをしているわけでも無い.ボールから離れるような動きばかりだ.一体何が特徴?なぜ西野は彼を好むのか?
 そして寺田が後ろに下がる分,遠藤が前に上がるが,その代わりに守るわけでも無い.そのためチームは不安定な状態に.当然のようにチームは何も活性化されず,それどころか停滞感を増すばかりだった.
 そしてその次に入れたのが倉田.期待しているがナビスコ以外で効果的な動きはまだ出来ていない.プロで同じ繰り返しでは監督が変わってしまうと使ってもらえないだろう.
 そして最後に家長.あの時間に入って仕事の出来る選手で無いのは明らか.最近の家長は特に切れが無い.判断の悪い場面が目立つ.

 チーム戦術に依存しすぎた部分と,これまでの選手交代が固定的だったために起こった選手層の薄さ(実質薄くは無い)という二つの要因が引き起こした引き分け,いや実質負け試合だ.最後のPKどうこう言う以前の話だろう.チームの組織疲弊は限界まで達し,そのためにこれまでの采配の問題点が顕在化したのだろう.
 一人のけが人のためにチーム力が落ちるというのは,チームとして本当の力がついていない証拠だろう.パスゲームからゴールへ向かっての崩し方なら甲府の方が上ではないか?G大阪は蹴鞠だ.

 対戦した磐田だが正直良いとはいえない状態だった.内容は全く磐田らしくない.ただいまはあの汗かき監督が辞めてチームを立て直す時期だからこのような勝利優先の戦術は必要かもしれない.けれど磐田というチームのアイデンティティをもっと大事にしないとこの先もっと厳しい戦いに吸い込まれるように思う.将来が見えないチームに選手は集まらないのだから.

スパ

2007-09-24 22:03:39 | Motor
 復活したベルギーGP.

 このスパ・フランコルシャンはF1の中で最も好きなコースの1つだ.雰囲気だけで十分楽しめる.バスストップシケインが普通のシケインになったのは残念だが.

 レースの見所はワークスホンダがアグリホンダに抜かれる場面か?このコースは追い抜きが多く見られ,レース自体も楽しめる.

 この日思ったのは,F1で感想を書くのは難しいということ.なぜかというとF1というスポーツは他のスポーツと比べて結果の比重が極めて高いということ.どんな内容で走ろうと順位が前の方であればいい.それはお金が非常に重要な競技だからだ.
 こういう状態は極めて不健全だ.ファンを無視してお金にばかり目を向けているのだから.

 まぁ日本人は結果を出しても認めてもらえないというひどい状態だが.


 次は日本.しかし富士.色々な期待と不安がよぎる.

ACLノックアウトラウンド第1戦

2007-09-21 00:37:08 | Sports:football
 まずは川崎.

 試合はイランというアウェイにもかかわらず日本からサポータが駆けつけていたのには正直驚いた.大体イランなんて観光じゃまず行かない国だろうし.選手はサポータに感謝だろう.

 試合はJではそれ程ポゼッションするタイプで無い川崎がアウェイにも関わらずポゼッションするような形.やはり日本は国際レベルで見れば,その程度はあるが全体的にポゼッションサッカーなのだろう.ただその分川崎はいつものようなカウンターからのスピードにのったカウンターという形が出せず多少苦労しているように見えた.しかし試合の大半は川崎ペース.相手はスピードを生かした一発の攻撃を狙うのみだった.

 試合は結局0-0.これもA代表と同じく決定力不足というところに落ち着くのかもしれないが,A代表ほど相手を崩せなかったわけではなく,結局は最後のシュートの精度が不足していただけだった.まぁこれは十分言い訳のきく戦いだった.なんせ場所はイランでしかも1600mの高地.足元が多少精度が落ちるのは仕方ないだろう.あのジュニーニョでさえいつもでは考えられないミスをしていたのだから.ちょっとチョンは外し過ぎたが.


 次に浦和.

 相手は前回覇者のお隣の国のチーム.しかしそのサッカーは王者とは言うに全くふさわしくないサッカー.正直今年Jリーグでここまで浦和が自在にパスを回せたことがあっただろうか?なぜそんなプレーができたかというと相手が引いてきた上に全くプレスもしないようなサッカーをしてきたからだ.J2の引いてくるチームの方がもうちょっとまともな勝負ができるんじゃないの?と思うくらいだった.

 前半相手は彼らの特徴でもあるラフプレーを見せる.チームが機能しないからそれしかできないのだが.ただむやみにスライディングに行ったために簡単に交わされ失点の起点を作った.これまではああいうプレーでごまかしていたのだろうが,そろそろそんな小手先では厳しくなってきたのか?

 ただ浦和もそんな相手に前半1点しか取れず.正直前半で3-0とかで勝負を決めておかなければいけない試合だった.後半に1点追加したものの後半は相手ペースになる.浦和もあれほど動く試合ってのはリーグでやっていないし,当然リーグ戦の疲労もある.足が止まる.
 相手は前線の助っ人FWの力頼みだが,それにやられ2-1で試合終了.無駄な失点と最小得点差は次の試合の心理状況にも影響を与えるだろう.見るほうとしては緊張感が増えて面白くなったが.

第25節

2007-09-20 22:54:09 | Sports:football
 まずは広島と浦和.

 失点の多い広島だがこの日は浦和の代表勢がコンディションが悪いことが予想され,うまく噛み合えばいい試合が望めると思った.試合が始まってみると広島は守備がルーズ.失点が多いのもうなずける.
 そこにどうもこの日の戸田がどうも集中していない.いきなりヘディングをミスしたかと思うと相手への寄せも遅い.田中は前を向くと強いのに….と思うと見事なミドル.そりゃしゃーないという失点.広島は先に掴んだチャンスを生かしておけば少しは芽があったのだが.

 守備の強い浦和が先取点を取ればどうなるかは簡単.守られる.きっちりと.そんな時にミスして相手に2点もあげればどうしようもない.しかし補強したストヤノフから2点も取られてたんじゃ….連携ミスでもないし.
 浦和は必要最低限の攻撃にも関わらず4点.まぁこういう勝ち方のできるチームは楽だ.面白いかどうかは別にして.負けるよりよっぽどいい.


 でG大阪と横浜M.

 G大阪は中断前に流れが良くなっていたからこの中断は余計だった.また代表勢が疲弊して悪い流れになりそうだったからだ.そしてこの日.台風のせいだろうがやたら蒸し暑い.悪い予感は的中しそうだった.
 そして試合開始.先発はいつもの面子だが立ち上がりを見た瞬間に「選手変えろよ」と思わされた.遠藤はやや落ちる.橋本は体調が悪いらしい.加地は全く機能していない.代表以外も悪い.二川が走れていない.どうも怪我明けらしい.

 それでも控え選手は監督の視界に入らないらしい.

 試合は完全に横浜Mペース.理由は簡単.動けているから.対するG大阪はボールをもらうのも立ち止まったまま.FW二人はともかく中盤がダラダラ.そして加地なんてボールに何回触った?という動き.万博にいたお客は早く家に帰ったほうがマシだった.

 それでも0-0で折り返したので,後半頭から選手を代えて一気にペースを奪い返すか?と思っていたが,驚きは全く選手を変えなかったこと.あの前半をOKとしたのだろうか?少なくとも橋本か二川に代えて家長を投入すると思っていたので唖然とした(結局彼が投入されたのは60分を過ぎて2失点した後だった).
 本当ならばそれだけでなく,加地も代えるべきだったがあのポジションに代わりはいないから仕方無いのだが.

 横浜Mは前半の運動量が響いて後半わずかにペースが落ち,G大阪はペースをつかみ始めた.しかし決め切れなかったのは最後のところで献身的な動きができなかったからだ.止まったままじゃボールは取れない.いくら有名選手でもパフォーマンスが落ちれば,J2,JFLレベルにだってなる.特にG大阪のようなチームは運動量が落ちると一気にチーム力も落ちる.
 そしてこの日は更に山口をはじめとしたDFラインの集中力も低かった.パス回しもルーズだし,更には失点シーンなんて無様なものだった.あぁいうFWに弱いというのはシーズン前から言われていたが,見事にそれが実現した2失点だった.


 この敗戦は臆病な監督の盲目な信頼が招いた敗戦だろう.G大阪は家長というA代表にさえ呼ばれる控えに倉田という面白い若手もベンチにいる.彼らを使うことなく信頼しない監督により,G大阪は選手の質に比例して選手層が厚くならない.監督がそのあたりを考え直さない限り,長丁場のリーグ戦を制覇するのは不可能だろう.
 信頼する主力にのみ頼る戦い.監督としては最も簡単な方法だ.そんな監督がかつて代表を率いていた気がする.同類になりたいのだろうか?


 と関西目線で書いたが,本当は試合を通して献身的に動く横浜の選手を誉めるようなことを書くべきだった.今年の横浜にはG大阪が負けるのは内容からしても不思議ではない出来事だし.

女子W杯 ドイツ戦

2007-09-18 22:18:12 | Sports:football
 決勝トーナメントを賭ける戦い.しかし相手は前回王者だった.

 この日の日本は1トップとし中盤を厚くした.それが功を奏したのかそれとも芝が良かったのか分からないが,まるで男子代表のようなテンポの良いパス回しができた.多分この大会で最も自分たちのプレーができたゲームではなかっただろうか?ただ悲しいことに観衆はいつかのアジアカップを思い出させる知性の低いもの.この国に何かを求めるのが間違っているのかもしれない.もっと悲しいことに女子の2大大会のもう一つも来年この国で行われる,ということだ.

 話が逸れた.試合は前半0-1で終える.実力差を考えれば十分なもの.1点しか取られなかったというべきか?後半は2トップにしたが,荒川を入れて宮間を下げるという賭けに出た.結果論かもしれないが,宮間を下げることで中盤の支配力,攻撃力は一気に下がる.荒川を生かすためにもいくら疲れていたからとはいえ残すべきだったと思う.
 では誰を交代?できないことを分かって書くが,それは澤だったのではないか?この3戦を見て彼女が攻撃を支配する姿も決定的な場面を作る姿もゴールへ向かう姿も殆ど見られなかった.特に3戦目は後半は疲れて動きがかなり鈍っていた.それはマークが厳しかったからかもしれない.年齢だけで考えるなら当然の決断だろうし.

 そして後半投入した切り札はすぐに使えなくなり完全な手詰まり状態で試合を進めるのみだった.こればかりはどうしようもない.層の薄さとしかいいようがないだろう.


 結局0-2での敗戦となったが,この日の戦いぶりは可能性を感じさせられた.しかし感じられなかった部分もある.この日苦しんだのは「ボールをペナルティエリア内に運ぶ」というゴールを奪うための手段の乏しさだった.その殆どがアーリークロス.フィールドプレーヤーの最高身長が167cmの日本がそこでボールを保持する姿は想像できなかった.
 中盤でのパス回しはできても,ペナルティエリア付近では全くパス回しができない.だから仕方なかったのだろうが,だからこそもっと別の手段が必要だった.ここはチームの意思でできるところなので五輪に向けて改善してもらいたい.

 そして最も大きな課題はフィジカルだ.スピード,強さはまだしも体格差は絶望的にさせられるものだった.一体彼女たちにこれ以上どうしろ?と思わせる体格差.中学生と大人の差だ.多分あと10年は時間がかかるだろう.今の彼女たちにできるのはその10年後の土台を作ること,つまり女子サッカーにどれだけ多くの才能ある子供を振り向かせるか?ということだろう.バスケのように高くなくてもいい.170cmの選手が数人集まるくらいになれば.

 気の遠くなる話だ.そんな厳しい現実を認識させられた世界大会だった

視察

2007-09-17 14:02:25 | ファジアーノ岡山
 ちょっと古い話だが,天皇杯予選の兵庫県決勝を見た.

 カードはバンディオンセ神戸と関西学院大学.バンディオンセは地域リーグ決勝大会でファジアーノが対戦する可能性のあるチーム.どの程度の実力かを確認したかった.
 元ガンバの森岡,元千葉のオシムチルドレンがいたり.それだけで強敵かな?と思ってしまう.対する関学はあの元代表監督が監督をしている.意外に強かったりするのか?と思って観戦した.

 試合は関学ペース.関学の運動量が多くバンディオンセは攻撃を組み立てられない.パス回しが特徴というがその気配も見られない.質の低いロングボールでの攻撃が目立った.関学は9番がいいプレーヤーだった.
 しかしバンディオンセが得点!!!と思ったらノーゴール判定.明らかな誤審.これが決まっていたらこの試合は一方的だったかもしれない.試合はそのまま後半へ.
 後半は少しずつ関学が運動量が落ちだす.そしてそのままバンディオンセにペースが移りそのまま勝利.

 という試合だったが,印象としては「圧倒的に強くは無い」というもの.喜山のような特別なプレーヤーも見当たらなかった(何番か忘れたが後半から入ったプレーヤーが良かった).ただ関学もいいチーム思うような試合ができなかったのだろう.
 正直なところ彼らと同時に昇格ってのが一番いい.近所で試合見れるから.今関西って京都くらいしかないから結局岡山まで帰らなければならないし.まぁ何にしてもまずはファジアーノが上がらないとね.


 しかし決勝戦はローカルTV中継.去年は天皇杯2回戦くらいからBSか地上波で放映されていた.やっぱ羨ましいなと感じた.強いチームと戦いそのスピードに慣れられるというのも大きい.ファジアーノの普段の対戦相手は有名でもない高校生にホームでボロ負けしてるし….強豪チームとの力の差を測る試合が無いので不安は増すばかりだ.

女子W杯アルゼンチン戦

2007-09-15 03:54:36 | Sports:football
 もし男子なら負け覚悟の試合.しかし女子ではボーナスステージらしい.

 今後のことも考え大量得点が欲しいとのことだが日本は荒川がいない.そして中2日ということで明らかに運動量が少ない.正直チームとして機能していない.中盤の全く無いサッカー.まぁ前半に安藤が決めていればかなり楽になったゲームだとは思うが.

 結局0-0で後半もロスタイム直前.大量得点は夢となった状況でようやく相手のGKのファンブルから得点.勝ち点3は結果としてよかったが得失点でかなり厳しい状況になった.
 確かにこの日のアルゼンチンはお世辞にもレベルが高い相手とは言えなかった.ボール扱いもさほどうまくないし,チームとしてもそこまで機能しているようには見えない.ということはそれは日本のチーム状況の悪さを示しているのだろう.次戦は前回覇者のドイツ.まぁこの調子で行けば勝てないだろう.


 ちょっと話題は逸れて.湯郷の監督がS級ライセンスを女性として初めて獲得したとのこと.湯郷のチーム立ち上げからここまでの功労者である彼女のライセンス獲得はまた岡山のサッカーへの注目を更に高めるものとなるだろう.この女子W杯での湯郷勢の活躍といい,女子サッカーの熱い力を男子へも反映したいものだ.

U-22 カタール戦

2007-09-14 03:38:21 | Sports:football
 H&Aで戦う最終予選の折り返し.

 スタメンは予想と違ったのは左に安田が入らなかったこと.後は予想通り.前戦のメンバーが基本だった.システムは4-2-3-1.トップの森嶋の下に水野,家長,柏木が並び流動的に攻撃を組み立てる.相手は思ったほど強く無い.FWがお隣の国に怪我させられたそうだが(自業自得だ),それにしても強く無い.ただしスピードはあり中東の国らしいサッカーをする.ただ相手の左SBはちょっと中東の変化を感じさせられる面白い選手だった.

 試合は開始直後から日本のペースで,その勢いで得点した.セットプレーというのは気に食わないがこれだけ早い時間に得点を取れたのは好材料だ.しかしこのチームがこの時間に点を取るということはこれ以降引きこもってしまう可能性を高くする.実際にそうだった.リスクを犯さないどころか必要以上に安全なサッカーをしていた.しかし前半は相手も引いていたのでそれでも何とかなった.
 しかし後半立ち上がり早々から相手が前からボールを奪いに来た.一気に形勢は逆転され日本は単発での攻撃しかできなくなった.当然の成り行きだろう.監督はこうなる可能性をハーフタイムに指示しなかったのか?SBについてはコメントしていたが,それにどう対応しよう,という話は無かった.
 梶山が抜けバランスを崩してもう主導権は期待できなかったが,そこで一人退場.もう勝ち点3を取ることに割り切るべきだったのだが,意味なくリスクを犯す部分もあったり,チームの意識統一に不安な面があった.正直同点,いや逆転されてもおかしくない内容で勝ち点3を取ったのは非常に大きな成果だろう.

 いつも課題になるこのチームの攻撃だが,この日は得点まではかなり良かった.それは森嶋の献身的な動きと柏木の相手を混乱させる運動量と広い視野からのパス,キレキレの家長によるドリブル突破.これらが少し噛み合った上,左サイドに錘がいなかったのでパスもよく回った.これまでと比べて可能性は見えてきたのでは?と思わせる戦いぶりだった.
 課題はチャンスでの判断ミスだろう.敢えて難しい選択をするべきでない場面で難しい選択をしてボールを奪われる.特に後半の疲れが出てきた場面ではそれは致命的な判断ミスだった.まぁ家長と柏木のことだが.彼らがもっとうまくコントロールできていればこの試合はもっと楽に勝てただろう.

 とにかく森嶋,家長,柏木が入って以降,攻撃にはアクセントができ可能性も見え始めた.五輪で戦えるレベルではないがここに森本が加わった姿を見てみたいので,ぜひとも出場権を獲得して欲しい.

 では勝手に採点.

森嶋(6.5)得点してたら最高だった.早く得点したい.
家長(6.0)ドリブルはシュートに行くために使って欲しい.パスはまだまだ.
柏木(6.0)普通のパスでいい.動きはさすが.
水野(5.5)セットプレーだけ.壁が見える.
梶山(6.0)得点したんで.
本田(4.5)退場は….
伊野波(5.0)SBというよりCBだった.
水本(6.0)守備の強さは流石.でも攻撃参加が持ち味のように思っているんだけど.
青山(6.0)高さ強さは流石.足元も結構使える.
山本(6.5)1点防いだので.どうしても山岸に見えてしまう.

青山(5.5)この間よりだいぶマシ.けど良くは無い.
小林(5.0)どこで何をしたいかよく分かっていない感じだった.
李(-.-)

反町(5.0)
 やりたいサッカーは分からないが,メンバー選びはマシになった.この日の最後に平山を選択しなかったのも○.ハーフタイムに修正できなかったのが×.

対スイス

2007-09-14 00:27:13 | Sports:football(A代表)
 スイスは自国開催EUROを目指し,ドイツW杯前から本格的に強化を進めている.

 つまりW杯は練習で本番が来年.その練習の舞台でも無失点でベスト16という非常に良い成績を残した強豪.この日日本はどう立ち向かうか?予想先発メンバーは巻,松井,中村,遠藤,稲本,鈴木,駒野,田中,中澤,加地,川口の4-3-3.練習では鈴木を外したらしいが,流石に外さないだろう.オシムの練習はいつも次の試合に向けてというよりもっと先を見ているように思う.つまり鈴木のパフォーマンスにも不満があり,近い将来を見たオプションを探しているのだろう.

 ここまでが試合前に書いたもの.

 実際はどうか?先発予想は大当たり.ただこれは単なる予想でこの先発に期待をしているわけでない.巻がFWに入ることでFWによる一人での突破は捨てなければならないし,足でのシュートも期待できない.期待はヘディングだけ.だから前田が欲しかったのだが.そしてそのトップの下に遠藤.1.5列めからの飛び出しに多くは期待できないし,FW的な動きなどもっての他.日本選手がゴール前に少なくなることは予想ができる.
 実際試合は巻と松井の1トップ1シャドーのような形.どちらかがサイドに開けばゴール前はガラガラになる.こういうときに大久保や山瀬のようなタイプが生きてくる.中村と遠藤では中盤でパス回しを楽しむことが優先される.

 試合は立ち上がりから日本のプレスは全く意味を成さない.相手の組織的な攻撃に見事に崩される.CBの間をうまく突くFW.中盤のプレスを無効化するオフザボールの動き.日本が見習う点が多かった.すぐに負けを意識させられるような状況だった.
 オーストリー戦から非常に問題になっていたビルドアップも見事にこの日も問題に.パス能力の低い鈴木を狙われ,そこから前へのボールは殆ど出ず.中村が言うように田中に下げて前に出してもらうばかり.その戻しのパスもプレスが厳しいと精度が落ちる.スペースの無い中盤へはDFラインからパスは出せず,田中はロングパスしかできなかった.悲しいことにその田中のパスの精度も決して高いものではなかった.

 そして日本の特徴である立て続けの失点.セットプレーからとはいえ,相手に完全に支配された中での失点は日本に大きなダメージになると思われた.しかしこの2失点が日本に良い方にはたらくことになった.2失点後から相手が緩めたのか,日本が開き直ったのか分からないが,ようやくチームに動きが見え出した.まず松井が走る.そして鈴木と田中がポジションを動かしながらビルドアップに余裕を作る.遠藤も前へ走る.少しずつポゼッションが上がりだした.

 後半は相手が左SBを交代.これがこの日の勝負を決めたといっていいだろう.日本の両SBは世界と比べて最も落ちる部分になる.そのSBがプレッシャーから開放されたのだ.この余裕が日本の攻撃を機能させた.アジアカップで問題となった個人での勝負を,そこにいなかった松井が仕掛けPK.アジア大会からの呪縛をようやく解き放った.
 そして巻のヘディングとPK奪取へと繋がる.この間にリスクを犯し攻め上がった田中を褒めるべきだろう.何もできないまま負けるより,少しの可能性に懸けて何でもやる.最近の日本代表が忘れていてスピリットがようやく見られた.彼が最も昔の日本人らしいのかもしれない.自分たちの持ち味を出し切って負けたら仕方ない.そんなくだらない精神で全力を出し切らない戦いより余程共感できる.

 終盤になり選手交代が当然ある.当たりが少ないイビチャの交代だが,この日もいきなり外れた.山岸の軽率なヘディングでCKを与え,矢野のマークミスで同点に.山岸はCKをゲットし逆転の起点にこそなったが,それ以外のミスがあまりに目立った.物理的なもの,判断ともに.ようやく最後のカウンターで仕事ができた.あの時もボールが彼に渡った瞬間に駄目だと思わされたくらいだったが.
 一応得点に絡んだが,あのポジションが彼である必要性は未だに見当たらない.交代で出す選手ならもっと魅力のある選手がいるだろう.競争が厳しいと監督が言うポジションながら,彼のプレーを見るとそう思えなかった.


 という結果だが,勝ったことには意味がある.しかし相手が選手を試していた後半にしか得点できなかったのはやはり課題だ.無失点で前半流れを変えられていれば十分に合格点だろうが.何にせよチームが上向いてきている気配を感じられたのは良かった.課題は高原の代わりのFWと両SBか.

 では勝手に採点.

巻(6.5)実質2点.攻撃時の動きに工夫は欲しいが.
松井(6.5)前半のシュートは決めないと.今の日本では確実に特殊な存在.
中村(5.5)自分のチームのときの方が魅力あるプレーをする.
遠藤(6.0)もっとシュート場面が欲しい.
稲本(6.5)精度の高いロングパスや前への飛び出しはさすが.
鈴木(5.0)ここでボールが窒息しそうだ.
駒野(5.0)クロスの前の小刻みなステップの癖でタイミングが遅れて効果的でなくなる.
中澤(5.5)CB2人の連携をもっととらないと.
田中(5.5)ショートパスの精度が低い.受け身なプレーは苦手か?
加地(5.0)ボールを後ろにしか蹴れない病.深刻だ.
川口(5.5)何か不安定に見えたのは気のせいか?

山岸(5.0)ミスと好プレーで±0.
矢野(5.5)同じく.
中村(5.5)同じく.
佐藤(5.0)代表では目立て無い病.これなら播戸を召集する方がいい.