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第30節 東京V戦

2010-10-30 03:33:12 | ファジアーノ岡山
 この日は上位とのアウェイでの対戦.実力で勝る相手にどう戦うかが見所だった.しかしJリーグが運営せざるを得ないチームがこれほど成績を残すというのは解せない.赤字でリーグが運営することになった時点で罰を課してもいいと思う.

 で注目の先発は特に工夫無く前節と全く同じ.上位相手のアウェイということを考えれば最低でも前節全く機能せず,かつ守備に不安のある喜山の先発は無いと思ったのだが.もしかしたら彼は物凄く調子が上向きなのかも・・・,と前向きになれるはずもなく.

 試合は開始直後は悪い出来ではなかった.けれど押し込まれシュートまで持ち込まれる.相手は岡山同様若い選手が中心で経験の差も大きくない.しかし結局は選手の個の力が劣っていた.組織はともかく1対1で劣っていた.
 それに加えボールの奪いどころがはっきりしない.サイドを押しこまれバイタルを使われラインを下げMFはDFラインに吸収される.そして相手にスペースを与え,より簡単にボールを回され,そして失点というよくできたストーリーだった.
 その後もボールをプレッシャーの無い状態で奪っても繋がずクリアしたり,たまたま繋がってもMFがDFライン付近まで下がっていてFWは孤立した.カウンターの場面でもいつも通りコレクティブな動きは無く.何点取られるんだろう?そんな風に思わされる序盤だった.

 しかしその後試合は停滞した.若いチームの弱さだろう.簡単にいけば良いところを難しくプレーし,難しい場面で簡単に攻めてボールを失う.ただしそんな相手の隙を突けないのが岡山だ.攻撃陣の中では川原が何とか試合を作ろうと起点を作るが彼以外が無かった.小林は運動量とプレスキック以外が良くない.
 それ以上に問題だったのは試合前から懸念していた喜山だ.役割としては攻撃を担うボランチであり,ボールを配給するゲームメイカーのはず.しかし彼はトラップの悪さにより無駄にボールタッチが多く,また中々前に向けないために逃げの横パスが多い.たまに前に出したパスも殆どが味方の足元へのもの.
 そんなプレーをゲームメイカーがすれば当然チーム攻撃のスピードが落ちる.攻撃が遅れれば相手は守備を固める時間が作れる.その結果攻撃力の無い岡山は手詰まりになり,仕方なしのロングボールが増えるが,その対応をきっちりしてきた相手からは起点すら作れなかった.よくこの相手チームの中でトップ昇格できたな,と思わされた.
 彼が如何に機能していなかったかは千明が入った後をみれば明白だった.

 その交代は後半20分まで待たなければならなかった.しかも千明によりチームが機能し岡山の時間になりはじめたときになぜか川原を岸田に代えてしまった.川原は足が止まり始めていたがそれでも前線のもう一つの起点として機能していた.だから交替はどう考えても小林だと思ったのだが・・・.そしてその予感は見事に的中しチームは勢いを無くした.

 そして0-1のまま試合終了.選手能力も一つの敗因だが,そこに采配ミスも加わって必要以上の完敗となった.選手能力が不足した上に采配ミスがあれば勝ち点など奪えるはずも無い.
 しかし昨年通用しなかったSHを今年も使わざるを得ない強化をにした強化担当も,この日の若い相手からJリーグで戦える最低限のレベルというものを学んで欲しい.

 それでは勝手に採点.

三木(4.5)ノーチャンスだった
白谷(5.5)運動量は増えつつある
小林(4.5)持ち味は出せていた
川原(5.5)周囲のフォローがあればもう少しいける
喜山(3.5)このレベルではボランチは無理
キム(5.0)喜山の尻拭い
田所(4.5)1対1の弱さで攻撃で効果を出せない
澤口(4.5)パスの質が低すぎる
近藤(5.0)もう少し時間が掛かるか
後藤(5.5)ミスもあるがチームの中では安定している
広長(4.0)残念な味スタデビュー

東明(4.0)存在感なし
千明(6.0)流れを変えたがいつもより悪い
岸田(4.0)全く流れに入れず機能せず

影山(3.0)
 何の工夫もなかった戦略と選手起用ミスに対してリーズナブルな結果が出た.今後も同じように戦うならリーズナブルな結果となるだろう.サポーターは相手チームの調子の悪さを期待するしかない.内容を重視しているのかもしれないが,この日の内容は0-1以上の差があった.にもかかわらず0-1という「結果」を前向きに捉えようとするコメントが選手から出てくるという状態.理解に苦しむ.

第29節 鳥栖戦

2010-10-16 00:05:38 | ファジアーノ岡山
 左SBの野田が出場停止(どころか怪我で1ヶ月離脱)となり,SBには田所が入ることになった.せっかくキムとダブルボランチを長く続け連携が出来てきたのだが.妹尾も前節怪我をしてしまい手術で半年離脱となり,ただでさえ薄いSHの選手層が更に薄くなった.

 この日は上位鳥栖が相手と言うこともあり,代わりのボランチは守備的な選手でいくだろうと思ったところに本職でもない喜山.その起用意図は試合で判断するしかないがそろそろ本職を育てても良いとは思う.そして攻撃陣は三木,白谷,川原と大幅に入れ替え(白谷は初先発),彼らが機能するかどうかもこの試合の注目点だった.

 試合は思った以上に鳥栖の動きが悪かった.試合序盤からラインが間延びしていたしプレスも甘くこれまでの鳥栖との対戦の中では一番やりやすく感じた.なのでファジアーノが比較的ボールを持てる時間もあった.しかし三木のところにボールが収まらない.ただ白谷と川原のパフォーマンスが悪くなかったので(それでもミスは多かったが)珍しく岡山が先制できた.しかもこのゴールは川原,白谷,三木が絡んだ,3人目の動きで相手を崩してのゴール.今シーズン目指してきた形が出たゴールだった.監督が喜ぶのも無理も無い.

 その後も試合は岡山寄りに動く.しかし肝心なところでミスが続き決定機が作れない.そうすれば徐々に相手のペースになる.岡山の攻撃に圧力が無いので鳥栖の選手がどんどんとPA付近にあがってくる.ボランチはどんどんポジションを下げ押し込まれる.という悪循環が続けば失点も仕方ない.ただ前半を1-1で終えることができたことが救いだった.
 ちなみに試合前気になっていた喜山だが,HTで交代となった.それがすべてだと思う.ゲームを作る役割が求められる選手にしてはトラップミスが多すぎる.もちろん今より前のポジションだともっと通用しない.スピードも無いし.

 そして後半から千明を投入.彼の守備力は喜山以下だし運動量も無い.けれど彼はボールを持てる.そして前を向いてパスをすばやく出せる.前半と比較すればその差は分かりやすいだろう.それに加えキムが守備に重点を置けるようになったこともチームのバランスを改善させた.それでも守備の不安は残ったが,相手の調子の悪さもありそれ以上の失点には繋がらなかった.

 そんな中相手が退場し数的優位に.普通なら攻勢に出たいが元々カウンターくらいしか攻撃の形が無い岡山は相手守備が整っている場面でボールを保持して穴を見つけるようなプレーができず,簡単に前にボールを放り込み,わざわざ相手にボールを渡す場面が目立った.
 ただ徐々に数的優位な戦い方ができるようになり,小林から白谷へのパスからゴールが生まれた.普通ならあの時間に得点を取ればそれなりに安心できるのだが,時間稼ぎをしないチームには戸惑うしかなかった.
 しかも終了間際にSBの田所が意味不明のオーバーラップ.「サイドのスペースでボールキープ?」と思った瞬間中へ切り込みボールを奪われ大ピンチを演出!慣れていないとは言えプロの試合とは思えない後半ATだった.

 残り少ない試合.昨年と同じ勝ち数を達成できるだろうか?今想定できる目標はそのくらいか.あとは来季を見据えた試合観戦になるだろう.それでは勝手に採点.

MOM:白谷(6.5)
 水戸戦のシュートを見ても能力の高さは分かったが,この日結果を残したことでその能力を安定して発揮するきっかけにして欲しい.もうちょっとボールを大事にして欲しい.

三木(6.5)強引なシュートが良かった
小林(6.0)決勝点アシスト.少しスペースが多いと結果を出せるが
川原(6.0)昨年より効果的なプレーが増えた
喜山(4.5)調子良くない千明より機能しなかった
キム(5.5)押し込まれだしてからの対応が
田所(5.5)最後の切れ込みは全てを台無しにするところだった
澤口(5.5)攻撃時の更なる判断力向上を
近藤(5.5)周囲との連携が駄目なのか
後藤(6.0)試合をこなすごとに落ち着きが出てきている
広長(5.5)最後は判断ミス

千明(5.5)今ひとつの出来.早くフルタイムで
西野(5.5)決勝点を演出.ストライカーらしいところも見たい
岸田(-.-)評価なし

影山(6.0)
 白谷の先発は成功.喜山の先発は失敗.千明と西野の投入は成功.ということでこの日は良さが上回った.試合を読む力と判断力,組織的な速攻などはもっと出来るはず.良いときだからこそ改善したい.

第28節 甲府戦

2010-10-06 12:19:02 | ファジアーノ岡山
 厳しい日程でアウェイ2引き分けと及第点(北九州でなかったら合格点だった)でホームへ戻ってきたファジアーノ.しかし相手は2位でJ1昇格へまっしぐらの甲府.FWにはハーフナー,パウリーニョ,マラニョンがいてその後ろに藤田が控える.戦力差は一目瞭然.しかも岡山の状態も決して良くない.相手が枠を外しまくって,GKがスーパーセーブを連発して0-0というのが期待できる最良の結果だった.何にしろ勝利を期待させるものがホームアドバンテージくらいだった.

 この日はSHを喜山から妹尾に入れ替えた.どちらも今年はパフォーマンスでは無いので,少し調子が上向きな喜山を使って欲しかった.
 試合は前半は善戦した.相手FW,特にハーフナーへは厳しく当たり自由にさせなかった.ただこの日は岡山の右サイドの山中が酷かった.一歩目のスピードでマラニョンに簡単に振り切られ攻め込まれた.守備だけでなく攻撃も最悪に近い出来だった.相手のプレスにおびえ全く前を向けない.前にボールを運ぶことが全くできず,なおかつバックパスの判断も悪く相手に奪われたりもした.前に駆け上がっても出たとこ勝負のアーリークロスが精一杯.
 さらに田所もボールを受けても前を向けないことが多く攻撃を殆ど組み立てられず,チームとして前に進むポイントがほとんど無かった.結局最後にはDFラインからロングボールを放り込む場面が目立ち,ポゼッションはどんどん甲府になっていく.
 それに加えシーズン前から懸念されていたSHの能力不足も顕著だった.相手DFとMFの間で力を発揮できない.

 SBも前を向けずボランチも縦へボールを出せず,DFラインからは出す場所も無く….なんとか0-0で乗り切った前半だったが,細部には多くの差が存在してた.
 そんな中で最も大きな差はFWだったのかもしれない.岡山は内容が良くないにしろゴール前までボールを運べる機会は何度もあった.けれどもゴール前の精度の低さは酷かった.岸田も西野も同じように大事な場面でミスを繰り返した.相当幸運な形が無いとゴールを奪えるような感じは無かった.
 対する甲府は後半になり,その質の差を見せ付けてきた.もちろん前半から岡山より心理的に優位に立ち余裕を持って戦えていた部分があるので,疲れの見えてきた岡山はさらに楽な相手だっただろう.そして何より攻撃陣の質が違った.いくら選手が走ってもそこだけは埋まらない差となる.

 3点目を奪われたあとは集中が切れ心が折れ足が止まる.全く語ることの無い時間が続く.しかしそのおかげで一ついいものを見ることが出来た.勝負が決したこともあって新人の千明が初出場できたのだ.普通なら「祝初出場」の一言で終わりだが,彼はちょっと違った.相手を含めても違いが分かるプレーを見せた.ボールコントロールが正確でやわらかい足首を使ってタイミングを変えながら正確なパスを出せる.そして相手DFとMFに囲まれても余裕を持ってボールコントロールができる.
 少しずつだが質の高い選手が増えてきているのも事実.白谷も千明と同じく質の高い選手(ちょっと特殊だが).三木も足元は正確.キムは十分な力があり,後藤・近藤は昨年のメンバーに比べれば数倍安定している.しかし何か足りないから岡山にいる.そんな彼らを目覚めさせる指導者がいれば…,ということくらいしか希望が無いのだが.今年は選手の質がようやくプロっぽくなってきたというところで満足しなければいけないのかもしれないが.

 というわけで勝手に採点.

西野(4.0)効果的な攻撃になっていない
岸田(4.0)最後の精度がない
小林(5.0)できることをきっちりやっている
妹尾(4.5)1対1が減った
田所(4.5)ボールの運び方に工夫が欲しい
キム(5.0)攻撃面で生きず
野田(5.0)少し厳しい
山中(3.0)腰が引けたプレー
近藤(4.0)4失点では
後藤(4.0)4点目以外はマシだった
廣永(4.0)反応できないシュートが多い,飛び出しも悪い

三木(4.5)受ける体制が悪かった
白谷(5.5)千明のような選手がいると違うかも
千明(6.0)怪我が無ければ上のクラブの選手

影山(4.0)
 なす術なし.試合中にチームを立て直す能力が無い.攻撃も選手の入れ替え以外に工夫ができない.良いところを見つけたいがみつからないのが現状