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地域リーグ決勝大会

2007-10-31 22:54:28 | ファジアーノ岡山
 とうとうこの時期が来た.

 全勝で中国リーグを優勝し2連覇を達成したファジアーノ.サッカーのような実力差が結果に反映されないことも多い競技でこの成績はこのチームがどれだけ力があるかを示していると言えるだろう.
 ただし今年は決勝大会直前補強ができないシステムになったため,決勝大会を勝ち抜きJFL昇格を目指すチームは昨年までのリーグ戦とは比べ物にならない実力を持ったチームでリーグ戦を挑んでいる.よって地域リーグにどれだけJFL昇格を目指すチームがいるか?ということで地域リーグの結果が大きく変わってくる.中国リーグは実質ファジアーノのみ.ファジアーノが圧倒したのは必然だった.なのでこの結果だけで安心はできない.


 そして決勝大会のグループリーグの組み合わせが決定した.

A:盛岡,岡山,ホンダロック
B:矢崎,北九州,NECトーキン
C:町田,神戸,静岡,北海道
D:中国,びわこ,松本,徳島

 ファジアーノはグループAとなった.Jを目指す盛岡はTDKの抜けた東北で1位だが,過去にも決勝大会で対戦経験のあり敗戦したチーム.油断はできない.ただ今年はNECトーキンとリーグで競っている.NECの実力が分からない(JFLは目指しているようだ)ので何ともいえないが,今年はそれ程好調でないのかもしれない.
 そしてホンダロックは長崎,北九州というJを目指すチームに加え,昨年決勝大会に出場しTDKに引き分けた新日鐵のいるリーグ2位のチーム.しかも昨年はJFLに所属していた.強敵と考えていいだろう.
 このように全く予断を許さないリーグに放り込まれた.3チームのリーグで中1日で試合が出来る有利な日程が一つの好材料だが,緒戦に負けると2戦めを戦う前に敗退が決まる恐れもある.とにかく緒戦に全力をつぎ込んで欲しい.


 自分のところを考えると緊張してしまうので他のグループの展望を考えて気を紛らわせよう.

■グループB
 ここは東海2位の矢崎,九州1位の北九州,そして東北2位のNEC.TDKの抜けた東北で2位のNECは客観的に見て一つ落ちると想像できる.更に岐阜の抜けた東海で2位という矢崎も落ちると想像できる.そこにホンダロック,長崎,新日鐵と死闘を繰り広げた北九州が入れば,彼らが一つ抜けていることは予想できる.

■グループC
 ここは関東1位の町田,関西1位の神戸,東海1位の静岡,北海道1位の北海道が揃う死のグループ.北海道はリーグのレベルが低いらしい(噂だけしか知らないが)から一つ落ちるだろうとしても,その他はどこも侮れない.ただ岐阜の抜けた東海1位の静岡の実力はどの程度か不明だ.昨年は全社枠で出場し岐阜や讃岐などと好ゲームをしている.クラブのゴタゴタを乗り越えて今年は更に力をつけたのだろうか?神戸はJを目指しJ選手を補強しびわこを押しのけ出場した.昨年はたまたま岡山は勝てたが実力には疑いが無いだろう.また町田もJを目指し元Jの選手を補強し実力もクラブのサポート体制も十分.これらを考えても神戸と町田が本命か?

■グループD
 ここも激戦区だ.その中で明らかに落ちるのは中国2位の中国.ファジアーノとの戦いを見ても彼らがJFLに昇格するレベルでないのは明らかだ.全社優勝で関西2位のびわこは昨年も出場し岐阜に大敗したもののその他チームとは拮抗した試合を見せている.岡山も対戦して負けたこともある.また激戦北信越で1位の松本は今年昇格候補の一つであり十分な力を備えているだろう.
 そして四国で讃岐を破り出場権を得た徳島.チーム発展途上とはいえ弱いとはいえない讃岐もいる中勝ち抜いた力は本物だろう.J傘下のアマチュアクラブというのは過去に千葉の例もあるが練習環境など考えるとやはり侮れない.個人的には昇格候補筆頭だと思っており,このグループ勝ち抜きの本命も彼らだと思う.ただこのグループは中国から勝ち点を落とすか落とさないか?が大きな鍵になるように感じる.


 ということで北九州,町田,徳島が上がってくるだろうか?まぁこの大会に予想なんてあってないようなものだけれど.

 日本国内で最も厳しく,そしてチーム消滅さえ視野に入ってしまうような残酷な大会.もう1ヶ月を切った.ファジアーノはクラブとしては十分な準備をした.今後の発展に向けての道筋も見えている(まだレンタルに頼らざるを得ない脆弱な体制だが).残るは昇格だけ.12月2日を喜んで迎えたい.

第30節 終了

2007-10-30 22:53:46 | Sports:football(J)
 まずは柏と神戸.

 プレスの強い柏と組織的なカウンターの神戸.今年昇格してきて良い結果を残しているチーム同士.面白い試合が期待された.しかしそれはまさに豪雨により水がさされた.あれはグラウンドが悪いのか雨が悪いのか?全くサッカーではないものが展開された.それは多少神戸に有利にはたらいた.柏の決定力フランサが実力を出し切れないからだ.彼によりチームとして負ける部分が雨により打ち消された.
 先制点は柏だがお互いに内容は無い.何が起こっても仕方ない.そこに神戸のセオリー外の選手交代.それがこの試合を決めた.見るべき内容は無かったが神戸には大きな勝利だったろう.どちらが泥臭くやったか?こういうのは普通の条件でも結構大事だ.


 次に清水とG大阪.

 浦和が今週は特にACLでけが人などで疲弊している状況を考えると,先に勝って相手にプレッシャーをかけなければならない試合.勝ち点差を3,悪くても4まで詰められる可能性が高い状況.しかしそんな希望は清水に貸し出した選手により打ち壊された.
 清水はこの日非常に鋭い出足から中盤を支配し,両サイドから決定機を何度も作る.そして両サイドへCBを引っ張り出したところで中から攻撃.更にはスピードと強さのある矢島がスピードの衰えたCBの裏を狙う.G大阪の守備はかき回された.

 前半を何とか1失点で乗り切るが,守備は崩壊,攻撃は閉塞感漂う.そこに起爆剤として左SBに安田を入れる.しかしこれにより大きくバランスの崩れたG大阪の守備は決壊する.安田は攻撃では決して悪くなかった.家長のポジションに安田を入れていれるだけでも十分機能しただろう.この日は攻撃だけでごまかしの効く相手ではなかった.たて続けに2失点しG大阪のシーズンは終了した.

 勝たなければいけないところで勝ちきれない.それはシーズン中盤に失った自信を再度立て直すことが出来なかったことが大きい.高齢化の進む守備陣のバックアップや疲弊した代表選手の起用方法などがその原因だ.
 マンネリ化しつつある監督の交代も視野にいれ,一度チームを再構築するくらいの意思を持たない限り今の浦和の精神的な強さを超えることは出来ないだろうし,国際試合で勝ち抜くことも出来ないだろう.少なくとももっと強烈なチーム内競争が必要だ.


 最後に浦和と名古屋.

 戦術がポンテとワシントンのチームと戦術がヨンセンのチーム.面白い試合は全く期待していなかった.そして実際面白くなかった.疲弊し怪我人もいる浦和に勝利の文字は見えてこなかった.何とかこの試合をしのぐだけだった.ラインは間延びしトップにボールが入っても画面の中に次の選手が入ってくるのに時間がかかる.
 ただしそれは名古屋も同じだった.1トップのヨンセンは孤立し押し上げの遅い中盤が来る頃には勝負が決まっている.それでも浦和の出来が悪くチャンスは何度か作れた.いやそんな浦和相手に「何度かしか」作れなかった.1人別の試合をするヨンセン.周囲はJリーグの中位の試合.杉本にしろ本田にしろ中村にしろ良い選手だ.ただ強いチームにいる選手ではない.彼らが中位にとどまる理由がこの試合からも見えてきた.

 結局お互いに決め手を欠く面白さをどこに見つけてよいか分からない試合でドロー.この日見に行った人にはお悔やみを言いたい.


 シーズンは終盤になり,本来ならば2位との勝ち点差が4となるところが勝ち点差7となった.浦和は残り4試合で2勝すれば優勝という極めて有利な状況となった.その中には勝利が確実な横浜FC戦も含まれるのが非常に大きい.しかしその他は川崎,清水,鹿島と強豪ぞろいというのが一つの楽しみか?G大阪の対戦相手を考えると浦和の対抗は鹿島かもしれない.浦和が3連敗でもすれば最終節は3つ巴の非常に面白い戦いがみれるかもしれない.盛り上がりを考えればそれが一番楽しいのだが….

ACL準決勝第2戦

2007-10-27 23:13:14 | Sports:football
 浦和ホームでの戦い.

 スタジアムには山ほどの人.これがホームというものだろう.これだけは素直に感心してしまう.相手チームもその筋の団体により動員がかけられたらしいが,それは数ほどの威力は無い.当然彼らはサポータでは無いからだ.

 試合は立ち上がりこそ浦和がペースを握るがこの間の千葉の試合でさえ体力がもたなかったのだからこの試合でもつ訳が無い.試合はわずかな間にペースを奪われる.
 しかしそんな中でワシントンの素晴らしいトラップからのシュート.あんなことされたら相手もどうしようもない.浦和は勝ち抜きに大きな1点を手に入れた.

 それが相手の目を覚ましたのも間違いない.城南は正直なところ結構強い.質の高い選手が多い.足の止まった浦和はひたすら守るしかできない.しかし守る浦和もそこそこ強い.1点までは許される状況.正直なところ楽勝と思っていた.
 だが相手がワシントンに入るボールを押さえるということをきっちりと,そして強くしたことで浦和はいつも以上に守る時間が増えた.Jリーグではない状況.それが浦和の守備陣には大きな負担となり,そこに坪井の代表クラスの選手ではあってならないミスから1点,そして立て続けにもう1点を奪われ逆転された.

 形勢逆転どころか絶望的.あの浦和の内容を見るともう1点も取れる可能性を感じなかった.それでも得点するのが浦和の強さだ.理屈はともあれ取ってしまう.ただ2点を失った代償は大きかった.足の止まった浦和には絶望的な延長戦へ突入した.しかし当然相手の足も想像以上に止まった.そんなチームに浦和の壁は崩せない.

 最終的にPKで勝ち抜きが決定したが2戦トータルで見て浦和のサッカーは間違いなく負けていた.ただ単に負けないサッカーをしただけだ.幸いにも次の相手は失点の少ないタイプの近いチーム.せめて同じスタイルのチームくらいには内容,結果とも上回って欲しい.

監督就任

2007-10-27 12:48:19 | 興行--日本野球--
 ちょっと前につけっぱなしのTVから監督就任のニュースが流れていた.

 よく見るとNPBチームの監督がMLBへ「出世」したようだ.普段なら「あっそう」で終わるのだがこの日は強い違和感をおぼえた.その理由はすぐに分かった.この監督はまだ公式戦を残しているからだ.しかもその公式戦はNPBで最も重要なもの.しかもその会見の会場を見るとアメリカ….ニュースではその前後にそのチームの練習風景,しかも紅白戦をTVで流していた.つまり日本で練習のある日に次のチームの監督就任会見のためにチームを一時離れるどころか日本を離れていたのだ.

 そしてTVカメラの前でそのチームのユニフォームに袖を通して嬉しそうに語る.更には数日前にこのチームは時期監督の就任会見も行っている.日本一決定戦を前にこのようなことをするのは全く理解できない.たった2週間待てば誰もが当たり前のこととして扱える.しかしその2週間も待たずに他の世界の常識からはかけ離れた行動を行っていた.

 その他の常識のある世界では,それこそ「シンジラレナーイ」と凄まじい非難が浴びせられることだろう.クラブに対し強烈なバッシングがあるだろうし,試合会場には勝利を願うためよりも監督とチームにブーイングをするために行くだろう.それ程信じられないことをにこやかにやったのだ.
 もし今,ワールドシリーズに進出したチームの監督をNPBで来期の監督就任会見に呼んだらどうなっただろうか?アメリカからはそれはもう信じられないような非難が浴びせられるだろう.しかしアメリカ人はその逆は「当たり前」のように受け入れている.つまり日本の野球はこれ以上無い馬鹿のされ方をしたわけだ.もし相手が伝統のあるチームならまだ救われたのだろうが,下位に低迷する弱小チーム.そんなチームにさえ馬鹿にされているのだ.


 「お前らの国の2流リーグの優勝決定戦なんて大した価値は無いだろ?」


 今回の記者会見はこれを意味しているのだ.しかし日本の浅はかなTVはさも当然のように「良い出来事」として扱い,新聞メディアでも批判論調は無い.それどころか「日本の野球がMLBに認められた」という賞賛に近い記事さえある.
 これだけ馬鹿にされながら「MLBに認められた」なんてことを喜んでいるからこそ日本野球の地位はアメリカから認められないのだろう.逆に言えば日本野球の価値はその程度だと自ら証明しているようなものだ.「世界一からの朝鮮」なんて言葉はそれこそギャグでしかない.


 日本の野球はアメリカから不当に扱われているのは間違いないだろう.しかし日本野球関係者が不当に扱わせているためでもある.選手の扱いでなくリーグの扱いとしてはプレミアリーグとJリーグのそれよりも桁違いに酷い.どこかの国のアマチュアリーグと同等の扱いだろう.

 これこそ日本野球が組織として非常に遅れている象徴だ.それが国内リーグ,いや国内の野球組織全体の旧態依然な状態の象徴でもある.やるべきこと,目指すことが定まらず,目先の対応に追われ,内部権力闘争による改悪を続け疲弊した組織の70年の結果を象徴的に示す監督就任劇だった.くだらないプレーオフでも見せ付けられたが,今回の出来事はそれ以上に「シンジラレナーイ」ものだった.

 「シンジテマシター」とお立ち台で言った言葉はMLB監督就任に対してだったのだろう.あの時歓声をあげたファンは「MLBに認められた」ことを喜んでいるのだろうか?

ブラジルGP

2007-10-25 00:43:41 | Motor
 チャンピオンシップ3つ巴の最終戦.

 ただし前日の予選で2位に入ったことで新人のチャンピオンになる確率は一気に高くなった.キミが優勝しようと彼は4ポイント,つまり5位に入ればいい.今の彼の車で5位に入ることは容易だ.アロンソが優勝した場合のみ2位が必要になる.しかしそのアロンソは2つも後ろ.この週末パッとしなかった彼がフェラーリより前に行くことは難しいことは明らかだった.つまりフェラーリに先行されたとしても,アロンソに先行されたとしても十分に優勝を狙えたのだ.

 スタート.ナーバスになる必要の無い場面で彼はマッサに幅寄せする.しかしマッサの方が前.更には彼らより良いスタートをしたキミがマッサの横にまで来る.それでも彼は焦る必要は無かった.しかし彼は変な欲を見せたのか,変な負けん気を見せたのか.そこに見えた隙を王者が突いて4位にまで転落する.この日のナーバスな新人を焦らすには十分なアロンソ,キミの走りだった.
 これまでの「冷静」な彼とは思えないドライビング.再びアロンソに仕掛けるが暖まりきっていないタイヤはグリップしなかった.大きくコースオフして順位を落とす.こうして彼の歯車は一気に狂いだした.この時点でチャンピオンになれなくなった彼の車の歯車も狂いだした.ミッショントラブルだ.

 こうして30秒以上失った彼は殆ど最後尾にまでポジションを落とし,チャンピオンの可能性は最も低くなってしまった.復旧した車は下位集団はカテゴリーの違う車のように追い越せるが,流石にウィリアムズやBMWに追いつき追い越せるほどではない.キミが優勝するとすれば彼には4ポイント必要になる.しかしトラブルでもない限り抜けないだろう6台が前にいる.絶望的な状況と言っていいだろう.

 残りのレースはアロンソとキミの争いに目が行く.しかしアロンソは本当にこの週末,いや前戦からか全く良いところが無い.彼はフェラーリやチームメイトだけでなくチームとも戦いをしていた.孤立無援の状態ではいくらチャンピオンといえども限界だった.
 残るは新人が4ポイント取るかどうか?終盤BMWとウィリアムズが競っているときにリタイアを願ったのはアロンソ以外のマクラーレンチームだろう.しかし彼らもそこまで馬鹿ではない.見事に完走しチャンピオンはマッサからトップを譲り受けたキミへ渡った.

 このレースの優勝を含めなくてもこの3人の中で最も勝利数の多いキミがチャンピオンになるのは至極まっとうで分かりやすい結果だった.2位を狙うクレバーな走りなど最速を争う選手権では本当ならば必要ないものだ(正直なところチャンピオンなど優勝回数で決めればいいと思っている).
 これまで「最速」という称号を貰いながら車に恵まれず勝ちきれなかったキミが今年のチャンピオンになったというのは,結果として一番良かったと思っている.スパイが有効な手段になるのも面白くない.

 日本までは運に恵まれたこの新人.最後の最後で運が回ってこなかったのは,彼がチャンピオンになるべきドライバーでないということだろう.チャンピオンは多くの幸運を生かし少ない不運を乗り切ることで達成できる.彼は多くの幸運を「表彰台」という結果でしか生かせず,不運をモロに被った.
 またこういう結果は普段の行いの悪さも影響しているだろう.クレーンという見えない力で奪ったポイントもある.ピットレーンでオフィシャルに無謀な要望をしたこともある.それは王者には値しない振る舞いだったのだろう.まぁ本当に圧倒的ならミハエルのように扱われたのだろうが.

 この日優勝が決定した後もBMWやウィリアムズに文句を言ったようだ.それでチャンピオンになって嬉しかったのだろうか?自分たちはスパイして作った車で,クレーンまでも導入したにも関わらず.万が一その文句が通るようならば,来年からは各チームともスパイして車を作り,各コーナーにクレーンを準備することだろう.


 ちなみに他のチーム.ウィリアムズ,レッドブル,BMW.彼らが第2集団を形成しており,来年以降の飛躍が楽しみであるのは間違いない.本田はようやく回復基調.ただ来年もドライバーがあのままなら…

 そして佐藤君.この日は急激にラップタイムが落ちたりしたがこの数戦と比べれば良いレースが出来ていた.彼らのチームが飛躍したのは昨年このサーキットで10位で喜んでいたことを思い出せばよく理解できるだろう.
 そして中嶋.デビューは散々だった.予選はミスし決勝ではピットで….慣れれば速いのはラップタイムを見れば分かる.ただ本当に速いドライバーはそれをすぐに出してしまう.殆ど練習できていないのは分かるが.今の彼にはそこまでの技術が無いということだろう.
 来年もGP2で戦い再来年というところか.ウィリアムズに乗るならばポイントは欲しかったところだ.佐藤君に一度でもいいから車を譲ってあげて欲しいものだ.晩年の右京に対してもそんな風に思っていた気がする.

第29節

2007-10-24 00:21:36 | Sports:football(J)
 まずは神戸と横浜FC.

 勝てなければ降格.切羽詰ったチームは信じられない力を発揮する.しかしこの日の横浜からはそんな気迫は伝わらず,ただ単に弱い最下位チームだった.試合は終始神戸ペース.スキルの劣る横浜はアプローチが遅れファール気味のプレーが増える.そんな中神戸が得点.得点力の無い横浜はこれでほぼ降格が決まった.
 その後もチームからは何も伝わってくることも無く神戸に好き放題やられて3-0での敗戦.あっさりと降格が決まった.試合終了の笛が鳴ったときの横浜の選手からは降格が決まったチームから伝わってくる感情は全く無かった(後で知った選手もいるらしいが).誰も寝転ぶどころか座り込むことも無く当然涙も無い.これが横浜が降格した最も大きな理由だろう.チームは崩壊しているようにも見えた.
 そして降格が決まる試合だというのにアウェイまで駆けつけたサポータも多くない.それもこのチームの現状だろう.もう一度J2でクラブを作り直す必要がある.

 横浜が失敗した理由は昨年までのスタイルを進化させなかったことだ.守ってFWで得点というパターンで勝ってきたチームはそのFWを失った.補強した久保の怪我は承知の上だろう.少なくともJ1で戦えるFWをもう1人(本当は2人ほど欲しかった)用意すべきだったろう.
 負け始めて後からパッチワークのように補強したチームは悪循環を始める.高木監督はフロントによる補強を消化しきれていなかった.新たに入った選手とJ2からチームを支えてきた選手を.そこに山田まで….

 そして最悪のタイミングで監督を交代させた.そのカラーは高木監督とは全く異なるもの.そして弱いチームに似合わないポゼッションサッカー.これからシーズンが始まるならともかく.
 それはフロントからのJ2降格宣言にも見えた.つまり「来季に向けたサッカー」を始めたのではないか?事実は知らないが,そう考えないと理解できないくらい不可解な監督交代だった.

 体力のあるチームでもチームとクラブが一体にならないと勝ち続けられないのが今のJ1.弱いチームがそうあることは必須だ.そうでないチームの降格は当然の出来事だった.


 次に千葉と浦和.

 千葉に少しだけ期待した.しかしそれは間違いだった.この日は休養十分の浦和は動きが良く相手にボールを支配させない.ハーフラインを超えてくるとガッチリとした守りでボールを奪い,そこからポンテ,ワシントン,田中で一気にゴール前まで運ぶ.それがいつもより精度が高いから千葉はどうしようもない.
 いつもなら3人なのだがこのところ長谷部が絡む.そんな攻撃で一気に2失点.そこで我慢していればよかったのだが,後半早々に失点し勝負あった.
 確かにその後千葉は逆襲したが2点まで.浦和の足が止まることまで読めていたのだから3点目は許してはならなかった.結局浦和の勝利.駄目押しの意味をよく分かっていたチームは見事に4点目を決めて逃げ切った.


 次にG大阪と甲府.

 この2チームはスタイルが似ていると言われる.それがどう出るか?と思ったが単純だった.同じスタイルなら実力があるほうが勝つ.G大阪にしてみれば下手に引かれる相手より甲府のようなスペースをもらえる相手のほうが楽なのだ.どう見ても選手の質は上なのだから.
 G大阪は右MFは寺田.FWには復帰したマグノ.家長は出場停止.不安は右SBの青木だったがその出番は殆ど無いほどG大阪が試合を支配した.遠藤が一列下がったことによりボール回しが軽快になり,そこに自信をつけた寺田が前へ向けてトライする.そこで動きが出来るのでFWと二川にもスペースができ非常に良い形で攻撃が組み立てられた.

 あとはまじめに見る気も失せる5得点.ある意味緊迫感の無い試合だった.G大阪にとってみれば復帰したマグノが早々に得点できたことや,寺田のリーグ初得点,前田も久々の得点といいことずくめだった.この苦境で前田や寺田が自信をつけて選手層が厚くなったのはG大阪にとっては怪我の光明だろう.本当ならばあと5節くらい早くこういう形になっていて欲しかったのだが.
 ただ悲しいかな青木はまだまだ加地には追いつけていなかった.守備はともかく攻撃は全くいいところなし.ただここは日本全体で手薄なポジションなのだが,そのポジションの代表のレギュラーがチームにいる.少ない機会を生かさないと厳しいだろう.

U-22 カタール戦

2007-10-21 02:36:07 | Sports:football
 このアウェイで勝てばほぼ五輪は決定という試合.

 前戦を終えた後のの選手のコメントを聞いていて違和感を持ったのが「内容0でもいいから結果が出ればいい」というものだ.確かに予選は結果が大事だ.しかしこのコメントは普段なら残せる内容が予選の緊迫感でたまたま残せなかったという場合に使うものだ.
 このチームは発足以来結果こそ残しているが内容はとても褒められたものではない.そのチームの選手がこのコメントをするのは大きな違和感がある.殆ど内容を残していないこのチームに結果がついてこなかった場合にはその先に何も残らない.だからこそ多くの人から不安や批判のコメントが出されているのだ.それは記憶に新しいW杯出場チームのように.

 この日は4-1-4-1のような形.4バックといっても2バックではなく3バックに近く,左SBからの攻撃は全く見ることが出来ず.3-6-1と言ったほうが良いかもしれない.不安だったボランチのバックアップには細貝と青山.怪我等の選手が多い中まだ細貝が残っているのはこのチームの選手層の厚さを示している.ただ2人とも攻撃的ではなく指揮官の守備重視の姿勢がうかがえる.

 前戦で機能した攻撃陣はそのまま…,と思ったがなぜか家長でなく本田.家長はこのところリーグでも復調気味で前戦の流れもあり使うだろうと思っていた.守備重視の印象は更に強くなった.

 これらより指揮官は「負けなければ良い」というポリシーで挑んだと思われるこの試合.試合内容は時間帯とあいまって非常に眠いものになった.それは指揮官の意図どおりでチームは機能していたといえるだろう.
 いつもこのチームはコインブラジャパンと重なって見えるのだがこの日もそうだった.明らかに力の劣る相手に押し込まれ日本の攻撃はカウンター.今のA代表のようにポゼッションはできず個々の能力に頼った試合.内容が残っていないこのチームにはコインブラジャパンと同じように最低限の指針しかないのだ.コインブラジャパンは「自由」,このチームは「守備」だ.

 それでもここまで結果を残せたのは,このチームにはA代表にも選ばれる信頼できる優れたCB2人により守備が崩壊しなかったからだ.そこに優れたFKやクロスを出せる水野の存在.チームが機能しなくとも得点できる武器があった.
 ここまでの最終予選はそのチームの特長どおりセットプレーからによる得点を守りきるという試合が続いた.それでしか得点できず何とか凌いできたのだ.
 この日も同じだった.セットプレーからの得点.本当にこれで勝って五輪に出て何か残るのか?何が出来るのか?ということが頭をよぎると素直に喜びの感情は出てこなかった.


 この日最大の誤算はハーフタイムに起きた.水野の負傷交代だ.守備重視と割り切った布陣では家長のように運動量の無い選手が入るとバランスが崩れる.前半から中央に広大なスペースが出来ており,それは家長の運動量でカバーできるものではなかったので余計にバランスの悪さが目立った.
 選手も認める「格下」に後半は防戦一方.いつもならばこれで守りきっていた.しかしそこは中東.涼しくなった日本で戦っている日本の選手は足が止まる.もしこれがコインブラジャパンであればあの異常な悪運により勝てていた.しかし反町は彼ほど運が無い.混戦から同点に追いつかれた.

 それでも引き分けならばこの日は十分だった.逃げ切りを狙えばよかった.そこに柏木を上田に交代.これがきっかけだった.
 「中盤でボールを保持する狙いだったと思う」とコメントした選手がいた.どこかで聞いた台詞.そう独W杯での小野投入ときだ.あの時と同じように中途半端な交代.小林を入れてドン引きでもいいから8バックになってもいいから守りきる意思をはっきり見せた方が良かった.結局この交代は選手に中途半端な意識を持たせるだけで何の意味も成さなかった.

 「ドーハの悲劇再び」なんて新聞にはあったが実際は「独W杯豪州戦再び」だろう.運のある監督はそれが本戦だったが,運の無い監督ではそれが予選で起きてしまうのだ.ハンドによるPKで逆転され試合は終了した.日本はグループリーグの首位から陥落した.


 内容を重視しないこのチームにとっては結果が全てだ.つまり結果が残せなかったのは「最悪」以外の何物でもない.内容が無ければ残るものは何も無い.JFA幹部の口を揃えたかのようなお褒めの言葉がむなしく響いた.
 内容が残らなず熟成されないこのチームはまた0へ戻り,次も相手に合わせたサッカーでセットプレーを生かし守りきる試合が待っている.その結果もこの日と同様選手の調子次第だ.

 コインブラジャパンで学んだはずの教訓はどこへ行ったのか?コインブラが予選を通過したから学べなかったのか?こういうチームには残ったとしても「予選突破」という結果だけ.その後は何も無いのだ.もし結果が残らなければ….
 あの教訓を生かすにはもう遅い.それでもコインブラを辞めさせるのは今しかない.どうせ何も残らないならば監督を代え内容だけでも残して敗退した方が余程マシだ.

 この日はチームだけでなく指揮官までもがコインブラに重なって見えた.


 では勝手に採点.

李(5.0)シュートは打った?居眠りしていて見てないだけ?
本田(4.5)自分の試合をしているだけ.ひとり別のチーム.
柏木(6.0)守備に忙殺された.攻撃ではいいところがあったが.
水野(5.5)最初のシュートが枠外だったのはいただけない.
青山(5.5)居たような居なかったような.
細貝(6.0)急造だが十分.
伊野波(4.0)攻撃できず守備でミス.責任は確実にある.
内田(6.0)右サイドしか攻撃は可能性が無かったが.
青山(6.0)得点は見事.それだけ.
水本(5.0)欲しかった結果が出なかった.
山本(5.5)ビッグセーブはするけど怖い.川口タイプ?

家長(5.0)途中交代は嫌い?走りたくない?
森嶋(4.5)何も出来ずイエロー.
上田(-.-)代えた監督が悪い.

反町(3.0)コインブラに並ぶ名監督になりつつあるので同じくらいの得点を.

エジプト戦

2007-10-19 22:56:15 | Sports:football(A代表)
 久しぶりの関西での代表戦.行くかどうかぎりぎりまで迷ったが,相手がエジプト2軍ということで止めることにした.

 しかし「行けばよかった」というのが見終わった後の感想.内容も結果も結構楽しめるものだったからだ.この日の布陣は4-3-3とテレビでは言われていたが実際は4-4-2で前田と大久保の2トップ.カメルーン戦で良い活躍を見せた2人のFWの出場は期待感あふれた.
 あとは左MF山岸以外はいつもの面子.新しい選手を試したいなら山岸でなく山瀬では?相変わらずのこの人選には疑問符がついた.

 相手はエジプトのほぼ2軍.大したこと無いと思い見たが,実際は中々質が高い.地理的に中東のイメージで実際にもアラブ系の人々が多いのだが,そのサッカーはどちらかといえば欧州寄り.印象的にはこの間のスイスに近い(良く言いすぎだが).多くの人数が組織的に動くサッカーだった.
 前半の最初はエジプトが押す.日本の中盤のスペースを消しそこからサイドチェンジを使い攻撃.こういう相手はアジアにはあまりいない.結構良いテスト相手だ.

 しかし所詮2軍.細かなスキルや玉際に差が出て肝心なところは日本が上回る.そして決して流れの良くなかった日本がゴール.これにより日本に流れが傾き,後半4点目以降は相手の足が止まり,日本も選手を代えて終了.結局4-1という結果だった.相手の1点はCLのインザーギみたいだった.


 日本は課題としてあった決定力の解消はなったのか?それはこの日ようやく開花した大久保が答えだろう.常にゴールを狙う動き.多少強引であろうと.あれが出来なかったのが今までの日本だ.それができるのは性格とゴールへの意識,そして高い技術のおかげだ.
 1点目はその象徴だ.あの場面で今までの日本選手なら簡単にサイドに捌いていただろう.あそこで反転しシュートするというゴールへの意識とそれをイメージして行動できる裏づけと勇気,シュート技術.Jリーグの好調がようやく代表に反映された形だ.

 決定力不足,最後の1/4など組織でどうにかなるものではない.答えは選手が出すしかない.それを出した大久保.日本の組織にこういう選手が加わってくることが決定力不足の何よりの解消方法だろう.

 ちなみにコンビを組んだ前田は?悪くは無かったが,シュートを外したことだけでなく,プレーが単調なのが問題だった.簡単に捌くときとキープして時間を作るとき.この使い分けをもっと有効にした方が良いだろう.そして体の強さが何より求められる.体格で劣っている大久保の方が当たりに強かったのは皮肉だ.まぁそれは大久保の特長の一つなのだが.


 ただ不安な部分もあった.それは中盤の構成力だ.俊輔の代わりの山岸だが,中盤でのボール回しに関しては明らかに劣る.特に周囲との連携の悪さはこれまで代表に選び続けられた選手とは思えないものだった.能力がレベルに付いていっていないのでは?
 また遠藤も簡単に捌くプレーは良いが,その落ち着いたプレーも相手にスピードがあると付いてこられてミスに繋がることが多い.要するに「単にワンテンポ遅いプレー」になっていた.
 そんな中で中村のプレーは非常に良かった.ACLやアジアカップで一つレベルが上がった感じか?

 悪さが目立った選手を他に挙げると駒野.この日は明らかにプレーの質が悪かった.広島で疲れは無いだろうがチームの不調が選手にも影響しているように感じた.こういうことも考えてSBの選手層はもっと厚くしておくべきだろう.

 というわけで勝手に採点.

前田(6.0)あと1点は少なくとも欲しかった.
大久保(7.5)MOM.長居でのゴールは感慨深い.
山岸(5.0)機能せず.
遠藤(5.5)プレーの幅を広げないと.
中村(6.5)中盤を支配した.
鈴木(6.0)攻撃に絡もうとするもうまくいかず.
駒野(5.0)この日の精度は代表レベルではない.
加地(6.5)だいぶ復活した.
中澤(6.0)失点は余計.
阿部(6.0)怪我を押してよく頑張った.
川口(6.0)バックパスがくると怖い.

今野(6.0)ご褒美にしては厳しいポジション.
橋本(5.0)攻撃になるととたんに混乱していた.
藤本(5.5)もっと走っても良いのでは?

ナビスコ準決勝第2戦

2007-10-16 00:08:02 | Sports:football
 鹿島とG大阪.

 ホームで先勝したG大阪が優位に立って臨む第2戦.この日も非常に良い試合だった.G大阪は家長,安田を欠く厳しい状況で前田を2トップの一角に入れてきた(この状況でも使われない中山は…).多分今季初先発だと思うが,それを思わせない非常に良い動きをした.それに加えこの間のリーグで良い活躍をした寺田は,それを自信にしたのかこの日も良い動き.

 しかし先取点は鹿島だった.マルキーニョスと田代の2トップの動きを生かしたのが本山だった.G大阪は序盤こそ押し気味に展開したが,その後は防戦一方.田代のオフサイドも実際ゴールといわれても仕方なかった.そしてCBの間を突かれ2失点.正直あのままだとまだ点を取られて勝ち目0と思った.その後も1点ずつを取り合ったがまだ勝てる気がしなかった.
 そこに本山の負傷交代.これがこのゲームを決めたと思う.その後はG大阪は試合を支配し,トータルで逆転となるゴール.試合には負けたが大会は勝ち上がった.

 この日気になったのは二川.疲労かもしれないがプレーの精度が低かった.いつものような攻守の切り替えの速さも見られず.中盤を相手に支配された一つの理由だろう.

 鹿島は10冠を目指しているが今年も残るは天皇杯のみとなった.いいところにはいるが最後で勝ちきれない.一つは選手が「中の上」という選手の集団になっているからだろう.スペシャルな選手の加入,もしくは今の若手からそういう選手が出てくることが現状打破のきっかけになるのではないだろうか?
 対するG大阪は,今後の戦いに不安と期待の入り混じる状況だ.3失点はCBのスピードの無さや疲れを感じさせるものだったが,これまで控えの選手が想像以上の活躍を見せた.今後どう展開するか?は微妙だが,リーグタイトルを狙うには不安の方が多い.マグノが本調子で復活するならば一気に空気は変わるだろうが.

 しかしG大阪は嫌なタイミングの代表戦だ.前回もそうだったが,今回も少し波に乗りかけたときに代表組の疲労.次戦はマグノ次第か.

ナビスコ準決勝第1戦

2007-10-15 22:43:57 | Sports:football
 G大阪と鹿島.

 G大阪は寺田の負傷により安田を前線に置くという新しい布陣で挑む.彼は元々SBでは無いし守備のうまい選手でも無いので,そのスピードを生かした攻撃で勝負するのが最も生きるだろう.対する鹿島はコオロキが2戦連続で先発.彼もスピードのある良い選手だ.

 試合はとても締まった内容.お互い守備に集中し攻撃は素早い.特にこの日はG大阪が良かった.スピードと突破力のある安田が前に入ることで攻撃が活性化し,更に家長がこの日は非常にテンポよい組み立てをした.安田に引っ張られたような感じだ.そしてここのところぱっとしなかった加地もサイド攻撃をどんどん仕掛け,遠藤はゲームを作る.二川も良いときのような守備切り替わり時の素早いプレスが復活し,ここのところ好調な明神は相手の攻撃の芽を摘む.
 この出来なら十分に主導権は握れたのだが,鹿島もなかなか良い.守りきって素早くカウンター.ただ鹿島といえばブラジルの影響が強いチームという印象だったが,この日それは全く見られなかったが.そのカウンターを生かすのはコオロキとマルキーニョスという2人のFWだ.マルキーニョスはやはり怖い.スピードもあり運動量もあり足元もあるオールラウンダー.それにスピードのあるコオロキが絡んでくるのだから守る方は大変だ.控えに田代もいる.鹿島はもう少し攻撃を組み立てれば来年が非常に怖いチームだ.

 結局1-0でG大阪.鹿島にしてみれば試合を通して審判に泣かされた感じがある.カップ戦ということであまり期待していなかったが流石に準決勝.良いゲームだった.G大阪はマグノが復活すればカップ戦,リーグ終盤戦ともに期待ができる仕上がりだ.リーグは遅かったようにも思うが.