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PSM 新潟戦

2015-02-20 18:20:20 | ファジアーノ岡山
 クラブとして初めてのPSM。相手も初対戦の新潟。長澤体制のお披露目としては悪くない。

      片山
    妹尾 染矢
田所 島田 関戸 田中
 竹田  岩政 篠原
      椎名

 相手は疲れがピーク。対する岡山も主力の半分は午前の試合に出し、怪我人も続出しているのでベストメンバーとは言えない。そう考えれば、疲労困憊の相手とはいえ、現状確認は十分できるだろう。

 この日のメンバーで注目したいのは、もちろん岩政。彼がどの程度パフォーマンスを維持しているか?あとは復帰した篠原、シャドーとして起用された染矢がどの程度プレーできるか?という点。またチームとしては、明らかに戦力不足のFWを含めた攻撃陣が新監督の下でどの程度機能するか?という点が注目だ。またフォーメーションが昨年と同じなので監督が変わったことでどの程度チームが変わったか?というのも確認しやすいので注目だ。

 試合は全体的に力のある新潟が主導権を握った。とは言え全く試合にならないわけでもない。その要因は岩政だった。攻められても恐さを感じさせない。1対1での安心感が違う。高さは強烈だしポジショニングは素晴らしい。これらが見る側の安心感に繋がっていたのだろう。現状で全て判断できるわけではないが、J2においては十分すぎる能力なのは分かった。不安の大きかった今シーズンだが少なくとも守備は大丈夫そうだ。
 ただチームとしては守備面の課題は解決しているとは言えなかった。これまで同様ズルズルと全体が下がってしまう悪い癖が何度か出て、ボランチがDFラインへ吸収されることがあった。そのためシャドーも深くまで戻らざるを得ず、5-4-1、7-2-1というような形になっていた。せっかく岩政がいるのだからボランチはもっと我慢しなければいけない。

 攻撃はポジショニングと組織的な攻撃に関して改善がみられた。いてほしい位置に選手がいる。昨年まではそれができずに攻撃が遅れたり、ボールを奪われたり、曖昧なボールを出さざるを得ない状況が多かったが、かなり改善されていたように思う。またチームとして人数を掛けるタイミングの意思統一ができていたのも良かった。とにかく縦の意識はかなり上がっていたのではないだろうか?更にパス最優先サッカーだった昨年までと比べ、ドリブルでボールを運ぶ回数が増えたのも大きな変化だろう。
 ただ変わっていないのはシュートの意識。自信が無いのかもしれないが、せっかく前を向いてプレーするようになったのだから、狙える位置でボールを持った時はもっとシュートを意識する必要がある。ただここは個人技が占める部分も大きい。やはりこのポジションへの補強は必要になるのではないだろうか?

 という1-0の試合。監督が勝負にこだわるとコメントしていたが、これが最も大きな変化かもしれない。監督が理想のサッカーにこだわり勝負へのこだわりが少なかったことが昨年PO進出を逃した大きな要因だったと思う。内容をないがしろにしろとは思わないが、良いサッカーをしたら負けてもいいなんていうのは戯言だ。上に上がっても戦えるサッカーを志向しても、勝てなければそれが作るべきチームのサッカーか、上で戦えるサッカーか?なんてことは分からない。少なくともJ2で得点も奪えないサッカーはJ1で通じるわけがない。それを意識してプレーしているなら、それだけでも今季は期待したいと思う。

 それでは勝手に採点は無しで、勝手に各選手にコメント。

片山:プレー精度が上がっていて驚きだった。1トップもできるかも。
妹尾:気の利くプレーは相変わらずだがもっと前で脅威を与えたい
染矢:守備に戻り過ぎだったが気合いは感じた。シュートの上手さは活かしたい
田所:攻撃面は期待できないのは分かった。
島田:得意の前への飛び出しは無かったが悪くは無かった。
関戸:守備に時間を割かれ、良いとは言えない出来。
田中:焦ってプレーが雑すぎて問題外だった
竹田:ミスの質が悪すぎる。
岩政:別格。やっぱりJ1鹿島、A代表ってのは相当なもの。
篠原:積極的に前に出たが不安定な要因にもなった。後半は狙われた
椎名:控えGKとしては十分過ぎるでき。もう少しクリアやキャッチの判断が良ければ

藤岡:体ができてきた。狭いところでもプレーできる。悪くない。
幡野:体もスピードも無い選手のプレーとしては精度が悪すぎた。

補強動向2015

2015-02-03 00:05:15 | ファジアーノ岡山
 このオフの補強動向をまとめたい.まずは契約満了および移籍選手。

FW:清水、荒田、石原、ウーゴ、新中、ピアカイ
MF:上田、仙石、岡崎、鈴木
DF:後藤、鎌田、西原
GK:真子

 トップ選手は9人流出という過去例を見ない状況。レンタル選手以外で初めて他クラブから狙われたというのはクラブの成長の証かもしれないが、相手が松本と言われると「結局J2レベルか」と残念になってしまう。今回の流出で痛いのは、まずレンタル選手全員だ。清水、上田、鎌田と能力の高い3選手を失った。他のチームも経験しているように、レンタル選手を中心にチームを構築してはダメだということだろう。レンタル以外で痛いのは後藤だ。ミスも多いが出場していた試合数が圧倒的に多い。名前的には荒田、石原も大きいが、荒田と石原の得点数と出場試合数を考えると致命的ではない。結局清水、上田、鎌田、後藤の4選手の穴を補充することが補強の最優先課題となる。

 今季に向けての補強だが、監督も交代しシステムもどうなるか分からない状況なのでこれまでのように明確ではないが、以下のタイプの選手は必要だろうというのを挙げる。
1.前でボールを持て、前を向け、ある程度高さのある選手
2.守備ができ運動量もあり、試合が読める右利きの選手
3.4バックもできるCB
4.左利きの左SB

 とにかく清水の穴埋めが攻撃陣では必要で、特に前線で時間を作れる選手が押谷しかいない状況は危機的だ。2014シーズンを見ていても前にポイントが2つできない試合は手詰まりになることが多かった。また片山や久保は狭いところでプレーができない。そういう意味で狭いところで前向きにプレーできれる選手が必要だろう。フィニッシャーも欲しいが、荒田のように特化した選手はボールを届けないと存在が消えてしまう。久保にしてもそうだろう。そんな感じで使いにくさがあるのにフィニッシャーはお値段がちょっと高い。なので前の狭い空間でプレーできることを優先すべきだろう。
 2番目は上田の穴埋めだ。ただ上田そのものが欲しいわけではない。やはりこのポジションはもう少し運動量と守備力が欲しい。特に前の選手と絡む回数をもっと作りたい。島田と組むならまだ良いが、千明と組むとその不足が目立った。そういう意味で少し違うタイプのボランチが欲しいところ。
 3番目は後藤と鎌田の穴埋め。ただどうせ2人もCBが抜けたのだから、システムごと変える良いチャンスとも言える。個人的には4バックの方が好きだし、3バックにしてもアンカーが下がって3バックになるような形の方が良い。そういうのに対応できる選手を補強したい。
 4番目は、4バックにするならという前提だがSBが欲しい。三村はSHからWBまでだろう。となると田所しかいなくなる。ここはチームプラン次第だ。

 という観点で今季の補強選手を見てみる。

FW:矢島
MF:伊藤、渡邊
DF:加地、岩政、篠原、西林、宮本
GK:似鳥、木和田

 これを見ても分かる通り最も大きな課題であるFWが補強できていない。矢島はどちらかと言えばSHかトップ下、シャドーだろう。攻撃陣に関しては補強失敗と考えていい。矢島が前の狭い空間でプレーできることを祈るしかない。
 MFは伊藤と渡邊という異なるタイプを2人獲得できた。渡邊はアンカーもできるだろうし、伊藤はSHやトップ下、シャドーもできるだろう。セットプレーも蹴れるしMFはかなり幅が広がったように思う。ただ2人を合わせたような選手が欲しかった選手だった。
 そしてDF。加地、岩政というビッグネームを獲得。加地は右SBかWBか分からないが、底上げは間違いなくできているだろう。ただMLSへ渡る前はパフォーマンスが少し落ち気味だったのが気がかりだが。そして岩政。これまでになかった強さをチームにもたらすだろう。彼が入ることで4バックへの変更も十分に考えられる。ただ懸念となる左SBが補強できず。野田か茂木を取れれば良かったのだが。

 とこのようにみると全体として補強は不十分だろう(今季クラブが重視する客寄せという面の補強は十分だったが)。特にFWは心細すぎる。もちろん可能性は無くは無いが、その可能性は決して高くないし、この程度の可能性に賭けてシーズンを迎えるのはあまりに無謀だ。中盤も昨年以上とは言えないし、守備も年齢面の怖さが残る。とにかく安心できるメンバーをそろえられなかったという印象だ。

 新監督になって、十分な戦力も無い状況となると、今季は昇格どころか残留が目標かもしれない。このメンバーの最大値を監督がうまく引き出せればPO進出できるか?というところだろう。目標は半分より上くらいに思って今季は観戦に挑む方が心にやさしいだろう。コレクティブに戦うと言っていたので、それがどこまでできるかに期待することとする。コレクティブになるまでに酷い位置にいそうだが…。

 こんな状況で新シーズンを迎えるのは怖いが、まずは新潟とのPSMを見て心を整えたいと思う。それでは最後に昨季をもってチームを離れた選手に勝手に一言コメントを。

清水:いつ開花するか?と言う選手だった
荒田:荒田仕様にチームがなってないと安定した結果は無理かな
石原:J1に行きたい気持ちは分かるけど客観的な目も大事
ウーゴ:シーズン最初からいたら可能性はあった
新中:ネクストへの貢献は大きいが、地元のレジェンドになる方が良い
ピアカイ:環境に馴染めていれば
上田:研究された後は不足だった
仙石:伸びなかった、の一言
岡崎:期待していたんだけど
鈴木:スカウトのミスとしか言えない
後藤:環境を変えるのもいいだろう
鎌田:怪我が残念だった
西原:とても気持ちの良い選手だった
真子:安定感のある良い選手だった