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第35節 千葉戦

2013-10-31 17:34:38 | ファジアーノ岡山
 ほぼPO進出の可能性が無くなった状態で,最後の望みを賭けて千葉と対戦する.ここで敗れれば本当に終わりだ.

     押谷
   清水  民均
田所 島田  千明 田中
 近藤  後藤  篠原
     中林

 竹田が出場停止で篠原を起用.正直前回のプレーが悪かったので怖いが,最近の竹田の酷さに比べればマシかもしれない.またFWは石原を外して清水を初先発させた.ようやく清水がフィットしたと判断したか.相変わらず新戦力の起用には慎重な監督だ.

 試合はかなり厳しいものだった.千葉は連敗中ということもありかなり厳しくアプローチをしてきた.それでも防戦一方にならずカウンターを織り交ぜながら攻撃を繰り出していた.試合は4.5分対5.5分くらいだったと思う.そんな中で気になったのが切り替えの遅さ.特に攻から守の遅さだ.このところ失点も多く,ここで1点でも取られればチームが崩壊してしまう感じさえあった.
 ただ良かったのは千葉がファジアーノを大きく上回っていたのが個人の能力だけだったことだ.千葉の攻撃陣はまとまりに欠けPA付近から前にボールをつなげない.その上ラストプレーの精度も不足していた.森本の足下の技術と体の使い方は上手かったが.彼が周囲と連携でき,なおかつ試合勘も十分だったら守りきることはできなかっただろう.
 前半はお互い危ういプレーをしながら拙攻だらけで0-0のままだった.ただ岡山にしてみれば千葉のように前に出てくる相手だとチャンスが作れるという,これまでの経験どおりの試合だった.つまりチャンスはある,と思える試合だった.

 試合が動いたのは後半早々の千葉のDFのミスからだった.山口を中心とした千葉の守備は固かった.サイドからの攻撃は殆どはじき返されていた.ただ彼らのボールの際に何度かルーズなミスが目立っていた.まるでJ2中位の岡山のような.そんなルーズな守備の中の1回を清水が得点に結びつけた.やっぱりこの清水という選手はかなりのストライカーだ.あの場面で左足でニアを狙って決めてしまうのはちょっと凄い.ゴール前であれだけ落ち着けるのは才能だ.
 そこからいつものように引いてしまって防戦一方…,になるかと思ったがそこまで一方的ではなかった.岡山は何度か押し込まれた後,落ち着きを取り戻し上手く時間を使いながら追加点を狙っていた.そして清水がカウンターから2点目.これも落ち着き払って簡単で無いシュートを決めた.民均の見事なスルーパスからのゴールだった.こういう形が出るようになってきたのは良くなってきた証拠だ.

 ここまでのファジアーノならここで失点をして危うい形で試合を終わるのだが,この日は復帰した荒田が,これまた民均の素晴らしいスルーパスを受けてゴール.カウンターばかりの得点となったが,試合を見れば岡山がカウンターのチームでなかったことも分かるはず.前3人と島田,千明がポジションチェンジを繰り返しながら両WBが幅を作る,という中々見事な攻撃を組み立てていた.特に民均が入ったことで彼のところで時間を作れるため,島田と千明がこれまで以上に攻撃に上手く絡めるようになってきた.二人とも上がってしまう場面は怖かったが.もちろん好調押谷とフィットした清水の攻撃力があってこそだが.

 という文句なしの3-0の勝利.シーズン序盤に「3-0くらいで勝てるようになったら本物」と書いたが,ようやくそれが実現した.前3人が昨シーズンと変わったことでどうしても時間が掛かってしまうということだろう.ちょっと影山が慎重な選手起用をするタイプというのもあるが.
 対する千葉は何年もJ2で苦しんでいる.しかし今季は実績のある鈴木監督を向かえ固いサッカーを積み上げてきた.今は生みの苦しみという奴だろう.今年も残留して監督を代えてくれれば来年も楽になるのだが.徳島のように我慢されると大変だから.
 それでは勝手に採点.

押谷(7.0)得点こそ無かったが貢献度は抜群だった
清水(7.5)MOM.見事な2得点.完全移籍は難しいレベルの選手か.
民均(7.0)復帰後ベストパフォーマンス.次はゴールで.
田所(6.0)クロスの質の低さが目立ったが攻撃の起点だった
島田(6.5)攻撃への見事なアクセント.戻りは早くしたい
千明(6.5)攻守に貢献.そろそろゴールも欲しいところ
田中(5.5)優位になれなかった.
近藤(6.0)ちょっと切り替えの遅さが目立った
後藤(6.5)久しぶりの無失点
篠原(6.5)前回と比べれば見事な守備
中林(6.5)いつものプレーに戻った

荒田(7.0)この日にゴールするのは流石
石原(6.0)清水に負けてられない
仙石(-.-)時間つぶしの悔しさをバネにして欲しい

影山(7.0)
 ようやく合格点という感じ.前節は一体何だったのか?どんなタイプの相手でも安定したプレーを続けさせられるようになれば

第34節 北九州戦

2013-10-29 00:20:42 | ファジアーノ岡山
 ここからはPO進出を目指すならもう1試合も負けられない.特に下位に沈む相手に負けるというのは精神的にショックが大きい.前節の良い戦いを思い出して欲しいところだ.

     押谷
   石原  民均
田所 島田  千明 田中
 近藤  竹田  後藤
     中林

 前節と同じメンバー.前節良かったメンバーは変えなくなってきたようだ.

 この試合は岡山の方が1つ格上の内容だった.チーム戦術の浸透度や引き出しの数,安定感など殆どの項目でファジアーノがっていた.それでも北九州はクラブとして厳しい状況の中で,前回対戦と比べるとかなりチームが仕上がり,カウンターならば勝負できるようになっていた.そしてこの日はそれを生かして見事に勝利を掴んだという感じだった.
 岡山は取るべきときに得点できなかった.よくある話だが,何度も繰り返していることでもある.思惑通り試合を支配してもその先がないというのは選手だけの責任にはできない.

 このような結果になったのは,結局は得点能力のある選手を獲得できなかったフロントの責任だ.もちろん荒田というストライカーを獲得した.しかし昨年のチアゴのように実績のある控えがいなかった.実績(や可能性)のあるフィニッシャーが1人でJ1を目指すなんて流石に無理がある.
 だからこそ攻撃のスタイルを川又のようなCFW依存から変える必要があった.その一つとしてボランチの攻撃力の強化が必要だったが,それは島田の加入で実現できた.しかしシャドーとCFWの連携強化は33試合を終えた今の時点でも何ら方向が見えない状態だ.つまり影山の攻撃戦術構築の弱さのために今季のアタッカー重視の補強では得点力を上げることはできなかった.

 結局強化方針が間違っていたのだ.影山を使うならストライカーの個の能力に頼るしか得点力を上げられないし,そこそこのアタッカーしか獲得できないなら影山を変えるしかなかった.事実清水を補強してからチームは上向きになった.彼がもう少し早く馴染んでいればこの日も勝ってただろう.とは言えそんな当たりに頼ったチーム作りは岡山では難しいのだから,変えるべきところはもう明確だと思う.
 もちろん貧弱な攻撃を支える守備は充実させておく必要がある.ポゼッションを高めて守備機会を減らす方向は,個の能力に期待できない岡山にとって必須だろう.それでも今季は守備に綻びも目立ち始めた.特に竹田は相手にバレたように思う.


 個人的に思っている理想は,サッカーの内容もクラブのスタイルもドルトムントだと思う.都市規模は変わらない(倉敷を入れればこっちの方が大きいくらい).多くの人に愛され,スタジアムが人で埋まり,そしてそこで若くポテンシャルのある選手が献身的に長い距離を走るダイナミックなサッカーを繰り広げる.
 8万人入るドルトムントだって最近まで陸上競技場を使っていた.そう思えば岡山だってなれないことはない.日本でダントツの観客を動員するアットホームな熱狂をもったクラブになる.もちろん長い目で見る必要はあるが.100年続くことを目指すというが,その時にあるクラブの姿に関しても少しはクラブは触れても良いと思う.

 クラブの次の10年は本当に大事な時間だ.何か今年が終わったような書き方だが,この試合はそういう意味を持っていたということだ.それでは勝手に採点.

押谷(5.5)難しくなくて良いので点が欲しい
石原(5.0)雑だった
民均(5.0)少し判断が遅く守備の戻りも遅い
田所(4.5)無駄に熱くなっていた
島田(5.0)守備への切り替えが遅かった
千明(5.0)もう少し丁寧さが欲しい
田中(4.0)空回り
近藤(4.0)決勝点に繋がるファール.スピードが不足
竹田(1.0)年に何回同じようなミスを繰り返すか?
後藤(4.0)遅れた対応が目立った
中林(6.0)何度も助けたがキックで流れを壊す

清水(6.5)完全で取れれば面白い選手.せめてシーズン頭から欲しかった
桑田(4.0)使うには遅過ぎ
久木田(4.0)何もなし

影山(4.5)
 桑田を使うならもっと早く.一番彼の特長を知ってるはずなのにあの使い方は無い.