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第30節 札幌戦

2009-07-31 12:19:42 | ファジアーノ岡山
 とうとう30節.シーズン6割が終わった.前節の勝利の勢いを持ちこみたいところだが相手は強豪札幌.勝利は難しいが前節で得た手ごたえを生かし前向きになれる試合を期待した.都合よく相手はそれ程調子も良くない.0-0以外のドローなら満足できる.

 この日は前線は前節と同じ.こういったセオリー通りの選手起用は珍しい.ただ前節決して機能していたとは言えない2トップは変えても良かったとは思う.個人的には西野と保坂で2トップを構成し右SHに青木の起用を期待していた.

 試合が始まると札幌の猛攻.相手はパスと判断のスピードが速い.岡山が動きが悪く相対的にそう見えるのか,それとも実際そうなのか.どちらかはわからないが引き分けも厳しいだろうことはすぐにわかった.
 試合開始から20分まではファジアーノは殆ど攻めることはできず札幌の一方的な試合.とにかく中盤のプレスが全く効かず相手に自由にプレーされる.個々で上回る能力で局面局面で優位を作り簡単に岡山のPAに侵入した.

 そんな状況で岡山は何とか守ってわずかなカウンターのチャンスを狙うのみ.アウェイとはいえちょっとレベル差を感じさせられる展開だった.ボールを奪ってもクリアのボールが繋がらない.2トップにボールが届かない.届いても納まらない.もちろん開幕以来機能しないカウンターなど期待できない.相手に押し込まれ失点するは時間の問題だった.

 そうしているうちに事故のような形でゴールを奪われる.あれは見事.しかしその前のプレーで田所がクリアのパスが相手に奪われたことがこのゴールの遠因だった.実力差とか能力差とか言うが,結局は単純なミスの差だ.しかしそれはプロの世界では致命的.パスミスの多さは一向に改善されないのは気がかりだ.
 そんな中,もう一つ改善の無い形により失点.ロングボールへの対処だ.何度同じことを繰り返すつもりだろうか?ちなみにこの日3回その過ちを繰り返した.3失点めはGKのミスとも言える.4失点めは前に偏っていたので仕方ないにしても….
 結局は守備陣がボールが遠くにあるときに多少油断してしまうのだろう.気持ちは分かるがその隙を相手は探している.選手が悪いのか指導者が悪いのか.何れにしろ今シーズンにこの問題が解消されると思わない方がいいだろう.

 結局2-4で敗戦.ただ負け方としては悪くなかった.2失点後,次の得点が大きいという場面で初めて得点ができたこと,3失点めの後もすぐに取り返せたこと.前回勝利の後の試合のような気持ちの無い無様な試合でなかったことは収穫だろう.

 一つ気になるのは3人目のポジショニング.J1のチームなどを見ているとパスしている2人の選手の次の選手のポジションが良い.岡山の選手は居て欲しい所にいないことがあまりに多い.だからボールを持つ選手がプレッシャーを受けて出しどころ無く奪われているように見える.まぁ簡単に改善されることではないだろうが.

 というわけで勝手に採点.

西野(6.0)ゴールは良い.落とすボールの精度が悪い.
青木(5.0)落とすプレーが軽すぎる.確実なプレーを.
小林優(6.0)もう一つ上を期待してしまう.
妹尾(5.5)ゴールが近づくとスピードが落ちる.ドリブルのスピードを保って次のプレーを.
田所(5.0)パスを出しても動けない.
竹田(5.0)このレベルだとミスが目立つ.
玉林(4.5)このレベルでSBは無理.瞬発力が不足.
澤口(6.0)ドリブル意外にうまい.この日はかなり良いプレー.
大島(4.5)中山に振り回された.
野本(4.5)古巣の評価が正しかったということか.
李(4.5)3点目はポジショニングに問題が.

保坂(6.0)ゴール付近では良いプレーができる.
武田(5.5)警戒されればあんなものか.
川原(-.-)出す方が悪い.

第29節 栃木戦

2009-07-24 21:45:20 | ファジアーノ岡山
 相手はここ10戦勝ち星なし.失点は岡山より多く得点も大きく変わらない.同期加入組で同じように苦しむ栃木.とは言え河原や栗原,落合,米山など,つい最近までJ1でよく見た名前の選手が揃い,監督も昨年まで神戸を率いた松田.地力は相手の方が間違いなくある.調子に乗せたくないところ.

 この日の岡山は攻撃陣は負傷の三木に代わり青木を入れた以外前節のままと久しぶりに大きくメンバーが変わらなかった.前節不調だった小林優の出来と青木と西野の2トップの連携が鍵になる.
 ただ中盤では大きな変化があった.全試合出場の喜山をベンチからも外した.最近の出来では仕方ないが勝利の可能性の高いこの試合よりももっと前のタイミングで良かった気はする.結果論だが.代わりにボランチに田所.富山戦にボランチとして良いパフォーマンスを見せており,この間の退場の汚名返上を期待したい.

 試合は立ち上がりにファジアーノが一気に攻める.この時間帯にこれだけ攻めることができたのは初めてでは無いか?ちなみにこの時間帯の得点は無い(得点そのものが少ないのだが).逆に言えばこの時間帯にファジアーノに攻め込まれる栃木のコンディションが相当悪いとも言える.
 しかしその時間帯にいつものように得点できず.いつものような結果が想像される.この日の栃木の出来を見るとスコアレスが最も可能性が高かった.

 負けは無い.早い時間にそう思わせるほど栃木の出来は悪かった.愛媛より重症か.まさにちょっと前の岡山を見るよう.決めるべきところで決める力が感じられなかった.
 しかし岡山はフィニッシュまで持ち込めない攻撃を続け相手に流れを渡しかける.そして調子の悪い栃木に決定機を作られる.30分の大島のプレーなど赤の可能性だってあった.調子の悪さでは岡山も負けて無い.

 ただそんな試合でもこの日は完全に主導権を渡すことは無かった.我慢強くゲームを作り打開策を探りながらの試合.攻撃が機能していればもう少し楽なゲームになっただろう.
 基本的に西野が受けて前に逸らすか2,3列目に落とすかして攻撃を動かすのが西野出場時の攻撃のスタイル.しかし青木との距離感が悪く,またボランチが受けた後に縦へボールを通せず攻撃がうまく噛み合わなかった.

 後半に入り青木を諦め武田を入れた.青木はもっとサイドで使って長い距離のスピードを活用して欲しい.右SHでも良いのでは?
 青木の交代に続き玉林を保坂にし,ワンボランチで攻撃のスイッチを入れた.この采配は見事だった.そこから武田のスピードに乗ったプレーからのゴールに繋がる.第2クール初のFWの得点.ようやく長いトンネルの出口に辿り着いた瞬間だった.
 そこからチームは勢いづき畳み掛けるように大島がゴール.非常に良い流れ.勝利するゲーム展開だった.ただその後に問題は残った.せっかく見えた出口も失点をしてしまえば遠くなる.かっちりと守りを固めたいところだがワンボランチのまま試合を続けた.そのため試合終盤はバイタルエリアの守備が曖昧になり多くの危ない場面を作られた.ただ相手が栃木だったというだけだ.


 結局2-0で勝利.攻め切れない中で得点機を我慢強く伺い,そして少ないチャンスをFWが決め,すぐさま追加点を奪った.際どい試合の勝ち方の見本のような試合だった.これまでの試合との違いがどこにあるか.しっかり分析して次に生かして欲しい.
 だからこそ次の試合は非常に大事だ.力がついたかマグレか.それを楽しみにしたい.

 野田の登録と三木の復帰が重なれば良いものが見れるかも,と期待しつつ勝手に採点.


西野(6.5)1アシスト.それ以外にもゴール前で良い動きをしていた.
青木(5.5)形にこだわるより全力で戦うべき.
小林優(6.5)前節が信じられないほど質の高いプレー.
妹尾(6.0)中に寄りすぎる時がある.シュートへの形も作ってほしい.
竹田(6.0)強気のパスも使ってほしい.
田所(6.0)やっぱりボランチが適所.
玉林(5.5)やっぱりSBはあわない.
澤口(6.5)落ち着かせる良いプレーが多かった.
大島(6.5)危ないプレーもあったがインタビューでMOM.
野本(6.5)地味ながら堅実.植田にも見習ってほしい.
李(6.5)前節から急にプレーが変わった感じ.

武田(7.0)やっぱりスピードを生かさないと.
保坂(6.0)2点とった後はもっと守備のケアを.
植田(-.-)見事な時間稼ぎ役.

第28節 愛媛戦

2009-07-21 12:38:20 | ファジアーノ岡山
 相手は連敗中.第2クールはファジアーノと同じ成績と言う不振の愛媛.アウェイとは言え是非勝ちたい試合だ.岡山の見所は初先発の三木の出来.残りのシーズンが失望の日々になるかどうかが分かるだろう.

 この日は西野と三木の2トップに戻る.当然2トップに当てる攻撃になる.しかし西野が出るとフォーメーションに拠らずロングボールに頼る試合になるのは意図的なのだろうか?この日も中盤は省略される.しかし三木との連携も出来ていないのだから攻撃は形にならない.
 一応ショートパスの組み立ても織り交ぜる.しかしそのときはクロスまで行かない.特に小林優の調子が悪かった.

 この日は前節から攻撃陣を3人も変えた.これで連携などとれるわけも無い.ただこれこそがファジアーノの最も大きな問題点なのだと思う.序盤で攻撃陣が全く機能しなかった.シーズンを戦い抜く軸が作れなかった.だからこそ誰にも頼れず,調子がよさそうな選手を起用するというその場しのぎしか出来ないのだ.
 シーズン序盤から在籍する攻撃陣とそれを機能させられなかった監督・コーチ陣の責任だろう.

 この日愛媛は出場停止や怪我人もあり,ファジアーノ以上にミスしていた.そんなチームは初めてだった.そんな相手にほぼフルメンバーの攻撃陣の岡山は得点さえ出来なかった.今シーズンの問題を顕著に示した試合だった.

 ただこの日はそれ以外の問題もはっきり見えた.ボランチだ.FWは悪くなかった.三木はFWとしてこれまで岡山の選手には無かったオフザボールでの動きを見せた.それでもそこへボールを運べなかった.
 ボランチは中盤で競り負けた.特に喜山は解説も言っていた通り戦えない(後半はマシになったが).そして二人とも攻撃に緩急をつけられない.速攻に持ち込めない.そもそも高い位置でボールを奪えない.ドリブルでボールを運べないから守りやすい….
 問題は山積だ.とにかくボランチは人材不足だ.2人とも足が遅いボランチなんて怖くてたまらない.


 そこに手塚の迷采配がこの日も冴え渡った.小林の交代は分かるが,入ったのは川原.前節見てどうして使うのか?そして戦えない守備と中途半端なプレーで貢献する.解説が良いことを言っていた.「自分のタイミングでしかプレーできない」.
 更に保坂を入れてダイヤモンドに(あの守備のサボり方は2ボランチではないだろう).それにより更にバランスを崩し相手に流れを与えた.相手は絶対に勝ちたい試合.相手がバランスを崩して攻めてきたところにカウンターを狙うのが筋だ.しかし全く逆の対応をするのには驚いた.
 そして最後に武田を投入.この日もゴール前でこけてファールを貰えず不満気な表情を見せる武田がいた.多分今後何度繰り返しても同じことだろう.彼のプレーが相手を上回っていない状態で倒れているからだ.もっとスピードに乗ったプレーで戦わないとJではもう笛はもらえないだろう.


 結局試合を支配しつつ自らペースを相手に与えるという未熟な試合運びのゲームだった.せめて疲れた終盤のリスタートは時間をかけるなど考えたプレーが欲しかった.

 という不甲斐ない0-0の試合.期待の三木は少し期待させるプレーだった.斜めに走るところやDFの裏から前に出てボールを貰う動き.岡山に無かったCFWらしい動きだった.それでも無理が祟るのは今年の岡山を象徴している.最後の希望も消えてしまった.勝ち点1と最下位脱出という小さな贈り物だけで.

 というわけでホームで栃木に負けたら救いようが無いと思いながら勝手に採点.

三木(5.5)祝初出場.ちょっと早かったんだろう.
西野(5.0)シュートが少ない.自分の良い面を生かせていない.
小林優(4.0)前節でリズムが狂ったか?精度が悪すぎた.
妹尾(5.5)パスで慌てる.シュートは1試合に1本は欲しい.
喜山(4.0)ボールを運べず.戦わないと.
竹田(5.0)パスミス目立つ.
三原(5.5)守備は怖いが久々でよくやっていた.
澤口(6.0)守備が安定していた.
野本(5.5)久々だが心のあるプレー.
大島(6.0)かなり試合に馴染み安定感が出てきた.
李(6.5)MOM.真子の分までプレーした.安定していた.

川原(4.0)どこが良くて使うのか分からない.
保坂(4.5)守備は免除されてるの?
武田(4.0)可能性の無いプレー.実力負け.

第27節 鳥栖戦

2009-07-17 20:03:04 | ファジアーノ岡山
 とうとう後半戦に突入する.苦しんだ前半戦を生かすためにも大事な試合.相手は鳥栖.第1C以降にハーフナーや山瀬といった選手を補強し上位進出を目論む.特にトジンとハーフナーの2トップは強力で1点で勝てる相手ではないだろう.得点力の低いファジアーノには厳しい相手だ.

 この日の試合はまたリーグ序盤戦に逆戻りしていた.相手の序盤の勢いに押され,冷静なプレーができずに10分くらいに立て続けに2失点.いつかどこかで見たような試合だった.このところ内容が良くなった(と思っていた)チームには,いきなり現実に引き戻される失点だった.
 そして応援する側も多少の期待があったために,裏切られた憤りが感じられた.自分もその中の一人で,この日は途中で試合を見るのも嫌になった.

 ただ録画を再度見ると印象は変わった.「負けることが分かっている」「3点しか取られない」という精神状態のためか冷静に試合を見ることができた.結局変に期待するから苛立つのだ.
 期待せずに見た2回めの印象は「ファジアーノの実力は大体この程度」というもの.引いて守備を固めた相手を崩しきれないのは今に始まった話ではない.そしてロングボールを放り込まれ失点して焦っていく姿もいつものことだ.

 それでもいつもより打開策が無さ過ぎた.速攻とロングボールに頼っていたころのように,この日はショートパスでの組み立てが全くできなかった.それは相手のプレスの強さのためというより,連携の酷さによる自滅だった.
 そうなった最も大きな要因は手塚の采配ミスだ.このところ組み立ての中心となっていたのは左サイド.なのにこの日は左SHを川原に変えた.自ら攻撃の中心を潰したのだ.そしてその川原は周囲との連携がさっぱり.救いようの無い采配だった.この状態を20分も続けた手塚の能力には疑問符がつく.その時点で試合は8割がた決まっていたのだから.
 ただSHの左右を入れ替えても当然チームは機能しない.大勢DFのいる中央で1人待つのは青木.そこにクロス中心のSH.相手が怖がるはずも無い.高さで勝負するか,ドリブル突破して中央に切れ込むか,その両方か.SHのポジションチェンジより選手交代が前半の早い時間に必要だった.

 監督だけでなく当然選手にも問題があった.1失点目は喜山のパスミスから始まった相手の攻撃を澤口がクリアミスしたところから始まり,スローインをCKにされて失点.中途半端なプレーが失点につながる良い例だ.そして2,3点目は岡山のウィークポイント,ロングボールの対応だ.この対応がシーズン当初から改善できないのは選手・監督・コーチ全てが原因だろう.


 冷静に見た2回めでさえため息が出た.負けるとわかっているので苛立ちこそなかったが,それでも「もっとできる」と思わせる試合だった.手塚の自チームの選手に対する観察眼と相手チームのスカウティング能力は相当低いのではないか?少なくとも采配で褒める部分は皆無だった.
 まあ今の状態で選手から監督に対する不満が出始めたらチームは崩壊するだろうからたまたま監督の勘が外れたと思いたい.



 サッカーはスタジアムで見ないとわからない.だからこそホームゲームで良い試合をして,初めて見にきてくれた人にファジアーノというものをわかって貰い,サッカーとチームの魅力を感じてもらう必要がある.
 しかしこの日はチームの魅力など何一つ感じられなかった.観客はスタジアムに苦痛を味わいに行ったようなものだ.この日の試合は今後のチームに暗い影を落としそうだ.

 そんな中サポーターはいつものように声を出して応援し続けた.まるで目の前の試合から目を逸らすように.
 ただ戦うことを諦めた選手や戦う集団で無いチームを見た観客の反応がサポーターの応援に隠されていることを選手は忘れないでほしい.野次を飛ばしたりブーイングするのは期待をしている人たちだ.諦めた人たちは声も出さないのだから.

 では三木に期待するしかない状況で勝手に採点.

青木(5.0)孤立して何もできなかった.
川原(4.0)前へ出すとパスミスになるので後ろばかり.
保坂(4.0)走ることと守備を免除されていたみたいだ.
小林優(5.0)いつものプレーができなかった.
喜山(4.5)足が止まりプレーも止まった.
竹田(4.5)バランスを保てなかった.
田所(3.0)苛立ったのは君ではなく観客だ.
澤口(4.5)疲れにしてもパスの精度が低すぎ.
植田(3.5)2失点の原因と言っていいだろう.
大島(5.5)もしかするとメンタルは一番強いのかも.
真子(5.0)良かったけど3失点は駄目.

妹尾(5.0)孤軍奮闘と空回りは紙一重.
武田(4.0)結果が出そうな気配が無い.
西野(-.-)交代遅すぎ.

前半戦総括

2009-07-11 16:56:48 | ファジアーノ岡山
 第26節も終わりJ2も前半戦を終えた.軽く総括してみたいと思う.

勝敗:3勝7分16敗,勝ち点16(17位)
得点:16(18位)
失点:40(13位)
得失点差:-24(17位)

 この成績は人それぞれ取り方が違うだろう.よくがんばったという人もいるし,もっとできたはずだ,という人もいる.何を基準にするかで捉え方は人それぞれだが客観的に評価しようとするとクラブ予算が基準になるだろう.そう考えると順当であり,当然の結果というところか.

 この順位になった原因は様々あるが,やはり全選手のJリーグ経験の少なさが原因だと思う.個々の選手の技術が極端に他のクラブより低いとは思わない.ただあまりにチーム全体として経験が無かった.なので一度自信を失うとすがる物が無いチーム状態になってしまった.
 この前半戦は痛い目に遭いながら経験の少なさを埋めていく時間だった.リーグ序盤は試合運び,その次は戦術,そしてまた試合運びと経験不足による課題を抱えての戦いだった.
 ただその経験も前半戦でかなり埋められた部分はある.選手個々を見てもJのスピード,技術にレベルを合わせられるようになってきた.後半戦は前半戦の経験の生かし方が大事だ.また安定したパフォーマンスを発揮するには何か軸が必要だろう.それが積み重ねてきたチーム戦術であれば最高なのだが.少なくともファジアーノのサッカーという土台は出来たはずなので.

 今年最も大きな誤算はカウンターが全く通用しなかったことだろう.昨年のストロングポイントが全く生かせていないのは問題だ.そしてもう一つの誤算は新卒選手の実力不足.戦力と言えるのは田所だけ.Jリーグで最もレベルの低い部類のチームでトップに入れない大卒というのはあまりに不甲斐ないし,スカウティングにも問題があったと言わざるを得ないだろう.来季に生かして欲しいところだ.

 という前半戦.勝手に採点した結果をまとめたい.

■FW
□西野:25試合(得点4):5.609
 今のマルチな能力を求められるワントップになって足元の弱さが目立つ.それを示すようにワントップになって得点も落ちた.後半戦も苦戦するかもしれない.
□武田:20試合(得点1):5.500
 試合数の割に結果が出ていない.全体的な精度の低さがせっかくの動きの良さをスポイルしている.後半戦はこれまでの経験をどう生かすか.
□青木:07試合(得点0):5.143
 現時点では期待外れ.点数もそれを示す.特に左しか使えないのは痛い.左をマークされてもそれを上回ればいいのだが,現時点ではその期待は出来ない.
□小林康:06試合(得点0):5.083
 結果を残す前に怪我をしてしまった.動きだけで言えば一番良かったかもしれない.今季の復帰は厳しいか.
□関口:02試合(得点1):6.000
 ファジアーノJリーグ初得点選手もいまや東北へ.運は持っているだろうからそれに期待したい.

■MF
□妹尾:17試合(得点0):5.824
 特長であるドリブルはJ2でも十分に生かせている.マークされて多少キレが落ちた.得点0はポジション的に淋しいところ.後半戦に期待したい.
□小林優:20試合(得点2):5.658
 得意なクロスを生かしながらその他の部分もJへアジャストしてきた.点数も右肩上がり.後半戦も成長を期待したい.
□小野:20試合(得点0):5.600
 リーグ序盤の立役者だが最近は出番なし.調子のムラが大きいこと,守備に不安があることがその原因か.後半戦の復調を期待したい.
□川原:12試合(得点0):5.591
 点数が示す通りそれ程悪く無い.しかし良くも無いという印象.後半戦はJで生き残るためには持ち味を更に磨く必要があるだろう.
□喜山:26試合(得点2):5.558
 実質得点は1でFW失格となった前半戦.FWとしては改善の傾向が見えるがJでは厳しいだろう.ボランチとしても厳しい後半戦になると思う.
□保坂:22試合(得点1):5.476
 トップ下になって以来好調.ただ得点が伸びないのはまだまだすべきことがあるから.後半戦に期待したい.
□玉林:10試合(得点0):5.722
 ベンチで出番なく過ごした試合が14試合という,最もストレスの溜まる経験をしている選手.それだけ監督に重宝されている証拠だろうが.最近は守備的SHとして生き残る道を見出した感がある.後半戦に期待.
□竹田:13試合(得点0):5.542
 ボランチで非常に安定したパフォーマンスを見せた.若いこともあり試合を重ねることで更なる成長も期待できる.後半戦も期待したい.
□三原:05試合(得点0):5.400
 スケールの大きなプレーは見せたが続かず.後半戦は勝負の時期になるだろう.
□小寺:02試合(得点0):5.000
 ちょっと昇格は早かったか?という選手.ただ下にいても仕方ない選手でもある.フィジカルを高めて終盤戦に期待.
□臼井:10試合(得点0):4.556
 チーム最低点.それも仕方ない前半戦だった.特に開幕戦の退場はチームの運命を決めたかもしれない.単なる実力不足.まだ若いので来季以降期待したい.

■DF
□田所:10試合(得点0):5.400
 左SBとしてはいまいちだがボランチとしては安定したパフォーマンス.運動量もあり足元もうまい.後半戦はボランチで期待したい選手だ.
□澤口:25試合(得点2):5.380
 安定したパフォーマンスを続けているが攻撃面ではリーグ序盤で苦戦したために点数は低い.今季の補強の一番の成功.後半戦も期待.
□尾崎:17試合(得点0):5.059
 これだけ低い点数の選手がこれだけの試合数出ることなど普通は無いのだが.汚名返上を後半戦に望む.
□植田:23試合(得点0):5.522
 軽いプレーと集中力が持続できないところに難があるが期待以上の出来.試合に出ることでどんどん伸びている感がある.後半戦も期待したい.
□キム:17試合(得点1):5.406
 全体としては実力不足だが,気持ちの強さと人への強さは特筆.怪我で今季は復帰無理か.
□野本:11試合(得点0):5.136
 点数が表すように結果は残せていない.スピードの伸びは期待できないので,クレバーなプレーを増やして欲しい.
□大島:06試合(得点1):5.750
 我慢の時間が続いたが泥臭いプレーを率先してできる良い選手.後半戦に期待したい.

■GK
□李:20試合:5.500
 セービングは相変わらず良いが,悪い部分は相変わらず悪い.特にDFとの連携は目立つ.後半戦は更なる成長を期待したい.
□真子:06試合:5.667
 高さは無いが安定したプレーとキックがある.奪えないポジションでは無いので後半戦に期待したい.

第26節 徳島戦

2009-07-10 23:16:50 | ファジアーノ岡山
 第1クールでは勝利した相手.とは言えその後柿谷を補強するなど好調を保ち昇格圏の次に位置する.苦戦が予想された.

 この日もFWは入れ替え西野のワントップ.結果を残せないFWは替えられるのは当然だが,誰に替えても結果を出せる気配が無い.現在15節以来10試合FWに得点が無いのだからそう感じるのも仕方ない.この日は守備的SHとして玉林を起用するというアウェイ仕様の布陣.それ程チャンスは期待できないだろう.

 試合はまず相手が動けなかった.後ろから長い距離を走る選手はおらず岡山は非常に守りやすかったと思う.こういう相手には2列で守備ブロックを作る岡山の守備はかなり効果的だ.
 対する岡山はいつもよりロングボール中心.西野のワントップでアウェイのときはこういう戦術にするのだろうか?どうしても前に人が少なくなり攻撃に厚みができない.尚且つ西野は足元が雑なのでどうしても最後のところの精度でボールが繋がらない.

 と相変わらず得点は見込めないが,全体として前節とは異なり集中できていた試合で,守備は危なげなかったし,攻撃もサイドチェンジをしながら組み立てられていた.結局問題はゴールへの道筋だ.


 と悩んでいる間に後半に入り相手はギアを一つあげる.ただ徳島はファビオのわけの分からない怖さこそあったが迫力はそれ程でもなく試合は膠着状態に.どちらがバランスを崩して攻撃に出るか,どちらがバランスを先に崩されるか.
 アウェイの岡山.守り通せる試合だったし,相手との相対的な順位を見てもそれで十分だった.しかし70分前後から全体の足が止まり始めた.誰か交代…,と思っても守備要員がいない.だったら竹田を下げて田所をボランチ,玉林を左SBにして右に妹尾を入れるのが…

 そんなことを思っているときに試合のバランスが崩れた.崩したのはファジアーノ.竹田が攻撃に加わったところで小林優と息が合わず相手にボールを奪われた.

 この日徳島で最も警戒すべきはカウンターだった.0-0で後半になった時点で岡山はバランスを崩さず,相手がバランスを崩してくるまで待つべき試合だった.しかし勝てていないチームの焦りだろう.経験不足とも言えるだろう.相手の思う壺だった.

 監督のコメントにあるメンタルとはこういった部分だろう.ゲームの流れを読む力,特に疲れた時にそういう判断力が落ちやすい.残念だがこのゲームはチームの実力が見事に反映された試合だった.いくらボール扱いがうまくても,いくら戦術を高めても,そういう部分で強くなれなければ試合では勝てない.プロは厳しい.


 一つ気になることがある.スローインだ.ファジアーノボールのスローインでチャンスを作れないどころかマイボールにさえ出来ないことがあまりに多い.タイミングもいつも同じで「ちょっと休んで」から.素早いリスタートも無いし相手を焦らすことも無い.流れを落ち着かせることもない.スローインだって試合の一部だ.どのチームも有効活用している.できない時点ですでに不利を被っている.勝利の確率を下げているのだ.経験はもう十分積んだはず.あとはそれをどう生かすか.

 それでは勝手に採点.

西野(5.0)戦えるが今の戦術には合っていないかも.
小林優(6.0)ボールを持てるようになった.次はパスか.
保坂(5.5)しっかり封じられた.
玉林(5.5)やれることはやった.
喜山(5.5)動きながらのトラップが下手なのか.
竹田(5.0)疲れが出ている.一度リフレッシュしたい.
田所(5.5)攻撃と運動量は及第点.ポジションを奪おうという気迫もいい.
澤口(5.5)柿谷にやられた.
植田(6.0)この日は集中していた.
大島(6.0)良さがでてきている.
真子(6.0)落ち着いて見ることが出来た.

武田(5.0)何も出来ず.
妹尾(5.0)相手に手の内が読まれている.
青木(5.0)枠が見えているのか.

第25節 熊本戦

2009-07-07 03:09:50 | ファジアーノ岡山
 このところ上向きになったチームが前節久しぶりに得点し勝利した.だからこそこの試合が重要だった.ここで結果を残すことができればそれは「調子が上向き」という選手の感触が正しいことを示し,個々の自信に繋がり事態が好転する可能性が高い.
 逆に負ければ,選手の感じていた内容の良さなど,経験の無い選手の単なる勘違いという扱いになるだろう.そして再度自信を失い事態はまた悪循環に陥る可能性もある.

 その大事な一戦.選手の奮起に期待した.しかし試合を見た感想は「今年ワーストの試合」というものだった.「自滅」というのを試合にするとこういう風になるという典型的なプレーを,こういった大事な試合でしてしまう.選手の技術が不足しているのか.それ以上にメンタル面でプロ選手として大きく劣っているように思う.

 決してオウンゴールだけが自滅と言うわけではない.確かにあのオウンゴールも,目測を誤って慌ててヘディングしてコントロールをミスしたと言う典型的な自滅だ.植田の何度と無く魅せる軽率なプレーは,彼がJ1チームから戦力外になった理由を端的に示している.
 そして2点目.これも自滅だった.澤口がボールが生きているのに可能性を捨てた.疲れもあるのだろうが,技術の低いチームはあのような小さな積み重ねが致命傷になる.
 3点目は相手が見事ともいえるが,試合開始直後からの問題を放置していたための失点だろう.ボランチが2列目の飛び出しのケアをCBと全く連携できずにいた.このときは喜山は相手に気づきながら追いかけずにいた.これはベンチの自滅といったところか.

 もちろん守備だけでなく攻撃は見たまんま自滅だ.大した精度も無い左足にこだわりチャンスを潰すFW.点が取れないことで焦って前からプレスして陣形を間延びさせるFW.シュートに失敗して,ボールが生きているのに天を仰ぐ右SH.シュートチャンスにプレッシャーに負けて相手GKにパスする攻撃陣.
 もし湘南やC大阪相手であれば,それでも「良くやった」と言えるだろうが,この日の相手は比較的守備の緩い熊本.かかるストレスはJ2リーグの中では小さなものだ.

 負けが込んできるチームだから仕方ないのだが,だからこそ勝利の後でわずかにストレスの減ったこの試合で嫌な重圧を消し去ることが必要だった.この試合で結果が残せないならプロとして生き残れない.そんな気持ちが必要な試合だと思っていた.
 そこで自滅と言う形で最悪の結果を残した.そういう意味で「ワースト」の試合だった.


 「1点差まで追い上げたから良かった」と言えるのは,平日夜にわざわざ桃スタまで足を運んだ観客だけだろう.彼らはそれがなければ救いようがない試合だった.自滅する選手を眺めるしかなかったのだから.

 チームにちょっとまじめな選手を集めすぎたファジアーノのクラブ戦略にも問題があるように感じる.こういう時期にはずうずうしいくらいの精神力のある選手がちょうどいいと思う.

 それでは勝手に採点.


青木(4.5)マイクが良かった.
小林優(6.0)ゴールに結びつくプレーが増えた.
保坂(5.5)ゴールしたが逃したゴールが多すぎる.
妹尾(5.0)ゴール前で落ち着けなければ戦えない.前を向く技術も欲しい.
喜山(5.5)あの守備をみているとJでボランチは無理だろう.
竹田(5.0)相手の2列目を抑えられず.
田所(5.0)SBよりボランチか.ただ代わりがいない.
澤口(5.0)ゴールしたけどそれ以上に大きいミス.
植田(4.5)責任のあるプレーをして欲しい.気持ちが切れすぎ.
大島(5.5)まだ試合に馴染めていない感じ.
李(4.5)連携面の不安がよく分かる試合だった.

武田(4.5)プレー精度が低すぎる.判断も悪い.
川原(6.0)流れを変える役割を果たせた.
西野(-.-)酷い使われ方だが他の選手と同様ゴールを奪えないから仕方ない.