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第36節 富山戦

2010-11-27 00:40:20 | ファジアーノ岡山
 ファジアーノより下位のチームとの対戦.ホームでもあり連敗中でもあり順位を争う相手でもあり,更に残りの対戦相手が全て昇格組と考えるとこの試合は絶対に負けられない.この日は後藤を野本に変更と久しぶりに先発が変わった.ちょっと不安な変更でもあった.

 試合は岡山にはちょっと慣れないものとなった.相手が引いてきたのだ.正直J2下位の岡山に引いてくる相手などいるわけも無く,JFL以来の慣れない状況になった.そんな引いた相手に岡山はボールを持てた.
 しかし試合を支配していたとは言い切れなかったのは,富山が狙うカウンターをちゃんと封じれなかったからだ.苔口のスピードと野本のスピードには大きな差があった.対応が遅れ気味になることも多く,カウンターは何度もはまった.けれど失点しなかったのは相手が富山であり,苔口だったからだとも思う.しかしカウンターしかない攻撃を防ぎきれないのは問題だろう.
 そして結局先制点はカウンターではなく,いつものセットプレーからだった.相手にすばらしいキッカーがいるわけでも,高さがあるわけでもないのに.相手監督に弱点を的確に分析され,それをそのまま実行される.何とも情けない状況だ.

 その後も岡山がボールを持つ時間は多く,試合を支配できていたと言っても良いだろう.その証拠にこの日はバイタル付近に岡山の選手の数がかなり多かった.ただ富山の選手も多かった.なのでゴール前にスペースが無く多少ずれるだけで相手に奪われる.そんな密集を崩すだけの精度が岡山の選手には不足していた.特にSHからのゴールチャンスが少なすぎた.

 こうなると得点を期待できるのはセットプレー.と思ったら本当に小林が直接ゴール.ただ今シーズン初というのはちょっと…,という感想.

 試合はこのゴールで岡山ペース!,となると思ったところに再度セットプレーから失点….こんな状況で勝率を上げるのは無理だろう.そのご試合はいつものように後手後手の選手交代で,しかもこの日は終了間際に喜山を入れるといういつもの迷采配.あれだけの時間で喜山に何を求めたのか?西野入れてパワープレーすれば良かったのでは?こんな疑問を感じるのももう飽きてきた.


 富山は昨年と戦力は大きく変わっておらず順位は落ちた,というより昨年分析されて息切れした後半の成績と同じような結果に今シーズンなった.対するファジアーノは昨年までかなわなかった富山にこの日のように一方的にポゼッションできたことからも,明らかに戦力はアップした.けれど順位は昨年とほぼ同じ.そんな不甲斐ない状況を示すようにこの日は富山にも負けてしまった.選手の力がチームの結果に反映できていないのではないだろうか?そんな疑問を持つのも仕方ないように思う.

 ワールドユースを逃した世代の控え(の控え?)の選手がアジア大会を制覇した.日本はU-21で他のチームはU23+OAが多いという中で.J2では裕福な予算を持つ千葉が昇格を逃し,福岡が昇格した.J1では豪華なスポンサーを持つ京都が降格し,明らかに苦しい山形はまたもや見事に残留した.この差はどこにあるのか?他の成功例・失敗例を学ぶべきではないか?
 もちろん選手の能力が不足しているのかもしれない.ただそうとも言い切れないと思わされる試合だった.

 そして選手には裏でやっていた地域リーグ決勝大会をもう一度思い出して…,と言ってももう殆ど知らないか.見ているだけでも嫌になるあの緊張感.あの時くらいの気持ちがあればこの日のような失点は無かったと思うのだが.ちなみに讃岐には初の決勝リーグもがんばってほしい.

 それでは勝手に採点.

白谷(5.5)多少疲れがあるか?好機を逃す
岸田(5.5)残念な負傷
小林(6.0)FK以外は褒められない
川原(4.5)肝心なときに弱気のパス
千明(5.5)まだ連携に課題が残るか
キム(4.5)パスミス多し
野田(6.0)攻撃の起点になった
澤口(5.0)ドリブルすると視野が狭まる
近藤(5.0)失点が減らない
野本(5.0)マシな方だが課題は多い
真子(5.0)セットプレーの責任は無くは無い

東明(5.0)自分のタイミングしかないから連携が悪い
久木田(4.5)投入された意味を見せられず
喜山(-.-)あのタイミングで出す方が悪い

影山(3.5)
 この日は選手の質という言い訳もできない.少なくとも負けてはならない相手だった.今季はそういう試合で負けすぎた.

第35節 熊本戦

2010-11-24 00:55:25 | ファジアーノ岡山
 アウェイ2連戦.少しでも上を目指す上でここで連敗するわけにはいかない.先発はこのところの固定されたメンバー.連戦ということを考えると敗戦後のこのタイミングで選手を入れ替えるのも手だったと思う.

 試合は開始直後から熊本に押し込まれる.相手が意図したとおりにロングボールを入れられた.それに対しいつものようにファジアーノのDFは裏へのボールに弱さを見せる.元々ラインの上げ下げが不安定なので裏へ抜けられやすく,後ろ向きにプレーさせられるようになればもちろんその弱さは増す.監督がDF出身の割に,この時期になってもこのあたりの弱さを解消できない.
 そして早い時間に失点.後ろ向きに対応していた後藤のパスが近藤に当たり,それが相手への絶妙なパスにあった.不運だったが必然だったと思う.

 ただ今のチームはこれで落ち込みはしない.ちなみにここのところ攻撃は千明が入り機能するようになったが,それがどこに現れているのか?と考えると一番は速攻が機能するようになったことだと思う.ボールを奪い千明がボールを持つと効果的な縦パスが出る.それを受けに来る白谷と岸田の連動も良い.実質この3人でチームの攻撃の質を上げているように感じる.それはキムや澤口など縦パスがほとんど繋がらないのを見ていると余計に強く感じる.
 ただ速攻以外の攻撃は未だ機能しているとは言いがたい.それは攻撃の意図がチームとして明確でなく,上に書いた3人次第で決まっているからだろう.なので遅攻になるとどうしても攻め手を欠く.実際試合はその後岡山もペースをつかみ何度か決定機を作るが攻撃が単発という感は否めなかった.まあ相手GKが南で無ければ1点は入っていたかもしれないが.

 試合は0-1のまま前半を終え,後半も攻め手を見出せないまま時間が過ぎる.ただ決して相手のペースでは無かった.しかし最後のところを攻めきれないのは岡山の攻撃の質と熊本の守備の質の差が原因だろう.今のレベルではこれが精一杯のように感じた.
 そして後半20分過ぎに「またもや」セットプレーで失点.いつになったら対応を考えるのだろうか?セットプレーで得点した数を考えると相当な得失点差だと思う.


 試合終了間際に1点返したが時既に遅し.残り10分は完全に岡山ペースだったのに交代枠を1つ残したままゲームを進める監督の采配は未だに謎でしかない.1点返せただけでも喜ぶべきなのかもしれないが.やはり勝負弱いチームという印象が付きまとう.成功体験のある選手がいないことがそうさせているのだろう.最後のところでがんばれない,自信を持てない.
 この敗戦で順位を上げることも難しくなってきた.残りの対戦相手を考えると昨年の勝ち点も超えられないか.進歩の見えにくい1年だった.

 ひとつこの日進歩したことは相手が外に出したボールをちゃんと返したことだろう.この間の津山の試合でクラブもようやく踏ん切りがついたのだと思う.かなり遅いが.それでは勝手に採点.

白谷(6.0)審判にリズムを崩された
岸田(5.5)ゴール前で仕事をしたい
小林(5.0)良いプレーもあるが平均を上げたい
川原(4.5)消極的なプレーで攻撃のリズムを崩す
千明(5.5)プレッシャーの強い中でのプレーの質を
キム(4.5)パスミスが多くリズムを崩す
野田(5.5)積極的な部分は良いが
澤口(4.5)攻撃で力不足を見せる
近藤(5.0)大崩れしないが失点に繋がる
後藤(4.5)細かなミスが多かった
真子(4.5)足元のプレーで差がつく

東明(6.0)途中出場で結果を残した
喜山(5.0)攻撃か守備かゲームメイクか何がしたいか?

影山(4.0)
 セットプレーの守備を修正できず敗戦したようなもの.攻撃もアイデアが無くアクセントも加えられず.現状なら選手の責任だけにはできない.

第34節 草津戦

2010-11-20 18:27:02 | ファジアーノ岡山
 J入り後初の3連勝を狙うファジアーノ.アウェイで草津との対戦.それ程順位も高くなく3連勝を狙うには悪く無い相手.そう感じながら試合観戦.先発は前節と変わらず.ここに来てようやくメンバーが固定できるようになったのは大きい.

 試合は立ち上がりからお互いのプレスが目立つ.岡山も特に悪い試合の入りでは無かった.ただ草津のプレスは岡山のそれよりちょっとだけ厳しかった.そしてそれに対するDFのスキルが岡山の方が悪かった.それが結果として先制点に繋がった.DFにプレッシャーをかけられるとどうしても単純なクリアになったりパスをミスしたりした.
 そして近藤が大きくクリアしたボールを奪われ逆に放り込まれる.それを近藤がもう一度クリアしたのだが中途半端になり,それを相手に奪われてそのままクロスを入れられる.そしてボールは後藤の頭を超えて後藤の見失っていた高田にどんぴしゃで合いゴール….CB二人のミスが重なっての失点だった.しかしそのミスを突いた高田も見事だった.ちなみに来季彼は草津に契約してもらえないそうだ.ファジアーノはちょっと考えてみてもいいのでは?

 失点後はいつものように下を向いて…,とならないのがここのところの好調を示している.それでも草津の方が内容は一枚上だった.効果的なプレスから切り替えの速い攻撃.しかも長短のパスを効果的に繋げてフィニッシャー2人へ送る.「草津ってこんなチームだったっけ?」と思ってしまった.中位を狙うのも簡単ではないな,と思わされた試合だった.
 対する岡山の攻撃はこの日少し雑だった.特にクロスが単純で単調で,澤口の素直すぎる質の低い単調なクロスはどうしようもなかった.この日の右サイドからは何ら得点のにおいがせず.それどころか奪われた後にカウンターのピンチを招いていた.

 そんな単調な攻撃だったので決定機は意外なプレーから生まれた.川原がスライディングで五分五分のボールを奪い,手を突いたまま白谷へパス.意外なプレーには相手も対応が難しい.そのまま2対2の場面になった.そこで白谷は岸田には目もくれず.そのままの勢いでゴールへ向かい,丁寧なタッチでシュートし同点ゴール.あれだけ強気に向かっていってシュートになると丁寧にできるというのはなかなか見事.力んで浮かすパターンなのだが.良いストライカーだと思う.良い補強をしたと思う.

 前半40分という良い時間に追いついたチーム.これで勢いに乗り後半逆転・・・,というシナリオはちょっと甘かった.この日の草津は最後まで甘いプレーをしなかった.その上自分たちがミスをしていれば引き寄せられる流れも引き寄せられない.真子のキャッチミスからコーナーを奪われ,そのCKから失点.相変わらずセットプレーの守備はひどい.
 試合はそこから反撃したものの,少しずつ足が止まる.草津は効果的に試合をコントロールして岡山を振り回す.勝負あり.

 チームは少しずつ良くなって来ている.なのでこれまでは目立たなかったアラが目立ち始めた.特に補強してレベルが上がったと思ったCBだとかボランチだとかのちょっとしたところまで気になるようになってきた.たぶん去年なら全く気にならなかっただろう.そして上を目指す上で,昨年までは何が不足しているかも分からなかったが,それも少しずつ見えてきた.アジア以外の助っ人とチームの支柱だ.まあ今の選手がどれだけ残るか分からない時点で考えるのもナンセンスだが.

 それでは勝手に採点.

白谷(6.0)少ないチャンスだがもっと決めてほしい.スローインも
岸田(5.5)動きは悪くない.ゴールを
小林(5.0)クロスもパスももうひとつ上を
川原(5.0)ゴールへ貪欲に
千明(5.0)疲れか?もっと前でプレーを
キム(5.0)パスの質が低い
野田(5.5)上がる機会が少なかった
澤口(4.0)全体的に悪い
近藤(4.5)足元の弱さを狙われた
後藤(4.0)CBの選手としてミスが多すぎた
真子(4.0)ミスで引き分けのチャンスを潰した

東明(5.0)GKのいないゴールには入れたかった
久木田(5.0)流れを変えるプレーを

影山(5.0)
 右SBの控えをどうするかという課題,シーズン当初から解決しないセットプレーの対応.厳しいプレッシャーの中での対応.課題満載だった.

第33節 大分戦

2010-11-15 10:10:56 | ファジアーノ岡山
 久しぶりの現地.西口の変化に驚きながらスタジアムへ向かう.街の様子に大きな変化はなく停滞期か?という印象.そのせいかスタジアムに向かう人も少なく感じる.日曜13時KOで寒くもなくチームの状態は上向きで相手は元J1だと言う好条件なのに.
 多分この時期に下位にいるチームの試合というのは好きな人以外には消化試合でしかないのだろう.ただ隣のイベントの影響もあってか6000人オーバー.JFL時代を思い出せば上出来の数字.ちなみにこの日は地鶏丼.次も食べてみたくなるようなものでは無かった.

 この日のファジアーノは怪我の情報もあった千明も出場し前節と同じメンバー.対する大分は韓国代表がいないが高松,河原がいて後ろには菊地がいる.しかしリーグから借金しながらこの面子で岡山より順位が上と言うのはやはり解せない.リーグから借金する場合は何らかの制裁を喰らわせないとまじめにやっているチームが報われない.

 試合が始まると選手の実力差が目に付いた.大分はプレーの精度が高いが,それ以上に一つ一つが丁寧だった.それと比べるとファジアーノの選手のプレーは雑.結果として岡山は偶然を期待する攻撃の比重が高い.もっとも以前に比べれば格段に精度は上がっているのだが.
 ただ前半は大分が優位だったが岡山も自信を持ったプレーで立ち向かい主導権は与えなかった.大分はポジションを流動的に変えて攻撃してくるのだが,基本的に3トップ主体の攻撃であり,それを岡山がそれに対応してからは決定機を与えることは少なくなった.しかし岡山も攻撃のポイントが無くジリジリとした時間が続いた.

 相手が3バックなので両サイドを使えるかと思ったが,菊地が4バックのSBのような位置取りをしたりするなど単純な3バックではなく,サイドを有効に使えなかった.そのためか攻撃が守備の多い中央に偏り,なかなか縦のボールが収まらなかった.その上小林が中央よりにポジショニングするので余計にピッチを広く使えず,しかも対峙するのが菊地であったため左サイドは殆ど機能しなかった.

 結局両チームとも突破口を見出せず我慢比べの時間は前半終了まで続いた.

 ちなみにこれまで生で見たことが無い3選手がこの日の一つの注目だった.1人は白谷.彼は想像通りの選手だった.常にゴールへのプレーを意識し,個人技も高く大分のDFと言えども駆け引きでも勝る部分が多かったし,足下に入れたボールを丁寧に扱うことができた.
 そしてもう1人は千明.この日は決定的なプレーこそ少なかったが柔らかいボールタッチと冷静なキープで試合を作れる.これまで前へ前へ急ぎがちだったチームを落ち着かせていた.ただ彼の一番良いところはポジショニングかもしれない.この日の出来は7割くらいだろうか?

 試合は後半開始直後に大分が攻撃の圧力を増し得点を奪いに来た.これまでならここで失点するわけだが,この日は豊富な運動量と自信を持ったプレーでそれに耐えた.すると大分の足が徐々に止まり始めスペースができはじめた.
 ここからは岡山の時間となり,ラインの裏へボールを通せたりサイドチェンジで振り回すことができるようになった.そこで見たかった3人目の選手が投入された.話題の久木田だ.まだまだ線が細く頼りない風貌.足元や体の使い方は悪くない.
 そして右サイドの彼に千明からボールが渡る.ゴール前に2人走りこむ.しかしクロスを躊躇した久木田は相手に詰められ「遅い!」と思ったが,彼は自分よりよっぽど冷静だった.詰めてきた相手を交わしながら足元を抜ける低いクロスを出して東明がゴール.思ったよりいい選手かもしれない.

 試合はそのまま終了し今季初の連勝.こういう期待できるサッカーをもっと早くして欲しかった.ただ現状は選手依存の部分が多い(昨年もそうだったが)ので,今のうちにその他選手も自信をつけて彼らが不在時にもそれなりにプレーできるようになって欲しい.
 これで昨年と同じ勝ち数.次の目標は昨年と同じ勝ち点.これをクリアできれば今年は大きく進化したと言えるだろう.できれば順位も・・・,というのは贅沢か.

 とりあえず今年の最下位はなさそうなので安心した.それでは勝手に採点.

MOM:なし

白谷(6.5)相手との駆け引きに勝った.是非五輪に行って欲しい
岸田(6.5)FW/SHで多くの決定機を演出.シュートは枠に欲しい
小林(5.0)判断力だけでも上げていかないと
川原(5.5)ちょっと足が止まるのが早かった
千明(6.0)万全な状態が早く見たい
キム(5.5)相手を抑えていたがパスミスが多い
野田(6.0)攻撃は見事.守備は連携ミスで裏を突かれた
澤口(5.5)守備は良かったがパスはことごとく相手に
近藤(6.0)久々の無失点
後藤(6.5)激しいプレーでゴールを守った
真子(5.5)キックの精度が悪かった

東明(6.5)楔と体の強さが出ていた
久木田(6.5)いきなり結果を残すのは見事
田所(-.-)

影山(6.0)
 厳しい相手に対し守備面ではうまく対応できた.攻撃に関しては前半の間に修正して欲しい.手詰まりの時のアイデアが少ない.

第32節 栃木戦

2010-11-12 20:25:40 | ファジアーノ岡山
 同期J参入ながら松田監督の戦術が浸透し躍進する栃木との対戦.球技場も改修中とうらやましい限りだ.ファジアーノは前節前半のみだがすばらしいサッカーを見せた.あれが本物であることを示す必要がある大事な試合.そんな岡山は野田が復帰し久しぶりにベストメンバー.しかし試合は立ち上がりから躓いた.

 開始直後に中途半端なところでボールを奪われ,その対応に行った近藤が足を滑らせ(この日のピッチは滑りやすかったようだ)僅か2分で失点・・・.前節の試合が無ければ間違いなく心が折れていた.
 しかし選手はそこから前節の前半の出来が本物であることを示してくれた.このようにチームが変化したのは千明と白谷が機能し始めたからだろう.これまではボールを奪えても収まる場所が無く,急いで攻めるかプレッシャーの無い後ろに戻すだけで,スペースの少ない中央では勝負できていなかった.しかし白谷は前線でボールを持てるし,千明は中央でボールを持て,更にボールをうまくまわせる.これにより岡山のプレスが機能する間は相手に力負けすることが少なくなった.

 それを示すように失点後試合はすぐに動いた.主導権を握りつつあった岡山は相手のボールを奪いキムがシュートモーションから白谷へスルーパス.それを見事にニアに決め1-1とする.あれをニアに決められるのは力のある証拠だと思う.
 その後岡山は主導権を握るが,肝心なところのミスが多く波に乗れない.しかもコンパクトにしたラインの裏を狙われることも多く,相手のミスが無ければ失点していた場面もあった.

 前節は得点したかった後半の序盤に得点できず引き分けに持ち込まれた.この試合も前半追加点を奪えず同じようなことが頭を過ぎった.しかしこの日は違った.後半に入り得点が欲しい時間帯に追加点を野田が決め逆転.こういう展開のゲームができるようになったこと自体が進歩だろう.
 ただその後が悪かった.全体の足が止まり始め,特に千明がボールに絡めなくなるとゲームは栃木に傾く.相変わらずミスも多い.ただこの日は喜山,久木田,田所と良いタイミングで交代で要所を締めていった.
 そして田所の投入であとは逃げ切るのみ・・・,というところで最後の力でロボが突進してきてPKを奪われた.「また?」と残念な結果が浮かんだ直後に良いものが目に入ってきた.PKを奪った後足を攣っていたロボがそのままPKを蹴ろうとしていたのだ.W杯の駒野を少し思い出し少し期待した.すると見事に真子がセーブ.こういうことがあるからサッカーは面白い.


 チームが自信を持ちはじめ,若い選手の動きが一気に変わりつつあるように感じる.「もっとできるはずなのに・・・」という気持ちが,内容を伴った結果を残せたことで爆発したような.昨年の終盤のように「早くシーズン終わってくれんかな」という絶望感は味わわなくて済むだろう.
 勝利数も個人的に設定していた目標である昨年と同じ8まであと1.できれば昨年の勝ち点までいきたいが.試合数が大幅に減った中でそれが実現できれば今年は進歩したと言えるだろう.数戦前の絶望感からここまで変化するとは思わなかった.

 しかしこの日の審判はデビュー戦だからか判定基準が曖昧で酷いものだった.それでは勝手に採点.


MOM:真子(7.0)
 数戦外れていたが,復帰するとその落ち着きがより増したように思う.そしてこの日のビッグセーブ.お見事.

白谷(7.0)見事な同点弾.運動量も増えた
岸田(6.5)ゴールは無かったがそれに結びつく動き
小林(6.0)守備の貢献度だけは高かった
川原(6.0)細かなミスはあるが以前より安定した
千明(6.0)後半から消えてしまった
キム(6.0)次の展開へのパスを増やして欲しい
野田(6.5)祝初ゴール.守備も安定していた
澤口(5.5)裏のスペースを狙われた
近藤(5.5)あと少し時間が要るか?
後藤(5.5)PK無ければ

喜山(5.0)やはりテンポが遅い
久木田(6.0)祝デビュー.スピードと動きは悪くなかった
田所(-.-)

影山(6.5)
 選手が変わることでチームが変わることはあまり誉められないが,やはり千明くらいの選手がいないとチームは動かないのかもしれない.ただこの日は選手起用も交代策も効果的だった.

第31節 岐阜戦

2010-11-01 01:48:45 | ファジアーノ岡山
 年に1度の津山開催.今でもあそこでJリーグの試合が開催されることが信じられない.

 この日も行けなかったのだが先発メンバーを見ると喜山が出場停止で千明が先発.頑張れば行けただけにちょっと後悔.そして試合が始まるとその後悔はより大きくなった.それは千明が入ることでチームは全く別のチームのようになったからだ.「まるでプロチームみたいじゃな」と変なことをつぶやいてしまった.

 この日は千明のところでボールが持てることで後ろからの押し上げをしっかりでき,さらにFWやSHは彼からのパスを信じて走ることができる.しかもパスの質が高い.
 もちろん彼だけの効果では無い.裏を狙うFW2枚を入れたこともこれまでとチームの動きを変えたことも確かだ.白谷は技術が高くスピードもあり,岸田はスピードとドリブルの技術があり,彼らが流動的に動くことでバイタルエリアをうまく利用し岐阜DFを押し込んでいた.けれどそんな彼らは「使われる側」の選手で,パスを受けられなければどうしようもない.やはり千明と言う「使う側」の選手がいることが非常に大きかった.
 もちろんこの日も守備では危ない場面も多くあった.けれど安心できる場所がひとつあることがチーム全体に落ち着きを与え,それがチーム全体の余裕にもなっていた.

 対する岐阜のプレーは見習いたい部分が多かった.彼らもそれほど技術の高いチームではなかった.けれど彼らの攻撃にはひとつの明確な形があった.それは速攻だ.素早い攻守の切り替えからの組織的な速攻を何度も見せていた.
 試合はファジアーノは2点を先制したが少しでも油断すれば彼らの速攻の餌食になるかもしれないと感じさせられた.

 そんな心配を他所に前半は2-0と結果も内容も今季最高の出来だった.後半の早い時間に失点しなければ乗り切れるか?なんて思ったが,それ以上にもう1点決めてゲームを終わらせたかった.しかし何度かあったチャンスを決められないまま時間が過ぎる.このゲームのこの時間帯は攻撃陣はもう少し強い意志で挑んで欲しかった.
 そして惜しいチャンスを逃していると相手に流れが行くもの.この日は前半から飛ばしたチームの足が止まり始め岐阜にどんどんとスペースを与えてしまった.そして相手のスピードに乗った攻撃はゴールへ直結するようになっていた.そして失点….

 こういうときに大事なのはラインをズルズル下げないことだが,岡山は何の対策も無く後ろへ後ろへと下がっていく.そんな場面でまたもや疑問の采配がでた.
 万全で無い千明の交代は予定通りだが,代わりに入ったのがFW三木.そして足の止まり始めていた川原をボランチに下げたのだ.これにより前と中央の起点を同時に失うことになり完全に相手に支配され岡山は防戦一方となった.
 それでもまだ対応すれば間に合う.しかしもう一度迷采配が.福本をトップ下のような形で入れ(アンカーにしたかったらしいが)チームは大混乱.流石にこの状態ではチームは機能しない.
 「高校サッカーみたいじゃな」とつぶやき,会場に行かなかった後悔は消えた.

 もちろん試合は同点にされ,そしてそのまま逆転されてもおかしくない流れのまま終了….


 あまりに終わり方が悪かったために非常に印象の悪い試合となったが,前半のプレーには可能性をものすごく感じた.このチームは重要なパーツが欠けているために機能していないだけということを知ることができたからだ.最近パサーなんて動かない選手はあんまり重要視していなかったのだが,ちょっと考えを改めさせられる試合だった.

 ただ地域決勝以来勝てない岐阜に勝つ大きなチャンスだっただけに本当にもったいなかった.試合後ピッチで反省が必要だったのは監督だったと思う.

 というわけで勝手に採点.

MOM:千明(6.5)
 今時多くないパサー専門職.この日のように使える駒が多いとその才能がより目立つ.J2なら今の形で十分通じるだろう.

白谷(5.5)強引さは良かったが後半はワンパターンだった
岸田(6.0)FW起用のチャンスを生かした
小林(5.0)少なくとも判断力は上げないと.勝っているときのプレーが必要
川原(6.0)千明との相性が良いように思う
キム(5.5)千明がいないときに力を見せて欲しかった
田所(4.0)怪我人が気になるならボールを出してしまえばいい
澤口(5.5)守備の良さが出ていた
近藤(4.5)2失点目のプレーは消極的
後藤(6.0)祝初得点.
真子(5.5)安定したプレー.ただ1点目は触って欲しかった

三木(4.0)何もせず
福本(4.0)混乱しただけ

影山(3.5)
 勝てる試合だった.後半の交代策は納得できない.千明が時間限定なのは試合前から分かっているのだから,その対応策はもっとたくさん想定しておくべきだった.