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第24節 水戸戦

2013-07-31 17:37:08 | ファジアーノ岡山
 荒田が怪我で離脱.最も恐れていたことだ.その穴埋めをどうするか?この日は今季を占う試合になるし本当のチーム力を試される試合となる.

     三村
   妹尾  押谷
田所 仙石  千明 田中
 後藤  竹田  近藤
     中林

 なぜか近藤が右で後藤が左.

 試合自体はアウェイにしたら意外に良い入りだった.良い崩しはできていたが「じゃあ誰が点を取るの?」と言われると困ってしまう.どれだけ支配しようが圧倒しようが得点を取ったチームが勝つのがサッカーで,その力を持つ選手がこれまで荒田しかいなかった.それを示すようにどうしても最後とその前のプレーが雑で,決定機になりそうでなりきらないまま時間が過ぎた.ある意味相手の思う壺だったのかもしれない.
 対する水戸は早い攻撃がほとんどできず,岡山にしてみれば守りやすい相手だった.更にGKがまだコンディションが上がってないのか非常に不安定で,たくさんシュートを打てばチャンスは有りそうだった.

 それでも入らなかったのがこの日だった.特に良くないのは岡山の選手が1対1で勝負しないことだ.仕掛けが無いので相手の守備組織が崩れない.パスをまわしても仕掛けなければ相手は組織を崩す必要が無い.そしてそれが最もよく分かったのが水戸が1人減ってからだ.
 いくらボールを持っても,パスをまわしても相手はボールが中に入ってくるところを堅く閉めてボールを奪えばいい.しかも岡山は数的優位にあるのに人を掛けて攻撃しない.失点するまでずっと後ろに3人閑職を作ったままだった.更に攻撃で焦れて安易にミドルシュートを打ったりして更に相手にボールを渡して楽にしていた.
 明らかに優位なんだから,ボールを支配して相手を走らせて,相手の足を止めて確実に仕留めれば良かった.そんな中でスペースがないと全く機能しない石原を入れるんだから影山のセンスも相変わらずだ.この時点で勝利は無いだろうという予測さえしてしまうほどだった.

 そうして焦るうちに失点.水戸はそれまでも何度か個人の力で岡山の守備を崩していた.1対1になれば数的不利は関係ない.そこで1対1に勝てばいい.逆に岡山はそういう攻め方は影山が監督の間は積極的にはしないのだろう.
 数的有利の間にそれを生かしてプレーできず,失点後は必要以上に焦って単調にプレーして相手の思う壺.どっちが数的不利なのか?と思わせるほどだった.数的優位の状況で負けていて相手の守備の外側でボールを回すのを見たときには絶望的な気持ちになってしまった.

 という0-1の敗戦.本当に情けない試合で,チームの弱さが凝縮されたような試合内容だった.これを続ければ良いなんていう監督がいる時点でもう今季は諦めた方がいいだろう.強いチームになるつもりが無いのだと思う.それでは勝手に採点.

三村(5.5)姿勢の悪さは何とかならないか?
押谷(5.0)厳しい場面でゴールを決められない
妹尾(4.5)前と同じなら復帰した意味が無い
田所(5.5)よくがんばっても結果がすべて
仙石(5.0)数的優位でも後ろが好き
千明(4.5)遅攻時こそ生きる選手のはずなのに
田中(6.0)1人相手を上回っていた
後藤(5.5)悪くは無かった
竹田(5.0)もっと攻撃面で何とかすべきだった
近藤(3.5)残念だが明らかな敗因
中林(5.5)失点時はノーチャンスだった

石原(4.0)今季は期待しない
久木田(5.0)姿が見えなかった
鈴木(5.0)最後のあれを決めていたら自身の立場も変わっていた

影山(4.0)
 いつも通りやっていつも通り負けた.こういう相手にどう戦うかが今季の課題だったが何も変わらず.FW頼みの攻撃も何ら変化無く.

第23節 横浜戦

2013-07-28 20:30:09 | ファジアーノ岡山
 非常に暑い中の3連戦.どちらが走りきるか?が勝負を分けるだろうと予想された.

     荒田
   押谷  関戸
田所 島田  千明 田中
 植田  竹田  近藤
     中林

 近藤が先発をゲット.安定感あるプレーが評価されたのだろうか.

 この日は立ち上がりから横浜ペース.正直ちょっと飛ばしすぎではないか?と思わされるほどハイプレッシャーでゲームを進めてきた.特にあの暑さの中では致命傷になるのでは?と感じた.なので前半は上手くいなして相手を走らせておけば良い,そんな風に思っていた.
 この日は前節良かった関戸がちょっと調子が出ない.ベストコンディションで無いと彼は能力を発揮できないのか?若さか?ちょっと雑なプレーが目立った.また島田と千明のコンビもあまりフィットせず,特に島田は相手プレッシャーに押され低く位置していた.また相手は岡山の3バックの両サイドを上手く突いてきた.あの暑さの中でWBが走らされるのはちょっと嫌な感じだった.また3バックにできるギャップを横浜の2列目が上手く利用して飛び込まれ相手を掴みきれなかった.逆に岡山の攻撃ではサイドチェンジを狙われ封じ込められてしまい攻撃で主導権を得られなかった.

 このように防戦一方の前半はよく0-0で我慢したし後半相手が止まったところで勝負できる.そんなことを思っていた矢先に植田が退場した.正直2枚目のイエローを出すにはあまりに厳しい判定だった.その後もこの窪田という審判は両チームにカードを乱発した.ちょっと暑さで気でも違っていたのだろう.とは言え植田にはもう少し慎重なプレーを求めたかった.最近ちょっと無神経なプレーが多かったのでしばらくベンチで大人しくしたほうがいいかもしれない.
 ただ横浜の選手は自分たちは厳しいプレーをするわりに,同じことをされたらパタパタ倒れるという,ちょっと傍から見て気持ちの良くないプレーが続いた.あれに審判が騙されたので効果的な戦術になっていたが.

 後半横浜は寺田を田原に変えて守備的に来る岡山対策をした.結局この采配がこの日の試合結果を決めた.そこまで非常にスムーズに攻撃できていた横浜は,田原が入ったことで前線の動きが減り攻撃が放り込みだけになってしまった.そのうち横浜は攻め疲れし,逆に岡山に希望を与えてしまっていた.
 対する岡山は4-4-1のような形で後ろにブロックを形成して,攻撃は荒田と石原,押谷をベースにカウンター,という形が上手く機能した.横浜にカウンターのケアを意識させておくことで相手の攻撃の力をそいでいた.

 そして最後には島田を下げるという攻撃的な采配.ちょっとこれは誉めたい.というのも今季最高の観客が入っていたので,逃げの采配なんてしていたら誰も二度と見に来なくなるだろうからだ.対する横浜は年齢のこともあり75分で完全に足が止まった.一人少なかったが正直勝ちたい試合だったし勝てた試合だった.残念ながら石原のスキルの低さが引き分けに終わらせた.

 という0-0の試合.不利な状況で負けなかったのは本当に大きいし前節勝っていたので引き分けは十分な結果になった.そしてこの日の観客数.カズ目当てもあるがアウェイ動員が少ない中で1万1000人越えは素晴らしい.物凄く良い雰囲気の試合だっただけに審判に試合を壊されたのはちょっと残念だった.試合を壊すほどのファールだのかあの窪田という審判には考えて欲しい.

 Jリーグができたことで岡山という何も無かった土地に1万人を超える観客を集めるプロスポーツチームができた(前日はベルに8000人集まったのも凄いが).TVの視聴者が何人いようと実際に人が集まることによる雰囲気や情熱や力には全く及ばない.それを最も分かっていないのはJリーグかもしれない.TV的な盛り上がり,TVの放映権料.そんなもののためにこの盛り上がりを全て捨てるのか?街の活気はTVで無く人が生むのだ.それがサッカーの活気にもなる.それを恐れる人が改悪を企てているのだろう.
 ここまで地道に積み上げてきた真実の人気をTVによる虚構の人気にするのはあまりにもったいない話だ.というわけで勝手に採点.

荒田(5.5)ちょっと真っ向勝負以外も試さないと
押谷(6.5)MOM.過去最高だと思う.ゴール以外は.
関戸(5.5)安定したパフォーマンスもプロの仕事
田所(5.0)守備に奔走した
島田(5.5)もっと攻撃的にいかないと価値が無い
千明(5.5)ワントラップしたあとの判断がもう少し
田中(5.0)守備の弱さが露呈した
植田(3.0)悪くは無いが退場した
竹田(5.5)4バックも上手く対応した
近藤(5.5)クリアせず繋ぎたい場面が多かった
中林(5.5)人少ないときはゆっくりリスタートして欲しい

石原(3.5)勇気が無いならプレーするな
久木田(5.0)アクセントになれず
三村(6.0)ドリブル時の姿勢の悪さは致命的かもしれない

影山(6.0)
 勇気ある交代は良かった.ただ前半の一方的な展開を打破する術が無いと今後も苦労する

第22節 神戸戦

2013-07-26 23:33:54 | ファジアーノ岡山
 ヴィッセルが岡山に来る.岡山のサッカー関係者には感慨深い話だろう.岡山を捨てたチーム,岡山が受け止められなかったチーム.色んな見方ができる.今はそんな歴史もローカルなお話で終わってしまっている.こういう各クラブの後ろにあるストーリーをJリーグは取り上げてJリーグの試合の格を上げるような取り組みをすればいいのに.2ステージ制や秋春制,プレーオフとかくだらない案に時間を使うくらいなら.Jリーグは観客よりスポンサーが大事なのか?まあ1回やってみるのもいいだろう.その代わりこれまで20年の努力が消えてなくなるが.

     荒田
   押谷  関戸
田所 仙石  千明 田中
 植田  竹田  近藤
     中林

 シャドーを押谷と関戸に入れ替えた.ようやく個人技依存で得点を狙うつもりになったか?この日はもしかするとツートップかと思ったがいつもどおりの1トップ.とは言え3人は縦関係でちょっとこれまでとはバランスは違っていた.

 神戸は前回との対戦で前半に痛い目にあっている.同じ轍を踏まないように慎重に試合に入って欲しい,と思ったらいきなり押谷のスーパーゴール.とにかく前3人のバランスが良く,そのままの良い流れでゴールを奪えた.対する神戸は前回と異なり徳重がGK.正直これはラッキーだったのかもしれない.悪いGKじゃないがここ数年パフォーマンスは停滞している.逆に怖かったのは左SBの茂木.元々FWの彼は献身的に動けシュートも上手い.岡山にぴったりな人材なんだけど….実際彼と小川のコンビで田中の裏をうまく使われて何度も危ない場面を作られた.

 早い時間の先制という意味でG大阪戦が思い出された.ただこの日はあの経験が生かされたのかラインを下げることも無く,上手く時間を使いながらオープンなゲームにせずに時計を進めることができた.特にこの日は押谷と荒田という2つのポイントが前線にあったおかげで,関戸と仙石が上手く縦にいれることができた.

 後半は神戸の意外な交代があった.茂木を相馬に変えたのだ.相馬も嫌だがこの日に限っては茂木の方が嫌な印象が強かった.実際相馬は復帰戦でコンディションも万全でなく負けている中でプレーできるほどではなかった.更に神戸は決定的チャンスを逃した田代を都倉に交代.これこそ意味不明だった.都倉も悪くないがJ2の選手.田代とはちょっと格が違う.少し油断したらやられるという怖さは無い.
 とにかく意味不明采配が相手にどれだけ力になっているかは分かった.影山も考え直して欲しいものだ.とにかくこの日は岡山とは数段違う選手層を無駄に使ってくれたことが本当に助けになった.とは言えそれをカバーできるほどの選手層があるのが神戸だ.中でも小川は非常に嫌なプレーをしていた.特にスピードはJ1でも上の方だろう.年々良い選手になって来ている.ただ田代が消えてからは岡山は彼に集中すればよくなったので比較的楽になったが.

 今のサッカーは高い技術力と切り替えの速さを持ったチームが強いチームの定義だと思う.J2では間違いなく神戸はそれ.この日も何度か切り替えで出し抜かれる場面があった.大久保,レアンドロ,ボッティがいたときほどではないが(あの時はあと1人選手がいたら本当に強いチームだったと思う).
 そんな切り替えの速さに走らされて関戸,押谷の順で足が止まっていった(彼らは久しぶりの先発で前半からぶっ飛ばしていたのもあるが).ただこの日はチームのバランスが非常に良かったので交代が遅くなってしまった.この日の岡山の選手交代は非常に難しかったと思う.交代後に押し込まれたのは仕方ないだろう.

 という1-0の試合.岡山が受け止められなかったチームに,20年経って岡山が作ったチームが勝利した.大きな出来事だと思う.更に6戦勝利無しのチームには非常に大きなインパクトだ.ただ前から書いているように3-0とか4-0の試合がまだ出てこないので本物とは言えないだろう.この日はそのチャンスがあったのだが.
 ただ荒田と押谷の併用がようやく機能したというのはチームにとって非常に大きい.ようやくシャドーの選手が得点を取って攻撃に目処がついたのではないだろうか?というところで監督が選手を入れ替えないことを祈って勝手に採点.

荒田(6.0)得点していれば文句なし
押谷(6.5)MOM.もう1点取ってたら文句なし
関戸(6.5)左足がもっと使えたら面白い
田所(5.5)控えめな攻撃でチームを支えた
仙石(6.5)もう少し前に出たい
千明(6.5)先発奪われて運動量を意識したか?
田中(5.5)サイドの勝負で全く勝てず
植田(6.5)変なプレーもあったが安定していた
竹田(6.5)上手いカバーリング
近藤(5.5)足元の怖さが終盤見えた
中林(6.5)安心して見れる素晴らしいGK

石原(5.5)この日は勝負だったが相変わらずゴールから遠くでプレー
久木田(5.0)走れず納めれず
島田(-.-)

影山(6.5)
 この日は文句無い.できれば後半押し込まれたときの対処をもっと上手くして欲しかった

第21節 富山戦

2013-07-21 00:22:50 | ファジアーノ岡山
 この試合で早くもシーズン折り返し.しばらく勝利が無いことを考えると下位富山で勝利したいところ.前節はそこそこの内容だったがファジアーノは下位に弱いのであまり期待できないだろう.ちなみにこの日はスカパーオンデマンドの故障でこの試合だけライブで見れなかった.ネットだからそこまで騒ぎになってないがTVだったら大騒ぎだ.スカパーとほぼ同じ値段が必要な有料サービスなのに.

     荒田
   石原  妹尾
田所 島田  仙石 田中
 植田  竹田  後藤
     中林

 試合は悪くない立ち上がりだった.対する富山の調子の悪さが目立つほどだった.とにかく覇気が無い.ファールも多いし攻め手も無い.ただそんな相手にファジアーノはミスを何度も犯し富山にペースを自ら譲っていった.ピッチが悪かったのかもしれないがそれでもミスが多すぎた.その上切り替えが遅くセカンドボールが拾えない.するとドン引きしていた富山の方が前にこれるようになり始めた.
 そんな中でも一生懸命パスを繋いで攻めようとして,ミスして戻って….「ええ加減頭切り替えてシュート撃てよ」と愚痴をこぼすほどだった.とにかくこれだけ縦に圧力の少ないサッカーをしていたら駄目だ.特に1対1で勝負しないサッカーは.この日の富山のように組織的に人をかけて守ることができてしまう.

 同じように人を掛けて組織的に守るファジアーノが嫌な攻撃は何だろうか?それは前向きに仕掛けてくる相手だ.だからこそこの日のような相手には岡山もそういうサッカーをしなければいけないのだが.特にこの日その使命を受けて先発したはずの妹尾はポジショニングが悪く完全に試合から除外されていた.スピードに乗らずに仕掛けることができない石原は期待どおりのプレーだった.
 あとは荒田への縦パスからどう崩すか?だけだったが,相変わらず仙石は安全運転だしパスを出してもシャドーとの位置関係が悪すぎて何らチャンスが生まれない.相手ブロックを崩すためにボランチが前に飛び込んでいくことも開始直後以外殆ど無かった.さらにサイドを変えるようなパスも無く…

 そんなつまらない試合.だったら岡山もドン引きしてもっとつまらなくしてしまえ,と思ったが松本戦で失敗している.あとは富山が勝利が見え始めた時間帯に前に出てくることを期待するだけ.そんなことを思っていたら相手のつまらない退場.これで完全に富山は引きこもった.岡山が崩せる可能性はほとんどなくなった.
 ならば高さを足してセットプレーか,押谷の個人技で打開するか.と思ったら関戸と三村を投入する驚きの采配.三村なんてスペースも無いのに何を期待したのか.関戸も短い時間で生きる選手ではない.

 という0-0の試合.数的優位になったことを感じることが殆どなかった臆病な攻撃と采配.とても酷い内容だった.影山が言うようにこんな内容でも続けるしかないのか.とにかく攻撃に関しては全く見るべきものも可能性も無かった.しかも岡山のアウェイでのコンディションがひどい.クラブとして早く改善するべきだ.
 とにかくこの試合はスコアレスドローの中でも最もつまらない部類の試合だろう.お金を払って,特にアウェイまで行った人はサッカーを見たことは忘れるべきだろう.

 前半戦が終わった.川又の穴はともかくキムの穴が埋められず昨年以上にシャドーが上手く機能しないという状況になった.影山が期待するシャドー像は現実世界には存在しない.今から修正して攻撃を再構築するのは難しいので攻撃力を重視した選手起用し,その選手のアイデアに任せるしかない.
 課題解決どころか昨年からまったく進歩の無いシーズン前半だった.こんな後ろ向きなサッカーでは前に向かって進むことは出来ないだろう.全く中断機関の無いJ2でここから修正するには,特別な選手を入れるしか無いと思う.

 ちなみにジェガンが1試合もベンチ入りせず退団した.入団会見で襟を出して「イキった」感じだったので悪い予感はしていたのだが.本当にJ1に昇格する気があるならもう少しちゃんと補強すべきだろう.
 それでは勝手に採点.

荒田(5.0)中の動きが少なかった
石原(3.5)守備だけしておいてくれたらいい
妹尾(3.0)この日はコーチとしてベンチにいたのか?
田所(5.0)運動量の無い田所はプロではない
島田(6.0)もう少し前に出ても良かった
仙石(4.5)前線への飛び出しをどうしてしないか
田中(6.0)相手の脅威になっていた
植田(6.0)余裕を持って守っていた
竹田(5.0)もう少し変化をつけられた
後藤(6.0)守備せず攻撃でも良かった
中林(6.5)相変わらず安定.

久木田(4.5)スペースの無いところが課題
関戸(5.0)軽いプレーを減らしたい
三村(4.0)全くサイドを突破できず

影山(4.0)
 いくらやってもパスするだけではゴールへは近づかない.相手が組織的に守ってきたらパスでは崩せない.分かってると思いたい.

第20節 大阪戦

2013-07-16 16:04:20 | ファジアーノ岡山
 Jリーグが出来た頃,そして岡山にJリーグができるまで.一番近いチームだったしよく行く町でもあった大阪のチームを応援していて,だからこそJリーグにのめりこめなかった.他所様のチームだったからと気づいたのはそれから10年くらいあとだ.
 だからG大阪はとてもよく知っている.だから彼らがJ2にいることを特に不思議に思っていない.ここ数年選手の高齢化やユースからの選手の小粒化と伸び悩み,補強選手の小粒化による戦力低下.これらのためにJ1最下位レベルのフロント力をチームが支えられなくなっていっていた.昨年のメンバーは,J2でも大したことのなかったFWを補強?し,元代表は高齢化し,外人は上位チームで実績の無いパウリーニョ.その上,宇佐美や下平,山口,橋本は放出.実績あるバックアッパーもおらず年代別代表にも掛からない阿部がプレーするほど.そこに意味不明な監督.名前以外はJ1では強豪でも何でもないチームになっていた.
 マグノやアラウージョ,バレー,レアンドロ,大黒がFWにいて,全盛期の遠藤,二川,明神,橋本がいて,加地,安田,山口,中澤がいて,それが「あの強豪ガンバ」だったのだ.倉田も家長も宇佐美も簡単に出番をもらえない.それこそJ1の強豪だ.

 更にこの日のG大阪は別物だ.代表二人が不在で,J2に馴染んだ緩い家長,すばらしいプレーの頻度が落ちた二川,細部に雑さが目立つパウリーニョ,完全に衰えた明神,CB失格のボランチ内田,速さより守備が目立つ藤春,晩年を迎えた加地,所詮アビスパの丹羽.そして藤ヶ谷.J1を感じられるのはレアンドロと倉田,そして期待の若手西野くらいな「J2の強豪ガンバ」でしかなかった.もし「ガンバ大阪」という名前が無ければJ2でも苦しむレベルだ.強豪チームとしての貯金で得た地位.今年昇格しないと千葉のように…

 そのくらいよく知っているガンバだが万博は初めて.現地観戦を始めたころG大阪が強くてチケットを取りにくかったのもあるが,やっぱりスタジアムのボロさの影響は大きい.屋根ないし古いし.この日はビジターは立ち見のみ.座りたい人は大阪人の中にこっそり座る形.何とも居心地が悪い.

     押谷
   石原  妹尾
田所 島田  仙石 田中
 植田  竹田  後藤
     中林

 植田が万博凱旋試合でキャプテン.妹尾が復帰後初先発.前節関戸が良かったのでなぜ石原を下げなかったのか影山思考は不明だ.

 試合は非常に高いG大阪のラインの裏を上手く狙って非常に良い立ち上がりをした.特に加地のサイドをスピード勝負して攻めていた.速いプレッシングから左サイドを押し込みそこから攻撃.そして右WBの田中が飛び込んで見事に先制した.大阪人の間で思わず声を出してしまった.こういうときは弱い方を応援するもんでしょ.
 この日はこの場面以外も意図のある良い攻撃が何度も見られた.サイドで時間を作っている間に中央に逆サイドと3列目が侵入する.高いラインの裏を狙う.守備もラインを高くして相手の中盤のスペースを無くして裏への攻撃以外の選択肢を無くす.それによって竹田のカバーリングが上手く生きた感じだった.

 ただこの日に限っては先制点が早すぎた.G大阪には85分も余裕があった.逆に岡山は攻勢にも出にくいし守るわけにもいかず,「普通」にプレーしにくくなってしまった.

 この日G大阪で怖かったのは倉田だ.ボールの受け方やポジショニングが良く,特にスペースを見つけるのが非常に上手い.殆ど彼のところから決定機を作られた感じだ.レアンドロの一瞬の怖さよりも守りにくく感じた.ラッキーだったのはパウリーニョがファウルを貰うような情けないプレーばかりしていたことと,二川が消えている場面が多かったことだ.あと内田の超無難なプレーにも助けられた.岡崎の方がよっぽど怖かったと思う.

 この日感じたのは「勝てた試合だった」ということ.勝てなかった理由は選手交代の遅さだ.妹尾が足が止まり石原も足を攣っていた.にもかかわらず最初に交代させたのが特に問題の感じなかった押谷だった.勝つつもりがあるなら時間を作れる押谷は残しておかなければいけなかった.石原を久木田に変えるべきだった.とにかく石原はミスだらけだった.J1クラスの選手と対峙することで自分のミスの多さを理解できただろうか?とにかく彼のミスでチームが走らされる距離が増えた.石原がいなければもう少しマシな試合ができたはずだ.

 という1-1の試合.G大阪に健闘したと言えるが,この日のG大阪なら勝って自信につなげたかった.影山は臆病な采配でどれだけ勝ち点を捨ててきたのだろうか?ただ明らかなJ1のスタジアムの雰囲気の中でビビらず戦えたことは評価したい.
 課題は試合運びと両シャドーだ.この日リードしていてもどこか落ち着かず慌てて相手にボールを渡す場面が,特にシャドーに散見された.もっとゆったり時間を使えればG大阪も焦れて,誰か1人くらい退場させられたかもしれない.攻守に力を必要とされるシャドーが必要なこと自体ちょっと戦術に問題があるようにも感じるが,攻撃の形はかなりよくなってきたように思う.特に島田が入ったことでボランチからの前線への絡みが増えて厚みが増した.この先数戦の結果次第で今季が分かるだろう.それでは勝手に採点.

押谷(6.0)ゴールが欲しかった
石原(4.0)質の低さを露呈.試合を壊した
妹尾(5.5)前で違いを作れず
田所(6.5)左サイドは支配した
島田(6.5)ガス欠になったがそれまでは良かった
仙石(5.5)もう1つ上のプレーが必要.失点に繋がる守備もあった
田中(6.5)藤春とのマッチアップは勉強になったと思う
植田(6.5)祝万博
竹田(5.5)もう少し判断を良くしたい
後藤(5.5)倉田にやられた
中林(6.5)MOM.さすがの反応だった

荒田(6.0)多くのチャンスを生み出した
久木田(6.0)神戸戦を思い出した
三村(-.-)出すのがおせーよ,と監督に言うべき

影山(3.0)
 変わらない消極的な采配.特に運動量を要求しているシャドーが止まっているのに交代させなかった理由が全く分からない.

第19節 福岡戦

2013-07-08 21:51:56 | ファジアーノ岡山
 ここのところ勝利なしと調子が良くない.たった数戦でそんなことを言えるくらい強くなったということだが.この日の相手は福岡.今季は主力が多数離脱したため全く駄目かと思っていたが内容は正直昨季より良い.これは新しくなった監督の手腕だろうか?東欧の監督は本当に良い監督が多い.

     押谷
   石原  関戸
田所 島田  仙石 田中
 植田  竹田  後藤
     中林

 この日は押谷,関戸,島田とメンバーを入れ替えてきた.チームに梃入れしようと思ったのだろうが,正直我慢するならもう少し長く,しないならもっと早く対応すべきだったと思う.ちょっと中途半端だ.

 試合は完全に岡山ペースだった.関戸がようやく思い切りを取り戻したことに加え,島田の攻撃の意識の高さ,特に攻撃参加が非常に効果的だった.これまで不足していた前線の人数の問題が解消された.そのおかげでポゼッションは上がりシュート数もかなり増えたという印象だ.
 そして得点はセットプレーから.このところ仙石のFKの精度が上がってきていたところに植田が飛び込んで先制.あのくらい精度が出るようになればFKも武器になるだろう.

 ただこの試合の問題はここからだった.ずっと試合を押しているのにシュートが決まらない.シュート直前とシュートでミスが多い.やはりもう少し相手を外すパスやシュートが必要だ.キャプテン翼みたいにネットを突き破るようなシュートはいらなんだから.

 取るときに取らないと取られる.鉄則というだけあってその的中率は高い.この日の試合を見ていたら1点勝負じゃないことは分かった.だったらもう1点とれば良かったのだが,ファジアーノの決定力の低さは想像以上だった.まさかPKを2本も外すなんて.
 PKはともかく,それまでに何点も取れるような状況を生かせなかったことがすべてだ.それらのチャンスで得点できなかったのはトラップ技術の低さが原因だ.「それ止めれんの?」というミスが何度もあった.だからこそJ2の選手なのだが.やっぱり基本は大事だ.止められるから余裕を持ってシュートできる.難しいプレーよりもそういう基本をもっと向上させて欲しい.

 という1-1の試合.石原は今季が重要だと思っていたが,この試合がその中でもターニングポイントになるかもしれない.この日の失敗から今後どう生き返るか.彼がアマチュアに毛が生えたような選手か,それとも本物か.清水の判断が正しかったかどうか.しばらく注目したい.

 しかしPKの場面で「日本代表と同じような…」なんて実況があったが,冗談も程々にして欲しい.あんな片田舎で1万人程度しか注目していない屁みたいなプレッシャーと代表が同じ土俵に上げないでほしい.そして選手も屁みたいなプレッシャーと思ってプレーできる度胸が欲しい.あんな屁にも負けてしまうメンタルじゃJ1で戦うなんて絶対無理だが.
 とにかく「福岡戦で勝利できなかったことが,ファジアーノにも石原にも大きく響いた」.あとからそんな風に言われなければいいが.それでは勝手に採点.

押谷(5.5)ミスも多かったので
石原(3.0)責任というのはそういうもの
関戸(6.5)かなりスムーズにチームを動かした
田所(6.0)CK含めて思ったほど効果的なプレーでなかった
島田(6.5)MOM.守備は知らないけどこういうプレーは良い
仙石(6.0)少し雑だったが良かった
田中(6.0)縦は完全にチームの武器
植田(6.5)あとは安定感
竹田(6.0)もっともっと前に出て良い
後藤(6.0)この日は攻撃は抑え目
中林(6.5)キックの精度はもう少し欲しい

荒田(5.0)あれ外したら駄目,っていう場面
妹尾(5.5)ドリブルやめたら存在価値がない
久木田(5.0)殆ど見せ場無く

影山(4.0)
 どうしても石原を外したくなかったみたいだが,それが裏目に出た.荒田と押谷の共存,もしくは久木田の早期投入で停滞を打開した方が良かったはず.ここまで見ても分かるように組織的にシャドーを生かせないのだから,選手の個人能力依存で戦う方向にいち早く舵を切るべきだ.自分の戦術に合った守備的選手を起用して得点できないという今の状況はもう十分だろう.
 大体この日の攻撃のアクセントだった島田を途中交代させるなんて.勝ちたくないのだろう.