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天皇杯 名古屋戦

2012-10-17 00:04:09 | ファジアーノ岡山
 番外編として天皇杯.J開幕当初からいるJ1チームと初めて公式戦で対戦することになったこの試合.相手は名古屋.スタメンどころか控えまで顔と名前が一致する.これが歴史があり,J1に20年いるということだろう.相手は岡山にチームがあることすら知らない選手もいるかもしれない.
 ちなみに名古屋は組織的なチームというより個人の力をベースに戦うチーム.結構戦いやすいチームだろう.とにかくこのチームは田中が前に出てきたときに自由にさせないことが鍵だ(それによって出来たスペースを使うことも).とにかく彼はFWよりも怖い.あとの選手は常識的なレベルだ(ケネディや玉田がいれば別だが).とにかくファジアーノとしては今の力がJ1と比べてどの位置かを確認する良い機会だ.
 この試合の先発は次の通り.

     川又
   関戸  石原
服部 千明  仙石 澤口
 植田  竹田  後藤
     中林

 左WBが田所の負傷で代わったこと,キムの疲労を考えて関戸にしたこと以外はベストメンバーだ.

 試合は名古屋が3-4-3を試してきたために岡山が思った以上にペースを握れた.システムの習熟度と適正が岡山の方が上回っていたからだ.名古屋は3バックを最近リーグでも試しているらしいが,正直あのメンバーではしんどいだろう.特にDFのビルドアップ能力が不足している.田中はともかくその他の選手はそれ程でもない.中盤も田口以外はゲームメイクが得意な選手はいない.

 名古屋は戸惑っている上に岡山が前からボールを奪いに行ったことで慌ててしまった.いつものようにロングボールを当てる的も無いので落ち着く場所も無い.更に選手の動きが鈍いため名古屋は昔の3バックのように前後が開いたような形になっていた.
 もし岡山の選手に名古屋の選手に近い質があれば前半で勝負を決めていただろう.しかし岡山の選手は精度を欠き慌てたプレーを繰り返したために,せっかく得たペースを10分を過ぎる頃に名古屋に渡してしまった.そこから一方的になるかと思ったが,前半が終わりに近づくと過剰なリスペクト状態から開放されたのかもう一度ペースを掴み始め,仙石の素晴らしいシュートで先制した.

 せっかくのJ1との対戦なのだから本来の名古屋とやってみたかったな,とHTに思っているとその希望はすぐ果たされた.後半開始から4バックで本来の名古屋を見せてくれたのだ.しかも一番怖い田中がFWに.とにかく彼を徹底的にマークして勝負はそこから.そう思った矢先にキムがミスからボールを失いカウンターから失点.まあJ1チームでも田中が前に来ると失点するんだから仕方ない話だが.
 そこから名古屋は完全に勢いを取り戻し攻守ともJ1チームになった.最も変わったのは判断のスピード.慣れたシステムで非常にスムーズで,判断が速いので他の動きも全て速くなり岡山は後手後手になった.逆転されるのは時間の問題だった.
 ただ逆転されたことより残念なのは2失点目もミス絡みだったことだ.J1チームはミスを許してくれない.植田や後藤,川又,仙石がJ1で通用しなかった理由がよく分かったし,中林も楢崎と比べると安定感に欠けた.

 そのまま終わると思われた試合.しかし相手の足が止まり始めたこともあり,岡山は攻撃する時間をもう一度作れるようになった.崩しどころはイライラしていた金崎だった.「あれを退場させれば…」なんて思ってると彼のイエローカードのリスタートから得たチャンスで関戸がコントロールショット.楢崎も届かない見事なシュートだった.
 あとは金崎を退場させるだけ.という時に岡山で最もJ1経験のある選手がレッドカード.あのタイミングであのプレーを彼が選択したのは本当に信じられなかった.このプレーは彼の引退の引き金になったのかもしれない.

 J1相手に一人少ない状態.ただそこからどちらがいいプレーをしていたかと言えば岡山だった.J1は最後まで走りぬくサッカーをしないのだろうか?いくら技術があっても走れなければJ2以下だ.
 そんなゲームは今村義朗という糞審判が壊してしまった.そこまでも散々不公平なジャッジを繰り返した彼は,とどめとしてPKを岡山に言い渡した.将来日本サッカーが駄目になるとしたら審判が原因になることは間違いない.そしてあんなプレーで倒れたのが名古屋の10番をつけるプレーヤーというのも情けない話だ.輝かしい未来は待っていないだろう.

 という2-3の敗戦.延長で負けるよりはダメージが少なかったと前向きに捉えたい.とは言え石原が負傷し,キムは休めさせられず,服部も植田も次のリーグ戦に出られない.散々な天皇杯となった…,とも言い切れない.名古屋くらいのチームでも,組織が機能してないなら対抗の余地があることは分かったし,スペースが出来れば今の攻撃は十分に通用した.判断のスピードがもう少し上がればJ1は別世界ではない.間違いなく自信にはなったはずだ.
 以前CWCでG大阪がユナイテッドと戦ったあとの天皇杯で別次元の試合をしたことがある.この日の後半に感じたことを同じように残り5試合のリーグ戦に活かして欲しい.それでは勝手に採点.

川又(5.5)ボールキープも苦労した
関戸(6.5)相手に嫌なプレーができた
石原(5.0)精度不足が結果に影響することを痛感して欲しい
服部(1.0)弁解の余地無し
千明(6.0)フィジカル強化の課題が明確に
仙石(6.0)最も落ち着いてプレーできていた
澤口(4.5)運動量でカバーできるレベルではなかった
植田(3.5)軽率なプレーが多かった
竹田(6.0)ギリギリのところで誘い込みながら守れた
後藤(5.0)1対1で振り回された
中林(5.0)判断の悪さが目立った

キム(5.0)ミスパスを連発した
三村(5.0)何ら存在感も無く
チアゴ(-.-)出場時間程度の信頼しかない

影山(5.5)
 中途半端だが現在地は見えた.現状を考えれば十分の出来.


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