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最終節 福岡戦

2010-12-07 23:46:37 | ファジアーノ岡山
 今季はホームで最終戦を迎える.ただ監督やトップチームの選手の契約満了も発表がなされておらず一つの消化試合に過ぎなかった.シーズン終了セレモニーはあったが,他の用事を押しのけて関西から駆けつけるほどの価値は感じなかった.しかももし負けたりしたら….
 そんな人が昨年と比べても増えたのか昨年のホーム最終戦より観客数は少なかった.晴れた土曜の昼で条件は悪くなかったのだが.この意味をクラブはよく考えておくべきだ.

 この日は怪我から岸田が復帰したがキムはベンチのまま.出場停止の近藤に代わり後藤.大きな戦力ダウンではない.けれど試合は開始直後からしばらくは押し込まれた.いつものことではあるが最初からペースをつかむことができない.ただ福岡相手でも10分ほどしてようやく自分たちのペースへ持ち込めるようになったのは今のチームに力がある証拠だろう.
 そしてその流れのままファジアーノが先制.相手の堅い守備を破れない中,白谷が一度セットプレーを奪い,そこから奪ったCKで得点.ペースを手繰り寄せ,その勢いのまま先制するという理想的な展開.「こんな流れで負けたらかなりショックじゃろうな」.そんなことを思いながら後半を迎えた.

 もちろんJ1昇格を果たした福岡が易々と勝たせてくれるはずもない.久藤の引退試合であり契約を切られた大久保の最後のリーグ戦.消化試合モードではない.
 そしてたった一つのプレーが大きく流れを変える.岡山は後半に入っても十分に戦えていた.けれど「またもや」セットプレー.もちろん相手のFKはかなり素晴らしかった.けれどそのセカンドボールを眺めるだけの岡山の選手.詰める福岡の選手.ついこの間セットプレーの次の対応が遅いと指摘されて失点したばかりなのに.
 チームがわずかに下を向く.福岡に一気に流れが移る.そしてちょっとした判断ミスとトラップミスから攻め込まれ,その流れの中で引退する選手に逆転ゴールを奪われる.50分からたった5分で逆転されゲームを決められた.まあ逆転されるようになっただけマシと考えられなくもないが….

 
 勝負弱い.今季はこの言葉に尽きるだろう.勝負どころの殆どで負ける.やはり監督を含めチームの核がいないことが大きいと思う.誰も流れを変えられない.それはチームにJリーグで成功経験を持つ選手がいないからだと思う.それを埋めるのが監督だと思うのだが,影山はその穴を埋めるどころか広げていたようだ.うすうす感じていたのだがこんなコメントをこの日残している.

「相手に合わせてということはほとんどせずに、自分たちを出して、個を育て、チームを育てというのを核となる考えでやってきた。そういう部分では、もしかしたらもっと勝ち点を取れたかもしれない。」

 この監督は今シーズン勝負を最優先にしてこなかったのだ.そんな指導をしていて勝負強い戦いができるはずもない.そんなチームが,必死で勝ち点を奪いにくるチームを凌げる訳がない.そもそも相手に合わせないという方針自体がファジアーノにとって大きく間違っている.
 弱いチームの選手はだいたい個の力で劣っているがそれ以上に劣っているのはメンタルで,それが必要以上に実力差を生んでいる.だからこそまずは選手に自信を持たせることが必要なのだ.それには勝利が必要であり,勝利するためには個の力で劣るチームならば,チームとして相手を上回る必要がある.そして勝利を積み重ねることが自信へと繋がるのだ.

 そしてこの方針が何より間違っているのは,有料で観客を集めながら観客に勝利を最優先とした戦いを見せていなかったということだ.「勝てる方法はあるかもしれないけど,将来のために戦ってるんでそれはしないから.」簡単に言えばそういうことをこの監督は言っているのだ.
 その日しか見れない客だっている.毎試合勝利を願っている人もいる.遠くから時間とお金を使ってきた人もいる.アウェイまで見に行った人もいる.そういうお客に向かってこのコメントをもう一度言ってほしい.
 内容(将来)は練習で積み上げるべき,試合では結果を残すべき.試合は練習の場ではない.勝ち点を奪いに行き観客にベストな「結果」を見せる場所だ.
 そもそも結果より内容を重視している割にやっているサッカーの内容も出場している選手の能力次第という酷いものだったのだから救いようが無い.結果の残らないサッカーを積み上げても無駄だという証拠でもある.

 そもそも自分たちのサッカーを押し通していいのはバルサとか極一部のチームだけだ.それでは勝手に採点.

白谷(5.5)結局4点どまり.もっと欲しかった
岸田(5.0)トップコンディションからは遠かった
小林(5.0)ボールを持つと弱い
川原(5.5)積極的に前を向けていたと思う
千明(5.5)後半消えるのは何とかしたい
田所(5.0)攻撃の見極めと連携とバイタル付近での守備
野田(6.0)シーズン終わりに向けてどんどん良くなった
澤口(5.5)攻撃は比較的良かった
野本(5.0)相手に振り回された
後藤(5.5)縦パスのケアを大事に
真子(5.5)FKは惜しかった

東明(4.5)極端に最後の精度が落ちる
三木(4.5)起点になれず
喜山(4.5)今起用されるべきではない

影山(2.0)
 この日のコメントをシーズン最初に聞いていたら応援する自信は無かったし,このコメントで今シーズンの謎が解けた気持ちにもなった.勝てるわけの無い戦いを挑んでいるチームに勝利を願っていたのだ.勝ち点を取る気が無いならお客の前で試合をしないで欲しい.ネクストとかちょうどいいのでは?来期は監督もネクストと入れ替え制で挑んでみるのも良いかもしれない.

第37節 柏戦

2010-12-02 00:29:44 | ファジアーノ岡山
 今季のJ2優勝チームとアウェイでの対戦.ファジアーノもほぼ17位が確定.完全な消化試合.ただ相手はホーム最終戦.無様な試合はできない.それを示すかのように主力が先発.岡山としては今の実力を試す良い機会と考えるのが良いだろう.
 しかしこの日はFW岸田が負傷離脱,キムも体調不良で急遽離脱,とかなり不安な状況.ただ柏がセレモニー気分で気が抜け気味ということを考えればちょうどバランスが取れているのかもしれない.

 その試合.やはり選手個々の能力差は明白で柏優位の展開となった.一番の不安は林とマッチアップした野本.相手に体をうまく入れられ見事に前線に起点を作られてしまっていた.いつやられるか?と思ってみていたがこの日はやはり柏はセレモニー.そういうチームはゴールが遠くなるものだ.
 そんな状況だったが岡山は一方的に攻められたわけでもない.最近の「内容は良くなっている」というコメントはこれまでよりちょっと真実味がある.柏相手にもロングボールの単発にならずある程度意図する攻撃ができるようになっていた.

 ただし最後のところの強さはさすがに優勝チームでゴール付近では殆ど簡単にプレーさせて貰えなかった.また白谷や千明への相手のマークがちょっと厳しくなりつつあるようにも感じる.彼らはここからがスタートだろう.

 試合は0-0で後半へ.と開始直後に相手がシミュレーション!,と思ったらPK.まああんなところであんなプレーをするようだからアジア大会で出場機会をもらえなかったのだろう.もちろんあそこまで前を向かせた野本も悪いのだが.

 試合は0-1となり攻撃に決定打が無い岡山にしてみればかなり厳しい状況となった.そしていつものように交代もせず時間だけが過ぎた.何ら突破口が無いまま満然と試合を進める時間が多かったのは今季の大きな課題だろう.
 後半23分にようやく西野を投入したが白谷をSHに下げた.一番得点のにおいがする選手をゴールから遠ざけるなんて…,と思っていたらプレシャーの緩くなった白谷がうっぷんを晴らすようにプレーし,そしてゴール前へボールを持ち込む.白谷のシュートのこぼれ球を拾って西野に落としてゴール.もしこれを想定していたとしたら見事な采配だが単に好調を維持している西野を使いたかっただけらしい.判断しづらいところだ.

 何にしろ同点.そしてそこからも引き締まった見所多い試合が続くかと思ったが,小川直仁という未熟な審判が試合をぶち壊してしまった.彼はお金を払って見に来てもらうエンターテイメントを裁くということを,体育の授業で生徒に言うことを聞かせることと勘違いしている頭の固い審判だろう.Jリーグはああいう審判にまずレッドカードを出す必要がある.

 とは言え,おかげで数的優位の状況となった.しかしそこからすぐに攻撃的選手を入れずにATに選手交代.自ら遅延行為を行う.これだけ思い切り悪い采配をしていれば出てくる結果も思い切りの良いものにはならないだろう.結局最後は投入した喜山が二人も数的優位な場面でしょうもないパスミスをしてゲーム終了.数的優位になってから殆どチャンスを作れなかったのは大きな課題だろう.


 この試合の後に現監督が来季も指揮を執ることが決定した.真っ先に補強すべきポジションであったはずなのだが.来季も同じことを繰り返すのか?もう1年同じ苦しみを与えられるのか?ライトなファンなら簡単に心が折れるだろう.また来年も同じように負け試合を見せ続けられる可能性が高まったのだから.

 ドイツや南ア前と同じような気持ちで勝手に採点.

白谷(6.0)ゴールのきっかけを作った.でもゴールが欲しい
東明(5.0)周囲と合わない.ミスが多い
小林(5.0)必死なのは分かるが不足分が多い
川原(5.5)攻撃のポイントになれたが
千明(5.5)いくらかゲームは作ったがボールに触れなかった
田所(6.0)フリーランニングは良いが戻りも速く
野田(6.5)攻守両面で光るプレー
澤口(5.0)裏を狙われた
近藤(6.0)この相手に1失点は及第点
野本(5.0)林に負け劣勢を招いた
真子(6.0)安定したプレーだった

西野(6.5)昨年の好調時を思い出させる
喜山(4.5)千明不在を感じさせるプレー
三木(-.-)

影山(4.0)
 勝つ気があるのか悩んでしまうゲーム運び.試合には得点差があり,その状況に応じて戦う必要があるのだが,いつも同じことをしている.通用しない攻撃を何度も繰り返して選手の自信を失わせているようにも見える.