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勝手に採点アワード2014

2015-01-20 00:38:03 | ファジアーノ岡山
 2014シーズンも1試合を最低2回ずつ見続け採点を続けられたのでその結果をまとめてみたい。まずは採点と関係ない数字から。
■ベンチ入り選手総数
2010:33人
2011:29人
2012:28人
2013:28人
2014:28人

■全試合の1/3以上出場選手数/先発選手数
2010:14人/11人
2011:19人/17人
2012:17人/12人
2013:16人/15人
2014:18人/15人

 2014シーズンは、1/3以上出場した選手が2013シーズンより2人増えたが先発は変わらず。ここから先発メンバーを固定できず色々試行錯誤したことが読み取れる。監督が選手を信頼できなかった、選手が決め手を欠いた、ということだろう。PO進出を逃したチームらしい結果だ。

 次に出場試合数関連。
 ■最多先発出場(FP)
2010:近藤(33)
2011:澤口(37)
2012:仙石・後藤(41)
2013:田所・竹田(40)
2014:田所(40)

■出場時間(FP)
2009:喜山(4220)澤口(3510)
2010:近藤(2958)岸田(2542)
2011:澤口(3266)キム(2646)
2012:後藤(3690)仙石(3607)
2013:竹田(3574)田所(3572)
2014:田所(3600)後藤(3330)

 昨年に続き上位に顔を出した田所。2014シーズンGKも含めた全プレーヤーの中で最多先発、最長時間出場は評価されるべきだろう。特にCBに適応し見事にプレーしたことは本当に素晴らしかった。

 次にベンチ関連。
 ■最多途中出場
2009:武田(31)
2010:小林(10)
2011:岸田(20)
2012:関戸(19)
2013:久木田(24)
2014:押谷(14)

■最多ベンチ待機(FP)
2009:玉林(25)
2010:野本(18)
2011:仙石・一柳(14)
2012:篠原(24)
2013:近藤・島田(18)
2014:仙石(16)

 最多途中出場は意外にも押谷。とは言え2010年の小林に次ぐ少なさ。これはジョーカー的プレーヤーが少なかったということや先発FWを固定できなかったことが影響しているだろう。
 ベンチ待機は仙石が3年ぶり。1差で島田。ボランチは上田が入ったことでかなり固定化され控えの出番が少なかったことがうかがえる。中でも仙石は出場数が非常に少なく、殆ど数合わせのようなベンチ入りだった。

 次に攻撃の数値。
 ■シュート数
2011:民均(61)チアゴ(43)岸田・妹尾(38)
2012:川又(83)民均(70)関戸(41)
2013:押谷(66)荒田(54)田所(41)
2014:押谷(73)片山(46)清水(41)

■得点
2009:西野(9)青木(6)澤口・喜山・妹尾(3)
2010:岸田(5)白谷(4)三木(3)
2011:チアゴ(8)久木田・民均(4)
2012:川又(18)民均(6)田所(4)
2013:荒田・押谷(9)清水(4)
2014:押谷(11)片山(6)清水(5)

 シュート数は1位の押谷は増えたが2位は昨年より減っている。押谷の出場試合数は決して多かったわけでないことを考えると、押谷の積極性が良く出ていると言えるが、逆に押谷以外が消極的、もしくはチャンスを作れなかったということだろう。結局攻撃は個人頼みになっていて進歩が無いように見える。そして観客が最も魅了される攻撃がこれでは観客動員が減るのも仕方がない。ただ3位まで全員FWが占めたことは昨年よりはマシかもしれない。
 得点は押谷が川又以来のチーム二人めの二桁得点。とは言え上位二人の合計は昨年以下で2012年の川又以下。さすがにこれでPO進出は難しい。比較的怪我の少なかった片山や清水の得点数は物足りない(チーム戦術に影響されるので彼らだけの責任ではないが)。とにかくこれ以上の成績を求めるなら攻撃の強化は必須だろう。

 それではここからは勝手に採点した結果を。まずワーストから。
■勝手に採点ワースト選手(1/3以上出場選手)
2009:武田(5.23)野本(5.05)尾崎(4.83)
2010:東明(5.11)澤口(5.04)喜山(4.63)
2011:竹田(4.50)田所(4.39)臼井(3.83)
2012:篠原(4.90)田(4.62)一柳(4.50)
2013:仙石(5.02)石原(4.97)竹田(4.79)
2014:石原(5.28)千明(5.00)久保(4.65)

 2014シーズンは比較的結果が出たシーズンだったので4点台は最下位だけとなった。採点が甘かったかもしれないが極端に悪い選手は過去に比べて少なかったように思う。選手のプレーより監督采配の方に課題があったということだろう。
 個別にみると、ワースト3位は石原。彼は調子の波が大きく、そして大事な局面で雑なプレーが多かった。せっかく作ったチャンスを何度もつぶしチームに迷惑をかけていた。運動量やスピードが目立つのであまり悪く言われなかったが、彼が良かった試合は数試合だったと思う。
 ワースト2位は千明。比較対象に上田が来たこともあり評価が下がった。元々消極的なプレーが多かったが2014シーズンはそこがより目立った。その上持ち味である守備面でもケアレスミスが目立ち低評価となった。
 ワースト1位は久保。移籍してきたときから心配していたが、やはり技術不足だった。自分の形以外でシュートはできないのはまだ許せるが、前で時間を作れず、受けてからのパス精度も酷く、全く合格点には達しなかった。その上高さ勝負でも大して勝てず。ただしシーズン終盤にようやくスムーズにプレーでき始めていたので2015シーズンに期待したい。

 次にベスト選手。
 ■勝手に採点ベスト選手(1/3以上出場選手)
2009:青木(5.60)西野(5.73)妹尾(5.77)
2010:岸田(5.48)テヨン(5.59)白谷(5.81)
2011:石原(5.78)仙石(5.97)キム(6.09)
2012:川又(5.88)千明(5.89)中林(6.10)
2013:荒田(5.76)中林(5.83)島田(5.88)
2014:鎌田(5.63)三村(5.70)上田(5.80)

 3位は鎌田。基本的な部分で他の選手を上回っていたが、シーズン当初から懸念していた通り監督が使いこなすのに時間がかかった。CBとして定着して間もなく松本のせいで怪我をし、最後までトップコンディションに戻らなかったのは残念だった。良い選手だった。
 2位は三村。2014シーズンに最も伸びた選手だろう。守備面、体力面にまだ怖さはあるが、それを補う攻撃力だった。特にファジアーノには彼ほどドリブルで仕掛けられる選手がいないので目立っていた。スペースが無い時が課題だ。
 1位は上田。まあ文句ないだろう。U23代表まで入り、J1でもレギュラーを取っていた選手で、まだ働き盛りという選手はファジアーノには初めてだった。この選手が出場機会を奪われるのがJ1というところだ。ただ終盤戦に相手に対策されて良さが消えたあたりがJ2にいる理由でもある。

 次に試合採点。まずはワースト。

■勝手に採点ワースト試合
2009:第45節[横浜](4.54),第27節[鳥栖](4.42),第44節[栃木](4.27)
2010:第13節[東京V](4.46),第25節[愛媛](4.27),第12節[富山](4.08)
2011:第31節[F東京](4.50),第5節[鳥栖](4.25),第1節[湘南](3.89)
2012:第3節「水戸](4.81),第15節[京都](4.68),第25節[松本](4.64)
2013:第26節[岐阜](4.32),第40節[徳島](4.00),第41節[富山](3.81)
2014:第8節[北九州](4.11)、第29節[讃岐](3.89)、第3節[群馬](3.64)

 3位はホームで惨敗した北九州戦。この試合後影山が「悪くなかった」みたいなコメントをしていて余計に点数を下げたくなった記憶がある。ホームで0-3で悪くないなら悪い試合などこの世に存在しない。試合を見るのが本当に辛くなっていた時期だ。その要因が選手でなく監督采配だったことも余計にその思いを強くさせた。
 2位はアウェイでの讃岐とのダービー。讃岐戦は、そもそもあのチームに負けたこと自体が信じられないし、その上ファジアーノにとっては最も地理的に近いダービー。それで負けたのだからこの点数でも甘いくらいだ。チームはこの試合をきっかけに調子を崩し、POを逃してしまった。
 そして1位はホーム群馬戦。開幕から全くダメなチームが完全に自信を失ってどうしようもない状態になった試合。そこに影山の謎の多い選手起用が合わさり、絶望感が最高潮となった試合だった。もしこの次の試合で負けていたら監督交代もあっただろう。その方が良かったかもしれない。

 次にベスト試合。
■勝手に採点ベスト試合
2009:第13節[徳島](6.25),第34節[甲府](6.39),第11節[福岡](6.50)
2010:第32節[栃木](6.04),第18節[水戸](6.11),第9節[徳島](6.12)
2011:第4節[岐阜]・第36節[京都](6.15),第13節[横浜](6.17),第38節[徳島](6.32)
2012:第14節[東京V](6.19),第5節[山形]・第38節[東京V](6.23)
2013:第30節[京都](6.25),第29節[東京V],第35節[千葉](6.54)
2014:第10節[山形](6.31)、第31節[松本](6.42)、第15節[長崎](6.73)

 3位はアウェイ山形戦。連戦でターンオーバーを珍しく影山が採用し、しかもそれが機能し希望が見えた試合だったため高得点となった。影山の選手の見る目の無さを感じさせられた試合でもあった。
 2位はアウェイ松本戦。2014シーズンの(早すぎる)クライマックスだった。あのうるさいスタジアムを黙らせたのは最高だった。
 そして1位は過去最高点でホーム長崎戦。とは言えそんなに記憶はない。ただ悪い選手が少なかったという印象だ。基本的に長崎や松本のようなボールを蹴ってフィジカルでどうにかするようなサッカーが嫌いなので、そういうのに気合を見せて勝ったら得点を高く付けてしまうのだろう。
 
 そして個人賞。
 ■最多MOM
2010:多数(1)
2011:民均(3)
2012:川又(6)
2013:中林(4)
2014:片山(4)

 新人ながら片山が最多。ゴールがことごとく見事なものが多かったし、それが勝利に繋がっていたのが要因だ。

■新人賞
2011:石原
2012:関戸
2013:島田
2014:片山

 今季は片山で文句は無いだろう。実質新人の三村の躍進も目立ったが、それでも片山の方が上だ。とにかく岡山の選手としては珍しい思い切りの良さが魅力だった。開幕戦で見たとき、短い時間だったが非常に可能性を感じさせた選手だった。技術の低さ、雑さがあるので2015シーズンは苦労するだろうが、期待を上回る活躍をしてほしい。

■シーズンMIP
2010:岸田
2011:民均
2012:中林
2013:千明
2014:田所

 上田、と言いたかったが、やっぱりレンタルの選手をMIPにはしたくない。三村や鎌田もMIPとは言えない。と思うと田所の名前が出てきた。田所はどうしても技術面で課題が目立つので評価点こそ高くなかったが、慣れないポジションでもずっと試合に出続け、時にはゴールも奪い、試合を通して走り、声を出し続けたことを評価したい。もっと技術があったら文句なしにミスターファジアーノと言われている選手だ。今後に期待したい。

 ではベンチ入り全選手の採点結果とコメントを以下に記して終わりたい.


■採点|ベンチ入り|出場|先発|MOM

清水(5.58|36|32|24|2)
 監督が使いきれなかったと言うべきだと思う。プレーは決して悪くなかった。
片山(5.57|37|35|23|4)
 新人としては文句なし。ただ研究されると厳しいだろう。
押谷(5.31|35|35|21|3)
 前半戦苦しんだシーズンだった。終盤に何か得たように思うので2015シーズンに期待したい。
妹尾(5.44|21|19|13|0)
 コンディションのおかげか2013より良くなった。もう一つ上に行ければ。
荒田(5.29|17|13|4|1)
 先発4試合は不合格。プレーの幅の狭さは使いにくさにもなった。2トップなら。
石原(5.28|29|28|19|1)
 期待値だけは高かった選手だが、最後の質が低い選手は結局ダメ。
久保(4.65|35|28|15|0)
 ある意味予想通りだったが終盤はだいぶ良くなった。
林(5.10|22|15|7|0)
 戦術に馴染めず全く機能しないまま移籍しチーム編成に迷惑を掛けた。二度と見た見たくない選手。
ウーゴ(4.36|10|8|2|0)
 このプレースタイルの選手を途中で獲得しても機能しないのは当然だろう。監督の見る目の無さの象徴。
関戸(5.00|7|2|2|0)
 ベンチ入りさえ苦労した。ただ出た試合では思ったより良かったので2015に期待。

上田(5.80|35|35|33|3)
 違いを見せたが、違わないところも見せた。
 千明(5.00|40|34|31|0)
 上田の陰に隠れ、プレーも停滞感があった。
島田(5.61|36|21|17|1)
 悪くはないのになかなか使われなかった。良さを伸ばしてほしい。
仙石(3.50|18|2|2|0)
 開幕スタメンだったとは思えないシーズンだった。あまりに成長が無かった。

三村(5.70|31|28|24|0)
 WBでここまでできるとは。びっくり枠。SHになるともう一つ良くなるかも。
田中(5.59|36|28|27|1)
 研究され攻撃面の良さを生かし切れないシーズンだった。
澤口(4.80|14|6|5|0)
 怪我に泣かされたが、出てきたときもそこまで良くなかった。
染矢(4.25|17|10|5|0)
 怪我も影響したが、そもそもプレーが良くなかった。

後藤(5.42|39|36|35|1)
 怪我の多いDFを支えたが、どこか落ち着かないプレーが多かった。
田所(5.44|40|40|40|2)
 シーズン通してプレーし続けた。CBへの適応は素晴らしかった。
久木田(5.49|39|36|29|1)
 CBとしてこれ程伸びるとは思いもしなかった。SHが一番向いているとは思う。
鎌田(5.63|18|15|15|0)
 身体能力の高い良い選手だった。怪我と影山の起用がもう少し良ければ。
近藤(5.03|26|18|10|0)
 プレーは悪くなかったが、復帰してきた時期が悪く、点数も悪かった。
竹田(2.92|24|12|11|0)
 出てくると負けの合図だった。
植田(4.63|9|5|3|0)
 怪我もあり過去最悪のシーズンだった。

中林(5.42|37|37|37|1)
 飛び出しと足元の弱さが目立ったシーズンだった。特に怪我の後は良くなかった。
椎名(5.83|23|3|3|1)
 初出場で良いプレーを見せた。
真子(7.00|18|3|2|0)
 これまでお疲れ様としか言えない。2ndGKとしては十分すぎた。

影山(2.67)
 FWのメンバーが変わり選択肢も増えたが攻撃の形は一切増えず。その上選手起用は外れ、控えチームの方が良いプレーをするという監督の能力を疑われる状況も。2013年より選手交代策はマシにはなったが、負けている状態で何ら動かなかったりDFを入れたりするのは相変わらずだった。また福岡戦で4バックに変更し成功したのにそれを後々に生かせず、戦い方に幅を持たせられなかったこともチームの低迷の一因だった。
 最も悪かったのは、勝っている状況での弱腰な采配だ。これまでポゼッション率を高め、守備機会を減らして守りを強化してきたにも関わらず、前線でキープできる選手を下げて守備の選手を入れて一方的に攻められるという戦い方を何度も選択し、そして自滅という展開を繰り返した。POを逃した最も大きな要因だった。普通ならアウェイ松本戦の勝利をきっかけに勢いに乗り、PO進出している状況だった。