Motor Sports Sound

車とスポーツと音楽と

薬物問題

2007-01-31 07:32:02 | 興行--日本野球--
 前にも書いた薬物問題.

 http://number.goo.ne.jp/baseball/mlb/column/20070123-west.html

 このコラムの話.この記事中の以下の部分を見てもらいたい.

「今回のアンフェタミンに関しては、これまでボンズ選手の使用疑惑が取り沙汰されているステロイドとはまったく異なるものだ。ステロイドは筋肉増強剤として選手のパフォーマンスや能力に直接影響を与えるもので、昨年から厳しい出場停止処分(いわゆる3ストライク・ルール)が科せられるようになったが、アンフェタミンは長いシーズンを戦う選手たちの疲労感を軽減する効果がある一種の興奮剤として長年に渡り多くの選手たちが使用を続けていた。」

 この部分でこの人は「ステロイドは駄目でアンフェタミンはOK」というニュアンスを伝えようとしている.ステロイドは「パフォーマンスや能力に直接影響を与える」「厳しい出場停止処分が科せられる」から良くない.そしてアンフェタミンは「疲労感を軽減する」「長年に渡り多くの選手が使用」しているから良い.そのように書いている.どちらもおかしいと言わざるをえない.

 まずステロイド.これが悪い理由はその副作用だ.

http://www.dapc.or.jp/data/other/6-2.htm

 このサイトを見ると(参考例に野球選手が無いのがちょっと気になるが)「男性の乱用者では肝臓癌や前立腺癌のほか、心臓病や心臓発作、動脈癌、胸痛、高血圧、無精子症、凶暴な行動、過度な緊張、水分の停留(水膨れ状態)、性欲減退、睾丸の萎縮、抜け毛の急増、女性的特徴の発現(乳房の肥大化など)、にきび、うつ状態」などだそうだ.明らかに悪い.

 別に「能力が上がるから」とか「罰則があるから」で悪いわけではない.単純に健康被害の可能性があるからだ.しかも個人の問題ではなく,地位のある人がすると真似する子供が出てくる.その方が余程問題なのだ.

 そしてアンフェタミン.これはネットで調べると

http://www.dapc.or.jp/data/kaku/2-1.htm

 ここを見て分かる通り覚せい剤だ.ちなみにwikiをみると「日本では、アンフェタミン(フェニルアミノプロパン)は覚せい剤取締法で覚せい剤に指定されている。現在、医療用途として正規に認められたアンフェタミン製剤はなく、不法な所持、使用により10年以下の懲役に処せられる。」そうだ.つまり日本では「薬として使う」という言い訳さえ効かない薬物だ.文句なしに悪い.
 ただアメリカでは「アンフェタミンとメタンフェタミンは規制物質法でスケジュールII薬物・中枢神経刺激薬に分類されている。」とのこと.逃げ道はあるが正常な思考を持った人が使うものではないだろう.

 そんなものを「疲労感を軽減する効果がある一種の興奮剤」とあたかも普通に大丈夫なもの書くこの人の神経が分からない.それとも別にアンフェタミンなる薬物が存在するのか?それとも検査の名前だけ「アンフェタミン」なのか?あり得ないだろう.


 覚せい剤をやっている人がプロスポーツをしている.そんな人がトップにいるリーグに移籍するちょいデブのことは大々的に報道するのにこっちのことは大々的に報道しない.ましてや日本の元プロ野球選手がそうだったとしたら大々的に報道など絶対しないのだろう.いや,正確にはそれは現在進行形だ.下の記事の人が「現役時代」にやっていたと言っているのに.

http://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2006/11/01/01.html

 バラエティの捏造なんかより余程タチが悪い「隠蔽」が大手マスメディアで行われている.捏造にしろ隠蔽にしろ「メディアにとって都合の悪いこと」という共通するもの.他のことでも同じだろう.

 この薬物問題が大きく報道されるようになった時,スポーツ界も正常な方向へ進むのだろう.

オールスター

2007-01-28 21:01:43 | Sports:other
 こんな時期にオールスター.

 多分一昔では考えられなかった出来事.bjリーグのオールスターが沖縄で行われた.bjリーグは今年から8チームに増えたこともありオールスターをできる規模になった,という証明でもある.BSフジにより生中継されるという,本当に数年前には考えられない状況となった.

 試合内容は・・・.触れる必要があるほどのものでは無かったと思う.やっぱジョーダンがいたNBAをあたり前に見てた世代なので,その内容には物足りなさはどうしても感じる.そもそも今のNBAを見ても物足りないのだから仕方ないのだが.

 そんな試合内容よりちょっと気になったのは,観客が盛り上がりどころをつかめないままいたように見えたことだ.バスケットボールの観戦の仕方に慣れていない人が多いのもあるのもしれないし,オールスターといえど殆ど選手を知らない状況もあるのだろう.しかも地元にもチームが無い.誰の何を応援するか?と言われれば地元出身の選手を応援する,というくらいしかなかったのもある.

 それにしてもあのぎこちない空気は何とも言えなかった.マイナーなバンドのライブに行ってあんまり良くなかった,という感じが一番近い.
 その原因は様々あるが,プレーの質で観客を惹きつけられなかった,というのが一つ大きな原因だろう.ショー的な部分を強調していたのだが,今のbjリーグは本気でやらなくて見せられるレベルでは無いと思う.本気でやって丁度ショーとして良いレベルだろう.日本で魅せるならマイケルジョーダンレベルか,それこそスラムダンクの流川を超えなければ遊びレベルでは無理だろう.

 更に言えばその盛り上げる方向にも問題があると思う.ミーハー向けにダンクダンク言ってるのかもしれないけど,正直NBAが普通に見れるこのご時世にダンクをありがたがって見る人は少ないと思う.
 それにNBAかぶれの応援もいいが,あの応援は観客の自発的応援の発生を阻害する.DJなんてもってのほかだ.試合にのめり込むどころか疎外感さえ感じさせられてしまう.地元の選手の応援をDJがしてしまうと他の選手のプライドはどうなるの?と,そしてその選手を応援している人も.ヘリコプターがそれにちょっと怒り気味だったのはかわいそうだった.

 応援に関してはサッカーのように良い手本があるんだからそれを生かさない手は無いと思う.まだ観客は物珍しさ,目新しさもあってやさしい.しかしこの継続では生まれるものは少ないだろう.そろそろミーハーが離れ,コアが厳しい目が向ける時期だ.もう少し正念場という意識を強くもったほうがいいだろう.

 ちなみにあのコミッショナーはリーグを立ち上げた行動力は感心するが,コメンテーターとしてはかなりレベルが低い.そしてそのコメントを聞く限りNBA絶賛であまり日本のバスケットボールが歩む道が見えてこない.もっとファンと共に盛り上げていく手法を作り上げた方が良いと思う.今のままではサッカーどころかフットサルにさえ負けてしまうのでは無いだろうか?


 そもそもバスケは「見るスポーツ」としては面白みはサッカーに勝てない.前にも書いたことがあるが,1点の重みが分かりにくいので観客はどの1点で喜んで良いのか分からないからだ.サッカーはその辺が見事で,1点が重みがあるからみんなでいっせいに喜べて,応援する人の連帯感を生み出す.それ以外の見所も多いし.よく出来たスポーツだ.フットサルはやるスポーツだと思うけど.

 個人的にはサッカーのようなオフサイドをバスケに入れたら面白くならないかな?と思ったりしている.前向きな守備が確立されれば攻撃の優位性が少し減ると思うのだが.アメリカンスポーツにそれを求めては駄目なんだろうけど.


 ちょっと話がそれたが1点の重みが分かりにくいこういう競技でも,初めて見たかん客が会場の一体感で楽しめるような方向に進めば経験者としては嬉しいのだが.

サッカー不毛の地

2007-01-26 07:26:51 | Sports:football
 そんな風に日本では情報が伝えられる.

 特に今年のベッカムの移籍に関しては「サッカー不毛の地で・・・」とあたかもアメリカにサッカー自体存在しないかのような情報がTVで踊っている.

http://sports.nikkei.co.jp/soccer/column/osumi/index.cfm?i=20070116ca000ca

 上の記事ではアメリカのサッカーの状況が細かく記されている.何の根拠も示さず「サッカー不毛の地」というTVとは説得力が違う.これ以上に詳しく「不毛」の部分が記されている記事があれば別だが.


 大した根拠も示すことなく誤った情報を流すメディアは報道機関とは呼べない.バラエティ番組の捏造でも大きく取り扱われ打ち切りになる.ならばスポーツ報道をしていて誤った情報を流すの方が余程重罪だろう.


 カネしかいらない,という監督がいる競技の報道で「日本が優勝して盛り上がればまたオリンピックに復活する可能性があります」というむちゃくちゃな理論を放送するメディアが,大きな顔をして報道できる自由な国だから仕方ないのだろうけど.

疑問

2007-01-24 07:40:00 | Sports:other
 前から気になっていたのだけれど.

こんなコラムがでていた.

 Numberは嫌いじゃないんだけど,この人の書く記事はどうも受け付けないことが多かった.どこをどう思ったか?と言われるとそれぞれの記事を読み直さなければならないが(そもそも最近は読んでいなかったけれど),自分の好きなものは理論が飛躍しても擁護するような記事を書いていた記憶がある.

 そう思っていると上のコラムが出ていた.彼に対する先入観があったので読んですぐに「?」が頭に浮かんだ.これっていわゆる「クスリ」のことじゃないの?と.ステロイドより良い物なの?

 正直この辺の知識が少ないから何とも言えないのだけれど,ネットで調べる限り普通に使って良いものでは無さそうだ.しかしこのコラムを読むと「ステロイドはまずいけどこのクスリはみんな使ってるからOK」というニュアンスが伝わってくる.


 まぁホントは大丈夫なのかもしれない.一応プロの書き手が専門分野に関して書いているのだし.もうちょっと時間があるときに詳しく調べてみたい.

地域密着

2007-01-18 07:17:00 | 興行--日本野球--
 こんな記事があった.

http://hochi.yomiuri.co.jp/baseball/npb/news/20070118-OHT1T00066.htm

 いつも不思議なのがこの競技では「球団名に地域名を入れる」=「地域の球団になる」という理論が成り立っていることだ.推測の域は出ないが,こう書くことで読む人にそう思わせるように意図的に行っているのではないだろうか.もしまじめな顔でこのことを書いているなら,スポーツ新聞の記者だけでなくそれをチェックしている編集部全体が無知であり,スポーツを語るメディアの体を成していないと言えるだろう.

 「これまではやってませんがこれからは色々貢献します.だから地域名をつけて地域の球団ということをアピールします・・・」とか言うならまだ理解できなくない.しかしこれだけメディア側が好きな野球だ.そういう話が出たら話以上の記事が掲載されるはずだ.しかし一言もかかれていないところを見ると,球団名だけで地域密着をアピールするつもりなのだろう.もしかすると大宮で野球をするのが地域密着と思っているのかもしれないが.
 そもそもその名前だけが騒がれる状況がおかしいのだが.


 しかし長年埼玉に存在しながら所沢以外で公式戦をしていないような地元軽視の球団.これは自分の鉄道にのって球場まで来させて金を落とさせるための戦略だったのだろう.それは一企業としては正しい戦略だ.しかし地域のことを考えた球団からはかけ離れている.そもそもあれだけ優勝しておいて地元で優勝パレードさえしたことのない球団なのだから.
 そんな球団にも関わらず,彼らが地域名をつけるというと「熱望する」というこの知事の浅はかさは一体なんだろう?やはりこの知事程度の年齢だと盲目な野球好きが多いのか.

 普通なら「地域名をつけてはいけないという決まりはありませんが,あまり地元を重視されていない様子ですので特に我々からの名称をつけて欲しいという要望はございません」と切り捨てるべき存在のはずだが.そもそも地域に本当に密着しているクラブが他にもある.浦和に対して「埼玉って変えて欲しいなぁ」というならまだ分からなくも無いんだけど.ブロンコスもがんばってるし.


 ちなみにこのNPBというのは不思議な団体だ.大阪に事務所を移し神戸を捨てた球団がなぜか震災の日に黙祷し,対して兵庫県の被災地域にホームグラウンドがあり(事務所は大阪なはず),NPBで最も地域に密着しているといわれる球団は全く動向が伝えられなかった.蟻を助けても報道するようなところだから,まず間違いなく何もしていないのだろう.

 これで最高の地域密着なのだから,球団名に地域名をつけるってのは想像をはるかに越えた地域密着になっているのだろう.

去年のまとめ

2007-01-14 05:26:28 | Sports:football
 去年まとめるはずが今年になってしまった.

 サッカーのまとめ.とりあえず去年は浦和の年.それ以外言いようが無い.面白いのは上位3チームが固定3バックに強力FWを組み合わせたチームなことだ.つまり2トップが多いJリーグでは3バックで守備連携を高めて安定して守り,少ない攻撃陣で得点をとる形がJリーグでは有効ということだ.
 なので3バックが苦手な形で上位3チームより安定した力を発揮するチームが出てくれば勢力図は変わってくるだろう.そうすれば自然に3バックも減りより攻撃的なサッカーになるだろう.

 とにかく浦和の年だったが,彼らのしていたサッカーが素晴らしかったか?というと肯定するのは難しい.「あれで勝てるようなリーグじゃ駄目だ」というのが正直な感想だ.やっぱもっとチームで攻撃して欲しいな,と感じる.守りは凄いけど.


 で,勝手にベスト11.4-3-3で.
    ワシントン
マグノアウベス ジュニーニョ
     遠藤
    中村 鈴木
根本        加地
    阿部 田中
     西川

次点
FW:我那覇,播戸,佐藤,前田,チョ
MF:ポンテ,山田,家長,藤本,谷口
DF:伊藤,水本
GK:川口

 こういうのを考えると左SBが不足しているのがよく分かる.まぁ守備陣はあまり知識がないというのもあるが.今年は守備の選手に注目して試合を見てみたい.


 今年の予想だが,正直全く分からない.浦和は監督も変わり選手も入れ替わる.昨年までは同じ面子だったからあまり戦術が無くてもうまくいっていたが,今年はそんなうまくいくとは思えない.更には田中君が海外に行ってしまえばそれこそ大きく事情が変わるだろう.ACLでどれだけ消耗するか?というのも気になるところだ.
 そんな状況ではあるが浦和が中心になるだろう.対抗馬としてはやはりG大阪だろうが,今年は守備の補強が万全とは言えない.非常に不安定な戦い方になると予想する.
 昨年2位の川崎だが,今年はACLに出るというのがネックだ.昨年は主力に殆ど怪我が無く戦えたのでよかったが,ACLに出て消耗してしまったとき控えに不安がある.なので上位争いは厳しいだろう.

 その他では昨年4位の清水は注目だ.マルキーニョスが移籍したので不安はあるが,昨年までのチームが成熟期に入るので期待大だ.また磐田も昨年監督が変わって以降見違えるほど内容が良くなった.太田,前田,上田といった活きのいい選手もいる.
 とにかくこの静岡勢は今年は注目だ.

 穴というか個人的に注目するのは大分と広島.大分は梅崎が出て行ったがそれでも十分戦える戦力はあると思う.広島は昨年の監督交代以来地道にチームを作り上げてきていて,終盤にはかなり内容が良くなってきていた.強力2トップに柏木,青山,槙野という期待の若手が揃い面白いサッカーをするだろう.この2チームは守備が安定すれば躍進する可能性を秘めていると思う.

 逆に期待できないチーム(昇格組み除く)は横浜Mと千葉.この2チームは一気に転落する可能性がある.横浜Mは名監督が就任しリストラを断行した.とてもじゃないがフロントに勝つ気があるようには思えない.千葉はイビチャ後の様子をみれば簡単だ.ここもフロントに大きな問題を抱えているように見える.阿部に加え坂本が出てしまえば多分チームは崩壊するだろう.せっかく面白いチームだったのに残念だ.作るのは大変でも頭が悪い人が仕切れば簡単に壊せてしまう,という良い例だろう.開幕して良い方に裏切って欲しいけれど.

 今のJリーグは非常にレベル差が少ないので,選手,監督,サポーターの力と同様フロントの力(頭)が弱いところは結果が残らない.最近の降格チームを見ても明白だ.


 などと昨年のまとめに今年の展望を加えて書いてみた.特に今年の予想なんて当たらないと思う.上にも書いたがレベル差が少ないリーグだから.願望としては,とにかく面白いサッカーをするチームが一つでも多くなれば.特定チームのサポーターで無いからそれが一番.

 とりあえず今年は現場でサッカーを見よう.最寄の神戸も上がってきたし.

決勝までの道

2007-01-09 01:25:11 | Sports:football
 作陽が決勝まで行った.

 正直なところ作陽には複雑な思いがあった.強いのは分かるが地元なのに知らない人ばかりのチーム.とくに自分の学年では県大会決勝で負けた(確か)だけにそう言う気持ちが強かった.というわけでそんなに応援はしていなかった.

 また冬の選手権というのもその価値も今では減ってきている.プリンスリーグが育成の中心となっている.またJユースが育成部門として中心となってきている今,高校だけのこの大会は「高校年代日本一」とはいえない状況になっている.

 そんなこの大会だが一つだけ役割がまだ残っている.「地上波報道量No.1」ということだ.Jリーグよりも一般への露出は多いかもしれない.これは特に岡山のようなJリーグの無い県にとっては,サッカーへの注目を集めるための非常に重要な役割を果たす.


 その大会.作陽は見事準優勝を果たした.優勝していれば更に注目は集まっただろうが,これまで国立さえ無い県なので順序としてはこれでよかったのかもしれない.この決勝での敗戦.見ていると辛い,重たい.こんな重さはサッカーを見ない人にはきついだろう.そんなシビアな面があることも伝えられただろうから.

 作陽は大会を通じて非常によい試合をしていた.組織立った攻撃と個人技が良いレベルでバランスが取れていた.室蘭の試合は前半しか見れなかったが,決勝を除くと多分あの試合が唯一苦戦した試合では無かっただろうか?
 特に組織に関しては高いレベルのリーグ戦をこなしていることが好影響を与えているのだろう.更には運動量の必要な両サイドの攻撃の選手をターンオーバーのように使い分けられたのもリーグ戦のおかげだろう.そして選手が代わっても問題なく試合をこなせるチーム力も優れていた.
 選手としては11番はスピードと決定力が魅力だし,10番は地味な仕事が上手い.残念なのは9番が怪我をしていたことだろう.決勝の1点は彼から生まれたものだが,彼が入ることでバランスが崩れたのも確かだからだ.どうしてもあの怪我をした足では走れず前線からのプレスがうまくいかなくなる.

 決勝で対戦した相手はその穴が隠せるほど弱いチームではなかった.そのための敗戦だろう.盛岡は準決勝の試合しか見ていないが,雨のその試合とは全く違うチームだった.非常にスピードがあり運動量のあるチーム.チームとしての連動もしっかりしておりレベルの高い相手だった.彼らもプリンスリーグに参加しているようだ.なるほど.
 作陽は特に後半から相手にスペースを与え,彼らのスピードを抑えることが出来ず,そして国立での決勝の緊張感に負けたような形で敗戦してしまった.


 冬の選手権を見て驚いたのは,高校サッカーの代名詞のような放り込みサッカーが見られなかったことだ.逆に技術におぼれているようなチームが増えていた.やたらヒールパスが多かった.球を止める,1対1で勝つ,というのが一番の技術だと思うのだが.
 この傾向は「指導者の世代交代」というのが影響しているだろう.国見にしろ滝川にしろお爺さんは引退する.そこにJリーグ世代の指導者が現れ,Jリーグ世代の子供が現れる.自然と過去の遺物は消えていく.
 そしてプリンスリーグで戦うことで,「勝つためのサッカー」に対応する方法も覚えたのだろう.素人なので詳しくは分からないが,バルサのサッカーでも対応されてしまうのだから放り込みサッカーへの対応なんて簡単なものだろう.

 このようにサッカーの内容は変わってきているが,肝心な大会自体が変わっていない.全く興味の無い人でも「昨日も試合してたのに今日もやるの?」という風に聞いてくる.その位サッカーが厳しいスポーツというのが一般にも認識されているのに,この大会は当たり前のように連戦.TV的な部分が大いにあるのだろうが.
 それに加え40分ハーフの試合.世界でもこの世代では45分ハーフだ.しかも延長無しでのPK戦.これもTVが関係しているのだろう.ただTV中継されなくなるとこの大会の意味はなくなるので微妙なところだが.
 更には「聖地」国立.よっぽど埼玉スタジアムとかのほうがいいじゃん,と思ってしまった.明らかに時代錯誤だ.


 最も変わっていなく問題なのはあのエピソード実況だろう.作陽など誤審以外で話題が無い(病気もJリーガーもいない)から常に相手チームびいきの実況だった.試合の話をすることなく,ひたすらサイドストーリーを話す.何試合目か忘れたが余りにエピソードばかり話す(15分くらい)ので北澤が無理矢理割り込んで解説していた試合もあった.あんな実況を聞いていると見る人のレベルも上がるわけが無い.別にスポーツ選手だけが苦労しているわけじゃない.


 こんな大会で決勝に行った作陽だが,単に岡山にJリーグチームが無く,ユースに人材が奪われないから,という背景もある.なので単純に喜ぶことができる話でもない.しかし「高校サッカーも弱い」よりマシだが.いつかはJユースの余りの人材でも強い,くらいにならないと.


 岡山湯郷Belleが準優勝,ファジアーノ岡山が決勝大会3位で昇格できず,そして作陽も準優勝・・・.岡山に少しサッカーの風が吹いているのは間違いないだろう.この2006年シーズンは後から見ると大きな節目になるかもしれない.この日のエピソード実況で「美作地域をサッカーの地域に」という話でなく,岡山全体をサッカーの盛んな地域へ盛り上げていければ.
 あれだけエピソード言うならBelleだけでなくファジアーノにも触れて欲しかったな.

岡山の状況

2007-01-06 01:14:36 | Sports:other
 年末年始に岡山に帰り感じたことを羅列してみる.

 まずはサッカー.話題に出たのが岡山湯郷Belleの話.丁度日テレに勝った頃だったので余計に話題になりやすかったのだが,親族および友人共に話題に上った.こんなことは昔はまずなかった.代表選手がベルにいることを知っている人もいた.ちょっと浸透してきているんだろう.時代は変わっている.

 対してファジアーノ.全く誰も知らない.うーん,むなしい.なぜかカマタマさんの話は話題に上がったのだが.ただ個人としては初めてグッズショップを見に行ったオープンしてたらグッズ買ったのに.こういう人がいることも考えて年末開けて欲しかったなぁ.ただクラブに少しでも貢献しようと自販機でジュースは買っておいた.別々の場所で3本ほど.県北にも自販機があってちょっと驚いたが.ジュースだけ買っている姿を見て不思議に思って興味をもってもらえればいいが.



 ちなみにドレミの街って岡山に住んでいた頃でさえ行った事が無かった.いやダイエーがあったときは1度くらい行ったかな?そのくらい場所としては良くない.ただこれからビックカメラが来るらしいし,駅も綺麗になり集客力が上がっているようだから今後は期待できるからそれまで頑張って欲しい.もっとクラブの体力がついてきたら,上のほうの寂れたフロアにクラブのジムとかできたらいいのにね.

 そして高校サッカー.これはちょっと長くなりそうなので別枠で.


 あと驚いたのがRNCで高松の15分番組をやっていたこと(岡山と香川はTVが同じ).岡山・香川両県で初めてのプロリーグ所属プロチーム.番組もぎこちなくて笑えた.試合のCMもかなり頻繁にしていて驚いた.これがプロチームが地元にできる,ってことだろう.とりあえずbjは高松応援しておこう.刺激を受けて岡山にも出来たらいいのに.当然ファジアーノと同じクラブで.高松もカマタマさんと協力していければいいのにね.


 そしてあとは実家で久しぶりに新聞を見て驚いた.まぁ某NPB球団の親会社新聞だが,元旦のスポーツ特集でサッカーを完全無視.見逃したと思って2回見直したよ.さすがですね.
 更にそこには正月からNPBの薬物問題の記事.野球の動きが他の競技(Jリーグも名前があった)に波及する,と.息を吐くように嘘をつく,とはこのことだろう.オリンピック採用競技で最も薬物問題対策が遅れている部類に入るのが野球界なのだが.今更薬物検査始める競技って他にあるんだろうか?多分プロレスとかの格闘技系だけだろう.当然オリンピックに採用されていない競技だが.野球もそうなるから今更しなくてもいいのに.
 ネットである程度の嘘を個人が書くのはまだ可愛らしいが,全国紙が正月に大嘘を平然と書くって.この国の報道の酷さは大したものだ.こうやってスポーツ以外も色々と洗脳されていくんだろう.

 ちなみに野球に関しては「NHKが一般ニュースで松坂を流すな!」と親父が切れていたくらいだった.それ以外では広島ファンからタイガースファン(と認識されている)の自分に「黒田とらんでありがとう」と言われて何のことか分からず戸惑ったくらいか?

 ちなみに同時期に開催されていた高校ラグビーは県代表さえしらなかった.話題にもならなかった.ラグビー好きが周囲にいないだけか?ただ試合もTVで見たけどレベル下がったように感じたのは気のせいかな?


 こんな年末・年始の岡山スポーツだった.全く関係ない(関東出身も関東の大学卒もいない)うちの家系で箱根駅伝をみんなで見てるのは未だに意味がよくわからない.全体的にSの家系なんだろう.

決勝

2007-01-04 02:06:10 | Sports:football
 またもやこのカード.浦和とG大阪.試合内容は大体予想できてしまうがその通りだった.

 試合は完全にG大阪ペース.ある意味浦和相手で良かったなと思わせるこの日の酷い浦和のプレー.FWからDFまでが間延びして,前からはプレスも出来ずにただ受けるだけ.攻撃は単発.少人数しか攻め上がれない.怖さは時々見せる個人技のみ.本当にリーグチャンピオンの試合?と正月から退屈なサッカーが続く.

 対するG大阪は試合を支配するが攻めきれない.攻めても決まらない.何が問題かというと両サイドとFW・トップ下の連携だろう.サイドは支配していたが相手を崩すまでには至らず,決定的なチャンスは中央からのハーフカウンターからのものが多かった.
 それに加え前半から都築がやたら当たっていたことも大きく影響した.1点入っていたら3点くらいすぐに入ってしまっていたかもしれない.とにかくG大阪優位は間違いなかった.


 内容は予想通りだったが試合はむなしい結果に至る.あれだけ消極的な試合をしていた浦和に決定的なチャンスが訪れ得点.まぁ出て行く彼のところからチャンスが生まれたはいい厄払いになった,とG大阪は思うしかない.浦和は今年はもっとチャンピオンらしい試合をして欲しいものだ.チャンピオンが引きこもってどうする?まぁ意図してではなく試合が支配できないだけだが.そんな浦和が勝つことは,つまりJリーグのDFの個人技のレベルが低い,ということだろう.DFを育成に力を入れたチームが徐々に力を持つようになる気がする.

 またこの試合での浦和とG大阪の決定的な差は試合の流れを変える戦力がいたかどうか?というとこだろう.この日のG大阪のベンチには試合を決定付けることの出来る選手がいなかった.選手交代できない監督の気持ちも分かるくらいに.家長がレギュラーになってしまったから,ということが影響しているのかもしれない.
 対する浦和にはレギュラーがいないにも関わらず長谷部,岡野という選手がベンチにいた.クラブ体力の差が出たと言えるだろう.今のG大阪で,そこまでの戦力を保持するのは無理だ.本当にクラブがやる気があり浦和とライバル関係でいたいなら,クラブ収入を如何に増やすかの対策が必要だろう.松下の補填を期待する手法では行き着く先は見えている.
 横浜や鹿島が没落してしまった今,浦和の1強にならないためにもG大阪にはがんばって欲しい.


 これで日本サッカー界の1シーズンが終了した.また去年のまとめと今年の展望を書いてみたい.