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第10節 水戸戦

2009-04-29 00:56:31 | ファジアーノ岡山
 今季は4位と好調水戸.そして水戸といえば荒田.J2では強力外国人で順位を上げることができる.水戸ではその役割を荒田がこなしている.逆に言えば荒田次第のチームになっているともいえる.前節を見る限りパス回しのうまいチームでも無く,荒田をしっかりと押さえれば・・・,というところ.喜山には荒田みたいな存在になって欲しかった.

 この日は喜山をJFL時代のように3列目まで下げ,GK,SBも入れ替えた.守備のバランスは当然崩れる.特に喜山は右MFの時点で守備に難を見せていた.またこの日は全体として攻守の切り替えも遅く,対照的に素早い攻守の切り替えができる水戸のスピードと荒田の能力に面食らい試合の立ち上がりは慌てた状態になった.そして12分で2失点.勝利の無いチームには絶望的な展開となってしまった.
 その後も絶望的な展開は続く.ファジアーノのシュートチャンスは生まれず中途半端に蹴ったボールを奪われカウンターを食らう展開が続いた.ただ真子の体を張ったセーブによりようやく岡山は落ち着きを取り戻した.

 この日も岡山で目立ったのは妹尾.どんどん自信を付けているように見える.岡山で最も何かを起こしそうな雰囲気のある選手だ.そして得点もここから生まれた.ゴール前でドリブルで仕掛け,多くのDFを引き連れた状態で小林優にパスしたことがゴールに繋がった.同点ゴールも妹尾のクロスからだった.もう1人妹尾のような選手の出現があれば….
 この日は最初の失点の形があまりに悪かったので全体としてとても悪く感じたが攻撃の組み立て自体はそこまで悪くなかった.サイドを中心とした攻撃はパターン化され,複数人が絡む形も出来ていた.結局は僅かな差によるものだろうが,それが大きな差なのだが.


 結局は荒田にハットトリックを食らい4-2.ただその後も諦めずCKより3点目を返したことは一つの光明だろう.ファジアーノらしく諦めず戦った証拠だし,CKとは言え喜山もJで初アシストできた.とにかく悪い面ばかり見るのでなく,こういった小さな兆しを選手たちは頭に入れて前向きに戦って欲しい.自信を失って良い事なんて無いし.


 これで10試合勝ち無し.記録を二桁にのせた.次勝てなければ3,4月の2ヶ月間未勝利という状況になる.「岡山」という名前のついたプロチームがあればこその苦しみだ.○○電器FCとかだったら絶対に応援していないチームだろう.
 次節この日の小林康の負傷により新たにベンチに入る選手に期待したい.

 というわけで勝手に採点.

西野(6.0)徹底マークの中でも存在感を見せた.
武田(5.5)シュートまでは良かった.あとは最後.
妹尾(6.5)驚くくらいに存在感があった.
小林優(5.5)1点とったが出来は良くなかった.
小野(5.5)喜山とのバランスに苦労していた.
喜山(5.0)すべきプレーを整理できていなかった.
田所(5.0)ちょっと淡白なプレー.
澤口(5.0)攻守とも良いところなく.
植田(4.5)レベルの高い相手に対応できなかった.
キム(4.5)裏へのケアが悪すぎた.スピードも対抗できず.
真子(5.0)よく守ったが4失点したのも事実.

臼井(4.5)ゲームの流れを変えたい.
小林康(-.-)とりあえず大和田.
保坂(-.-)評価なし.

第9節 富山戦

2009-04-20 23:28:08 | ファジアーノ岡山
 相手は同期昇格組でJFLでの対戦は負け無しの富山.場所はホーム.初勝利に向けて舞台は整った.そのくらい前向きな気持ちが欲しい試合だったが,8戦勝ち無しで前節C大阪に大きな実力差を見せ付けられたチームの状態は想像以上に悪かった.「絶対に負けられない戦い」と後ろ向きなプレッシャーの中での試合になっていた.

 試合序盤はそんな精神状態がそのまま内容に出た.選手の動きは非常に固く重い.ボールはいつもよりも繋がらず.安定していた守備もマークを外す場面やフィードをミスする場面が目立った.どちらがホームチームか分からないような試合序盤だった.

 そんな中で目立った選手は,西野以外では試合毎に成長が見られる妹尾だ.左からのドリブルでリズムを作り,そしてゴールへ向かう積極的なプレーが目立った.彼はトライを続けることで自らの可能性を広げているように見える.案外メンタルの強い選手なのかもしれない.
 妹尾のドリブルはチーム唯一の「タメ」が出来る時間にもなる.彼がドリブルする間に周囲が押し上げ厚みのある攻撃が可能になる.この日は彼のプレーが流れを呼び寄せた.

 その流れの中でFK.このところ工夫が加わりゴールに近づいていたが,このときは喜山でなく妹尾が蹴ることで相手の裏を突き,そのボールを西野がヘディングでゴールへ押し込んだ.これがファジアーノがJリーグでの初めての先制点になった.

 流れを掴んだ中でJで初めての先制.このゴールをきっかけにチームが吹っ切れ変化が起きる…,などと期待する時間も無く失点….このチームの悪い癖だ.
 喜山が相手ボールを奪いながらコントロールミスでタッチを割ってしまったことがピンチの始まりだった.この日の喜山はこのプレーの前にも奪ったボールをクリアせずドリブルしており,安易なクリアによりボールを失わないようにする意識が高かったのだと思う.しかし得点直後であり前半終了前という時間帯を考えればこのときのプレーは喜山の判断ミスだった.

 攻撃面でも不調の喜山.彼は持っている高い技術をシンプルに,速く,正確に,かつ相手のタイミングをずらすために使うだけで十分相手の脅威になると思うのだが.オシムが「サーカス」と言う類のプレーになっているように思う.


 この日の富山から受けた印象は「えらく差をつけられたな」という感じ.岡山と同様に強力な選手はいないのにタメが作れ,ゲームも組み立てられパスも廻せる.少し才能のある選手を入れれば劇的にチームが変わりそうだった.
 それと比べると岡山はセットプレーのみのチームだった.このチームは昨年までの神戸のようなショートカウンターのチームだと思うのだが.今のチーム状態は戦術に対する自信も失わせている.


 後半に入り勝利に対する絶望感が濃くなったところで好調妹尾を臼井に交代.この交代は勝利を放棄したとしか思えなかった.実際にこの交代は岡山から完全にリズムを奪った.
 妹尾の交代により時間が作れなくなったチームはさらに守備を強いられる.疲弊した選手にこの状態は酷だった.失点は必然だった.相手の速攻が見事だったのは確かだが,その遠因はこの交代だった.

 見えない目指すサッカーへの不満を,意図の分からない選手交代が更に強くした.それが試合終了時の絶望感を強くしたのだと思う.この日急用で現地へ行けなかったのだが,これを生で見ていたら….


 現時点の問題を考ると「速攻を含めた流れの中での攻撃方法」という結論になった.短い文章だが解決すべき問題は山のようにある.解決策を考えるほど絶望的な気分になるので,今のチームで良い部分を考えた.

・西野,妹尾,小野,植田,李が好調
・尾崎の運動量が豊富
・澤口,キムの守備が安定している
・セットプレーに改善が見られる
・小林康がゴール前に顔を出せている

 (無理矢理なところもあるが)意外に良いところもある.それでも内容が無いのはチームとして機能していないということだろう.とにかく現時点では通用していないのは確かだ.ただセットプレーのように変化をつけることで改善している部分もある.その他のプレーも開幕時のプレーをベースに変化を織り交ぜていく必要があるだろう.まぁそれが一番難しいから絶望的な気持ちになるのだが.


 では勝手に採点.


西野(6.0)このチームで4点は見事.
小林康(4.5)FWは気持ちだけは強くいて欲しい.
喜山(5.0)もっとわがままならFWでいいんだけど.
妹尾(6.0)試合毎に期待感が増えている.シュートも良くなった.
保坂(4.5)運動量が落ちて戦えなくなっている.
小野(5.5)攻守に貢献したが結果に繋がらず.
尾崎(4.5)クロスがもっと良ければ.
澤口(4.5)攻撃面は大きな課題.
植田(5.0)長谷川投入時に特にマークが混乱.
キム(5.0)体調が戻りきっていないか.
リ(5.0)足元の危うさが目立ち始めた.

臼井(4.0)もっと成長をするしかない.
武田(4.5)スペースが無いと力が出せなかった.
小林優(-.-)評価無し

第8節 C大阪戦

2009-04-16 19:12:15 | ファジアーノ岡山
 仕事帰りに試合に行ける.これが岡山で日常になったことは羨ましい.それを体験するためにも長居へ.長居駅に着くと駅の柱はC大阪のポスターに覆われていた.大阪ではレアな光景だ.
 岡山と異なり大阪のTVには野球以外のスポーツは存在しないに等しい.いくらACLに勝っても女選手所属野球リーグ以下の扱いだ.だから長居駅の光景はとても新鮮で,ある種違和感を覚えた.ちょっと羨ましかったりもした.

 アウェイでの観戦は昨年の湖南以来だ.みすぼらしい観客席に水はけの悪い重い芝のピッチ.あの戦いから1年も経っていないこの日の舞台はW杯会場.その環境の変化は劇的だ.

 ちなみに湖南はこんな場所.これが半年前.


 そしてこの日の長居.別世界だ.


 ちなみに1年ちょっと前の昨年最低動員の桃スタも.これでも試合中の写真.どれだけ環境が劇的に変わったかが良く分かる.




 湖南は劇的な引き分けだった.そういやいつからスタジアムで勝利を見ていないのだろう・・・.

 しかし長居の立地は最高だ.駅から近いし公園も隣接しているし.この環境で,あれだけの人口がいても客が入らない理由のひとつは上に書いたことも影響しているのだろう.


 相手は首位のC大阪.初勝利には厳しい相手.ただ攻撃的なチームと守備の安定したチームの対戦は噛み合わせは悪くないはず.相手が前掛かりになったところを突くことができれば可能性はあるかもしれない.それに3バックの守備の穴を巧く使うことができれば更に…
 この考えが間違いであることは試合開始直後に分かった.両チームの技術のレベル差は戦術・システムを語る以前のものだった.パスのスピード・正確性,プレースピード.格の違いを見せ付けられた.

 試合時間の多くは押し込まれた.特に主導権を握りたかったサイドは左から酒本に尾崎の裏を狙われた.逆に酒本の裏を突いても右利きの妹尾のクロスの精度は高くなかった.
 逆サイドの喜山は逆に内側へとポジションを取る.これにより右サイドは押し込めず.澤口は上がってこないので左からのサイドチェンジする相手もおらず.また喜山が狙った内側は3バックでただでさえ人が多くチャンスは生まれない.あの状態ならば妹尾と喜山を入れ替えてピッチを広く使った方がチームは機能したように思う.

 両サイドで優位を作れなかったが中央では小野が攻守にわたり献身的なプレーを見せていたおかげでいつものようにしっかり耐えられていた.時にはチャンスも演出できていた.
 そのチャンスの一つ,GKとの1対1を小林康が外す….何度目だろう.ファジアーノではかず少ない決定的な場面ばかりで,そして入れておけばその試合どころかチームの状態が一気に変わるという場面ばかりで.その分落胆も大きい.


 そしてチャンスを逃すと…,そう,やられる.マルチネスが正確なサイドチェンジのパスを走りこんでフリーの酒本へ出した.セットプレーを任されていたこの選手がフリーで蹴れば精度は高い.2人で挟んでいたにも関わらずカイオへピンポイントで合わせゴールした.
 これはどうしようもないくらいレベルの高いゴールだったので諦めがついた.選手もだからこそ直後にビッグチャンスを作れたのだろう.

 その前と同じようなGKとの1対1.しかしこの場面も小林康が・・・.JFLまで落ちてしまうわけだ.まぁ良いところにいる証拠なのだが,これだけ外すならいない方が諦めがつくかもしれない.
 とにかく何を言われても仕方ないようなプレー.もうこれまでのように時間は与えられないだろうが,限られた時間の中で名誉挽回して欲しい.

 そしてチャンスを逃すと…,保坂の不注意なパスを奪われそのまま失点.最悪の時間帯の失点を,最悪の形で取られてしまった.強豪相手にミスをして勝負になるわけが無い.


 後半.先に1点とればまだ可能性はあった.しかし最悪の時間帯に失点.7試合で3点しか取れていないチームから勝ち点の可能性など感じられなかった.その後植田の攻め上がり時にボールを奪われ戻りきれずにできた穴を突かれ駄目押し.
 ちなみにその前にあった武田のオフサイドはゴールだ.手前の線審の判定は試合を通して酷かった.

 相手は4点とってプレーが雑になった.そんな相手からPKのみの1点しか取れなかったのは,まだまだ改善点が多いことを示している.ボールを持たない選手の動きとか.ただ全体を通してみれば,40分までは十分に戦えていたし,自らのサッカーでチャンスも作れていた.ミスをなくしシュート機会を増やす.それを地味に積み重ねて欲しい.


 4失点して惨敗.これで悔しいと思わない選手がいたらプロを止めた方が良いだろう.諦めてしまった選手がいたら,岡山からあれだけ来てくれたサポーターのことをもう一度思い出すべきだろう.負けることより諦めてしまうこと,次に期待を持てない試合をすることの方がサポーターには悔しいのだから.

 次の富山戦.とても大きな意味を持つ試合だ.今シーズンを決定付ける試合になるだろう.


 ちなみにC大阪.これまで対戦したチームの中だと攻撃力は一番だった.ただJ1では….さすがに今年のJ2で上3つには入るだろうけど.
 

 というわけで勝手に採点.


西野(6.0)1人だけ前で戦えていた.
小林康(4.0)監督も我慢しきれなかった.
喜山(5.0)責任を背負いすぎ.MFかFWか.チーム戦術の中で生きるプレーを.
妹尾(5.5)体力的にしんどいところよく頑張っていた.
小野(5.5)試合終盤のミスが多すぎた.前半だけなら6点.
保坂(4.5)プレーにムラが多い.
尾崎(5.0)酒本の対応に追われながらもよく上がれていた.
澤口(4.5)サイドを生かせず.
竹田(5.0)祝J初出場.ということで甘めに.
植田(5.0)感情的になっていた.
李(6.0)相手に勝っていた唯一のポジション.

武田(5.5)次は先発で.
臼井(4.0)印象に残らないプレーだった.
小林優(5.0)前回より良かったけど.

第7節 横浜FC戦

2009-04-14 00:25:12 | ファジアーノ岡山
 未勝利チーム同士の対決.ただ相手は「J2初勝利」を目指すようなチームではない分栃木よりはやりやすい.ただ相手は元J1チーム.甘くは無い.

 岡山は前節とは見違え非常に鋭い出足のプレーが続いた.開始直後の小野の見事なプレーはハンドとされたがこの数戦見られなかったプレーだ.その後の尾崎の深い位置からの見事なクロスも久々に見るもので,あのボールに触れなかったのはFWの責任だろう.
 そんな優位に立った時間にゴールを決めたかった.しかしベテラン三浦淳を中心に横浜が試合をコントロールした.試合のテンポを落とすようにボールを保持したりスローインやFKで時間をかけ,岡山のはやる気持ちを焦らしていた.
 それでも岡山は悪くない流れだった.しかし三浦淳の精度の高いCKから失点.良い流れを生かせないとJではこうなってしまう.

 静かになった満員のスタジアム.しかし6分後,西野が浮き球の競り合いからPKをゲット.西野の持ち味を出した見事なプレーだった.
 その後も岡山のプレーは悪くなかった.しかし前半から攻守に飛ばした妹尾の足が止まり,小林康は後半消えてしまい,喜山も後半途中までボールを受けられないままの時間が続いた.その時間に横浜は交代選手により流れを呼び込んだが,両チームともあと一歩届かないまま試合を終えた.

 またもやドロー.本当に結果が欲しい.ただ今回のドローには収穫もあった.ボールへのアクションの速さが戻り始めたこと,セットプレーに変化をつけれるようになったこと,武田が復帰したことでスピードが加わりカウンターが機能し始めたこと.
 J2の試合をこなしていくことで,少しずつではあるがチームは変化・成長が見え始めた.

 ただこの日の得点も西野の個人技によるものだったように,流れの中でのプレーは相手も研究しており中々決定機を作れないままだ.喜山を中盤にしてこの結果.伸びしろはもう多くないのだが.勝利が手に入れば何か起きそうな気配は感じるが.


 この日相手で気になったプレーヤーは・・・.正直いなかった.アツは神戸の頃よりだいぶ落ちてしまったし,難波も知っている以上の印象は無かった.もちろんキングの存在自体気にはなるが.個人的にはFWで起用されていた方が怖かったと思う.ポジショニングが本当にいいので.

 そのキングカズのおかげでこの日の桃スタには開幕を超える1万3千人以上が集まった.今回改めて観客が増えることによるスタジアムの「非日常化」の効果が凄いものだと感じた.J2下位未勝利対決があれ程魅力的な舞台になったのだから.
 埼スタはこの4倍くらい.その非日常度合いは尋常ではないだろうし,体験した観客は病みつきになるのだろう.この日小さな埼スタだった桃スタで少しでも病みつきになる人が増えれば.

 とにかくカズ効果とは言え岡山という街のポテンシャルを感じさせるものだった.そろそろ勝利という更に良いきっかけを作ってあげて欲しいものだ.
 ちなみに桃スタで好きなのは,観客数が多いときに「おおぉぉ」と歓声があがるところ.一般の客も「俺ら岡山もやるがな」みたいな雰囲気になっているのがとてもいい.あまり誇りを持てない町の小さな誇りになっているような.


 と,TV画面から伝わってくる熱気を羨ましく思いながら,水曜にガラガラの長居(会場が大きすぎるだけだけど)に負け確率の高い試合を見に行く予定.まぁ香川と乾とカイオとマルチネス見れたら元は取れるか.

 では勝手に採点.

西野(6.5)MOM.望んでいたプレー.もうちょっと期待してるけど.
小林康(5.0)最初のクロスは最低でも当てないと.後半は消えた.
喜山(5.5)もっとゴールの近くへ,ゴールへ向かって.
妹尾(6.0)過去最高のプレーだったと思う.
小野(6.0)ペースダウンはこの日は少なかった.ミドルシュートは抜群.
保坂(5.5)少しボールを捌けなくなってきている.
尾崎(5.5)いつもより攻撃の意識があった.
澤口(5.5)全体的に上向き.後は決定的な仕事を期待したい.
キム(5.5)危ないミスもあった.
植田(6.5)野本の居場所を無くす活躍.他のポジションの選手も見習って欲しい.
李(6.5)三浦淳のFKは本人も入ったと思ったはず.2点は止めた.

小林優(5.5)クロスは期待通り.ただそれだけでは.
武田(6.0)祝Jデビュー.もう少し早い時間から見たかった.

第6節 栃木戦

2009-04-09 19:35:54 | ファジアーノ岡山
 相手は5試合無得点全敗.最悪のチーム状態.岡山にとっては絶好の相手!…などとは全く思えなかった.栃木にとって岡山は「JFLでの対戦では負け無し」,「順位も下」という数少ない格下のチーム.そんな相手とホームで対戦できるこの試合を不振脱却のきっかけにしたいはずだ.
 岡山にしてみればようやく強豪以外との対戦だが,不運な巡りあわせだ.

 栃木は昇格3チームで最も補強したクラブだ.新潟の河原,名古屋の米山,神戸の栗原というJ1出場経験者がメンバーにいる.監督は神戸にいた松田.しかし結果は昇格組みで最も悪いスタートとなった.ただチームを大きく改造したチームが序盤に躓くのは当然で,チームに力が無いというわけではない.
 しかし勝利も得点も無い栃木は少なくとも自信は失っているだろう.だからこそファジアーノは必ず先制し彼らに復活のきっかけを与えないようにしなければならなかった.


 しかし岡山はいつもの悪い癖で試合序盤は集中力を欠いた.特に守備時のハイボールの扱いが非常に悪く,いつ失点してもおかしくないプレー振りだった.
 その時間を凌ぐと岡山は僅かにペースを掴みかけた.けれどもシュートまでいけずに波に乗れず,そしてセカンドボールを拾えずリズムを失った.ただ栃木もプレーの精度が低く,JFLのような行き来の激しいゲーム内容となった.

 そんな試合はシュートで攻撃を終えれていた栃木に徐々に傾く.そして栃木の強い気持ちがファジアーノの不安定な部分を崩した.ロングスローからの失点.欲しかった先制点を奪われ,そこからは自信を取り戻した栃木の試合になった.


 結局この日岡山はペナルティエリア内から一度もシュートを打てなかった.それはフィニッシュの2つくらい前のプレーの精度の低さに問題があると思う.楔およびそこからのパス,そしてそれを受けた選手のパス.攻撃の殆どはこの段階のプレーの精度の低さにより終わってしまう.
 やはり2列目の選手のプレーの質が問題なのだろう.喜山が2列目に入り,尚且つボール扱いの巧い妹尾が入ると少し攻撃が機能し始めることもそれを示していると思う.

 この対策は,選手の技術・判断力の底上げを期待する,もしくは新たな選手の台頭を期待する,補強する…,と現実的でないことが多い.
 ではどうしたら良いか?答えは「他の部分でカバーする」ということだろう.減ってきた運動量を戻す,機能していない速攻を見直す,セットプレーを工夫する,などチーム全体で諦めず戦って欲しい.

 個人的には三原に期待しているんだけど去年も裏切られたからあまり期待しないようにしている.


 というわけで勝手に採点.

西野(5.0)楔を狙われ奪われている.
喜山(5.5)FWでも現状を打破するプレーを.あと少し余裕が欲しい.
小林優(4.5)サイドでの活躍を期待したが.
臼井(4.5)前節よりは良かったが.
小野(5.0)足が止まるのが早くなった.
保坂(5.0)存在感が薄れてきた.
尾崎(5.0)攻撃は見せ場無し.
澤口(5.5)前に出れなかったのは仕方ないが.
植田(5.5)セットプレーで競り勝って欲しい.
キム(5.0)無駄なイエローは無くしたい.
李(5.5)よく防いでいるが.

小林康(5.0)2試合連続でフリーのシュートを外しては.
妹尾(5.5)ゴール前で落ち着けたら….
大島(5.5)祝J初出場.

第5節 対札幌

2009-04-01 00:59:02 | ファジアーノ岡山
 そろそろ勝利が欲しい時期だが,そんなときにホームに迎えるのは昨年までJ1の札幌.J1で最下位だったとは言え岡山との差は大きく非常に分が悪い.岡山にとって好材料は小林康のベンチ入り,保坂先発復帰くらいか.そんな状態で水曜の一方的にやられた試合からどれだけ持ち直せるか.厳しい試合になることが予想された.

 試合は開始直後に相手に決定的チャンスを与えた.チームは集中しきれておらず,前節からの悪い流れを引きずっているように見えた.しかしその時間を乗り切るとその後はいくらか持ち直し,何度かチャンスも作れていた.
 しかし肝心なところで負ける.この日ほど選手の能力差を感じた日は無い.多分元気な時間のクライトンはこれまで当たった外国籍選手の中で最も質の高い選手だった.その他の選手も平均値が非常に高かった.曽田や箕輪もいないというのに.

 力の差を痛感していた前半20分ころに失点.原因は保坂だった.クリアが小さかったという事ではなく,その前のプレーが良くなかった.相手ペナルティエリアでシュートも狙える位置でボールを受けたのに消極的なパスをし,それがミスになった.このプレーが直後の相手の攻撃を生み失点の引き金になったといえる.チームが攻めきれていない状態だったからこそシュートが欲しかった.

 これまでで最も早い時間帯の失点.前節の悪さも考えるとこの失点でチームが崩れてしまうかもと思った.けれど諦めないことが身上のこのチームは,攻め込まれながら前半はこの失点のみで耐え切った.若いチームとは思えない粘り強さだった.


 後半に入ると臼井に代えて小林康を投入.この交代は予想通りで監督の見事な采配だったと思う.この日の臼井は殆ど良いところは無かった.相手のプレッシャーに負けて倒れるだけでなく,体勢を崩された状態でのパスは精度を大きく欠き相手へのパスになった.
 特に目立った技術があるわけではない運動量が持ち味の選手.だからこそ一つ一つのプレーの質を上げ,特に動きながらのプレーの質を上げる必要があるだろう.残念ながらこの日のプレーはJ2レベルでは無かった.今後の奮起を期待したい.


 後半喜山が中盤になる.すると前半には無かったスルーパスが出るようになる.東京Vは彼をMFとして見ていたようだがそれも頷ける.岡山の中で最も質の高い攻撃的MFだ.彼がリズムを作ることで小林,西野というFWに動きが出てくるようになり相手を押し込めるようになった.
 そして63分に川原を妹尾に.川原は後半になり完全に足が止まり攻撃の精度を落とすだけでなく守備にも穴を開けていた.交代は当然だった.

 この交代を機にシステムが変更された.4-4-2だが中盤は清水のようなダイヤモンド.頂点に喜山,底に小野を置く.そして動きの止まったクライトンを小野が完全に封じ,トップ下に入った喜山が西野,小林康,妹尾,保坂を巧みに使いつつゴールに近づく.
 そしてホーム初ゴールに繋がった.喜山がさばき,保坂が粘り,小林康が納めて尾崎がオーバーラップし,フォローした妹尾がフォローして西野と小林が競りながら西野がゴール.非常に厚みのある攻撃が出来た.
 今年の攻撃は,チームが噛み合うと昨年とは段違いの迫力を見せる.DFのレベルが高いため中々その力は発揮できないが,あと一息のところまで来ているように思う.


 相手で目立ったのはクライトン.まぁ体つきからして別格.あと藤田もいい選手だった.けれど彼らはどうもコンディションが良くないように見えた.やはり雪国でトレーニングが思うように積めていないとか遠征が多いとかあるんだろうか?前半はJ1のようなプレーで後半はまさにJ2レベル.たまたまだろうか?


 という1-1のドロー.相手の15番は2枚目のイエローでもおかしくなかった.彼が退場していれば結果も変わったかもしれない.とは言え札幌にドローは悪く無い結果だ.この日の後半のようなプレーが出来れば勝利も近いだろう.

 ただそろそろ「昇格クラブ」という肩書きや「強豪相手に善戦」という言葉は聞き飽きた.一人前のクラブとして扱ってもらえるよう勝利を積み重ねていきたいところだ.
 それには西野・小林の2トップに喜山のトップ下という布陣が必要だろう.それはこの3人がファジアーノでも一つ抜けた力を持っているというのもあるが,それ以上に喜山がトップ下が適職だと思うからだ.ボールを触ってリズムを作る彼はFWでは引き気味になってしまいFW同士の距離が開きすぎてしまう.トップ下でボールに多く触れ,そして前向きでプレーした方が彼本来の能力を発揮できるように思う.せっかく後ろが安定しているのだから試してみて欲しい.まぁ試すなら強豪相手の試合がいいと思うが.

 結局こんな悩みも,シーズン前から気になっていた攻撃的MFの不足が原因だろう.控えから良い選手は出てきて欲しいものだ.

 というわけで勝手に採点.

西野(7.0)MOM.得点したし.その他のプレーも○.
喜山(6.5)プレーの質高し.地域リーグにいたのは本当に反則だった.
臼井(5.0)全体的にレベルアップを.まぁこれからの選手.
川原(5.0)去年と同じように息切れしては.
保坂(5.5)プレーに波があった.
小野(5.5)疲れがプレーに出すぎるのが.
尾崎(6.0)上がるところまでは良い.クロスの回数を増やしたい.
澤口(6.0)攻守とも好プレー.攻撃はまだまだ期待したい.
植田(6.5)足元もしっかりしている.今季終了時の成長振りが楽しみ.
キム(5.5)ボールウォッチャーになりがち.
李(6.0)難しいバウンドのボールもうまく処理していた.

小林(6.5)完全に流れを変えた.さすがの存在感.
妹尾(6.5)初アシスト.ようやく昨年並みのプレーが.ようやくJ2レベル.