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勝手に採点アワード2012

2013-01-20 09:26:45 | ファジアーノ岡山
 2012シーズンも1試合を最低2回ずつ見続け何とか採点を続けられたので,せっかくだからその結果をまとめてみたい.まずは採点と関係ない数字から.

●ベンチ入り選手総数
2010:33人
2011:29人
2012:28人

●全試合の1/3以上出場選手数/先発選手数
2010:14人/11人
2011:19人/17人
2012:17人/12人

 2012シーズンは先発で多く出場できた選手が減った.2010年よりは多いが,あの時は各選手にレベル差が無くて先発メンバーが固定されなかったためだ.昨年は前後半で起用選手が大きく異なったために多くの選手が先発で試された.
 2012シーズンはこれまでとは異なり,主力が実力をつけてきたために固定されたので先発できた人数が減った.今後は今の主力と同等レベルの選手を複数確保するのは難しくなるだろうから,この数字が極端に増えることは無いだろう.

 次に出場試合数関連.

●最多先発出場(FP)
2010:近藤(33)
2011:澤口(37)
2012:仙石・後藤(41)

●出場時間(FP)
2009:喜山(4220)澤口(3510)
2010:近藤(2958)岸田(2542)
2011:澤口(3266)キム(2646)
2012:後藤(3690)仙石(3607)

 正直後藤と仙石がこんなに試合に出ているイメージが無かったので意外な結果だった.逆に言えば彼らが安定して試合に出続けられたことが2012シーズンの守備安定の要因だろう.

 次にベンチ関連.

●最多途中出場
2009:武田(31)
2010:小林(10)
2011:岸田(20)
2012:関戸(19)

●最多ベンチ待機(FP)
2009:玉林(25)
2010:野本(18)
2011:仙石・一柳(14)
2012:篠原(24)

 最多途中出場に関戸というのは驚きだった.彼は武田や岸田のような切り札だったり短い時間で試合を変えるタイプでもないし,小林のように運動量とセットプレーで試合を活気付けるわけでもない.しかも新卒.それで19試合も途中出場で使われたというのは彼の質の高さを示しているのだと思う.
 また最多ベンチ待機選手の篠原だが,2011シーズンまではベンチに辿りつくのがやっとだった.それがベンチの常連に.特に交代の少ないDFということを考えると価値ある数字だ.高卒でネクストで育成された選手という意味でクラブにも大きな意味がある.

 次に攻撃の数値.

●シュート数
2011:民均(61)チアゴ(43)岸田・妹尾(38)
2012:川又(83)民均(70)関戸(41)

●得点
2009:西野(9)青木(6)澤口・喜山・妹尾(3)
2010:岸田(5)白谷(4)三木(3)
2011:チアゴ(8)久木田・民均(4)
2012:川又(18)民均(6)田所(4)

 ここでは圧倒的に川又.J2日本人1位のゴール数なのだから当然か.また民均もシュート・ゴール数とも2011シーズンより増えている.チーム全体の得点数こそ落ちたが彼ら2人の攻撃は上手くかみ合っていたことを示している.ただ彼ら2人に依存しすぎたのか,ツーシャドーの1人がシュート意識が低かったか分からないが,3位にWBや途中出場の多い選手が位置したのはチームの課題を示しているだろう.


 それではここからは勝手に採点した結果を.まずワーストから.

勝手に採点ワースト選手(1/3以上出場選手)
2009:武田(5.23)野本(5.05)尾崎(4.83)
2010:東明(5.11)澤口(5.04)喜山(4.63)
2011:竹田(4.50)田所(4.39)臼井(3.83)
2012:篠原(4.90)田(4.62)一柳(4.50)

 3位の篠原は,まだ主力になりきれていないことを考えても当然の点数だろう.後もう一回りの成長が期待される.
 2位の田はてっきり最下位だと思っていたがブービー.ただ一柳と篠原はギリギリ1/3試合出場と考えると実質最下位だろう.プレーオフを逃した最大の原因なのは間違いない.期待値が高かったことも低評価に繋がった.
 1位の一柳はあまりに無残すぎて途中でレンタルに出されるほどだった.私生活にも問題があったのだろう.彼の若い頃のキャリアを考えるとこの年でJFL行きというのはあまりに悲しい結末だ.

 過去3年を見ると最初2年の採点が大甘なのがよくわかる.少なくとも2012シーズンより評価は下でないと駄目だった.

 次にベスト選手.

勝手に採点ベスト選手(1/3以上出場選手)
2009:青木(5.60)西野(5.73)妹尾(5.77)
2010:岸田(5.48)テヨン(5.59)白谷(5.81)
2011:石原(5.78)仙石(5.97)キム(6.09)
2012:川又(5.88)千明(5.89)中林(6.10)

 3位は川又.自分で採点しながらちょっと驚きだった.得点を取ったときは評価されるが取らなければ評価されない,というFWの宿命のためだろう.特に相手に引かれてスペースがなくなるとプレーの選択肢が無くなるため減点していたと思う.
 2位は千明.これは別の意味でちょっと驚き.そんなに良い点を付けているつもりは無かったのだが.ただ今のファジアーノは彼がいる,いないで別のチームになってしまうくらいだ.いつか書いたことがあるがプチ遠藤だ.また今季は守備面の貢献が目立ったが,逆にゴールやシュート数は課題だった.彼がゴールを奪うようになるとファジアーノは1つランクの上のチームになれるはずだ.
 そして堂々の1位は中林.福岡戦で勝ち点2を捨てるプレーをしたが,それ以外はほぼ文句のつけようの無いプレーを継続した.その「継続」が大きかった.J1に取られなくて良かったというレベルの選手だ.本当に期待通りのプレーを見せてくれた.

 次に試合採点.まずはワースト.

勝手に採点ワースト試合
2009:第45節[横浜](4.54),第27節[鳥栖](4.42),第44節[栃木](4.27)
2010:第13節[東京V](4.46),第25節[愛媛](4.27),第12節[富山](4.08)
2011:第31節[F東京](4.50),第5節[鳥栖](4.25),第1節[湘南](3.89)
2012:第3節「水戸](4.81),第15節[京都](4.68),第25節[松本](4.64)

 3位は水戸に成す術無く負けた試合.あれでズルズルと崩れなくて良かったというべきか.
 2位はホーム京都戦.弱気な采配とプレーで試合が壊れてしまったのが低い点数の理由だ.
 そして1位はアウェイ松本戦.ゲームを支配しながら弱みを突かれ,大して技術の無いチームのスペクタクルの無い放り込みサッカーに負けた試合.ちょっとチームが良くなってきてこういう運動量系のチームに対しておごりが出たように感じられたのが最大の減点ポイントだった.

 次にベスト試合.

勝手に採点ベスト試合
2009:第13節[徳島](6.25),第34節[甲府](6.39),第11節[福岡](6.50)
2010:第32節[栃木](6.04),第18節[水戸](6.11),第9節[徳島](6.12)
2011:第4節[岐阜]・第36節[京都](6.15),第13節[横浜](6.17),第38節[徳島](6.32)
2012:第14節[東京V](6.19),第5節[山形]・第38節[東京V](6.23)

 1位と3位は東京V戦.3位はアウェイ味スタで初勝利,1位は後半丸々10人で戦って勝った試合.この2試合は過去の試合を見ても上位に入る試合だろう.実際甘い採点をしていた1年目を除けばどれも過去最高点だ.
 そして2位は最終節.2012シーズンのJ2で最も強かったのが山形だったが,その彼らを支配し(最終的には相手が10人になったが)勝った試合.宮沢や服部の引退を含めて本当に良い試合だった.

 
 そして個人賞.

最多MOM
2010:多数(1)
2011:民均(3)
2012:川又(6)

 これはもう川又が予想通り最多の6回.あれだけゴールを決めれば当然の結果だろう.

新人賞
2012:関戸

 2012シーズンから勝手に新人賞も作ってみたが,ここは異論なしだろう.ちなみに2011シーズンにあれば石原.2010,2009は該当無し.
 とにかく関戸はここ数年の新人の中では飛びぬけた結果を残したと言えるだろう.

シーズンMIP
2010:岸田
2011:民均
2012:中林

 そしてMIP.傍から見れば「川又でしょ?」と思うかもしれないが,やはり1シーズン通して安定したプレーをし,そして失点数を大幅に減らした中林がMIPというのがいいのでは無いだろうか?完全移籍で来てくれたし.もしチーム全体の得点数が増えていれば間違いなく川又だったと思う.得点数が減った攻撃陣の一角を担う選手がMIPというのはちょっとおかしいだろう.
 対する中林は失点数を大幅に減らした守備陣の中心として活躍した.そう考えると中林がMIPで何ら問題は無いだろう.

 ではベンチ入り全選手の採点結果とコメントを以下に記して終わりたい.


採点|ベンチ入り|出場|先発|MOM

川又(5.88|38|38|32|6)
 ファジアーノ過去最高のストライカー.もう1年試合でスキルを磨いてからでもJ1は遅くなかったと思うが.期待はしたい.2012がまぐれと言われて欲しくない
キム(5.85|40|38|35|1)
 シーズン後半に低調なプレーが増えたのは移籍を決めていたからか.前半戦はJ1級のプレー.
関戸(5.68|40|37|18|2)
 過去最高の新人.ただ前でスペースが無いときのプレーを身に付けないと今後は厳しい
石原(5.32|37|35|18|1)
 プロの壁が見えた年.ただ希望も見えた年だったとも思う.
チアゴ(5.29|26|20|9|0)
 良いコンディションの時間が少なかった.
田(4.62|23|21|10|0)
 勇気の無いプレーと傲慢な判断はもう見せて欲しくない.
中野(5.19|23|16|8|0)
 昨年の段階で十分見切りをつけれたはず.期待するには勇気が不足していた.
上條(5.07|17|15|3|0)
 無得点.チャンスが無かったわけではない.2013は勝負の年.
三村(5.38|15|11|0|0)
 試合で消える時間を減らすところから.
岡崎(4.50|12|3|1|0)
 持ち味が全くわからない.そこから.
アンデルソン(6.00|2|1|0|0)
 もし怪我をしていなければ.そう思わせる実力はあった.

千明(5.89|36|36|36|2)
 得点さえあれば最高のシーズンだった.あとはどこを目指すか.
仙石(5.59|41|41|41|0)
 もっと積極的な攻撃ができたはず.もう少し縦パスの勇気も欲しかった
大屋(4.00|10|2|1|1|0)
 ボランチのレベルが高くない神戸で出れない選手が岡山のボランチの枠をこじ開けられるわけもなく.

澤口(5.49|41|40|38|0)
 クロスの質が上がらないと田中に抜かれるだろう.ただ守備と運動量はすばらしい
田所(5.81|40|33|31|2)
 今季のびっくり枠.環境は大事だ.ファジアーノの象徴のような選手になりつつある.
服部(5.83|31|14|10|1)
 もう1年やって欲しかった.こういう選手の存在が如何に大事か.
一柳(4.50|22|12|10|0)
 最後はもう出ないで欲しいと思うほどだった.
坂本(*.**|2|0|0|0)
 トップのベンチ入りできただけでも進歩か.契約満了と思っていただけに.
田中(5.50|8|2|1|0)
 期待の新人.2013は期待したい.

後藤(5.57|41|41|41|1)
 怖さはあるが思い切りの良さは捨てないで欲しい.
竹田(5.31|39|34|34|1)
 もう少し高い位置取りできないのか,と毎試合思ってしまう.
植田(5.64|36|34|31|2)
 飛びぬけた身体能力がミスもカバーしてしまう.この選手を若い段階で完全で取れたのは良かった.
篠原(4.90|36|12|7|0)
 レギュラーに割り込むにはもう少し努力がいるだろう.
近藤(5.88|6|4|3|0)
 怪我しなかったら…,と思うほどできの良いシーズンの出だしだった.

中林(6.10|42|42|42|3)
 文句なしのシーズン.守備範囲,反応の速さともにJ1クラスだろう.
真子(*.**|42|0|0|0)
 影のMIP.彼がいる安心感は誰もが感じていたと思う.
椎名(*.**|2|0|0|0)
 次は普通の状態でベンチ入りしたい.

影山(5.05)
 無難な采配が増えた.ただ得点の生めないパスサッカーに傾倒しつつあるのが気がかり.