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まとめ

2010-07-07 12:49:51 | Sports:football(A代表)
 今更各試合のコメントを書くのもどうかと思うので,今大会のまとめとして書いておく.今大会アウェイ初勝利どころか勝ち点6で見事アウェイ初の決勝トーナメント進出を果たした日本.残念ながら引き分けで大会を去ることになったが,この大会が日本サッカー界に残したものは非常に多いと思う.

 その中で最も重要なのは日本サッカーのレベルを確認できたことだ.どんな形であれ世界の舞台で結果を残すことが出来る力が日本にはあり,世界から大きく離れた位置にいるわけでは無いことが分かったのだ.もしこの勝ち点6が無ければ単なる競技レベルの確認にあと4年も待つ必要があったし,待ったところで確認できたかどうか分からなかったのだ.本当に貴重な勝利だった.
 しかもこの結果を残したのが,世界的に無名な監督と選手だ.レギュラーの海外組は本田,長谷部,松井の3人,他は全てJリーグ所属.しかも多くは「谷間の世代」と言われたアテネ組.人材に恵まれた華やかなチームでは無かった.おかげで「黄金世代」なんていう特別な才能が集まらなくても日本は十分に世界と戦えることも分かった.

 このような成果が出せたのは前回の惨めな戦いがあったからだ.もし前回選手がまとまっていれば,中村の得点でチームは自信を持ち今回のような,いや今回以上の躍進もあったかもしれない.
 その場合,まとまることの重要性は今回ほど理解できていなかっただろうし,躍進した経験も「黄金世代だから」と,日本全体の自信には繋がっていなかったように思う.
 つまり「黄金世代でもまとまらないと結果を残せなかった」という非常に辛い「経験」が今大会の躍進の大きな要因となったのだ.

 今回はその経験に加え幸運があった.特別な攻撃の才能が1人と日本で過去最高のCBが2人揃ったのだ.弱小チームが勝ち抜く堅守速攻のキーパーツが揃っていたのだ.ただその幸運も,それを生かしきれない指揮官により潰される可能性もあった.しかし,それさえもまとまった選手たちの指揮官への提言により生かすことが出来たのだ.これも前回の「経験」が生かされたのだ.

 このような経験と幸運によって得た結果により,日本の世界における位置づけは一つ上がった.世界からは中堅国として見られるだろうし,当然アジアの強豪として扱われるだろう.そしてこれが日本の選手には「自信」になり,相手国には「警戒」を抱かせる.この精神的な変化はレベルの高い試合になればなるほど大きな影響を及ぼすだろう.
 もちろん移籍市場におけるJリーグの位置づけも変わるだろう(出て行くほうも,入ってくる方も).これが更なる日本のレベルアップにも繋がるはずだ.


 こういった結果を残した岡田監督.ここではボロカスに書いていたが,特に評価は変わっていない.今大会の彼の最大の功績は中村を切り,コンセプトを捨て,本田中心の堅守速攻スタイルに切り替えたことだと思っている.
 しかし色々情報を集めると,上にも書いたとおりこの判断は選手の提言があってこそで,岡田主導とは言い切れない.直前でコンセプトを変更できた勇気はともかく,その事実自体は決して褒められることではない.しかもそれが選手選考後というのもナンセンスだ.W杯で博打をできた決断力だけは褒めてもいいのかもしれないが失敗していたら(もし本田がカメルーン戦のシュートを外していたら)それこそ袋叩きだったと思う.

 ちなみに今回直前の戦術変更から本番まで1週間も無かったにも関わらず機能したのは,変更したスタイルがある程度形になりやすい守備的布陣だったからだ.とにかくみんなで守れ.みんな頑張れ.漫画に出てくるような弱小チームのやり方だ.攻撃も漫画に出てくるような「あとはお前に任せた」という形で,結果として必要以上にリスクを犯さないスペクタクルの無いサッカーになった.

 そしてこの突貫工事の限界はパラグアイ戦で見えた.それは最後まで有効な攻撃を見せることができなかったことだ.これこそが彼を評価できない最大の理由だ.彼に求められていたのはオシムが仕上げられなかった最後の部分,つまり組織的な攻撃の仕方をチームに植えつけることだった.しかしそれは就任時から全く進歩が無く,結局は選手の調子に左右される個人頼みの攻撃しかできていなかったのだ.
 堅守速攻スタイルと本田によりそれはある程度機能したが,それが通用しなくなった時点でこのチームに攻撃の引き出しは皆無だった.パラグアイ戦がPKになることは試合開始直後の早い段階で予想がついた.もちろん外れること,そして勝利を期待していたが.


 ただ今大会は岡田で良かったのかもしれない.彼のおかげで一つ一つ経験すべきことをじっくりと味わえたからだ.もしオシムだったら経験すべき多くの過程を飛び越えてしまったかもしれない.それは一時的な結果は残せても継続的な強化にはなら無い可能性があった.千葉がJ2にいることがその一つの示唆だと思う.
 各駅停車で経験した今だからこそ,身をもって今を理解したからこそ,今日本に不足している部分を明確にできただろう.それに対する答えを早く見たいものだ.


 次回大会はこの「経験」と「自信」がどう生きるだろうか?少なくとも長い時間準備をして,直前合宿でやり方をがらりと変えるようなことはもう無いとは思うが.

オランダ戦

2010-06-20 12:40:26 | Sports:football(A代表)
簡単に。
この試合は日本が間違なくこの間の勝利で歩みを進めたことを示した。引き気味だが決しておびえず勇敢に。
ただ攻撃は今の限界だったと思う。本田の前に人を置かずに後ろに阿部を置いた時点で勝ち点1が限界だった。それで良かったのかも知れないがそれはもう超えるべき道だったはず。

岡田の限界がチームの限界になってしまった感じだ。最終戦が引き分けで良い状況だが結果はもう良いから次への道が見たいところ。そうしないとどちらにしろ上じゃ通じないのだから。

コートジボワール戦

2010-06-05 18:56:59 | Sports:football(A代表)
 正に世界レベルの選手が揃った,アフリカ屈指のチーム.多分カメルーンより強いだろう.だからと言ってボロ負けして良い相手でもない.

 しかし試合はボロ負けだった.イングランド戦から選手を入れ替えなかったがボランチを2枚に変更した.つまり前回のメンバーに可能性を感じたので,課題の攻撃をこの試合で修正できるかどうか?という確認をしたかったのだと思う.
 しかし攻撃はイングランド戦以下の酷いものだった.平地に降りて動けない選手.それだけならともかく,圧倒的技術差にたじろぐ姿は惨めでしかなかった.ボールを扱える範囲が違う.そう思ったのはいつ以来だろう?多分WYのオランダ戦以来じゃないだろうか?そのくらい物が違うと感じた試合だった.

 びびっているので攻撃のためを全く作れない.タメが無いのでボールを持ってもすぐに失ってしまう.どこかのJ2下位チームのような戦いぶり.そうすると何が起きるかと言うと体力を失って足が止まるのだ.相手に動かされるのだから.
 なぜここまでタメができないか?前半は遠藤の出来の悪さが全てだろう.全く動けない,ボールを持ってもすぐ倒される.更に日本でやるようにゆっくりしてたらあっという間に詰められてボールを失う.「冷静なプレー」なんてのは全くのまやかしで,ただ単にプレーの全ての動作が遅いだけ.判断の遅さも致命的だった.
 中央で起点ができない(もちろん岡崎も)のであとは本田に頼るしかないが,彼もコンディションが上がらない.その中での努力としては良かったが,とてもW杯で戦えるプレーではなかった.


 そして最も問題だったのは,1失点後完全に相手に試合をコントロールされたことだ.日本は何ら相手に脅威を与えられず.多分見ている殆どの人が失点後の80分間を退屈に過ごしただろう.
 結局何ら進化しない攻撃と,見事に致命的な時間に駄目押しされた守備の印象だけが残った.弱いチームが何ら工夫も強みも発揮できずに順当に負けただけだ.今の日本は本当にJ2のどこかの下位チームの負け方にそっくりだ.

 そして最も残念なのが,本当に「日本」という国のチームの全ての力を出し切れてないことだろう.もっと出来る選手がいる,同じ選手でももっと効果的に力を発揮することができる.そんなことをどうしても思ってしまう.

 と言うわけで勝手に採点.

岡崎(3.5)前戦以上に存在感が無かった
大久保(4.0)プレーが遅い
遠藤(3.5)外されても文句は言えない
本田(5.0)コンディションが戻るのを待つしかない
長谷部(5.0)いつプレーが戻るのか?遠藤みたいに戻らないのか?
阿部(5.0)プレーが遅い
長友(5.0)良いところ見せられず
今野(3.5)怪我したらもう帰ろう
田中(5.0)いらんことしすぎ
中澤(5.0)圧倒された
川島(5.5)ノーチャンスだった

中村俊(4.5)ミスが多く運動量も少なく守備もしない
中村憲(4.0)俊輔と一緒に使うのが悪い.体弱すぎ.位置低すぎ
稲本(4.5)こういう相手に良いところを見せないと
玉田(6.0)物怖じしないのは良かった
森本(6.0)先発で使わない監督の神経が理解できない
駒野(-.-)今野よりマシだと思う

岡田(3.0)
 使えない選手はこれまでも使えなかった.それに見切りをつけられなかった自分の責任を今更言い出しても.
 また戦術が全く浸透していないのは致命的.ポジショニングが悪いので効果的に動けないので無駄に走る必要がある.そして攻撃も決まりごとも無く連携も無い.全てが行き当たりばったりのような感じ.監督なんて必要ないのかも.

イングランド戦

2010-06-04 18:26:09 | Sports:football(A代表)
 この試合で「まずまず」とかいう印象のコメントが多くて驚いたのだが決して良かったわけではない.「悪くなかった」のだ.これまでの絶望的な試合と比べ,アンカーを入れた守備が機能したからだ.そりゃ人を増やせば守りやすくなるのは当然で,その中でどう攻撃するか?というのが課題だった.

 その攻撃は燦燦たるものだった.アンカーに阿部を入れたのにSBにも超守備的な今野を入れるという布陣.人数をかけた攻撃なんて期待できるはずもなく(しかも今野は2失点目の起点となるという皮肉な結果)右サイドは死んだも同然だった.
 それに加え長谷部・遠藤のCMFのコンディションが悪すぎた.前半途中から運動量が落ち,特に遠藤は代表から外すべきでは?と思わせるくらい酷い内容だった.このシステムであのポジションの選手が戦えないなら勝ち点1以下は確定したようなものだ.
 更に言えば1トップの岡崎が全く機能しないので攻撃の起点が本田しかなかった.もちろん本田の出来も良くないのだが,それでも岡崎よりタメを作れた.後半森本を入れてから一気にチームが活性化したのがそのことを証明している.

 対する守備は合格点を与えても良かったが,韓国戦から気になっていた長友が同じようなプレーでこの日1失点目の起点になったのはきになった.田中が出てくるのを抑えておきながら相手へのマークをルーズにして致命的なクロスを上げさせた.多分あの感覚でW杯でプレーするようなら同じことが起きるだろう.

 といった試合.惨敗はないけれど「9-0-1」と罵られても仕方ない内容だ.世界は驚かないし,ベスト4も無い.目標は高く.それは同意する.しかしそれに向けた具体的なプランが無いようでは誰もついて来ない.まぁ「ファンのことまで面倒見れない」監督に期待するのが間違っているが.それでは勝手に採点.


岡崎(4.0)北京と同じ結果でしょう
大久保(4.5)怒るなら枠にボールを飛ばして欲しい
本田(4.5)コンディションが悪い,ハンドは馬鹿馬鹿しい
長谷部(5.0)コンディションが悪い
遠藤(4.5)シャビではない
阿部(6.0)役割はしっかり果たした.それがチームに反映されなかった
長友(4.5)失点したら何の意味も無い
今野(4.0)彼が適役なのか?
田中(6.0)ロングフィードは持ち味
中澤(5.5)この出来のイングランドならもっと余裕で良い
川島(6.5)この日の出来に文句は無いだろう

森本(6.5)なぜ先発では無いのか?格段に違う出来
松井(5.0)存在感無く
玉田(-.-)使い方が理解しづらい

岡田(3.0)
 力のある選手を選出せず,そして選出しても起用しない.技術の無い運動量のある選手なんて世界レベルで通用するわけも無い.そして自ら持ち続けたコンセプトも投げ捨てるようなアンカーの導入.一貫しないスタイルと成熟しないチームは見るものに期待感を持たせない.

韓国戦

2010-05-27 01:22:01 | Sports:football(A代表)
 こんな時期に韓国戦.試合をするには相手が必要で,この時期に極東に呼べる相手は限られ,そのベストの選択ではある.ただこの時期に,僅かな合宿しか出来ない状況で国内で試合をして一体どんな意味があるのだろう?もちろんW杯のシミュレーションにはならない.
 確かに日韓戦をやれば両国とも盛り上がるかもしれない.けれどそれはメディアにとって必要な商業的な話であって,W杯を戦うチームには何ら意味が無い.

 つまりやる前からこの試合は失敗だったのだ.W杯直前の大事な時期をメディアに売るこの体たらく.今のサッカー協会を象徴するような試合だ.


 協会がおかしければ協会が選んだ監督もおかしくて当然だ.この日も岡田は意味不明な采配だった.この日はCBの田中が負傷し絶好の3番目のCBを試す機会となった.そこで岡田が選択したのはクラブでボランチの阿部.そんな選手が3番目のCBのようだ.複数のポジションを平均以上にこなすのが阿部が代表である所以なのだが,CBの阿部は日本でもトップクラスとは言えない.
 更には内田の代わりに入ったのはクラブでCBの今野.彼も当然SBとして優れているとは言えない.日本レベルで,だ.

 そんなDFラインは完全にチームのバランスを崩す要因となった.特に今野と阿部の入った左側は全く機能しない.クリア以外で前に蹴れない今野と,隣の選手にしかボールを蹴れない阿部.ボールは失点後もDFラインで停滞し攻撃陣とは全く連携がとれなかった.
 ただこれで守備が堅くなればそれは一つの作戦と言えるのだがあっさりと失点….阿部にしろ今野にしろ明らかに相手に戸惑っていた.日本でトップでもない選手が出ればプレミアの選手に対応ができるはずもない.
 「ホントにこんな選手をW杯に出すの?」と見れば見るほど呆れてしまった.もっとこの舞台に相応しい選手がたくさんいる.彼らが控えとして1人メンバーとして選出されるのは分からなくは無いが,2人とも選ばれ尚且つ先発だなんて悪い冗談だ.

 守備が酷ければ攻撃も酷い.前と後ろは大きく隔たりができ,しかも後ろからボールが素直に出てこないので前の選手はボールも持てず.あれじゃ大久保が苛立つのも仕方ない.
 そこに全く何も出来ない中村と,何かやろうとするが判断の遅さとミスが目立つ遠藤が入れば攻撃だってできるはずもない.気づけば先制した韓国が失点しないような戦いで上手く主導権を握っていた.

 後半.驚くことに梃入れをしない日本.そこから更に18分間,機能せず動けない右MFというハンデを背負っての戦いを続けた.何ら機能する気配も無く時間は過ぎるだけだった.
 後半開始時点で「守られて最後にとられて0-2」と予想し,「もしそうなったらこのチームは救いようが無い」と思った.

 結局予想通りの救いようが無い結果だった.ただこの結果はずっと前に分かっていたことだ.東アジア選手権と言う最後のチャンスで監督を解任しなかったのだから.完全な手遅れ.それが誰の目から見ても明白になった試合だった.
 こんなマッチメイクをしたサッカー協会がいるのだから代表がこんな結果になるのは当然であり,まず責任を取るべきなのは協会のトップだ.

 とにかくこれでW杯に変な期待を抱く人がいなくなったことだけが好材料だ.3戦惨敗でも誰も不思議がらないだろう.やるべきことをやらない国が勝てる場ではない.
 もし勝ったら?マグレだ.2勝以上したら?奇跡だ.とにかくこれだけ協会がいい加減な国が勝っては駄目だ.

 …なんでこんな気持ちにさせられるのか?と思いながら勝手に採点.

岡崎(4.5)周りの責任もあるがそれにしても何もできなかった
大久保(5.0)気持ちは一番だが空回りしていつものようにゴールの外にボールを蹴る
本田(5.5)唯一前を向いてプレーしたが1人じゃ無理
中村俊(3.5)敗因.1試合に1回しか出来ないプレーを自慢げに言わないで欲しい
遠藤(4.0)相手に何度パスするのか.今回もベンチで.
長谷部(5.5)ちょっとコンディションが上がってない
今野(4.0)使ったほうが悪い
長友(5.0)責任感が欠けるプレーは本番では通用しない
阿部(4.0)5m以上ボールを蹴れないルールだった
中澤(5.5)今更阿部と組まされても
楢崎(5.5)PKが無ければ

森本(6.0)唯一FWらしいプレーだった
中村憲(4.5)存在感に欠けるプレー
駒野(5.5)今野の数倍良かった
矢野(5.0)負けてるんだからゴール前に居座れば良かったのに

岡田(2.0)
 点数つけるのも嫌になる.全く上積みも無くここまで来れる方が凄い.クラブチームの監督と勘違いしているようなチーム作りも同意できない.辞意表明したなら断固として止めれば良かったのに.「選手がついてきている」なんて当たり前.みんなW杯のピッチに立ちたいんだから.文句を言ったら選ばない実績ありの監督なんだし.

結果

2010-05-11 12:45:49 | Sports:football(A代表)
 昨日の予想結果は21/23.外した2人はサプライズといわれる選手.今回の選考に関して言えば多くの人がこのサプライズ以外は的中させたと思う.まぁ西川は調子悪いから川口の選択は読めたかもしれないけど.とにかくそのくらい岡田の考えは読みやすい.それは対戦相手から見ても同様で相手からすれば組みやすく見えるだろう.

 さらにこれまで起用し続けた選手ばかりで情報を集め易く,しかも爆発的な成長の見込めない中堅選手が中心.選手起用だってはっきりしている.しっかり相手に分析されてしっかり対応されるだろう.それを上回らなければならないが,この読みやすい監督のやり方を考えれば,そういう対応をしないことも容易に想像できる.つまり結果も順当なものになるということだ.


 この監督に多くを望むのは難しい.だからこそ次回に期待を残す選手を,そしてJリーグのためにもJリーグで活躍している選手を少しでも多く選んで欲しかったのだが,そんなことさえこの監督に望むのは間違っていたのだろう.

 ひとつこの監督らしくなかったのは,今年の散々な公式戦でモチベーション低いプレーを見せて常連組を外さなかったことだ.そんなことでチームの規律を保てるのだろうか?


 やっぱり思ってしまう.前監督があんなことにならなければどんなチームが出来上がっていたのか.少なくとも今より数倍W杯の日本戦を楽しみにしていただろう.というか06年にあの監督がいたら….こんな後ろ向きなことを考えている人はどのくらいいるのだろう?

予想

2010-05-10 01:16:42 | Sports:football(A代表)
 ちょっとだけメンバーの予想を.

楢崎、川島、西川、中澤、田中、内田、長友、駒野、今野、岩政、阿部、長谷部、遠藤、稲本、小笠原、中村俊、本田、松井、中村憲、大久保、岡崎、玉田、森本

 あの監督だから面白い選手の選択はないだろう.ちなみに自分が期待するメンバーは…、

楢崎、川島、権田、中澤、田中、内田、長友、槙野、細貝、岩政、小野、長谷部、遠藤、稲本、小笠原、宇佐美、本田、松井、香川、渡邊、岡崎、前田、森本

 実際自分が監督なら今の段階でこのメンバーは選ばないが(連携とか考えると怖いので).コンセプトは「どうせ今のメンバーじゃ通用しないので,次へ向けた強化」というところ.それでも槙野や香川は選ばれて欲しいけど.あと渡邊はもっと試した後なら選んで欲しかった.宇佐美は1枠くらいこういう選手のためにあげても面白いと思うんだけど.

 まぁ今日から絶望が始まるのだろう.

セルビア戦

2010-04-07 21:17:13 | Sports:football(A代表)
 W杯メンバー発表前最後の試合.Aマッチデーでは無いのに欧州組を呼ぼうとして所属クラブに鼻であしらわれたこの試合は控え組の底上げが期待される.しかし結果は2軍以下のセルビアに0-3の惨敗となった.

 この試合は仮想デンマーク戦として本番のあらゆる状況を試す試合だった.まず試合前の想定では序盤は日本がポゼッションすることが考えられた.そこで相手をどのように崩し得点できるかが課題だった.
 これまでのようにショートパスをつなぐだけでは駄目なことは分かっていた.もちろん練習時間が不足しており戦術的な上積みは期待できない.しかしパスを優先するのでなく縦へ,そしてゴールへの意識を高く持って戦うことは出来たはず.
 しかし結果はいつもの「逃げる」パスサッカー.70:30というポゼッションで0-3と言う結果がそれを物語っている.ボールを持っても前への意識が低く相手はパスだけに注力すれば良かった.ゴール前に来るのは中央かサイドで手数をかけた後だけ.しっかり引いて守る相手のDFは怖さはなかっただろう.
 ただこんなことは監督就任時点でわかっていたこと.この時点まで変わらないと言うことは2ヵ月後の再現も非常に可能性が高いだろう.オシムが手をつけ始めていた攻撃部分まで完成していたら….

 そんな見るに耐えない攻撃の中,想定すべきことはもう一つあった.攻撃に手数をかける日本はカウンターに対して集中しなければならなかった.しかし素人でも想定できるその状況に代表クラスの選手が対応できなかった.攻守の切り替えとボールへの執着心が相手より劣っていたためだ.
 もちろん経験不足のCBを起用したことも原因の1つだ.ただW杯を想定するという意味ではこれは非常に良いシミュレーションになった.W杯で主力選手が怪我や出場停止などの緊急事態が起きた場合に同様のことが起きるだろう.ただW杯2ヶ月前にそれがわかったところでもう十分な対策は不可能に近いのだが.祈るしか無いのが実情だ.


 先制されたらされたで今度はそこからどう戦うか?という準備を確認できる.しかし反攻するでもなく,より強固になった相手の守備ブロックにボールがどんどん押し出され,気づけばPAにも近づけなくなっていった.何ら対策ができていないのだろう.それは「先に失点するのはどうしても避けたい」と,失点を避けることしか考えていない岡田の試合後の発言からも明らかだった.
 もちろん100%先制されない方法など無い.単に想定することから逃げているだけだ.岡田の監督としてのマネージメント能力の欠如を示す非常にわかりやすい例だった.

 その後は成すすべなく時間が過ぎていき,更に失点.何ら修正出来ずに同じように攻められての失点だった.現時点でこういった状況に対応出来ない監督がたった2ヶ月で何か変わるのだろうか?

 守備の強固なチームに0-2.絶望的な状況.想定するのも無意味に近い状況になってしまった.あとはこんな状況でも最後まで戦える選手を探すことくらいがこの日できることだった.残念ながら該当者なしだったが.
 ホームでこの状況でW杯で一体どうやって戦うのだろうか?相手FKで集中を欠いた対応をして失点した3点目をみると,W杯という想像を超えたストレスの元で戦えるチームにはとても見えなかった.

 まさかドイツW杯で見た「これ以下は無いだろう」という代表以下のチームを,W杯2ヶ月前に見ることになるとは思わなかった.こんな状態にした岡田にチームを修正する能力は期待できない.あの時同様報道はされないが中身はぐちゃぐちゃなのだろう.誰かが引退するくらいしか正常化する手法は無いと思う.

 精神的なものだけでなく戦術や意識も東アジア選手権から何ら変化も進歩も見られなかった.「選手のコンディションが悪かった」という当時の監督の言葉も,今振り返れば全く正しくないことがわかる.
 もうチームを修正するには監督を変えるしか無い.しかし最後の機会だった東アジア選手権でそれをしなかった.ただ今監督を変えようが変えまいが世界の笑いものになることには違いない.それなら今笑いものになって2ヵ月後は少し誇りをもてる状態の方が救いようはあるかもしれない.


 とにかく岡田が日本サッカーの息の根を止めようとしているのは間違いない.

バーレーン戦

2010-03-05 23:08:35 | Sports:football(A代表)
 エースの立場を築きつつある岡崎が今年初得点を挙げ,なおかつ新戦力として期待されている本田がダメ押しゴール.それだけ聞いたらこの試合は間違いなく合格点だろう.ただこの日はW杯イヤーの国際Aマッチデー.そんな日にグループリーグの相手を想定した相手と戦うこともできずにアジアカップの予選をバーレーンと戦う.
W杯レベルからは程遠く,なおかつGLのどの相手ともタイプが異なる.しかもアウェイ日本に消化試合として来る海外組もいない1.5軍….こんな相手と試合をしている時点で,どんな試合をしようと合格も糞も無いだろう.東アジアで3位にしかなれない監督を続投させ,しかもこのマッチメイク.協会会長はよく偉そうな顔をしてチームを評価できるものだ.自分が最も不合格なのに.

 そんな試合.見所は本田と森本くらい.欧州組を招集できる数少ないチャンスなので,岡田もいつもとは異なり新しい選手を起用した.ただ森本だけは,ここ4戦の不振あおり受けた.今年に入り岡崎が無得点だったからだ.今ではエース格の岡崎.このまま不調を続けられては更にW杯への不安が増す.こういう弱い相手で得点をとらせておく必要があった.
 ただこういった負の連鎖は「タイムマシンが無い」ので仕方ないし,今から改善するしか無い.しかし岡田はタイムマシンが無いことをどうも理解していないようだ.この日も「いつもの」CB.しかも岩政は召集さえしていない.欧州組のいる攻撃陣はともかく,CBは変えられたはず.「岩政の次の出場はW杯本戦」と書いたがそれが実現しそうな感じだ.
 岡田は,選手がW杯メンバーに選ばれるために抵抗できない状態で好き勝手やっているイメージだ.


 ちなみにこの日の内容はどうだったか?ぶっつけ本番だったので本田とそれ以外の選手の連携は悪かった.けれど全体としてゴールへ向かう気持ちは出ていた.ただPA付近で1.5軍のバーレーンとどれだけ戦っていたか?と考えると満足いくものではない.
 それどころか唯一高い位置で戦っていた本田に対しHTに岡田は「もっと下がって受けろ」なんて指示を出した.そのため後半からは一気に攻撃は停滞しチームはリズムを失った.本田の良いところはPA付近でボールを収められ,そして前を向けることだ.それがチームにリズムを生んでいた.岡田は一体何を見ていたのだろうか?

 そしてそんな本田を裏へ走らせようとする中村という選手もいた.本田のタイミングでパスを出さないためにチャンスを何度か潰したり,別の選手への無理なパスを相手に奪われたりしていた.尚且つ後半は足を止めた.昨年夏ごろから落ちてきたコンディションは戻らないままだ.
 スペインで通用しない理由は明白だ.エスパニョールの紅白戦よりも厳しくない相手で,マークを嫌がり下がり,ボールも納まらない.相手も抜けない.パスも後ろへ.まあ他の選手と同じJで戦うことで彼の今が明確になるだろう.それでも監督が岡田だとどうしようもないが.

 ちなみに岡田が愛してやまない守備陣だが,格下の1.5軍相手にも危うい場面,W杯レベルの相手ならば失点という場面を何度か作った.中澤はともかくこの5試合の田中のプレーは酷いものだ.この日も無意味でタイミングの悪いオーバーラップでバランスを崩すなど軽率なプレーが何度も見られた.彼のプレーを抑制できない監督の責任も重大だ.

 結局本田と森本以外に見所はなかった.収穫は格下相手に欧州組が調整できたことだけ.そんな試合だった.チーム作りは難しいし,遠回りすることも何度もあるだろう.遠回りしてもゴールへ向かっていればいいが今の日本にはゴールが見えていない.遠回りでなく迷い彷徨っているようだ.


 この試合,負けて監督解任なんて話もその筋ではあったようだ.もしそんなことを考えていたとしたら協会会長は救いようが無い.リミット(しかもかなりワーストの)は韓国戦だった.それを超えたのだからもう心中するしか無い.そんなこともわかっていないのだろうか?
 もう手遅れなのだ.ジーコの時と同じなのだ.ドイツを繰り返すのだ.4年前に反省しなかったために4年を無駄にするのだ.相当な幸運が無い限り.協会会長は今から6月に向け責任のとり方を考えておくべきだ.


 この日の深夜にオシムの特集の再放送があったのは偶然なんだろうか?あの頃の千葉が色んな意味でJのベストチームだった.あんなサッカーが見れれば負けても悔いはなかったのだが.世界の舞台で悔いのある戦いを2回も繰り返すなんて.

東亜:韓国戦

2010-02-16 21:57:24 | Sports:football(A代表)
 歴史上初めて中国に,しかも0-3で負けた不調の相手.いくら宿敵とは言え今の韓国に負けるのは許されない.
 この日の韓国の動きを見るとその思いが更に強くなるほど,今まで見た中でも最低に近いパフォーマンスだった.そのため日本はポゼッションはできたし,攻撃もこの3戦に比べればマシになってきていた.

 先制は日本のセットプレーからのPK.相手の荒いプレーを見ていればセットプレーが多くなることは目に見えていて,W杯を考えるならこの相手からセットプレーで得点しても喜べない.日本の先制点にもそんな思いしかなかった.そのくらい韓国は悪かった.

 ポゼッションできる相手からリードを奪うことはかなり有利な展開になったことを意味する.ただ「楽勝かな」と思う状況なのに日本の選手から雰囲気は感じなかった.それは攻撃される回数こそ少なかったが,たまにある攻撃で前へ前へとくる相手の圧力を嫌がっていたからだ.
 そして相手に左右に振られ,突進されてPKを与える.PA内で前を向ける状態にされた時点で負けだった.そういえばこの日の日本もそんなプレーは出来ていなかった.

 ただPKによる失点は仕方ない部分もあるのでそれ程気にはしていなかった.けれど次の失点はいつか見たような残念なものだった.中盤で相手へのプレッシャーを緩め,その隙にシュートを打たれて失点した.多分日本サッカーのシュートへの意識の薄さは,守備する側にも潜在的に影響しているのだろう.日本だとあそこでシュートを意識する選手が殆どいないのだから.

 その後は岡田のこれまでのやり方が駄目なことを証明する時間となった.田中が馬鹿げた行為で一発退場した.そこで出場したのがこれまでキャップ数1の岩政.もし田中がW杯まで退場しなかったら,W杯でこの岩政を使うつもりだったのか?
 連携不足は後半開始直後に出た.ギリギリゴールには入らなかったが,連携の不安はその後も何度も見られ,そして3失点目に繋がった.同じことはドイツで起きていたのだが.岡田はコインブラをリスペクトしているのだろうか?ただ田中の退場のおかげでようやく新しいCBを試せたことだけが収穫だった.ただ監督が岡田のままなら次の出場はW杯まで無さそうだが.


 対する攻撃も何の打開策も見出せなかった.全く機能しないFWを代えずに途中出場の香川を岩政に代え,そして3失点後も選手を変えず.4連戦で中村も遠藤も疲弊していたのに.特に中村は人が減ってスペースができるまで何もできていなかった.この4戦の中村はジェラードどころかJでもレギュラーが厳しいような動きだった.
 とにかくゴールに向かない日本はろくに攻撃が出来なかった.FWが前を向かないのはもちろん,他の選手も責任逃れか自信が無いのかしらないがゴール前でパスばかりだった.

 試合は1-3の完敗.そんな試合の岡田のコメントで「人をかけてゴールを狙うやり方をしているので,もう少しゴール前に人が足りなかった」とあったのは驚いた.10人しか居ない中で人をかけて攻撃やってカウンター食らったのに.
 どんなときもあのコンセプトで戦うつもりなのだろうか?韓国に研究されたくらいで機能しなくなるコンセプトで.退場者が出ても.

 今監督を替えることはリスキーだ.しかし今変えないとW杯を1回無駄に使うことになるというもっと大きなリスクを背負うだろう.就任して長く経つが,岡田のサッカーに攻撃の形はできないまま.そしてタイトルを公言したこの大会で無様な結果(調整と割り切っていればまだ救いようがあったのだが).この監督はあまりにリスキーだ.何がこの監督の良いところなんだ?チームをどういう方向に強化できる,強化しようとしているのか?


 岡田のベスト4という言葉には「東アジアの」という言葉が省略されていると考えれば全てが解決する.目標は達成したので退任すると思えばいい.解任とか辞任とかややこしい話にもならない.
 そしてたった200件という上っ面の数字しか見えない協会会長もぜひともやめて欲しい.秋春制とか救いようの無い主張を繰り返すだけでなく,200人ものファンの声を足蹴にしたのだから.NPBと同じで,おかしなことをやっている集団を応援する義理などどこにもない.