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ASIA CUP 07 サウジ戦

2007-07-27 23:43:04 | Sports:football(A代表)
 2-3で日本の負け.予想大はずれ.相手のことをよく知らないのに変な予想なんかするもんじゃないな.

 当たるとは思っていなかったが,負けという結果は全く予想していなかった.これまでの対戦,日程,場所など考えると明らかに日本が優位に試合を進めることができると考えたからだ.しかし試合開始時の気温は30℃.「よそから来た相手には暑く,日本には涼しいでしょう…」という山本の訳の分からない解説.事実は暑いヴェトナムが相手にはちょうど良い気温になってしまった.せっかく気候に慣れた日本のアドバンテージは一つ失われた.

 日本はこの大会を通じて試合中に複数回集中力を失う時間があった.それが予想した1失点の原因だ.しかし相手はその複数回ある集中を失った時間を3回も生かした.運もあるが必然の面もあった.日本のDFは試合序盤から1対1の勝負に危うい場面を見せていた.これは今に始まったわけではない日本のDFの弱点だ.Jリーグでは組織で崩すチームが大半なので,強引なドリブル,スピードのあるドリブルで勝負される回数が少ない.つまり慣れていない.相手が繰り返した日本が苦手な縦への突破がボディブローのように日本を苦しめ,チームのリズムを失わせ,そして失点に繋がったのだろう.なによりCBが本職で無かったのは痛かった.

 また得点予想は「暑さが相手の集中力と体力と勝利への執着心を失わせる」という中東勢の特徴から予想した3得点.決して日本が圧倒すると思っていたわけでは無い.しかし試合序盤は予想に反し70%のポゼッションで日本が圧倒した.ただし1-1の時点で日本のシュートはわずかに2.シュート数が少ないからこそポゼッションが高かったのかもしれない.シュートへの意識の低さが相変わらず無かったことも一因だろう.そしてそれが日本には悪い方向にはたらいた.
 相手は中盤からボールへ連動してプレッシングをしてきた.日本がよく苦戦する状況だ.プレスを避けてロングボールを出してもいいが,それは相手の思う壺になる部分もあった.結果的に相手のプレスを避けながらのパス回し.これはこの大会でこれまでの対戦相手に対するそれとは大きく異なる,非常に体力を使うものになっていった.

 日本はボールをまわしながら疲れ,そして相手は鋭いカウンターを繰り出す.ポゼッションとは逆にペースは相手のものだった.相手は前向きの守備.日本をよく研究してきたのだろう.バイタルエリアでの横パスは彼らの前向きの守備の網に何度も引っかかった.それはカウンターの開始を意味した.
 そして何より彼らの運動量はなかなか落ちなかった.むしろ日本のほうが落ちた.これまでは相手を上回る運動量と技術でこのような相手をいなしてきたが,逆の状況でそれができる程この日の相手は弱くなかった.これが最も予想外だった.

 ただ,サウジアラビアが中東らしくない組織的な守備と統一された意思で試合を戦ってきたのは事実で,そういう相手を日本が倒せなかったのも事実だ.内容で勝利していたわけでも無い.それは今後の課題として大きく横たわるだろう.万が一サウジアラビアがこのままの方針で強化されればW杯予選では嫌な相手になるだろう.


 この敗戦により課題を明確にすることができた.パス回しをゴールへつなげることができないこと.ゴールへの意識が低いこと.オシムになる前からの「怖さが無い」という日本の課題であり,今大会でも解決されていないことが分かった.上に書いたように守備の弱さも目立った.そして最も問題なのは控え組みの層の薄さだろう.ただでさえ世界を体験させてもらえなかった世代.レギュラーがようやく今回世界を体験できた状況.次の試合は入れ替えがあるそうなので,そこで次の日本代表へ生き残る選手が見えてくるだろう.現時点で世界をほぼ体験できていない25前後の世代は次の世代への入れ替えの波に飲み込まれるだろう.

 何にしろたった1年でこれ程大きく転換できた日本サッカーの目指す道筋は大きく変わらない.そこにどれだけ多くの才能を乗せることができるか?これからの舵取りに期待したい.

 では勝手に採点
高原(5.5)見事に相手に潰された.
巻(5.0)守備して当たり前.それにプラスが見えない.
中村俊(5.0)シュートや突破への意識が低すぎた.
遠藤(4.5)プレーの精度,運動量,シュートへの意識.全てが低かった.
中村憲(6.0)ようやくらしいプレーが出だした.もう一歩.
鈴木(4.5)走れず.パスの展開力の低さは期待する方が無理か?
加地(4.5)足の痛み?深い位置からのクロスが少ない.左足が使えないのが更に痛かった.
駒野(6.0)精力的なプレー.ただし守備の難は残る.サントスよりマシ.
中澤(6.0)走れなかった.
阿部(4.5)大会通じて評価が高いが,個人的にはかなり低い.
川口(5.0)3失点では良い点はつけれない.

佐藤(5.0)何もチャンスは生まれなかった.
羽生(5.0)プレーの精度が…
矢野(5.5)監督の意図通りだが,+αは無かった.

ASIA CUP 07 豪州戦

2007-07-23 12:26:50 | Sports:football(A代表)
 この日は昼間からオールスターが行われているという変な日だった.

 オープン戦?東西対抗?そんな雰囲気に見えたのはこの豪州戦との重みの違いからだろうか?意味不明なパフォーマンスは,地方開催のローカルな雰囲気を一層際立たせていた.一緒に見ていた人からは「失笑やな」とコメントを頂いた.華やかさだけが売りなのに.

 その数時間の全く華やかさは無い真剣勝負.非常に重い試合.しかしその重みのわりに観客は少ない.W杯に出たチーム同士の戦いということも考えればもうちょっと客は入って華やかでもいいものだが(まぁ日本で韓国対イランでも客は入らないだろう).
 コパアメリカやゴールドカップ,ユーロ,ネイションズカップ.これらと比べると悲しくなる.その要因はアジアの列強のサッカーを見たいと思わせるほどアジアの列強が世界では強くないことだろう.今回の豪州の転籍はアジアのサッカーのレベル,文化,重要性の向上にはいい影響を及ぼす可能性は大きい.だからといって負けたくは無いが.

 そして試合.予想通りの接戦.予想通りわずかな運で勝負が決まった.

 豪州は試合開始直後からこれまでのチームとは異なるレベルであるのは明白だった.ただ良い内容では無かった.引いて守る猛暑の中の省エネサッカー.3バックも半ば5バックとなっていた.アジアの戦いを勝ち抜くための彼らなりの答えだ.
 ただ攻撃のときは技術もスピードも正確性もあるのでさすがにこれまでより厳しい.しかし日本もこれまで以上に動いた.その動きでは日本が上だった.ただ,なかなか「攻撃」にはならない.それどころか相手にパスを回させられている感じで,日本の横パスは彼らの体力温存に最適なものだった.
 この日「試合を支配していた」と言い切れないのはこの辺りの駆け引きがあったからだ.怖がって横パスをしたところを狙われカウンター.このように日本は相手を動かすどころか動かされていた場面も多かった.

 引いた相手への対応.この日改めて明確になった問題点だ.さすがに後半からは修正し,憲剛が中盤から前に出て行っていたが,前半の終わりから足が止まりかけていた豪州に対してあの程度しか攻撃できないのは悲しいところだ.

 試合は失点後の高原の素晴らしい得点で同点とした.後半以降試合を支配していたのは間違いなく日本だった.あの流れならば足の止まった豪州から点をとれる可能性は高かった.しかし相手の一発退場.
 あれはイエローが妥当だが,その判定は日本に不利にはたらいた.「守りきる」と決断したチームは厄介だ.豪州は「PKまで行く」という統一された意思で試合を運んだ.あの時間から45分以上守りきろうとした決断は凄いが.ペナルティエリア付近での不細工なシミュレーションは凄くなかった.


 結局川口の凄さにより勝利した日本.ただ,この日のMOMは中澤にしたい.この試合でビドゥカを完全に封じ込めた.彼は嫌なあまり阿部の方への何度も逃げようとしていた.その時点で豪州の攻撃の多くは機能しなくなっていた.交代させた時点で完全に勝利だった.


 引き分けながら試合を支配し勝ち抜いたこの試合.W杯との違いは何だろうか?W杯も試合を通して圧倒されていたわけでは無い.あの1点が入るまではそこそこ勝負できていた.大きな違いは相手のスカウティング不足というのもあるが,今回最も大きかったのは今の日本には日本のスタイルがあったことだ.
 W杯では同点になった時点で日本は完全に混乱した.チームのスタイルが「個人の自由」であったので,各自の意思疎通ができなかった.今はスタイルがある.チームとしての意思がある.オシムの言葉どおり未完成であるので勝ちきれなかったが,決して負けた試合ではなかった.その日本に対する豪州はビドゥカを下げ自らでそのスタイルを壊すしかなかった.敗者になるべくしてなった.
 そしてこの試合で日本が個人技で負けた部分は殆ど無かった.決して怖がる相手ではないことは明白だ.苦手意識など必要ない.それを実証することができた試合だった.

 たった1年であの屈辱的な敗戦を未完成ながら拭い去った.オシムは「優れたチームが勝った」と言ったあの試合.この試合で優れていたとしたのは日本だった.結果だけでなく内容までも上回るチームになったのだ.
 オシムの中でもこの豪州との試合は特別なものとして扱われていたのだろうか?この日のPKの5人(川口入れて6人)がドイツ組みだった.本音を言わない指揮官の本音が僅かに見えた気がする.


 次はサウジ.正直ウズベキスタンの方が厄介だったので(見たかったのだが)良い相手に恵まれた.戦いなれた中東スタイルが相手であれば,今の日本には大きな問題では無いだろう.あんまり楽観的な予想はしたくないが3-1くらいで決勝にいければ優勝だ.

 では勝手に採点.
高原(7.0)ゴール前の切り返しは見事.他の選手に教えてあげて.
巻(6.0)守備の分だけプラス.ポストにはなれなかった.
俊輔(6.0)テンポを変えるプレーをしてほしい.
遠藤(6.0)ミドルはもっとうまいはず.
憲剛(5.5)悩みの見えるプレー.途中交代は妥当.
鈴木(5.5)この日はここから縦へ入れる必要があった.
駒野(5.5)ちょっとミスが多かった.
加地(5.0)DFラインでボールもつと狙われている感じがある.
中澤(7.5)凄かった.W杯は忘れられた?MOM
阿部(6.0)この日の守備は良かった.
川口(7.5)PKの神様.

今野(5.5)期待してるから満足できない.
佐藤(5.5)味方との連携強化が必要.
矢野(-.-)

GP2

2007-07-21 10:40:08 | Motor
 GP2を初めて見た.

 舞台はこの間のフランスGPの前座.ルールも良く知らない.とにかく土日1レースずつ,Race1はタイヤ交換有りの40周前後のレース.Race2は25周前後のタイヤ交換無しのスプリントレース.4Lのルノーエンジン,BSタイヤのワンメイクレース.
 ワンメイクと聞くと「面白いレース」を想像してしまう.というのもマシン格差が殆ど無いのでドライバーの実力がはっきりと出る.しかも飛びぬけたドライバーがいない限りレースは必然的に接戦となる.
 ワンメイクレースは若手の登竜門という扱いだが,少し華やかにしてしまえば十分見世物として成り立つ.その良い例がこのGP2だろう.

 そしてレース.やはり接戦.オープニングから1-2の同チームがクラッシュするなど各所でドライバーの若さ,攻撃的スタイルが見られる.これはF1には見られない,下位カテゴリーならではの出来事だ.とにかく彼らはF1に上がることが第一目的.ここで順位を守ることよりも,攻撃的に行きクラッシュしても目立ち,速さ(=才能)をアピールしたいのだろう.ここで1位になることよりも溢れる才能の方がF1チームにとっても重要だろうからだ.

 ただでさえ接戦のレースは若さが更に接戦にさせる.しかもポジションが下のほうでも大きな差がつかないので諦めずバトルする.ファステストでポイントがもらえたりRace1の結果がRace2のグリッドに影響することもあるからだろう.殆どバトルが無いF1とは大きく異なるレース内容だ.

 と,思ったことをそのまま書いてみたが,そんな風に書いてみたくなるくらい久しぶりにレースの面白さを感じることが出来た.JTCCを見ていた頃のようなバトルの多さはかなり良かった.F1の前座ということで登竜門カテゴリにあるのんびりした雰囲気もなくある程度華やか(観客が多くて驚いた).
 更にそこに登場する「セナ」「中嶋」の名前.オールドファンにはたまらない響きだ.なおかつ最終ラップで中嶋がセナを抜いて6位ってのも良かった.ちなみにこの二人を見比べた印象は,セナは運転がまだまだ荒いが,一発の速さだけはもっている感じ.対して中嶋はコンスタントに速く,ドライビングスタイルもスマート.一発も速いらしいしウィリアムズが気に入るのもよく分かる.普通の感覚ならセナよりF1のシートは近いだろう.

 ちなみに日本人は他に平手,山本が参戦.山本は腐っても「元F1ドライバー」というところを見せてくれるか?と余り期待していなかったが,そのとおりでGP2でも余り目立った速さを見せられない.平手はマシンがどうも決まっていない.その上争いに弱い.もうちょっとここで鍛える必要があるだろう.


 と,新たな楽しみを見つけた.これはF1よりもモータースポーツである.F1の無い週に深夜で放映するくらいの価値はあるように感じた.日本でもこういうのあればいいのになぁ,GP2アジアって感じ?と思うと実際に来年から始まるらしい.どうなるか期待したいが,本家よりも下の価値に見られるんだろうな・・・.

久しぶり

2007-07-19 19:23:16 | 興行--日本野球--
 久しぶりに野球のこと.

 久しぶりに両チームが燃え上がった乱闘.当然TVではトップニュースだ.殴った選手は「1試合」もの出場停止.優先されるべき興行への影響を無視した英断を下した.
 そんなすばらしきNPB.今日はフレッシュオールスターだったそうだ.昔は鈴木がMVPとったりしたのを見たものだが.そもそも2軍でもスター.2軍のくせに立場をわきまえる必要の無い野球の素晴らしさが伝わってくる.

 そんな素晴らしきNPB.素晴らしきニュースも提供してくれた.

http://www.nikkansports.com/baseball/p-bb-tp0-20070719-229305.html

 他のスポーツファンが見ればこの素晴らしさは分かり辛い.当然この発言の素晴らしさは野球ファンには分かるのだろう.元野球ファンとして細かく見ていきたい.

>NHKにどうしろ、というのではなく、日本球界を盛り上げてくださいということ

 「どうしろ,というのでなく」といいながら「どうしろ」と言っているのが野球独特の面白い言い回しだ.既存の日本語をも上回る野球の凄さが出た一文だ.そのくらい凄いのだから今のNHKのスポーツ(=野球)ニュースをNPBニュースにするのは当然だ.

>日本のプロ野球は苦労して選手を育ててきたのに、メジャー数名の選手ばかりを取り上げるのは極めて異常で不愉快だ。

 俺らが育てた選手を使って勝手に金儲けしてわし等はないがしろか?というかたぎには思いつかない発想は他のスポーツを圧倒する野球の凄さを表している.それに続き,

>公共放送なんだから。

 NPBは何よりも公共性が高いことをお忘れか?と間違いを指摘するというやさしさも忘れていない.懐が深い.

>報道を減らしてではなく、日本球界も大切にしてくれということです

 これこそ野球人以外には非常に分かりにくい文だ.これはここまでのまとめなのだが,意訳すると「野球は重要なものだから,MLBを減らさずにトータルの野球の放送を増やさなければならないくらい凄いものだ」ということを言っている.一般ニュースよりも重要な野球.国技を超えた存在感だ.


 更にこの日はニュースの宝庫.次はこれ.

http://www.daily.co.jp/baseball/2007/07/19/0000469773.shtml

 これも解説をつけたほうが良いだろう.

>会議では有望選手の意向や希望が一切反映されない制度では、メジャーへの人材流出が進む

 MLBへの人材流出はFAとポスティングが殆どだが希望枠を復活するという,トリックのような発想だ.日本語のトリックを使いこなす野球の凄さが出ている一文だろう.


 このように野球の素晴らしいニュースは毎日のように飛び出す.全ては取り上げられないが,この日くらい素晴らしいニュースは取り上げても良いだろう.野球ファンはその素晴らしさに感動し,将来に希望を抱き,日本野球協会に感謝を伝えているだろう.日本野球協会は野球の神に等しい.神への感謝は心で伝えるしかない.いくら叫んでも伝わらないように感じるむなしさを感じなければならない野球ファンはかわいそうだ.そう,彼らはたかが野球ファンでしかない.

ASIA CUP 07 ベトナム戦

2007-07-17 21:19:23 | Sports:football(A代表)
 負ければGL敗退の可能性もある瀬戸際の一戦(いいすぎ?).

 相手はベトナム.代表がまともに活動しだしたのは90年代らしい.数年前ベトナム人に話を聞いたことがあるが「代表は弱すぎる」「でもサッカーは一番人気が有る」「日本は有名だし日本人選手の名前も知ってる.強いね」とのこと.そんな彼らも今回はUAEを下しカタールに引き分けるという健闘を見せている.「ホームだから」と言われているが,その他ホームチームでも負けているところはある.全く実力が無いわけでは無いだろう.
 彼らの他チームとの試合を少しだけ見たが印象は「日本に似てない?」というもの.技術は決して高くないが労力を惜しまない走りと細かなパス,スピードのある攻撃は,とても近いスタイルに思えた(少なくともお隣よりは日本に近い).90年代前半の日本といったところか(もっとうまいかな?).

 その印象はこの日の試合が始まってもそれ程変わらなかった.ベトナムは1トップで自陣に引きこもり,ボールを奪取すると一気に全体を押し上げる.そこでボールを失うとそのままプレスし日本の中盤を押さえ込む.そこでボールを下げられると後ろに引く.日本は立ち上がりどちらが格上か分からないくらい慌ててしまった.そこでの失点.オウンゴールだったが内容はベトナムが上回っていたと言ってもいいほど.
 日本は中盤での激しいプレス(というか勢いのある守備・攻撃)に脆い.ただアジアレベルでは日本のほうがスキルが上回るのでそれをやり通せるチームが無いのでやられない.ベトナムはスキルを勢いで押さえ込んだ.90分これをやられたら結構キツイだろう.

 ベトナムが不運だったのはこの得点が早すぎたことだ.この1点を守りきるしか勝ち目は無かったが,80分は長すぎた.日本には十分に立ち直る時間があった.すぐに試合を支配した.ただ珍しくロングボールの多い展開.しかしそれは狙い通りだった.高さで勝てるのでそこで落として押し込む,いつも日本がやられている戦法だ.それでもベトナムはボールを奪った後のカウンターで日本に襲い掛かる.思った異常にチームが機能していて驚きだった.ただベトナムにはスキルと経験,そしてフィジカルが足りなかった.その差を見せつけ日本は4点を返す.それ以上は不要になった時点で安全に試合を運ぶ.今のベトナムではこれが限界だった.
 しかしGLを2位で突破.この試合を見る限り不思議ではなかった.彼らは全体のレベルこそ低かったが,チームとしては最も機能していた.他の2国(というか日本以外のアジア)にはない勤勉さがあった.もう少し技術があれば日本にとっては非常に嫌な相手だったろう.もし,後半1点差でカタールが勝っていたら彼らはもっと高いモチベーションで日本を苦しめただろう.それをさせない点差をつけていたのが日本の強さだが.

 ただ,これ程レベル差があった中で失点したのはやはり日本のミスとしか言いようが無い.やってはならない先取点を多少の混乱の中奪われた.このレベルにすることは高いレベル相手にもすること.その時試合を立て直せるだろうか?グループリーグで,しかも相手がベトナムだったということは幸運だったろう.今後の試合のいい教訓になるだろう.


 そして決勝トーナメントはいきなり豪州戦となった.あちらはどう思っているか分からないが日本では完全に因縁の相手になっている(単に自滅しただけだが).あの試合が日本と豪州の実力示す試合だったのか?それとも前監督の無策による事故だったのか?今回はコインブラも宮本も小野も柳沢もいない代わりに,名将と彼が鍛えたチームがいる.質は違えど厳しい暑さはあの時と同じだ.

 日本のサッカーファンの語りたくも無い,殆どトラウマとなった嫌な思い出,苦手意識は払拭できるか?あの時止まってしまった日本サッカーの時間を進めることができるか?その一つの答えが出るだろう.個人的には接戦という予想まで.試合がどちらに転ぶかは殆ど運だろう.しぶとい勝ち上がりをした豪州がわずかに有利か?日本の名誉挽回の気持ちが上か?希望としてはあの情けない負け方を忘れさせるような戦いをして欲しいが(苦手なパワーサッカーだから厳しいんだろうけど).

 とにかくW杯がもう一度来たかのように楽しめる.この対戦は日本にとって良いプレゼントだと思いたい.

 では勝手に採点.

高原(6.0)最低限の仕事はこなした.
巻(7.0)2点取ったらこのくらい.
中村俊(6.5)相手に実力差を見せ付けるプレー.見事.
遠藤(6.5)もうちょっとできる.相手に合わせては駄目.
中村憲(5.5)悩み中?
鈴木(5.5)パス回しを止める役割ではないはず.
駒野(6.5)効果的なクロスや突破が多かった.
加地(6.0)運動量分おまけ.プレーが通じなくなってない?
中澤(7.0)見事.MOMにしたい.
阿部(6.0)期待しすぎかな?
川口(6.5)精神的支柱ってのがぴったり.

羽生(6.0)頑張ってるけどこのくらいかな.期待してるんだけど.
水野(6.0)時間がほしいところ.毎度使われているのは期待の証拠.
佐藤(6.5)個を捨てて守備をしたのは素晴らしい.

ASIA CUP 07 UAE戦

2007-07-15 02:57:04 | Sports:football
 3-1で勝利.

 この日まず思ったのは「日本ってやっぱ強いんだ」ということ.UAEはカタールとは違い選手が前に出てきた.立ち上がりこそバタついたが,その後は落ち着いていなす.前戦と異なるのは選手の前への意識だろう.この日の日本は相手の脅威に十分になっていた.

 前半で3-0という,明らかに格の違う戦いを見せた.後半のペースを落とした戦い振りを見ると,前半で出来るだけ早く勝負を決定させて後半は休みたい,という意識が強かったのだろう.そういう意味でもこの試合はプラン通りで非常にいい試合だった.
 しかし失点は余計だった.あれしか出来ない相手に,それをさせて失点ってのは弱いチームのやることだ.まぁそれでもこの厳しい環境の中グループ1位なのだから大目に見たほうがいいのかもしれない.


 試合後のインタビューだが,テレ朝からNHKに担当が替わった瞬間がすぐに分かった.何てレベルの低いインタビュアーなんだろう.何もインタビューできていないところが凄い.しかも相手の受け答えに関係なく次の質問をするからもうどうしようもない.
 ちなみに試合はBSで見たが,地上波の画質の方がいいかなぁ?と一度変えてみた.実況と松木の声を聞くと1分もたなかった.世界レベルで見てもあれほど酷い部類じゃないだろうか?一番は何でも偉いというから,あれはあれで凄いものが見れているのかもしれない.


 ではかってに採点.
高原(7.5)文句なし.
巻(5.0)得点以外の部分をアピールするなら最後まで走らないと.
中村俊(6.5)文句なし.もうちょっと前に行ってたら満点.
遠藤(7.0)シュートまでいけるんだ.いつもやって欲しい.
中村憲(6.0)何か悩んでいるような・・・
鈴木(6.0)失点に絡んだから.あとは良かったんだけど.
駒野(6.5)やっぱいいもんだ.
加地(5.5)左足は・・・.上がり遅くてオシムに怒られてた.
中澤(6.0)失点に絡んだから.
阿部(6.0)失点に絡んだから.
川口(6.5)いいセービングが多かった.

羽生(5.5)何か味方も混乱させた.
今野(-.-)短かった.
水野(-.-)もっと時間をあげたい.いい選手だ.

07 U-20チェコ戦

2007-07-14 12:37:52 | Sports:football
 サッカーの無情なところを見せ付けられた試合だった.

 最初10分を見て,「相手は球際が強い」「足元は前の奴以外は大したこと無い」「日本相手に引いてくるの?」というもの.チェコの攻撃は引いたところからのロングボールを使ったカウンター.リアリズムに徹したサッカーかと思ったが,実際は数年前までの日本のようにタレントが前にしかいなくて仕方なくやっている引きこもりサッカーのように見えた.実際チェコの前3人くらいは非常に能力は高かったが,中盤を支配できるタレントは存在しなかった.
 逆に日本は明らかに上回る足元の技術とスピードで中盤を支配.格上のサッカーを展開する.昔と立場が逆転した.時代は変わったものだ.少なくとも足元の技術とスピードはこの世代世界トップクラスだろう.

 相手は引いて守りスペースを与えないが,セットプレーになるとマークが曖昧になっていた.そう思っているとCKから得点.もう1点くらいFKかCKで取れそう,というのが感想だったがそう甘くは無かった.その後も日本が試合を支配しチェコはロングボールから前線の選手の個人技での攻撃しか攻め手が無かった.

 後半試合が動く.田中がPKを奪う.微妙な判定だった(あの位は取らないことも多い)がファールには違いなかった.2-0.このとき思ったのは「2点目が早すぎた」ということ.チェコはもう攻める以外ない.攻め方はパワープレーしかない.つまり残りの40分日本は守勢に回る時間が増える.彼らは放り込み戦法に苦労している部分があったので,これだけの長い時間耐えられるか?という不安がよぎる.「日本人には2-0というスコアが危険」という誰かの言葉が頭をよぎった.80分まで1失点で粘れれば….

 そして試合は予想通りの展開になる.まるでW杯の豪州戦を見るような.ラインが下がりすぎ相手がペナルティエリア内で勝負を仕掛けることができるようになる.日本ではあれだけ大きな人間があそこまで執拗なカミカゼ攻撃はできない.なので国内では体験できない.全世代通しての課題になってしまうのは仕方ない面もある.
 この時点でPK戦が頭をよぎる.この日の日本は押しながらも流れの中から点が取れていなかったからだ.相手は最後の部分での守りが強いのだろう.

 しかし相手が10人になった.いけると思ったが,交代が・・・.相手の人数が減った後,梅崎を下げて香川.絶対にこの日はパフォーマンスが悪く,足も止まっていた安田を下げて3バック(1バック)気味にすべきだったろう.せっかくの数的優位も後ろで人が余っていた.PKになれば耐え切った相手の方が気持ちで勝つ.なんとしても延長の間に点がほしかった.できなかった.


 結局PKに泣いたこの試合.このベスト16での敗退は,成績こそ前回のベスト16と何ら変わらないが,1勝もできずに敗退した前回と1敗もせずに敗退した今回とは大きな違いだろう.内容も試合を支配し,自分たちのサッカーで勝負できた今回.チームとして何も残らなかった前回とは大きな違いだ.
 彼らは間違いなくもっと上にいけたし,上で勝負できた.ただ残念ながら運が無かった.これがサッカーだろう.ただ日本の育成方針や,Jリーグでの経験は間違いなく世界の舞台で通じることは分かった.今後が楽しみだ.

 では勝手に採点.

森嶋(5.5)シュートが打てなかった.PKも外したし.全体としたら良いんだけど.
河原(5.0)0得点では.いい場面で外したし,毎回交代は哀しい.守備は良かった.
柏木(6.5)ようやく柏木らしいプレー.シュートがほしかった.
梅崎(6.5)この大会の日本のMVP.
田中(6.0)PK貰ったし.守備が良かった.
青山(6.0)一番冷静に試合を見ていたように思う.
内田(5.0)守備の自信を失ったままだった.
安田(3.5)一人だけ本気で調子に乗っていた.軽率なプレーと守備は世界では致命的.
福元(5.0)PK与えたから.ラインも下げてしまった.
槙野(6.0)1点取ったし高さは強かったし.
林(5.5)もう少しできた.

青木(5.0)PK与えたら.運が悪かった.シュートも外した.
藤田(3.5)レッドカードは馬鹿だ.
香川(-.-)次の大会が楽しみ.

07 U-20 ナイジェリア戦

2007-07-12 00:45:42 | Sports:football
 メンバーを変えて戦ったこの試合.

 ハーフナー 平繁
    香川
梅崎      藤田
    森繁
渡辺      内田
  福元  柳川
    武田

 こんな感じ.試合序盤は日本優勢.相手は正直サッカーはうまく無い.ボール扱いと身体能力はやたら凄いが.サッカーのうまい日本はうまく相手を崩しチャンスを作る.しかしFWはハーフナー.まぁ頭以外は期待できないと分かっているが,いざ外すとがっかりだ.しかもやはり古来の日本人との特性の差が有る.俊敏さは無い.一歩目が遅い.なので日本らしい連携ができない.彼を使うときはもっと大味なサッカーを目指すべきだろう.
 しかしこのメンバーでナイジェリアに善戦した.それは褒められる点だろう.香川のシュートは間違いなくゴールなので実質勝ちと思って良いだろう.前戦までのメンバーと比べて見劣りしないか?というと見劣りする.しかし彼らも十分に能力を持った選手と言えるだろう.まぁ殆どJで出場しているのだから当然かもしれない.特に香川,武田は非常にいいパフォーマンスだった.
 逆に物足りなさが強かったのが左SB.一つレベルが落ちる.守備の選手,という感じ.攻撃は期待できなかった.

 お互いに決勝トーナメント進出決定チーム同士.引き分けという結果は妥当だろう.ただ次からの勝負が楽しみになのは間違いない.一ついえるのは,人工芝で戦わなくて良いのは日本には非常に有利だろう.

 では勝手に採点
ハーフナー(4.5)高さ.それを生かすも殺すも今後の努力だと思う.
平繁(5.0)目立たず.連携できず.
香川(6.5)前への突破力は面白い.
梅崎(6.5)今回は相当モチベーション高い.
藤田(6.0)そつなく.まだ特徴が分からない.
森繁(6.0)そつなく.まだ特徴が分からない.
渡辺(5.5)守備は無難.
福元(6.0)この間の経験を生かした.
柳川(6.0)彼が控えってのも凄い.
内田(5.5)まだ吹っ切れない.
武田(6.5)想像以上に良い.彼も控えって…

青木(6.0)試合を動かした.
安田(6.0)本来のポジションだと風格もある.
柏木(-.-)

ASIA CUP 07 カタール戦

2007-07-11 00:51:40 | Sports:football(A代表)
 アジアカップは広島のときに自分が初めて代表戦をTVで見た自分にとって記念すべき大会.だからといって何も無いが.

 結果は1-1.ただオシムも言っていたように相手との格の違いは明らかだった.試合開始直後から5分間日本はボールを支配し続けた.全く相手に渡すこと無く.相手はプレスもしなければ動きもしない.後ろに下がり待ち構えるのみ.「国を挙げて強化している」という言葉がむなしく響く単なる中東サッカー.加えて彼らはカウンターさえゆっくりっだった.前半は全てを捨てているようにしか見えなかった.
 そんな前半はパスをまわせて当然.後半相手が仕掛けてきたときや得点後に冷静に支配できなかったのが今の実力だろう.しかし日本が攻撃を仕掛けるときの連動はサッカーレベルの差が見えた.

 日本の内容にも問題は多くあった.特に前半は棒立ちの選手が多く,後ろでは一定テンポでの各駅停車.この辺はまだ「暑い」という理由で理解できるが,攻撃はボールをまわすがゴールに向かわない場面が多々あった.シュートに向かわない「日本らしい」サッカーで,あたかも「綺麗にパスしないと駄目」「フリーで無いとシュートを打っては駄目」という制約があるようだった.「シュートの責任を他人に渡す」という意図さえあるのではないかというパスゲームだった.蹴鞠の国にはゴールは無いのかもしれない.
 結局ゴールへの圧力不足が相手の守備への負担を減らし,最後まで追加点を奪えない状況を作り,更には相手に引き分けに持ち込む隙を与えてしまっていた.怖さの感じられない攻撃だった.何でもいいからとまでは言わないが,ゴール近くでボールを持ったときにゴールを向いて欲しい.特に遠藤.

 ただこの引き分けに監督の選手起用にも問題ある.それはリーグ戦で結果が出ていないチームの選手を利用したことだ.チームで負けの込んでいる彼らには良いイメージが頭に無い.そういう状態では厳しい環境で最後の最後に自信をもてない.その不足した自信は山岸や羽生のフィニッシュに現れる.彼らのプレーの質が悪いわけでは無い(良くも無いが).ただ最後を任せることはできない.その逆は高原を見れば一目瞭然だろう.


 ちなみに阿部のファールだが,Jリーグではファールではないと言っている.しかしあれは自分で蹴るかGKに取らせるか一瞬の躊躇からわずかなお見合い状態になったことで動きが一歩遅れた.それにより外から見た判定はファールになった.実際TVでみていても少し遅れたことで阿部のファールぽく見えた(スローだと微妙だが).全てはその直前のプレーの判断の遅れが原因だし,最初から簡単に蹴りだしておけばよかったし,判断が送れたあともそうすれば良かった.
 川口のコメントにもあるように世界を知らない選手,いやアジアすら知らない選手が多い(コインブラのツケだが).それがこの場面の判断の過ちに繋がった.コインブラを4年も続けさせた協会トップの責任は大きい.まぁJリーグも普段からもっと厳しくやっていればあんなことにはならなかったのだろうが.


 オシムの初めての本格的な公式戦.ちょっと期待していた分期待はずれ感は大きかった.1次リーグで敗退も見えてきた.悲しいのは未だにコインブラのツケを払っていることだ.

 では勝手に採点.

高原(6.5)別格.さすが.文句なし.
中村俊(5.5)またパスばっかり.
遠藤(5.0)シュートの仕方を教えてもらった方がいい.
山岸(5.0)代表だと役不足.いい選手だし能力は発揮したが.
中村憲(5.5)あれだけ相手が引けばもっと攻撃的でいい.
鈴木(6.0)いい守備だった.
今野(5.5)ちょっと期待はずれ.運動量はあの程度?
加地(5.5)よく動いたけどチャンスは作れず.
中澤(5.5)DFとしては負け.
阿部(3.5)レッドカード以上のワンプレー.
川口(6.0)ちょっと不安定に見えた.

羽生(5.5)代表じゃなけりゃいい選手.
橋本(5.0)失点の起点.合宿要因から昇格は果たしたが.

対佐川中国

2007-07-09 20:47:58 | ファジアーノ岡山
 中国リーグ第13節.最後のホーム桃スタでの試合.

 この試合を見に行き「今年の桃スタの試合はすべて見る」というノルマを果たした.この日は試合開始前に初めて到着したが,来る途中の人の多さにはちょっと驚いた.「まさかこの人らいかへんやろ」と思って見るとミニフラッグやらTシャツやらユニフォームやらタオルマフラーやら,挙句の果て(?)には弁当まで.岡山とは思えないその風景に驚くと共に,なぜか到着する前から感動してしまった.
 観戦代として募金してスタジアムに入ると既にバックスタンドにまで多くの人が.1万人も夢じゃない.そんな風に思わせる風景だった(選手入場).人の流入は前半20分過ぎまで続いた.歓声の大きさはこれまでのものとは全く違った.盛り上がりも全く違った.

 では本題.試合は4-5-1の佐川が中盤でしっかり守る.前半10分までシュートがなかなか打てない.相手は更に引き気味に中央を固めていた.そんなところへ右サイド青山からぴったりのクロス.喜山が見事なヘディングでゴール.流石だ.相手の守りを見るとこの得点は大きかった.前半はそのまま1-0で終わる.
 しかし後半すぐに中川が得点.これでほぼ試合は決まったという貴重なゴール.ここからは完全にファジアーノペース.6-0というスコアで試合は終わった.地域リーグ決勝大会進出決定のアナウンスでこの日約9200人の観客は最高の盛り上がりを見せた.

 この試合この得点差ほど実力差があったとは思わないが,目指すものの差が最終スコアに出た.最後の最後までゴールを狙う姿勢.こういう積み重ねが今の結果だ.今年最後まで続けて欲しい.
 ただ良い面ばかりでもなかった.伊藤は相手FWの体の使い方に苦戦していたし(オーバーラップは良かったけど),DFは相手のスピードにやられる面もあった.あと重光は入れ込みすぎでミスが多かった.弦巻ももっと起点にならないと上のレベルでは厳しいだろう.・・・と書いたが,思い入れが強すぎるとこういうことは書きにくいもんだ.
 試合内容以外では良いこともあった.三原や明石の復帰を見ることが出来たことだ.彼らのような怪我をした選手がピッチに戻ってくるところはちょっと感傷的になってしまった.残念なのは大島が見れなかったことか.


 見事地域リーグ決勝大会出場を果たしたファジアーノ.3年連続になる.2年前は中国リーグ2位という成績ながら善戦し,昨年も中国リーグを何とか優勝したというレベルで決勝大会で3位にまでなれた.ではぶっちぎりの今年は・・・?当然いける!・・・ってそんなに甘くないのはこの2年間を見ていればわかる.
 ただこのチームはもう地域リーグでは戦えない.来年残ったとき,それはこのチームでない全く違うチームが残る.もしかするとこんなことさえある.だから勝たなければならない.勝つしかない.それがこのチームの生き残る道だ.

 この日多くの初観戦の人がいたはずだ.多くのリピーター,サポータ.多くの子供たちもいた.そしてその中心に喜ぶ選手の顔があった.「このクラブを無くしちゃいけんじゃろ」.そんな思いが祭りのあとのはかなさの中,頭をよぎった.駄目でも来年も応援する.ただ,そんなことは考えたくないし,考えるのはこの日の感動をもっと味わってからにしよう,とスタジアムを後にした.