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チリ戦

2009-05-29 23:06:48 | Sports:football(A代表)
 久々にファジアーノ以外の話題.ACLもUCLもJ1も見ているが,さすがに記事にする時間が無い.A代表くらいは.

 相手は昨年も来日し良いパフォーマンスを見せたチリ.それよりもトゥーロンのチリの印象の方が強いが.主力は来ていないにしろ好ゲームが期待された.しかし結果として試合は期待と少し違ったものだった.

 日本は怪我人等のために布陣がいつもと異なる.阿部や今野はチームとは異なるポジション.何のために本職がいるのか疑問に思う布陣だった.W杯メンバー発表後ならともかく.
 試合はチリのコンディションが良い事もあり引き締まった立ち上がりを見せた.その中でも日本のプレーは良かった.これだけ選手が変わりながらも主力メンバー時と変わりないプレーをしていたというのは驚きだった.好チームチリに対し徐々に主導権を握っていった.

 ゲームを動かしたのはこの日注目の選手の1人,オランダ2部MVPの本田.2部とは言えアジアに偏見を持ちがちな欧州の国でタイトルをとるというのは相当な価値がある.その本田はこれまでとは違う面を見せた.運動量は確実に増えたし,何よりフィジカルの充実振りが目立つ.そしてゴールに向かうプレーは特に日本人離れしていた.これがあの北京で散々だった本田か?という感じ.

 その彼のシュートは昔からの豪快で,得意の無回転はGKがはじかざるをえないものだった.そこに詰めたのはストライカー岡崎.この日2点めも奪った岡崎(中澤はオフサイド臭かったけど).彼は昨年から大きな可能性を見せていたが,この日のゴールは可能性という言葉はもう似合わないと思わせた.個人的には佐藤と並びゴール前で仕事をこなせる数少ない日本人だと思っている.

 岡崎の2点で有利な立場に立った日本.そこにおいしいおまけがついた.玉田の負傷により山田が交代出場したのだ.この日一番の注目は彼.今季J開幕2戦めか3戦めで初めて彼をJの舞台で見たのだが,そのパフォーマンスに思わず目を奪われた.とにかく状況判断が素晴らしい.常に周りの状況を把握し(そのために何度も首を振る),次のプレーを意識して動き,次のプレーを意識してボールを受ける.だからこそ全ての動作が速くなる.とても魅力的なプレーヤーだ.
 中田と小野をあわせた感じというかシャビというかイニエスタというか.フィジカルが課題だろうから代表はもう少し先かと思っていたのでこんなに早くに代表に選ばれたのは意外だった.

 そしてこの日のプレー.正直リーグ戦よりは落ちた.やはり緊張もあったのだろうし連携の問題もあったと思う.それでも何度も面白いプレーを見せたし他の代表選手と比べても何ら遜色ないかった.運動量と状況判断は代表でも上の方に入るようなプレーだった.そして一瞬の速さでシュートまで持ち込むことも出来る.結局アシストも決めた.来年南アフリカに行けば,フランスの中田のような扱いをされるかもしれない.もっと大きな舞台で見て見たい選手だ.


 と言う試合.とにかくこれだけ面白い代表戦は久しぶりだった.チケット手に入れられたのに忙しさに負けて長居に行かなかったことを後悔した.そういえば長居の代表戦は好ゲームが多い.
 とにかく最近はアジア(豪州含む)との試合ばかりで相手が低いラインでスペースの無い戦いばかりだったので,チームの成長が確認できなく苛立たしい試合が続いたので,ようやく日本のチームの現在地を知ることができたという感じだ.こういうのを見ると,日本はアジアではもうサッカーらしいサッカーはできないのかもしれない.

 文句を言うなら守備だろうか.特に駒野のところは狙われゴールへ繋がるプレーを何度もされていた.あれで失点しなかったのは相手が主力ではなかったからで,もし主力ならば2点くらいは取られていたと思う.この辺りの修正をするためにも早くW杯を決めて前に出てくる強豪相手に練習試合を多く組みたいところだ.

 もう一つ文句があるとすればTV局.視聴率を取りたいのか知らないが,プレーが始まっても得点シーンのリプレーの連発.実況も解説(金田)も良かっただけに残念だ.あと小倉のインタビューも….そんなに本田が好き?2得点した選手が先でしょう,普通.

第17節 草津戦

2009-05-28 22:53:44 | ファジアーノ岡山
 相手は草津.選手としては元代表の広山が有名.それ以外にも都倉という長身FWもいる.前節の試合を見るとそんな彼らよりショートパスをDFラインから繋いでビルドアップする姿が印象的だった.ただこういう相手は岡山とは相性がいい.期待できる相手だ.
 岡山はFWに武田,SHに喜山を下げ,アンカーの位置にCBもこなす竹田,左SBはCBが本職の野本を入れた.この布陣を見て正直「今日も駄目かも」と思った.ちょっと守備的だったからだ.そして結果として駄目だったが,その駄目さは自分が思っていたものとはちょっと違った.

 まず課題の試合の入り.これは前節に比べかなり改善されていた.選手のコメントを見ても意識していたことがわかる.これにより前節僅かに見られた改善傾向が更に明確になった.その中でFW2人の関係が良い.裏を狙う武田と体を張る西野のスタイルは噛み合う.特に武田はDFに向かったプレーをするので相手最終ラインを楽にプレーさせないのが良い.
 そのこぼれ球には保坂が絡むこともでき相手を押し込むことができた.この日の保坂はまだミスもあるが運動量もありプレーにキレが戻りつつあるように見えた.年間通してのプレーは初だろうから安定したパフォーマンスを出すのが難しかったのかもしれない.また意外に良かったのが竹田.アンカー役として守備的なプレーはもちろん,スペースの無いときでもある程度パスの起点にもなれていた.
 逆にあまり変わらなかったのが小林優.相手がいる状況でのプレーの精度が低く,また前に向こうという意思も少なくボールを前に運べないため攻撃のアクセントになれないという状況が続いた.

 そんな中この日見えた課題は,草津のようなショートパスを繋ぐ相手に対するボールの奪い方だ.西野はかなりチェイスするのだが周りとの連動は時間が経つごとにずれ,更にプレスを始める位置もチームとして曖昧な感じ.結局そこでマークのズレを作られサイドチェンジされ不利な状況を作られていた.当然ボールへのプレスが甘いと高いDFラインを狙われてしまう.これが今のチームの大きな課題だと思う.
 対する岡山は相手FWのプレッシャーでミスを連発する.植田はかなり良くなってきたが(それでも危うい場面を作っていた),キムと李はプレッシャーに弱い部分を突かれた.そしてキムはスピードが無いというところも狙われていたように思う.


 この日気になったのは三原.ボールを持ったときの落ち着きは良いし,技術もある.最も良いのはゴールへ向かって行くスタイルだ.ゴール前に顔を出すのは現代の攻撃的MFに求められるスタイル.途中出場だったが喜山よりゴール前に顔を出していたと思う.ただ起用時間が短いために連携や試合慣れが出来ていない.元々SBなので運動量はあると思うし先発で試す価値はあると思うのだが.もし三原が成長したところに妹尾が帰ってきたら結構面白いものが見れると思う.

 という試合.チームは変わりつつある.けれどその度に足りない部分が見えてくる.この繰り返しを出来るだけ速くまわすことでチームも好循環へ向かう.できるだけ速く回せるようチーム全体で努力してほしい.
 次に課題となるのは攻守の切り替えだろう.「足が止まっているからボールを奪われた瞬間にピンチになる」とはイビチャさんのコメント.元気がなくなったときほど意識して欲しい.

 それでは勝手に採点.

西野(5.0)ポストプレーはともかく枠に飛ばないシュートは.
武田(5.0)動きは良いが結果が残せない.
喜山(4.5)簡単に言うと攻撃で時間をかけ守備が甘いMFでPA内にいないFW.
小林優(4.5)少し良くなってきたんだけど.
保坂(5.5)かなり動きが戻ってきた.
竹田(6.0)思った以上に良い動き.この布陣なら植田も上がり易い.
野本(5.0)攻撃は期待できない.
澤口(5.0)悲しいクロスが続いた.左が野本だっただけに工夫が欲しい.
植田(6.0)気持ちの入ったプレーは良かった.
キム(4.0)1人で試合を決めてしまった.
李(4.5)今の状況で使う方が悪い.

川原(5.5)最後のところを工夫すれば.前節の反省はプレーに見えた.
三原(5.5)もっと時間を与えてあげないと.

第16節 東京V戦

2009-05-22 23:31:43 | ファジアーノ岡山
 前節の東京Vの戦いぶりを見て,負ける可能性は高いと思った.大黒や土肥というW杯選手のレベルの高さもあるが,それ以外の選手の質も高かったからだ.特にスピード,動いているときのボール扱いに違いがあった.そこに強力FWが2枚いる.そもそも元J1だし.
 穴があるとすれば若さ故の守備の不安定さ.そこを突いて先制できれば…,とは思ったが.出来る限り予想を裏切って欲しいという気持ちでの観戦だった.

 しかし試合は予想通りにすすむ.ただ岡山も前節までのような酷い内容だったわけではなく,チームが変わろうとしている意思は見えた.単純なクリアを減らし最終ラインから組み立てる,前が空けばドリブルで持ち上がる.まだまだレベルは低いがとにかくチームを良くしようという意図は見えていた.
 ただJリーグはこの程度では戦えない.特にこの日致命的だったのは大黒の存在.ボールの有無に関わらず質の高い動きを繰り返す.全体的な技術はJ2では別格.そこに絡む林.高さも強さも足元もある.彼ら2人にDFラインは振り回され,押し込まれ,それによりチームは浮き足立った.

 J2ではJFL時代のように何となく試合に入れば一方的な試合になるし,この日のように悪くない入りでも実力で上をいかれる.しかもどのチームも試合開始直後から主導権を握ること重視しているから余計に差が出ているように見える.
 立ち上がりを制し先制点を奪えば立場は一気に有利になるし,得点できなくとも相手を走らせ疲弊させ,その後疲れを突いて戦えば良い.高いレベルになればなる程選手のミスは減る.だからこのような試合運びの方法まで考えた攻撃により隙を突くことが重視されているように思う.これがJFLとの大きな違いだろう.

 相手は序盤を制するために90分持たないような力と集中力で挑んでくる.だからこそその時間帯に岡山は全く得点できていない.実力が上の相手が更に集中して戦い,実力が下の岡山が何となく試合に入っていれば,実際の実力差以上の内容になって当然だろう.
 そのまま先制され,前掛かりになったところをカウンターされ,相手が試合コントロールしだしたところで意地を見せて…,という常に後手後手の戦いになっている.

 今の岡山の最も大きな問題点はここだろう.試合序盤で必要以上にレベル差を感じさせられ弱気になり,相手は逆に自信を持たれ伸び伸びとプレーされる.こんな状態ではいくら素晴らしい戦術があっても勝てないだろう.

 部活なんかのレベルでもある当たり前の話かもしれないが,プロだからこそ技術よりこういったメンタルに関わるわずかな差が結果に大きく影響しているように思う.


 この日の試合.良いところを探すのは難しかった.わずかに変化を感じた試合内容か.あとは三原のセンスのある動き.入ることで流れを変えてゴールへ向かう嫌なプレーを続けていた.メンタルもマイペースで動じない雰囲気がある.こういう時期だからこそ彼を使い育てることを考えても良いように思う.


 昔のことをちょっと思い出してみた.ファジアーノは05年,06年の地域リーグ決勝大会やJFLでは格上のチームにひたむきさで戦い勝利を得てきたチームだった.そしてJ昇格後の小林康のコメントも思い出した.「Jは頑張るだけでは通用しないところ」.ひたむきさというスタイルで戦ってきたファジアーノは,初めてそれが通用しない舞台に立ち,そこでもがいているのだろう.この壁を乗り越えたとき,また新しいファジアーノのスタイルが出来ていることに期待したい.

 では勝手に採点.


西野(5.0)あれだけ狙われたら.ただFWは結果が全て.
喜山(5.0)体の線が細い.プレッシャーある場面に弱い.このままでは….
川原(5.5)攻撃へのアクセントにはなれたが奪われ方が悪い.
小林優(5.5)攻撃のアクセントになれていない.特に前半.
保坂(5.5)前節よりかなりマシなプレー.まだミスが多い.
小野(5.0)休みが必要だ.足が止まってきた.
尾崎(4.5)弱気なプレーと軽い守備.
澤口(5.0)一旦攻撃は忘れよう.持ち前の安定した守備をしっかりと.
植田(5.0)軽率なパスは変わらず.
野本(5.0)受身なスタイルかもしれないけど.
李(4.0)判断の悪さが全体に響いている.あの状況でPKを与えては….

武田(5.5)次は先発で.FWとしての怖さがある.
三原(5.5)前へのプレーと日本人離れした雰囲気は面白い.長い時間見たい.

第15節 愛媛戦

2009-05-19 03:46:32 | ファジアーノ岡山
 前節の愛媛の試合を見て結構可能性はある相手という印象.岡山同様走るスタイルだがゴール前までボールを運ぶ形があまり無くチームからは停滞感が漂っているように見えた.中盤のプレッシャーも少ないこともそう思わせた.
 ただ当然不安もある.出場停止の植田の代わりが負傷明けの野本ということだ.試合勘と連携はすぐに回復しないだろうからだ.
 そしてもう一つ.FW喜山・MF武田という布陣.武田のMFも不安だが,それ以上に2トップの連携が不安だった.喜山はボールを触りに行くためどうしても西野と距離が離れ前線が薄くなる.そして西野が孤立し手詰まりになる.また2人とも裏を狙うタイプでは無いことも機能しない一員だろう.
 多分その問題点を解消するためのSH武田だろう.FWと絡ませ,裏も狙う.この日の見所だった.

 試合が始まる.両FWの距離感は開幕当初より改善されているように見えた.ただ喜山よりも武田の方が西野のこぼれ球に対するアクションが速かった.喜山をSHにするともっと前に絡まないのでこの布陣は成功だったのかもしれない.ただこの日は西野が殆ど競り勝てず攻撃が殆ど形にならなかったのは残念だったが.
 そして気になる野本.こちらも不安的中というところ.キムも野本もそれぞれの動きが悪いわけではなくポジションのバランスが悪い.そこに久しぶりの尾崎の不安定さが加わった.

 ただそれ以上に悪かったのは中盤だ.序盤からミスばかりだった.保坂は自信を失ったようなプレーが続き,小野はテーピングの右足が痛むのか運動量が少なく,濡れたピッチが苦手なのかボールタッチも悪すぎた.
 中央が安定しない岡山.相手がボールが渡ったときのバランスも悪く,相手に簡単に前を向いてプレーされ,そして殆どシュートまで持ち込まれた.前節の酷い内容が思い出されるような状況だった.頼むからホームで大量失点だけは…,と祈りながらの観戦だった.

 それでも30分は無失点で守った.それは愛媛が調子が良くないからだろう.しかしゲームはセットプレーで動いた.ただこの失点はハンドだった(スローで2つのカメラで見てそうだった).これは審判の大きな誤審だ.内村は8分にも同様に手を挙げヘディングをし,同じようにハンドしている(そのときも見逃していたが).そういうプレーをする選手というのを審判は頭に入れておかなければならない.守りきれていたら…,と思ったがあれだけ押し込まれれば時間の問題だったろう.

 そこでようやく目が覚める岡山.あまりに遅い目覚めだった.そこから後半2分までは岡山のペースだった.あのくらいのサッカーができる相手だったと思う.
 しかしDFラインの安定感は出ない.そして野本とキムのマークの受け渡しの隙にシュートされ失点….その後岡山は川原を入れ中盤をダイヤモンドに変更.この変更で流れを掴んでいた岡山は流れを失い3失点めを献上するという最悪の流れとなってしまった.

 ここから愛媛は完全にギアを一つ落としたプレーになった.1得点したことは雨の中来場した観客へのお土産にはなっただろう.しかしギアを落とした相手ということを考えると,内容としてどうこう言うべきものは無いだろう.最後まで西野のこぼれ球を狙っていた喜山の気持ちは素晴らしいが.


 この日悪いところはたくさん出た.特に試合の入り方は酷いものだった.あの選手の出来ではいくら戦術を考えても実行できないだろう.監督は戦術よりも選手の試合に対する気持ちの持って行き方を変えたほうが良いのではないだろうか.
 で,良いところも探してみた.一つは復帰した川原がアクセントになれるプレーをしていたということ.単調だった中盤に少し光が見えた.

 もう一つは…,探したが見つからなかった.喜山が久々のFW起用でもうちょっと奮起してくれるかと思ったが.FWの勘が鈍ったような感じになるのは仕方ないか.


 それでは勝手に採点.

西野(5.0)競り合いに負けシュートを外し足元も.
喜山(5.0)もうちょっと良い所に顔を出して欲しい.
武田(5.5)西野のボールに反応しようと準備できていた.
小林優(5.0)相変わらず流れの中では無力.
保坂(5.0)自信無いプレー.覇気も存在感も無く.
小野(5.5)1回どこかで休ませたい.
澤口(5.5)判断ミスが….
尾崎(4.5)パスミスが目立ち守備も不安定.
野本(5.0)復帰戦と言うことで甘めに.
キム(5.0)野本とのバランスに苦労した.
李(4.5)せっかくのチャンスなのだが.キックも悪く.

川原(6.0)1人だけ違うテンポでプレーできていた.
竹田(-.-)

第14節 岐阜戦

2009-05-11 00:08:11 | ファジアーノ岡山
 まだアウェイで勝利の無いチームとしては調子の上がらない相手との対戦で勝利しておきたい.ちなみに岐阜は2006年の地域リーグ決勝大会決勝ラウンドで対戦し敗れた相手.あの借りも返しておきたいところだ.
 前節の岐阜の試合を見る限り岡山とはよく似たスタイル.となるとチームとしての戦術の浸透度の差,そして個人能力の差が出てくる.戦術はともかく選手能力では多分岡山が劣るだろう.厳しい戦いが予想できたがこういう相手を押し切れれば自信になるだろう.

 試合は予想通り同じようなスタイルのぶつかり合いで,必然的に行ったり来たりの無骨な試合になった.それはJFLみたいだった.まあ観客数もJFLみたいだったが.
 試合が進むにつれ流れは岐阜に傾く.ただその展開も「いつものこと」という感じ.ただ岡山コンディションが悪いのかいつもより運動量が少ないのは気になった.いつものロングボールはFWが孤立した状態では殆ど相手に拾われた.小野が動けている間はまだチャンスはできていたが.あのボールにSHが全く絡めていなかったのも問題だった.

 そしてコンディションの悪さがモロに出たのは守備だった.集中力の欠けたDFラインで人と人の間を相手にうまく使われ,そこに2列めからの飛び出し.動けないボランチがそこのケアを怠ればこの状況も必然だろう.また両SBも相手に振り回され,そこをケアしにCBが引き出され中央が空くこともしばしば.相手に良いようにやられていた.

 しかし失点は守備陣を崩された状況からでなく,植田のクリアミスが発端でうまれた偶発的なものだった.そして次の失点もちょっとした油断から.クリアできたと思った澤口が足を止めてしまったことによる失点.2点とも悔いの残る失点で,どうせなら思いっきり崩された方が気持ちは割り切れただろう.選手もちょっと下を向いてしまった.


 0-2となり監督もお怒りだったのだろう.前半途中で2枚の選手交代.正直これは失敗だったと思う.田所は仕方ないにしても,保坂はボールが周辺を通過して行っただけで自分ではどうしようも無い部分があった.まず保坂を本来のポジションにして喜山を前にして妹尾の役割をさせてみた後でも良かったと思う.特に攻撃が持ち味で無い玉林をSHに入れるくらいなら.
 そしてここでカードを使ったため,前半から飛ばしていた相手の足が止まることが予想できたにも関わらず,そのときにフレッシュな選手を入れて反撃に出ることもできなかった.

 そもそも懲罰的な交代でチームが機能するならみんなそうしているだろう.もうちょっとチームを落ち着かせ,対策を施し前を向かせる指示をするのが監督の役割だと思う.


 結局このところ集中力を欠いたプレーの目立っていた植田が2枚目のイエローで退場.1枚目は不運だったが,2枚めは1枚貰った状態で不用意なプレーをした彼の責任だ.若いから仕方ないのだろうが,メンタル面で成長(安定)する必要があるだろう.審判に呆れて笑う前にまず自分に呆れて笑うべきだろう.


 というわけで0-4で敗戦.途中からは見るのも嫌になる試合だったが,2回見ると思ったより印象は悪くなかった.1回めは期待しすぎていた部分があったのだろう.それでも最低ランクの試合には違いないが.
 とにかくチーム戦術は攻守とももう一度見直す必要があると思う.コンディションも大切だが原因はそれだけでは無いと思う.あとキャンプ時に作陽野村監督がやっていた疲れたときの判断力のトレーニングは大事にしたほうがいいと思う.技術の向上より判断力の向上の方が可能性は高いと思うし.


 では勝手に採点.


西野(6.0)シュートは枠に飛ばしたい.
武田(5.5)この日は見所なし.
小林優(6.0)後半は流れの中でプレーできたが.
保坂(4.5)交代はかわいそうだが良いプレーでも無かった.
小野(5.5)後半は完全に足が止まった.見ている方が辛い.
喜山(5.5)セスクみたいなプレーがみたい.
田所(4.0)交代認められて無いのにベンチに戻るなんて.
澤口(4.5)判断の遅さ,スピードある相手への対応が酷かった.
植田(4.0)集中を失っていた.G大阪で試合に出られなかった理由か?
キム(5.5)スピードの相手は苦手.つなぐ判断も欲しい.
真子(5.0)4点取られたら.1点め止めておけば.

玉林(5.0)攻撃的ポジションは厳しい.
竹田(5.5)成長がなければJの舞台では厳しいと思う.
大島(5.5)これ以上FWで求めるのはかわいそう.

手塚(4.0)このままでは無策と言われても仕方ない.

第13節 徳島戦

2009-05-08 02:18:42 | ファジアーノ岡山
 開幕以来の桃スタ.駅からの道は,ファジアーノの雰囲気が皆無に近かった開幕当時と比べ,道中には多くの幟が立ち盛り上がっている感じが出ていた.たったそれだけだが通りの雰囲気は様変わりしたように見えるし,ちょっと嬉しくもなった.次は一般の人にアピールするために駅周辺に何か欲しいところ.コストを考えると駅にあるプラズマにたまに試合結果と次節の日程を出すのが現実的だろうか.この日も徳島からのお客が電車で来たとのことだし,十分ペイできる利益は得ていると思うのだが.
 あと桃スタへの道中で観客目当てに商売もして欲しいところ.試合の日は車社会岡山にしては珍しく多くの人が歩く.それを利用しない手はないと思うのだが.あの道を歩くこと自体を楽しくすれば電車利用が増えるし,もしかすると運動公園周辺のモラル(文化)の低い人々による違法駐車も減るかもしれない….そんなうまくはいかないか.

 とにかく今回思ったのは「ファジアーノは恵まれている」ということ.トップリーグにいるベルやシーガルズでもここまでの後押しは無い.だからこそ桃スタへの道中の幟も3チームの名前のものにして欲しかった(今年はまずファジアーノに集中した方が良いのかもしれないが).本当の意味でファジアーノを根付かすためにもベルやシーガルズを巻き込んだ「岡山」を思うもっと大きな盛り上がりにしたいところだ.


 では試合について.徳島は3年連続最下位のチーム.とは言え今年は違う.ポゼッションを重視した質の高いサッカーに変化した.前節こそ調子は良くなかったが,それでも勝利できる勝負強さも持っている.非常にやりにくい相手だ.
 そして試合も予想通り徳島がポゼッションする.ただそれ程怖く無い.前半は回されて大きく崩されることはそんなになかった.もっとテンポチェンジされたら嫌だったかもしれない.どちらかと言うと31番の高さと徳重のセットプレーから失点しそうな雰囲気だった.

 試合は前半終了直前に動く.と言うと大体岡山が失点するのだがこの日は違った.嫌な時間のCKを凌いだ後2回にわたり左サイドを攻める.その直前から戻りの遅くなっていた相手右SBの隙を突いたプレーだった.小林優が見事なクロスを上げ,ニアに走りこんだ武田がゴール.ここの所上り調子の武田の見事なプレーだった.
 その後も苦戦続きの試合だったが見事に無失点で勝利.どこか昨年の勝ち星を拾えていた頃の試合を思い出した.チームに勝負強さがでてきたのだろうか.

 ちなみにこの日の臼井の出来にはイライラした人が多いと思う.周囲も本人もそういう認識だ.特にこの日悪くみえたのは状況判断.ボールの有無に関わらず自信の無いプレーぶりだった.そのために岡山の右サイドはタメも突破も出来ず死んだも同然だった.ボール扱いはすぐにうまくならないのだから,ボールの無い時の状況判断を改善して欲しい.浦和の山田直とか物凄くいい手本だ.あとは運動量が持ち味なら神戸の田中くらい走って,1試合に数回はゴール前まで走りこんで欲しいものだ.


 この日はCKで喜山がバックスタンドを煽ることで一気に盛り上がり,そして大島のFW起用で一気にテンションは最高潮になった.素晴らしい審判の演出との相乗効果でスタジアムは異常な雰囲気だった.負傷者もいない試合で4分の追加タイムを出した審判もその雰囲気を楽しんでいたのだろう.
 試合終了の笛と同時に弾けるスタジアムは,多分初めて来た人も病み付きになるような素晴らしいものだった.本当に岡山にプロスポーツクラブができたことの素晴らしさを実感したし,そして今県外に住む者として羨ましさも感じた.

 この勝利の雰囲気は地域リーグ決勝大会の勝利の時に近い感じがした.まさか50試合以上あるリーグ戦の1試合の勝利がこんなにいいものとは.選手が諦めないプレーを続ければ,心無いサポーターが自意識過剰にならなければ,この素晴らしい雰囲気は岡山の日常になるんじゃないだろうか.

 では勝手に採点.

西野(6.5)相変わらず持ち味を生かした安定したプレー.
武田(7.0)MOM.文句なし.
小林優(6.5)クロスの精度は十分.あとはそれ以外の場面.
臼井(4.5)まだ20だから.
小野(6.5)長い距離を走れる貴重な選手.
喜山(7.0)ボールの散らしと守備のカバーリングは素晴らしかった.
澤口(6.5)前が詰まっていたので.
田所(6.5)生で見ると守備もうまかった.
植田(5.5)こういう相手はなれているか?クリアが引っ掛かり気味.
キム(6.5)人に対するプレーの強さで貢献.
真子(6.5)守備範囲が広いから間一髪に見えるのか?

保坂(6.0)もうちょっと目立って欲しい.
玉林(6.0)地域からいる選手の活躍は嬉しい.
大島(6.0)楽しませてもらった.

審判(3.0)全体的に下手だった.

第12節 熊本戦

2009-05-03 21:25:20 | ファジアーノ岡山
 前節の勝利の勢いを持ち込みたい岡山.対するは熊本とは2005年の地域リーグ決勝大会以来の対戦だ.ただ当時在籍していた選手はリャンコーチだけか?相手にも殆どいないだろうからほぼ初対戦と言っていいだろう.しかし設立直後の岡山が上を狙っていた熊本に4-3というスコアを残したのは改めて感心してしまう.

 その熊本.藤田というJ2における特別な選手の1人がいる.他にも中山,木島などがいる手ごわそうなチーム.監督の名前もなかなかだ.
 しかしTV中継があったとは言え観客が少ない.1年後の岡山もこうなるのだろうか?


 試合は初勝利効果か,珍しく立ち上がりから締まった試合を岡山が展開する.10分前後から熊本ペースになったが,それでも相手が縦に入れるボールをきっちりケアしてしっかりと守れていた.各駅停車の熊本の攻撃に助けられたところもあった.
 そして試合は27分に動く.武田のドリブルにより得たFKを小林優が直接ゴールへ.アウェイ初の先制点だった.この日の小林はこのFK以外のプレーの出来も良かった.

 この日の攻撃もいつもながら前へ前へだったが,それでも開幕当時にあった3人めの動きが戻ってきており攻撃に少し迫力が出るようになった.その証拠にこの日は相手よりシュートは多かったし,決定機もこれまでより作れていたように思う.特に38分のオフサイドのプレーは,もうワンテンポ早く妹尾の動きに西野が気づいていれば完璧だった.このチャンスと41分の武田のどちらかを入れていれば,という試合だった.

 初勝利した岡山は次の段階へ進む必要があった.前節のように先制後に守備一辺倒で凌ぎきるのはあまりに確率が悪い.これからは先制したあとにどう時間を使い,どう試合を支配し,どう攻め,どう守りきるか?ということを考えながら戦うことが大きなテーマになるだろう.前へばかりのチームでDFラインでのボール回しがレアなチームにこの課題はかなり厳しいものだろうが.
 ちなみにこの日は相手の攻撃をよく凌ぎ,そして時々カウンターからの攻撃もできており,前節のような一方的な展開にはならなかった.しかし支配される時間は圧倒的に長く,この辺りが次の課題だろう.ただ連戦+アウェイ+暑さの条件下ではこの内容も仕方ない部分もある.


 68分,再度ゲームが動く.熊本のボールを奪って攻め上がろうとした植田がボールを奪われた時に,戻ることをサボったところから始まった.植田のスペースは喜山がカバーしたが,喜山のスペースを木島に使われ失点となった.
 C大阪戦と同じプレーだった.攻撃が好きなのは分かったが,特にリスクを犯すときは責任を持ったプレーをして欲しい.


 その後は期待の三原のJデビューで何かが起こるか?と思ったが何もおきない.と言うのもこの時間に小野の運動量が一気に落ちてしまい中盤のバランスが崩れてしまったからだ.玉林が入ることでもう一度バランスを取り戻したが時間も短く,そのままゲーム終了となった.


 相手で目立ったのは当然藤田,木島と両ボランチ.ただ全体として手数をかけすぎなところやサイドチェンジの少なさに助けられた感じだ.逆にそれがあると勝ち点1も厳しかったかもしれない.
 岡山にすれば熊本が調子良くなかったので勝ち点2を失ったという感が強い.勝っていれば物凄く大きなきっかけとなっただろうけど,そんな甘くないのがJリーグと言うことだろう.

 では勝手に採点.

西野(6.5)もうちょっとできると思うんだけど.
武田(5.5)外したシュートが大きすぎるので厳しく.
妹尾(6.5)足は大丈夫か?
小林優(6.5)これまで見た中で一番の出来.
小野(6.0)さすがにこの連戦で疲れたか?
喜山(6.5)3試合めで馴染んだ.サイドへの散らしは見事.
田所(5.5)守備全般に怖さがある.
澤口(5.5)守備への戻りの遅さが気になる.
植田(4.5)攻撃行くときは慎重に.
キム(6.0)よく戦った.
真子(5.5)時々弾くのは怖い.

保坂(5.5)控えにいる場合じゃない.
三原(6.0)祝初出場.チャンスも作った.体格がいい.
玉林(6.0)最後にゲームを締めた.

第11節 福岡戦

2009-05-01 21:04:43 | ファジアーノ岡山
 元J1チーム福岡との対戦.ただ前節の試合を見る限り福岡は内容が非常に悪く攻撃が形になっていなかった.同様に水戸も岡山戦の前は内容が悪かった.しかし水戸には荒田がいた.では福岡はどうか?荒田ほどではないが,長身FW大久保,昨年熊本で得点を重ねた高橋がいる.更にMFに城後,CBにW杯出場選手の田中誠.名前だけなら水戸より上かもしれない.
 それでも勝利を渇望する岡山の気持ちが,連敗し調子が下降気味で覇気の無い福岡を上回るのではないか?と思っていた.後から書いても信憑性は無いが.ただ勝てなければ第1クール勝利なしは覚悟しないと,と思った.

 岡山の布陣は前節と同じ.変えすぎは良くないし1回しかチャンスを与えないのも選手のモチベーションに関わる.これは妥当だと思った.

 試合はいつもと異なり序盤から岡山ペース.ただ喜山の周辺は不安があった.特に攻守の切り替えの遅れが気がかりだった.ただそれも試合が進むにつれ徐々に改善されチーム全体として機能し始めた.特に右サイドの高い位置でのプレスは効果的で,相手に攻撃を組み立てる時間を与えなかった.相手布陣を見てMFを普段と逆にした監督の好判断だった.
 そして先制点はその右サイドから生まれる.見事な連携によるプレスから澤口がボールを奪取しカウンター.武田がポストとしてしっかり踏ん張ることでできた時間を利用して澤口が走りこむ.本当はここで決めたかったが相手GKに防がれる.しかしこぼれたボールを喜山がミドルシュート.枠へは行っていなかったが西野に当たり枠の中へ.GKは立ち尽くすのみだった.

 このときのチームの喜び方が今のチーム状態を表していたと思う.喜山がどれだけ苦悩し戦っていたか.そして彼の調子がチームに与える影響がどれだけ大きいか.ようやく明るい日が射してきたように見えた.(ちなみに西野でなく喜山のゴールとしたオフィシャルの人間味ある判定には感謝だ)

 見えた希望をつかむためにも,この時点で絶対勝たなければならない試合になった.ただ勝てていないチームにはここからの60分は非常に長かった.彼らの勝利へのプレッシャーを考えればここからの試合内容なんてどうでも良かった.そもそも彼らにこういった試合をうまく乗り切るスキルがあれば既に何勝かしているはずだ.とにかくどんなに不細工な形でも勝利を手にすることが必要だった.

 正直なところいつゴールされてもおかしくない60分間だった.相手はセットプレーで何度もフリーになっていたし岡山のボールの奪われ方も悪かった.ただそれでも守りきれた.これまで苦しみ続けた「僅かな差」を埋められた瞬間だった.力量が劣るチームにとって勝利はここまでしないと手に入らない難しいものだと改めて理解した.

 この勝利はチームを成長させたはずだ.少なくとも未勝利という嫌なプレッシャーを乗り越えることはできた.次の試合からはそれを乗り越え(ほんの僅かに)成長したチームの姿を見せて欲しい.まだ40試合もある.今からスタートしても決して遅くない.

 ちなみにこの日は期待の三原が初ベンチ入り.ベンチに入っただけでこの効果.試合に出るのが楽しみだ.

 では勝手に採点.

西野(6.5)いつもどおり安定したプレー.
武田(7.0)第2の妹尾の予感.個人的にはMOM.ゴールを決めたい.
小林優(6.0)多少守備的だったが.交代はもっと時間を使おう.
妹尾(7.0)ここで満足して欲しくない.
小野(6.5)今怪我されると最も困る選手.
喜山(7.0)MOM.色々込みで.
田所(6.0)守備に怖さがあるが.
澤口(7.0)攻撃もこの日は良かった.
植田(6.5)久々の完封.
キム(6.0)ちょっとマークが甘くなることが.
真子(6.0)飛び出しの判断が不安げ.

玉林(6.5)短い時間でシュートまで行ったのは○
臼井(-.-)評価なし