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第27節 水戸戦

2010-09-26 19:03:56 | ファジアーノ岡山
 タイトなスケジュールの中でアウェイの連戦.そこは田んぼのようなピッチ.泥んこサッカーになることは試合開始前から予想できた.

 あのピッチではパスゲームは不可能.ドリブルも機能しない.すると攻撃は必然的にロングボール中心になる.これまでビルドアップだとか連携だと問題が山積していたファジアーノにとって,この単純明快な状況はそういった迷いを忘れるのにもってこいだった.守備に関しても状況は単純だった.ショートパスで崩されることなどないのだから迫ってくる相手を潰すこと,裏のスペースをケアすることに専念すればよい.もちろん水溜りの処理を気にかける必要があるが組織的な崩しへの対応よりは楽だろう.

 その予想通りロングボールに徹する試合運びをしたことで,変に小難しいことをしてボールを奪われることが無く,また相手も組織的に攻撃できなかったためにチーム間のレベル差を無くし,対等な試合に持ち込めた.
 けれど攻撃の質はこのようなピッチでも現われていた.ボールの無いところでの動きの質が低く相手の前でパスを受けることが多いこと,そこへ送るパスの精度が雨によりいつも以上に落ちたこと.いつものように相手DFが後ろを向いて守る機会は少なく良い位置でFKを得ることもほとんど無かった.

 さらにFW西野がロングボールを少し低めの位置で受けるのだが,特にSHの位置が低いために前線の人が減り生かすことができなかった.ターゲットが西野一人しかないことで相手に守りやすくさせていた面もあった.結局どんな状況でもチームの課題は同じように見えるものなんだろう.

 後半に入り白谷が入って岸田がSHに入ってからようやく攻撃が機能し始めた感があった.しかしこれは気のせいだった.白谷の見事なミドルシュートは決まりはしたが,あれは完全に白谷の個人技.もちろんようやく白谷が持つポテンシャルの一部を垣間見れたことはうれしかったが.

 リードして向かえた終盤,中山のハンドを審判が見逃して失点し同点で終了.あれが見えない審判がいるのが不思議でたまらない.
 という誤審があったが内容を考えれば妥当な結果だろう.ロングボールに徹してもいつもと同じ課題を引きずっているチームを見ると,どんな戦い方でも今の体制ではどうしようもないんだろうとちょっと昨年のこの時期と同じ気持ちになってしまった.何か去年より進歩したところがあれば救いがあるんだけど,去年よりマシな選手で去年と同じだと….

 というわけで勝手に採点.

西野(5.0)体張るのは良いがそれだけが仕事ではない
岸田(5.0)チャンスに力みすぎ.後半は消えた
小林(4.5)存在感が無かった
喜山(4.5)SHだと運動量がついていかない
田所(6.0)足が止まるくらいよく動いた
キム(6.0)要所を締めた
野田(5.0)前半のチャンスはゴールしたかった.守備は変わらず
山中(4.5)最後は決めないと.それ以外の時間は目立たず
近藤(6.0)少し光が見えたか?
後藤(6.0)ここのところの安定感は○
廣永(5.5)ちょっと怖い部分が見えた

白谷(6.0)祝初ゴール.これをきっかけに.
三木(5.0)こういうピッチでは生きないか
宮田(5.0)久しぶりでゲームになじめず

影山(4.0)
 選手交代に多少工夫が見えたが今更感もある.白谷を長い時間使ったことだけ評価.

第26節 北九州戦

2010-09-24 01:05:12 | ファジアーノ岡山
 前節前半の惨めさを忘れきれない中での試合.相手は1勝しかできていない最下位.とはいえ1度目の対戦では2勝目を与えてもおかしくないくらい一方的に支配された.正直なところこの日は北九州にとって2勝目なチャンスだったし,この日勝てなければ…,という試合だ.

 試合は「レベルの低い試合じゃのー」と思ってしまうものだった.岡山はいつも通りなのだが,相手のレベルが低いためにいつもよりマシに見える.だからと言って相手よりレベルが高いと言い切れないのが悲しいのだが.
 とにかく相手がチャンスを作っても「たぶんミスする」と思えるので怖くない.そして「いつもはこういう風に思われとるんじゃろーな」とちょっと悲しくなる.とにかく自らの立ち位置を変な感じで考えさせられる試合だった.

 前半は特に相手が前節のファジアーノ(あれよりはマシだけど)のような出来で,それでも得点できないのが今の岡山.攻撃陣は重症だ.岸田は動きはあるが細かな精度が低い.西野は強いが足元は弱い.小林は技術を肝心な場面で生かせない.それらが元になってリスクを犯せない単調な攻撃.この解消は簡単ではない.


 ただ後半開始直後に喜山のゴールで先制.久しぶりに喜山らしいプレーというかシュートシーンを見た.一つのきっかけになればいいのだが.
 ちなみに相手の決定力はリーグワースト2位.それを思えばかなり精神的に楽に戦える状況になった.しかしゲーム運びは何も変わらず余裕が無い.無駄に急いで攻めて無駄に相手にボールを渡していた.

 こういう時にゲームを作れる経験ある選手がいないチーム.ならば監督の出番だ.しかしその監督が一番意味の分からない行動をとった.SBの野田を下げてそこに小林を入れ,そしてSHに妹尾を入れたのだ.優位に立ったこの場面でどうして守備力を落とすような交代策をとったのか?もちろん穴となっている野田の裏は怖い.けれど上がりを控えさせればそこまで気にする問題でもない.それでも怖かったと言うなら田所をSBに下げるべきだった.とにかく相手は得点力も低い最下位チーム.それに対して監督が余裕を持った采配ができないとは.

 この交代は直後から全く機能しなかった.守備バランスを崩し2失点.勝てないチームらしい戦いぶりだった.
 それ以上に1勝しかできていないチームからミスがらみでしか得点できない攻撃の酷さが目立っていた.SHが妹尾,喜山,川原,小林+岸田が主力という時点で仕方ないのかもしれない.シーズン前の不安が的中した感じだ.来期はFWとSHは徹底的に補強してほしい.


 と言う2-2の引き分けの試合.こんな監督に選手がついていくのか?それが一番の不安だった.
 相手の北九州だが観客数に見合った強さだった.岡山もレベルを考えればあれくらいでも何もおかしくない.選手はもっともっと責任をもってプレーすべきだ.残念だが今の岡山の試合にあの観客数ほどの価値は無い.

 それでは勝手に採点.

西野(5.0)FWの仕事はゴール.それ以前にシュートが少ない
岸田(5.0)1失点目の起点.攻撃でも細かいミスが目立つ
小林(4.0)プロの試合でSBは無理.SHでも攻撃がワンパターン
喜山(5.5)まだ期待はしないでおく
田所(5.5)守備で連携に課題.
キム(6.0)中央が落ち着く
野田(5.0)良くなってきている様に思う
山中(4.5)判断悪くミスも多い
近藤(4.5)もう少しきっかけが必要
後藤(5.5)安定感が増してきている
廣永(6.0)期待したくなる

妹尾(5.0)判断に甘えがある
三木(5.0)前を向く習慣を
白谷(-.-)時間を与えない監督が悪い

影山(1.5)
 ゲームを壊して何がしたいのか?

第25節 愛媛戦

2010-09-19 12:32:36 | ファジアーノ岡山
 前節との間に天皇杯があった.そのときたまたま岡山にいたのだが最近の調子の悪さと暑さがスタジアムから足を背けさせた.1人ならあの苦痛はどうにでもなるのだが,知り合いを連れて行くにはリスクが高すぎた.とても残念なチーム状態だ(試合自体は惜しかったみたいだが).
 と言うわけで公式戦4連敗,かつ直前のTMで大学に無得点敗戦.しかもこの日は近藤が調子を落としてベンチ外,キムも出場停止.難しい展開が予想される.
 そして先発メンバーを見ると澤口,野田,野本,田所,竹田,妹尾,川原,西野と昨年の主力が殆どを占める.ファン目線から一歩引いて見ると,自然と「去年のようなサッカーになるじゃろーな」という感想になる.

 ただ試合序盤10分くらいまではまだ試合をしていた.けれどミスを繰り返し,反撃され,どんどん消極的な内容になっていった.そして昨年のメンバーが昨年と同じようなサッカーを披露した.そして昨年と同じような絶望感に支配された.いや,同じことを1年越しで再現されたことはそれ以上の絶望感だった.覇気のない試合.こういうのは人が見ていない場所でこっそりやって欲しいものだ.

 とにかく前でボールが収まらないので後ろはボールを出せない.次第に相手DFとMFの間でボールが受けられなくなり,ラインは下がり竹田はDFラインに吸収され,妹尾が相手MFの前まで下がってボールを受ける.宛先の無いロングボールが空しく中を舞うだけだった.
 全く可能性を感じない攻撃に加え,守備は野田のサイド,そしてスピードの無い野本を狙われ不安定になる.そして真子のパンチングのミスと野田のフォローの遅れで失点.
 ここから前半終了まではひたすら惨めな試合.その惨めさを更に助長したのが野本のミスだった.このときの気持ちは言葉にはできない.ちなみにこの失点をするまでシュート0だった.


 後半になり岸田をFWに入れて,SH(というかゲームメーカー)として喜山を入れて少しチームが変わった.しかしどうして前半の間に全く修正できなかったのか?45分間は選手交代は駄目というルールでもあるのか?何か修正に繋がる指示は出来なかったのか?昨年からチームを見ていたのだから,このメンバーに自浄能力が無いのは分かっているはずだ.


 その後試合は好転し早い時間に1点を返した.しかしその得点に喜ぶ姿を見て「だめだこりゃ」とも思った.勝つ気持ちがあるチームには見えなかった.ボールもって全力でセンターサークルに戻る場面だ.あれだけの醜態を晒したあとなのだから.

 その後相手が退場者を出し試合は難しくなった.いくら人数が少ないとは言え守備に専念したチームから得点を取るのは難しい.特に得点力の無いファジアーノにしてみればなおさらだった.だから「三木を入れて攻撃に厚みを出して・・・」と当たり前のことが行われるだろうと考えた.ホームで,負けていて,連敗中で,最下位も見えているんだから当然だ.

 だが驚くことにこの監督は残り10分になるまでそれを実行しなかった.彼は一体何を守ろうとしていたのか.好転した攻撃陣で十分と思ったのだろうか.残念だがこの監督采配を擁護する気には全くなれなかった.


 結局1-2の敗戦でリーグ4連敗.「今年はもう勝てないかも」.そんな風に思わされる試合だった.次の北九州戦.ここで負ければ今年は終わりだ.来年に向けたスタートを切るべきだ.もちろん責任を取るべき人がとって.
 監督も残念だったが,もっと残念なのは,2年以上在籍しているチームを支えてきた選手たちがこういった試合をしてしまったことだ.彼らは技術は無くてもスピリットはあると思っていた.しかし彼らはそれに該当しなかった.

 たくさんの苦痛の中から本当に小さな希望を探して応援している人たちを裏切る試合だった.どんな言い訳も通用しない.

 それでは勝手に採点.

西野(4.0)少ないチャンスだがせめてシュートまで持ち込んで欲しかった
東明(4.0)後半少し持ち直したが前半は消えていた
妹尾(4.5)ゴールがうれしいのかもしれないが
川原(4.5)チーム初シュートにだけ意地が見えた
田所(4.5)慣れない連携で持ち味出せず
竹田(3.5)久しぶりの試合で臆病になっていた
野田(4.0)守りは修正が必要だろう
澤口(4.0)ビルドアップとクロスは機能していない
野本(3.0)評価なし
後藤(5.0)ミスはあったが比較的マシ
真子(4.5)1点目は残念だった

岸田(5.0)シュートするだけマシ
喜山(5.0)古いタイプのSHが機能するような場合のみ生きる
三木(-.-)投入遅し

影山(2.0)
 昨年からの選手と昨年からのコーチではあれが限界なのかもしれない.ただベストな選択がされているとは到底思えない

第24節 千葉戦

2010-09-11 15:23:20 | ファジアーノ岡山
 「中断後上がってきたコンディションを更に上げるために合宿をした」というファジアーノ.1勝2敗1分という結果で監督のこのコメントは理解しがたいものだ.どういう現状認識だろうか.

 この日は出場停止の東明に代わり喜山がFWに入った.彼はFW起用でも「ボールを触ってリズムを出す」と言いポジションが低くなる.そんな喜山が前に入れば4-4-2も4-5-1のような形に変化する.つまり攻撃が機能しなかった中断前の1トップの形に,つまり得点の可能性が大きく減ることを意味する.この日の相手を考えれば尚更だ.この選手起用にも疑問が残った.どうせなら岸田をFWにいれて守備的な中盤の布陣で良かったのではないか?

 そんな試合前の心配は無意味だった.試合はたった5分で決まったも同然だったからだ.深井,谷澤,佐藤,工藤,村井,茶野,控えに林なんてメンバーがいるチームに前半5分で失点したのだから.

 「前半の点を取られたあとなどは、岡山としてやろうとしていることをトライしてできた」

 冗談は顔だけにして欲しいものだ.相手はあの暑さの中で得点力の無い岡山から開始早々に得点したのだ.ペースを落とし岡山にボールを持たせて最終ラインを固めると言う省エネサッカーを実行しただけだ.普通に守れば勝てるのだから.結局「ボールを持たされた」だけであり,実際「失点しそうなピンチも無かった」というコメントを相手選手は残している.
 あの状況を打破するには同点にするしかなかった.しかし先制した格上が,前回対戦のこともあって慎重にゲームを運ぶ中ではチャンスも中々見出せない.そもそもベンチの監督の認識が上に書いた程度なのだから,チーム戦術で突破口を見出すこともできない.
 「もっと中でボールを待ってもらっても良かった」というFWに対する岸田のコメントからも分かるとおり,チームもうまく機能しているとはいえなかった.相手が省エネでいる状況なら,相手CBへのプレッシャーは強めておく必要があったのだが.

 しかしこのところ左サイドの崩され方はちょっと酷い.ボランチとCB,CBのGKの連携も中途半端.守備陣,特に近藤のコンディション低下が気になるところだ.ファジアーノには1年通してJで戦った選手がいないのでこの時期にその歪みが出るのだろうが.

 監督が動かないまま後半に入り,しばらく同じような戦いを試みようとしているうちに,相手は蓄えていた力を一気に出し試合を決めた.完全に戦術で負けた試合だった.相手の思うように試合を圧倒され自信を失ったという事実だけが残った0-4の敗戦だった.強豪相手にいつもどおりの真っ向勝負サッカー.開幕戦で割り切ったサッカーをできていたのに大きく逆戻りした気分だ.内容を重視して勝つために戦っていないのか?内容とは一体何のことだ?負け続けるサッカーに内容があるのか?疑問ばかりが頭を支配した.

 移籍期間が終わりW杯中断も終わり,1回休みも終わった.選手の補強もできないし監督交代のタイミングも逃した.今出来るのは,今季を捨てて来季へ向けた体制作りくらいだ.

 そしてチーム強化方針も考え直す必要がある.「若手を使う方針」と言えば聞こえは良いが機能しなければ単なる愚策だ.経験のある選手がおらず外的要因に左右されすぎている.しかも監督も経験が無くそれを管理しきれない.シーズン前の補強で懸念していたことがそのまま結果に出ている.早急な対応を期待したい.できるのは監督交代くらいだが.

 とにかくJリーグは,この程度のチームに自信を持たせてくれるほど甘くない.「結果が出ていないだけ」「あとちょっとのところ」.そんなチームが得点数はもちろんシュート数が最下位なわけがない.大きな差があることにチームが気づく必要がある.

 それでは勝手に採点.

三木(5.0)ボールが来なかった.中央で勝負したかった
喜山(4.0)ミスを繰り返して良いポジションではない
岸田(5.5)1人前向きの仕事をしていた
川原(5.5)肝心なところのミスを減らしたい
田所(5.0)相手に中央を使われた
キム(5.0)相手に中央を使われた
野田(4.0)守備の不安は拭えない
山中(4.0)リザーブの選手という印象は変えられなかった
近藤(4.0)今が一つの壁か?
後藤(4.5)ビルドアップに難あり
真子(4.0)DFとの連携が悪かった

小林(4.5)存在感が無かった
妹尾(4.5)使う選手がいない状況では生きない
白谷(-.-)最後の希望なのだが

影山(2.5)
 この日は監督の質ですでに負けていたと言っても良い出来.今のままでシーズン中に大きな改善が出来るように思えない.