最終節 福岡戦

　見所を探すのが難しい最終戦アウェイ．これを見に新幹線に乗った人は尊敬できる．正直なところPOが掛かる他会場のほうが気になったくらいだ．

　　　　　押谷
　　　石原　　妹尾
田所　仙石　　千明　澤口
　篠原　　竹田　　近藤
　　　　　真子

　メンバーも前節同様消化試合らしいものとなった．消化試合だからこそ若手にチャンスを！と思うのだがベテランにチャンスを与えてどうするつもりだろうか？

　試合の入りは悪くなかった．それを示すように前半は福岡より倍のシュートを打てていた．しかし岡山のシュート精度，決定力の低さという今季の課題ばかりが目立った．そして今季目立つ集中力が欠如した守備も．その結果良い調子の中で立て続けに2失点．1点目は相手のパス回しも上手かったが，ボランチとCBの間に二人も自由にプレーさせ簡単に崩された．人にもボールにも付いていかないCBがいれば中央に大きな穴があるようなものだ．それに加え真子のポジショニングも低く，非常に華麗にゴールを決められた．良い感じの中失点し，その直後にアンラッキーな形で立て続けに失点．今のチームを象徴するような試合だった．

　そこから反撃をしようにも攻撃は手詰まり感満点だった．澤口のサイドは全く当てにならないので中央と左サイドに攻撃は制限された．結局前3人を中心に戦うしかないのだが，気の利くポジショニングするようになった妹尾は，持ち味のドリブルをしなことで怖さは無くなり，押谷はボールを簡単に失う難しいプレーばかり選択し，石原は精度の壁を乗り越えられないまま．前3人が停滞する中で，その後ろで仙石は攻撃に出ようと焦ってばかり．全てから周りだった．

　0-2の完敗，3連敗でシーズンを終えた．上位2チームが明確なシーズンで，POを狙うしかなかったがが，そのPOを争ったグループと勝ち点で10の差をつけられるという無様な結果となった．目標から大きく離れた結果なのだから誰かが責任を負うべきだろう．にもかかわらず最も責任を負うべき監督が真っ先に来季の契約．どうしてそんな判断ができたのか全く理解できない．
　この大失策をオフの動きでリカバーして欲しい．それでなければ来季は大きな転機を迎えるように思う．終盤の戦いは間違いなく下位クラブのそれだった．このまま来季を迎えればそういう結果もありえるだろう．他のクラブとは異なる動きをして，それを信じて活動するからには結果を残さないと非難は免れない．それを肝に据えて来季戦って欲しい．

　ネクスはJFLおめでとう．ものすごく価値のあることだと思う．それでは勝手に採点．

押谷（4.5）1点目に繋がるミスが今季を象徴
石原（5.0）だいぶ成長したけど
妹尾（4.0）それっぽいプレーだけでJは戦えない
田所（5.5）最後の精度だけ．
仙石（4.0）1点目は2回止める機会があった
千明（5.5）悪くないけど勝てないというのはかなり致命的
澤口（4.0）30代のようなプレー
篠原（4.0）1点目はむやみに飛び込んだ結果
竹田（3.5）彼が出る限り上は無理
近藤（4.0）ゆるいプレーが多かった
真子（3.5）残念だが戦える気がしない

関戸（5.0）入っているのに気づかず
清水（5.0）外れの日
荒田（4.0）ボールがもらえないときに何ができる？

影山（3.0）
　思い出采配か再就職采配か知らないが，J2下位チームのようなメンバーで勝つつもりがあったのだろうか？もう1年指揮をする価値がある監督とはとても思えない．貧乏はこれだから辛い．

第41節 富山戦

　ホーム最終戦．POも無くなり寂しい試合ではあるがお客はたくさん．最終戦ってセレモニーはあるけどそんな見所があるようには思わないのだが．

　　　　　押谷
　　　石原　　妹尾
田所　千明　　仙石　澤口
　植田　　竹田　　近藤
　　　　　真子

　民均と田中，島田が負傷．とは言え妹尾と真子がどうして出場するのか？真子は1年我慢したご褒美かもしれないが妹尾はもう来季はしんどいだろう．ベンチ外の桑田はサヨナラとだろう．しかしこんな消化試合に起用するのがベテランという悲しい実情．期待の若手に経験を積ませるなどあれば，勝敗問わず楽しめるのだが．

　何のモチベーションもない試合ではあるが，あれだけ多くの客が入ったのだから無様な試合はできない．というか下位に沈む富山に負けてホームを終わるなんてもってのほかだ．しかし富山には相性の悪い．

　試合は富山の方が攻撃時のアタックの姿勢が明らかに良かった．勇気を持って前を向いて仕掛け何度も守備を崩していた．逆にファジアーノはいつものように手数が多く目の前に相手が来ると横に横にと逃げるプレーが多い．守る観点から見ればどちらのチームが怖いかは明白だった．とにかく今季を象徴するような試合内容だった．

　そんな駄目な状態の中へ久しぶりに出場する選手が加われば上手く回るわけが無い．中林より明らかに身体能力の落ちる真子は，特に守備範囲の狭さが目立ち，瞬発力も以前より劣って見えた．そして最初の失点はDFが中林を想定したプレーをしたことが原因だった．サイドからクロスにいつものようにパンチングすると思っていたら真子が見逃してDFの対応が遅れていた．見ている方も「何で出んの？」と驚いてしまった．中林と真子の差．この失点の直前の連続CKを見てもよく分かった．
　ただこの真子の能力の低さのおかげで今のファジアーノの守備のルーズさが明白になった．GKに任せれば良い，このくらいで大丈夫，みたいな少し舐めたプレーが体に染み付いてしまっているのだ．それが一歩足を遅れさせ失点数増加に繋がったのではないだろうか？

　ちなみに妹尾の方は相変わらず精度が低かった．小さな差の積み重ねがチームの結果に繋がる．彼のような選手が出るようではPOを目指せないだろう．以前より周りが見えパスが上手くなったが，JリーグのFWに求められる精度としては不十分だった．
　それ以外にも仙石と竹田は相変わらず酷かった．仙石はこの日も弱気で判断の悪いプレーを続けた．彼の前には大きな壁があるようだった．攻撃だけでなく切り替えも遅く走る距離も短い．なので守備には遅れるし攻撃には間に合わない．いつも島田が駆け上がっているスペースはガラガラだった．
　そして竹田．2失点目では安易に相手につり出されて守備を崩され，それ以外でも「自分は読みでプレーするタイプ」と勘違いしているためか，読みを外したときのルーズな対応が目立った．来季はこの甘え3バックの解体からだろう．

　とにかく前向きに見ようとしても見所がない試合．「何でこんな試合を見に来たのか?」と失望して寒さに震えて帰った観客も多かったのでは無いだろうか？そしてそれを来季まで引きずるのだ．そんな観客を更に怒らすように残り20分2点差で選手交代をしない監督．最後の交代枠はAT直前．しかも攻撃が必要な場面で関戸を入れるとか．ピアカイでも入れて勝負する姿を見せればまだ救いはあったのだが．
　何ら期待を抱かせない選手交代と選手起用は来季をイメージするのが難しかった．途中から「白崎ええ選手じゃなぁ，獲れんかなぁ」と妄想すること以外に見所はなかった．
　最も残念だったのはこのホーム最終戦で，チームの根幹である「最後まで諦めず走りきる」という部分が見えなかったことだ．今のチームはバラバラなのかもしれない．来季も影山の下でプレーすることに対する反抗しているのかもしれない．

　1-3というスコア以上の惨敗．来季この監督で戦えるのか？同じことの繰り返しでは周りが追い越していく．それを明確にした成績だ．POに出るどころかPO争いの1つ下のグループへ落ちてしまった．同じことをしていれば来季はその下の可能性もある．この日のプレー，そしてシーズン終盤の成績を見るとそれは大げさではないと思う．
　影山の契約更新はこのクラブがした最も大きな判断ミスかもしれない．

　では勝手に採点．

押谷（4.5）攻撃の選手は数字が大事
石原（5.5）前向きな姿勢は希望だが成長しない精度は問題
妹尾（5.5）もう1点取れてたら来季も期待したが
田所（4.5）1失点目は緩みと連携ミス
千明（5.0）もう少し走る必要がある
仙石（3.0）ここまで酷くなるとは
澤口（2.0）自慢の守備もダメ．もちろん攻撃も駄目
植田（4.0）軽いプレーで失点
竹田（0.5）もう諦める時期．ちょっと危機的
近藤（4.0）足が一歩出ない
真子（3.0）1，3点目はGKの責任が大きい

久木田（4.0）プレーの狙いが分からない
関戸（4.0）中盤をフラフラするプレーでは次は無い
荒田（-.-）もっとはよ使え

影山（1.0）
　弁解の余地の無い試合内容．選手の責任も大きいが，ホーム最終戦でここまで酷い内容というのは監督にも責任がある．富山の方が余程最終戦のようだった．それに加え交代策はあまりに酷く，時計が15分遅れていたとしか思えない．

第40節 徳島戦

　この試合前に行われた地域リーグ決勝大会の1次リーグ．ネクストはよくやった．これでほぼJFLが確定した．これは今後高卒選手の育成ということを考えても，ユース選手の飛び級出場を考えても非常に価値があると思う．J3が出来てJFLはレベルが落ちるかもしれないが横河やHONDA，ソニー仙台など実力のあるチームがある．彼らと全国を舞台に1年間毎週戦えるのは間違いなく選手としてよい経験になるだろう．地域リーグはどうしても試合数が少ないし変則的だ．そういった意味でプロと似たスケジュールで1シーズン過ごせるのは非常に大きい．
　対するトップチームは本当に重要な試合．今季最大のゲーム．とは言えこれまで周囲のチームの潰しあいのおかげで可能性が持てているだけなので見る側からすれば「勝てれば儲けもの」くらいの気持ちだ．あまりのデキの悪さに現実味が薄すぎて仕方が無い．地域リーグ決勝大会やJ2昇格のときのようなピリピリとした感じは殆ど無い．もちろん期待はしているのだが．

　　　　　押谷
　　　民均　　桑田
田所　千明　　島田　田中
　植田　　竹田　　近藤
　　　　　中林

　この日は清水が怪我で不在．薄い可能性が更に薄まった．

　試合はいきなり島田のミスからカウンターを奪われ，田所と植田のスペースを使われ失点した．まるでアウェイ神戸戦の失点を丸ごとコピーしたような．マイボールで少し集中が切れたポジショニングで．ただ，この失点前後も何度も簡単に崩されていた．結局は3バックの弱点を見事に突かれた失点で，相手のスキルが低い場合には隠されていただけのものだ．
　この失点のあとは引きこもるだけだった．心的なプレッシャーに押され動きも悪く，中でも桑田が全く機能せずにチームの穴になっていた．

　どうしても勝利が必要なこの試合．先制されたにも関わらず何ら手を打たない影山．風下だったので後半勝負というやり方だったのだろうか？桑田という明らかな穴があったのだが．更に中林も何の工夫も無く風に向かってボールを蹴り，相手にボールを渡してばかりだった．
　相手が少し集中を切らせばチャンスはあったかもしれない．けれどアレックスが上手くコントロールしていたために特に不用意にリスクを犯すことも無く，何ら期待できる場面もないまま時間は過ぎた．「本当にPOを争っている2チームの試合？」という試合．1つカテゴリーが違うような感じだった．
　それでも「粘れば飛ばしている徳島の足が止まるかも？」と思っている中，前半終了間際に大崎に奪われた．この選手は試合を通して演劇をずっとしていた．こういう選手に得点を奪われるのだけは最も避けたかった．ただ竹田の喜劇のような守備とよくかみ合ったのだろう．この試合であんな守備を見せるCBはJFLでも不要だ．田中の守備で絶望し，竹田の守備でシーズンは終わらされた．

　前半は0-2で終えた．POに行くには3点必要．絶望的な数字だ．しかも望みは風上になることくらいしか無い．もし4-1-2-3とかオプションを持っていればこの日のスカスカバイタルを何とかできていたかもしれない．しかしカミカゼ4バック以外にオプションなどない．あるとすれば選手交代．しかしそれさえも影山はしない．「2点ビハインドでも交代を使わずっ!!!」と驚きの実況が欲しいところだった．風上でスピードが生きる状況にも関わらず足が遅く攻撃を遅らせるばかりの桑田を使い，石原をベンチに置く監督がいるのだから．
　もしこの試合を逆転できるならJ1でも戦えるだろう．今のチームがそんなこと出来ないのは明白だった．この交代采配や無策な戦い方は豚の頭を投げ入れられてもいいくらい酷いものだった．岡山で応援に来てと呼びかけたのは，彼らにこういう仕打ちをするためだろうか？

　こんな試合は，内容なんて度外視して結果だけを求めて死ぬ気で戦っていれば良かった．ゴールが見えたらシュートを撃つ，くらいの．それがたとえ玉砕になったとしてもある程度納得できただろう．しかしチキンサッカー？お嬢様サッカー？優等生サッカー？…そんな残念な試合に終始した．
　ちなみに徳島は終盤疲れで集中を失っていた．しかしそれにも気づかずアーリーばかり入れる単調な岡山．このお利口さんチームにはもう少し異端がいないと駄目だろう．喜劇王とか演劇派とかじゃない奴で．徳島は大崎以外は良いチームだった．

　という0-2の大惨敗．影山以外誰一人納得できない試合だったと思う．そして来季を失望した試合だった．ただ今季の総決算には相応しい試合だった．J2加入後に来た選手には実感が無いかもしれないが，ファジアーノは降格したらいつなくなっても不思議じゃないクラブだ．だからこそ必死で戦ってきた過去がある（それを知っているはずの竹田が最も情けないプレーをしたのは許せないが）．必死で戦わないならばファジアーノではない．来年は原点回帰しなければならない年かもしれない．順位以外は．

　それでは勝手に採点．

押谷（4.5）何もできず
民均（4.5）精度悪く
桑田（2.0）この試合に出て欲しくなかった
田所（4.0）1失点目に与えたスペースは致命的だった
島田（4.5）軽い対応で致命的な先制点を奪われた
千明（5.0）必死でバランスを取ったが
田中（4.0）DFになった
植田（3.5）相手に混乱させられた
竹田（1.0）地域リーグからやり直そう
近藤（4.0）相手をつかみきれなかった
中林（4.0）風下であのキックは無い．2点目は止めて欲しかった

石原（5.0）期待通りだったが状況が悪かった
荒田（5.0）最初から出して欲しかった
久木田（5.0）惜しかったが，そこまで

影山（-3.0）
　過去最低の試合だった．監督も選手のように交代できればいいのだが．金銭的な理由以外で来年契約した理由はさっぱり分からない．