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第10節 熊本戦

2012-04-30 20:01:39 | ファジアーノ岡山
 GWの連戦.戦力温存は当然あっていいことだが,この日の先発はちょっと驚きだった.

     中野
   岡崎  キム
田所 千明  仙石 澤口
 植田  竹田 後藤
     中林

 いくら連戦とは言え岡崎がいるのに前2人変えるとは….ただこの試合の位置づけは非常に難しい.調子の悪い熊本から確実に勝ち点を取りに行くか,アウェイということで割り切るか.ただメンバーを変えつつもある程度の力が期待できるのは今季の成長をうかがわせる.

 ただ試合は凡戦だった.3-4-3同士のミラー状態でギャップがない.なので個人能力で上回るか組織的にギャップを作るかする必要がある.いつものメンバーなら個人能力は岡山がわずかに上だし,組織としても3バックが成熟域に入った岡山の方が上だと考えられる.しかしこの日のメンバーだとどちらもちょうど同じくらいだろう.
 対する熊本は組織は成熟しておらず,また養父も復帰直後で切れが見られない.結局前3人のみでの攻撃で,今の岡山の守備からすればそれ程怖さは無かった.この日怖さを感じたのは白谷くらいだ.相変わらず組織は苦手そうだったが,逆にそれでゲームの流れを荒らすところに怖さを感じた.ちょっと読みにくい選手だ.まあ楽しそうにしていて良かった.

 そんな熊本を岡山は大きなサイドチェンジを使いながら崩そうとするが,どうしても前2人が変わると攻撃が機能しない.特に中野がトップタイプでは無いこと,岡崎がボールを持てないことで前にキムしか起点が無かった.そのキムも多少疲れ気味だったが,熊本の守備が厳しくなかったのである程度ボールを持ててはいた.岡崎のポジショニングが良ければもう少し攻撃になっただろう.

 後半関戸,川又を相次いで投入し現状打破を狙い,実際に流れをつかんだ.こういう風に後半に試合の流れを変えられるようになったのも今年の成長だろう.しかしこの日はゴールが遠い日だった.そういう日と思うしかないだろう.

 という0-0の試合.この日の熊本のサッカーを見る限り実力として勝てる相手だった(こんな風に上から目線で言えることだけでも凄いことだが).とは言え連戦を考えた戦い方をして,アウェイで勝ち点1を積み重ねられたことはチームの成長だろう.ここで勝ち点3を取れるのは「強豪」というチームだ.
 あとこの日の成果としては,選手を休ませて勝ち点を取れたことと,岡崎のような選手を公式戦で使うことができたこと,そしてそれでも負けなかったことだろう.特に岡崎にとっては自分の不足を知り,改善する良い機会になっただろう.
 また彼のようにネクスト出身の選手がJの公式戦でプレーできたというのは,ネクストという組織やそこにいる選手にとっても非常に大きい.彼らも頑張ればここまで辿り着けるということだから.
 そもそも岡崎はネクストが無ければ獲得していなかっただろう.今後ネクストが育成の最終段階,つまりU-22の位置づけになるときの良いモデルケースになるだろう.もちろん篠原も含めてだが.彼らには次のステップ,つまりネクスト出身初のレギュラーを目指して頑張ってほしい.

 というわけで勝手に採点.

中野(5.0)トップは結果がほしい
岡崎(4.0)全然駄目だったことは本人が一番分かっているはず
キム(6.5)良かったが休ませたかった
田所(5.5)大きく質を下げずにいられることが価値
千明(5.5)攻撃にアクセントを加えるところまでは至らなかった
仙石(5.5)疲れからか普段より精度が落ちた
澤口(6.0)ひとつは決めたかった.悪いときのプレーが残念
植田(6.0)高さで相手を制した
竹田(6.0)不安定なところもありながら0点は見事
後藤(5.5)チャレンジしたからこそミスもあった
中林(6.5)さすがの守備力

関戸(5.5)チームに流動性を復活させたが
川又(5.0)仕事ができなかった
石原(5.5)もう少しチャンスを作りたかった

真子,篠原,一柳,服部

影山(5.5)
 この出来ならもう少し選手を休ませたかった.それでも選手を休ませながら勝ち点1は収穫.

第9節 鳥取戦

2012-04-26 12:12:22 | ファジアーノ岡山
 連勝は止まったが負けたわけではない.好調を維持するためにも負けられない下位鳥取との陰陽ダービー.ただこの日の先発には多少驚いた.

     川又
   関戸  キム
田所 仙石  澤口 石原
 植田  竹田  後藤
     中林

 千明とチアゴと桑田はベンチからも消え服部はベンチ.ただそれでも「十分勝負できるな」と思わせる戦力が整ったのは今年の進歩だ.ただこれまで何度か試した澤口のボランチにはちょっと不安がある.また強風の中の風下からスタートするという条件もあり,多少苦戦を覚悟して試合を迎えた.

 しかしそんな思いと試合は全く違う方向に動いた.前半からほぼ一方的に風下のファジアーノが試合を支配した.鳥取に何度かDFのズレを突かれることはあったが最後のところはやらせなかった.というより鳥取が最後のところを攻められなかったしアイデアも無かった.松本との対戦時にも思ったが,2年ほど前のファジアーノの試合を見ているようだった.とにかく絶対的に存在する能力差をなんとか運動量を上げてチャンスを生み出そうという確率の低い戦い方.そしてそのわずかなチャンスも中々生かせない.

 対する岡山はこれまで培った3バックによるパスサッカーが開花してきており,その証拠に昨年までと比べてチャンスの数が格段に増えた.とにかく各選手のポジショニングが明確化され,相手の間へ流動的にポジションできるようになった.そのためパスも余裕を持ってでき,相手に掴まれにくくなった.
 また守備は速い攻守の切り替えにより高い位置から連動したプレスがうまく機能し,意図的にする場合以外は5バックにならないようになった.3バックは前への意識が非常に高くなり押し込まれる前に処理できるようになった.最も大きいのは「とりあえずクリア」というキックがほぼ無くなったことだ.これによりポゼッションが格段に上がり,また無駄な体力を使わなくて済むようになった.

 残るはフィニッシュの部分だが,これだけ意図的なサッカーができればチャンスもできるし,ゴール前へ行く回数も増える.あとはシャドーやサイドの選手がゴール前にどれだけ位置するか?だけだろう.川俣のようなストライカーがいることでその辺の意識も徐々に変わっていくと思う.

 後半は関戸をボランチにし,シャドー石原,WBに澤口にして攻勢をかけた.しかしこれは機能しなかった.鳥取が選手を入れ替えて逆襲を仕掛けてきたこともあるが,思った以上に澤口のボランチが堅かったのだろう.あと関戸はボランチに慣れていないだけかと思ったが,守備の仕方からしてトップ下の選手なのかもしれないと思うようになった.
 ということで,再度澤口をボランチに戻すとチームはもう一度機能し始め,後藤がCKからゴールを決めて試合は決まった.正直この日ピンチはあったが怖さを感じることも負けを意識することも無かった.特に後半はあえて相手に持たせていた部分もあったと思う.


 この日は今後の連戦を考慮してメンバーを落として挑んだ試合だった.長丁場のシーズン通して戦うにはバックアップを充実させる必要があり,その確認にちょうど良いタイミングだった.好調なのであえてメンバーを落とさないと控えが試せないなんて贅沢な話で,これまででは考えられないことだ.
 そして2点取った後は,更にメンバーを温存するために川又をさっさと下げ,澤口を篠原に変え,そして最後にはキムを初出場の岡崎に変えた.「ちょっと舐めすぎだろ?」と思わせるぐらいだった.最後のメンバーは1.5軍くらいだったが,それでも無失点のまま勝てたのは収穫だろう.

 ちなみにネクストで育成してきた篠原や岡崎がトップの試合に出られるようになったのはちょっと感慨深い.彼らはネクストがなければ絶対に獲得していない選手だ.その受け皿となる育成機関を内部で持てるのは非常に大きい.
 ネクストは「育成の最終段階」であるべきで,将来的にはユース卒業後すぐにトップにいけない才能を育てる場だと思っている.しかも最近はユースの選手がネクストの試合に出るようになった.これは物凄く良いことだ.高校生のうちにトップで出られる選手は日本全国で見ても各年代に多くて数人.しかし地域リーグレベルならもっと多い.特に最近の地域リーグはJやJFL崩れの選手が多くいる.そういうレベルとフィジカルを早いうちに体験できることは絶対に選手にはプラスになる.ネクストとユースは育成の両輪として機能させて欲しい.


 という2-0の試合で5試合負け無し,そしてこの時期としては初めての一桁順位に得失点差プラス.昨年のこの時期はチームが崩壊するかも,と思っていたのだが.次はGW連戦となる.怪我人が多いことが不安ではあるが,ここでどれだけ調子を維持できるかが今シーズンの行方を決めるだろう.というわけで勝手に採点.

川又(6.5)このくらいでMOMはあげたくない
関戸(6.0)もっと出来ると思ってしまう
キム(6.0)今の厳しい中で得点したい.スルーパスは見事
田所(5.0)ちょっと服部とのレベル差を感じさせた
仙石(6.5)攻守とも満足いく出来
澤口(6.5)意外な強さとパス能力を見せた
石原(5.5)ちょっと空回り.もう新人ではない
植田(6.0)後ろへの弱さと前への強さ
竹田(6.5)安定していた
後藤(6.5)MOM.今季の出来は素晴らしい
中林(6.5)守備範囲,位置取りともに抜群

中野(5.5)もう少し生きのよさを
岡崎(5.5)祝初出場!けど目立たず
篠原(5.5)無難なプレー

真子,坂本,一柳,服部

影山(6.5)
 コマ落しでこの結果は十分以上.こういう気分の良い試合を増やして欲しい.

第8節 千葉戦

2012-04-18 02:43:35 | ファジアーノ岡山
 4連勝をかけた戦いだが相手は千葉.しかも彼らはホームで勝ちっぱなしで失点も無し.流石に分が悪い.対する岡山はCBに立て続けに怪我人が出てスクランブル状態.チアゴも離脱.こういう相手にはもう少しベストな状態で対戦したかったものだ.この日の先発は次の通り.

     川又
   キム  桑田
服部 千明  仙石 澤口
 篠原  竹田 後藤
     中林

 篠原が初先発でなおかつ左では初起用.流石に篠原にいきなり左は厳しいだろう.なぜ植田でないのか理解に苦しんだ.またシャドーには桑田を起用.これは期待したいが,現実的に考えて彼が今のチームに簡単に馴染めるようには思わないし,そもそもあの足の遅さは大きなハンデだ.
 相手の千葉のメンバーを見ると,FWは藤田,その下に兵働.悪くは無いが最近藤田は結果を出していないし兵働はもっと下が本来のポジションだ.そして左の深井は厄介だがスペシャルではない.右はセリエから引き抜いた選手.流石にまだフィットはしていないだろう.ボランチは佐藤と伊藤というよく聞かない選手.チームの名前や成績ほど怖くはない.J2上位以上ではない選手構成だ.よっぽどC大阪とか柏の方が別格の怖さがあった.

 また千葉の監督は以前から相手への敬意が足りなくて嫌いなのだが,この日は逆にそうあって欲しいと思った.多少見下してくれれば勝利の可能性も高まるからだ.実際千葉は多少舐めていた部分があったと思う.思った以上にファジアーノにボールを回され,崩されて慌てていた.それは選手だけでなく実況や解説,リポーター含めてだが.
 しかし攻めきれないのは桑田が入ったことによる微妙な連携のズレと,山口というCBのためだろう.J1では物足りなかった山口もこのクラスだと別格だった.また千葉の攻撃もそれほど怖さを感じなかった.確かにうまい選手は多いのだが圧倒的な個で前を向いて突破するタイプの選手がいないので組織的に崩されない限り怖さを感じない.そして千葉の攻撃は岡山ほど連携が取れておらず,ダイナミックな動きも無く,組織を崩される感じはほとんど無かった.まぁあの監督らしいサッカーといえばそれまでだが.

 結局千葉は高い個人能力を生かして組織の弱さを補うサッカーであり,コンスタントに勝てるチームのサッカーでは無かった.うまく試合を運べば勝てる,そう感じさせる試合だった.ただ早々に点を取ってしまって試合がオープンになってしまうとちょっと分が悪そうだったので,難しい試合には違いなかったが.

 前半は主導権を握っていた岡山だが,後半になると千葉が主導権を握り始めた.千葉の選手の個人能力が高いために,徐々に押し込まれ,そのために守備的になったということがひとつの要因だが,足が早くに止まってしまったのもひとつの要因だ.
 特に篠原の起用により,彼の対応の稚拙さから余計なタイミングでボールを奪われる回数が増え,全体が無駄に足を使うことになってしまった.
 それに加え影山がわざわざ足を使うような指示をしていたこともある.千明に対してシンプルに,と指示していたことだ.千明は狭いスペースである程度リスクを背負った上で相手の嫌がるところで勝負してポゼッションを上げていたのだが,影山はその正反対のリスクを排除するプレーを要求し試合をオープンにさせた.そのため全体のポゼッションは落ち,選手の上下動も激しくなってしまった.オープンな状況は高い能力を持つ千葉の選手には好都合だった.

 それでも千葉にはスペシャルな選手がいなかった上,岡山のDFの向上,GKの質の高さが千葉の攻撃を上回り無失点で試合を終えた.残念なのは得点できなかったことか.特に桑田はフィジカルが出来上がっていないためか最後のところで踏ん張れないためにシュートが打ち切れない.今日に限っていえば石原のほうが良かっただろう.

 という0-0の試合.好調千葉にアウェイで勝ち点1は悪くない.今までなら最高の結果だった.ただ互いのチーム,特にこの日の千葉のサッカーを見ると十分に勝機はあった.アウェイの千葉戦で勝ち点1で残念といえる状況になっただけでも満足したい.ちなみにこの日の松尾一は,澤口のイエローの完全な誤審を含め,千葉寄りの判定が目立った.「岡山だから」みたいな先入観をもたれているような気がして仕方ないのだが.というわけで勝手に採点.

川又(6.5)MOM.1人前にいるだけで脅威だった
桑田(3.5)結果を求める自分勝手なプレー
キム(6.5)ドリブルは十分通じた
服部(6.0)負傷するまではセリエAも十分抑えた
千明(6.0)シュートを打ちたい
仙石(6.5)後ろと前を上手くフォローした
澤口(6.0)右から決定機を作った
篠原(4.0)全体的に狙いすぎ
竹田(6.0)厳しい千葉のプレッシャーによく耐えた
後藤(6.5)危ない場面を何度も抑えた
中林(6.5)あのくらいは彼には普通だと思うけど

植田(6.0)出た後はしっかり抑えた
石原(5.5)もう少しアクセントになりたかった
中野(5.5)交代FWは徹底的に結果を狙って欲しい

真子,田所,岡崎,関戸

影山(4.5)
 勝てた試合だったが,相手を恐れすぎて引き分け狙いになっていた.ここで勝てていたら相当大きかったのだが.

第7節 松本戦

2012-04-11 13:10:31 | ファジアーノ岡山
 山形,徳島という強豪に連勝しJ加入後初の3連勝を賭けた試合.対戦カードを当初,ここで3連勝を狙うことになるとは思いもしなかった.相手は新加入の松本.3連勝を狙うのにこんな良い条件は無い.ただこういう好機に勝てなかったのがファジアーノ.この試合を勝つことが今年のチームの成長が本物かどうかのひとつのバロメーターになる.
 ちなみにこの日は今季現地初観戦.牛そずり焼きそばは味も400円という値段も良かった.

 この日の先発は次の通り.

     川又
   キム  関戸
服部 千明  仙石 澤口
 植田  竹田  後藤
     中林

 近藤が怪我らしいが後藤のポジションまで変えるのはちょっと嫌な感じだった.またシャドーには関戸.やはり前3人の組み合わせはしばらく落ち着かないだろう.

 この日は相手も3-4-3で全く同じシステム.そうなればシステムの習熟度と選手の質が勝負を決める.そう考えると十分な勝機はある.というか9割くらい勝てる.そんな気持ちで見ていたので開始5分くらい松本に押されたのはちょっとかっこ悪かった.もちろん新加入の松本にすれば,岡山は数少ない勝利の可能性のある相手だ.いつも以上に意気込むだろう.それに加えて弦巻,玉林,喜山という岡山に所属していた選手が3人出場しているのだから余計にだ.逆に言えば岡山で出番を失った選手がレギュラーのチーム.岡山としても負けられない.

 とは言え彼らは岡山の歴史に名を残した選手である.弦巻は地域リーグ時代,リーグ戦ではそれほど出場機会は無かったが,決勝大会では非常に素晴らしいプレーを見せた.もし彼がJFLのときもいたらもう少し岡山は楽にJに上がれていたかもしれない.
 玉林はJFLからJ昇格1年目に貴重なユーティリティプレーヤーとして活躍した.特にフィジカルの強さは素晴らしく,契約満了はちょっと理解できなかった.
 喜山はまだ記憶に新しいから書く必要も無いと思う.ただJFLでFWとして通用しなくなり,Jではボランチでも通用しなくなり…,とJリーグというプロの世界の厳しさを当時の主力が味わっていく姿はちょっと辛いものがあった.

 そんな同窓会のような試合は,やはりすぐに岡山ペースになった.力は岡山が上.松本は力で崩せないから偶然を手繰り寄せるために泥臭く戦う.ちょっと前までの岡山のようなサッカーだった.こっちはその偶然の確率の低さを知っているから怖くなかった.もちろん選手も余裕を持っていた.
 この日岡山の新しい組み合わせのDFは少し落ち着きは無かったので多少のピンチもあった.けれど殆ど相手を前でプレーさせていたので相手のシュートは遠くなりコースも限定される.本当に昔の岡山の攻撃を見ているようで,途中から間違えて松本のプレーばかり見てしまっていた.まあ目の前を玉林が白い服で前後しているのだから間違えても仕方ない.

 得点は時間の問題だった.そして服部のクロスから川又がゴール.こういう試合はJFL以来しばらく見ていなかったので,その余裕に違和感を感じるほどだった.

 それ以降も殆ど岡山がペースを握っていた.しかし5バックの守備と泥臭く当たってくる松本を攻めきれない.対する松本はDFラインからロングボールをどんどん放り込んでくる.中盤ではパスが全くつなげられないし,ボールを持っても前を向けないのだから仕方ない.正直試合としては全く面白さは無くなった.ただあの戦い方が岡山にとって最も嫌で,松本にとって最も可能性のある戦い方だった.そのくらいJFLとJでは差があるということだ.体験してきたからこそよく分かる.

 この日は本当ならば追加点で試合を終わらせてしまいたかった.しかしあのようなサッカーは崩しづらい.結局早い時間にリスクをかけた攻撃は減らして守備的に,そしてカウンター勝負に戦いを切り替えて試合を終わらせた.あの切り替えは良かったと思う.
 結局あまり不安を感じることもなく順当に勝ち点3を手に入れた.そしてJ加入後初の3連勝も.ただ思ったほど嬉しくは無かった.どこか松本のサッカーに懐かしさを感じ,そしてそんなところでプレーする当時の選手にプロの残酷さを見てしまったから,そしてその選手に終了直後からずっと拍手し続けるサポーターを見たからだろう.強くなるための犠牲って多いことを改めて感じた.

 話は変わるが試合前にメインスタンドを声だしの人が煽っていたが,すべての人に同じ応援スタイルを押し付けない方がいいと思う.盛り上がるときは勝手に盛り上がるはずだし.素人のしゃべりは良い方にはいかないし.

 4年目でようやく達成できた3連勝.地力がつきチームが成長してきた証拠だろう.本当に期待できる状態になってきた.そういや久木田を見たかったのだがHTにチアゴと握手するところしか見所がなかった.あのメンバーなら久木田のほうが良さそうなんだが.などと思いながら勝手に採点.

川又(6.5)見事な得点.それ以外も良かった
キム(6.0)ちょっと動きが重かった
関戸(5.5)もう少し前を向く力が欲しい
服部(6.5)安心のプレー.体力はあんなものか
千明(6.5)安定したプレー.前ではシュートを
仙石(6.0)強さと縦への力を見せた
澤口(6.0)クロスのタイミングと精度がもう少しほしい
植田(5.5)守備がちょっと不安定だった
竹田(6.0)やはりここが適任
後藤(6.0)きわどい場面を良く守った
中林(6.5)MOM.ハイボールで圧倒的な強さを見せた

石原(5.5)最後は工夫が必要
中野(5.0)試合に入れず
田所(6.0)試合を締めた

影山(6.0)
 ちょっとDFのバランスは問題だったが,交代を含めて他の試合展開は読めていた.力の差があるチームとして安定して戦えた.

第6節 徳島戦

2012-04-04 14:33:38 | ファジアーノ岡山
 前節を良い形で初勝利し勢いに乗りたいところだが,この日も強豪との対戦.やはり下位チームとの対戦時に結果を残さないとこういう流れになってしまう.しかも徳島は小林監督を向かえ昨季以上に手堅いサッカーを展開してくるだろう.まだチームが熟成されていないだろうということが一つの希望だ.
 もう一つの希望は,ファジアーノが徳島に対し苦手意識を持っていないということだ.昨年の最終節もそうだし,アウェイでも結果は悪くない.この日の先発は次のとおり.

     川又
   キム  中野
服部 千明  仙石 澤口
 近藤  後藤  一柳
     中林

 勝ったチームはいじらないというセオリーを破り,トップとシャドー,左WBを変更してきた.特に初先発の川又がどこまで機能するかは見ものだった.また今季非常に良い攻撃を見せている石原を外したことは不安な点だった.

 試合は後半途中まで一方的な徳島ペースだった.ボランチからシャドー,トップというところが徳島の厳しいプレッシャーにより完全に封じ込まれ全くサッカーをさせてもらえなかった.特に前節好調だった千明は完全に狙われていた.
 しかし流れの中で大きく崩されることはなかった.というのも予想したとおり徳島は守備組織はできていたが,攻撃に関しては個人技頼みだったからだ.さすがに香川や乾のような選手なら別だが,このレベルの選手の個人技なら守れなくは無い.そういう意味ではそこまで怖くない攻撃だった.

 少しずつゲームを作れはじめたところで後藤がパスミス.それを取り戻すために慌てて戻りFKを与え,FKがハンドになりPK.この失点によりまたゲームは徳島のペースになってしまった.

 流れの悪いまま迎えた後半だがメンバー変更は無かった.しかし相手の足も少しずつ止まり始め,なおかつ風上に立てたということで徐々にペースを握り始めようやくらしいサッカーになってきた.
 そして不調の中野を関戸に変えると前線が活性化し,更に右WBに石原を入れることで足が止まり中央に偏っていた徳島は守備組織を保つことができなくなっていった.

 多分前節負けていたらそのまま終わっていたと思う.けれどこの日は自らのサッカーに自信をもって戦えていた.そしてその自信がキム,そして川又の連続ゴールを生んだ.交代策が完全にはまり,更に川又の初ゴールがあり,と岡山にとってはこの上無い展開となった.

 その後は審判に切れた徳島が自滅して終了.鈴木は特に相手を舐めすぎていたように思う.

 という2-1の逆転勝利.この時期に勝敗が五分になったのはJ加入後初だろう.JFL以来.待たせすぎだろう.とりあえず苦労した序盤戦でも自らのサッカーを続け,それを継続できたことがこの結果に繋がったのだろう.ただ上を目指すには更に厳しい戦いが求められる.特に次節のような相手に取りこぼすことがあってはいけない.確実に勝ち,Jで初の3連勝を勝ち取って欲しい.
 それでは勝手に採点.

川又(7.0)MOM.西野の一つ上の性能をもった選手,という感じ
キム(6.5)相手のプレッシャーに苦労したが貴重な得点
中野(4.5)どこでも何もできなかった
服部(5.5)縦への仕掛けが少なすぎる
千明(5.5)もう一つプレースピードを上げたい
仙石(6.5)長いパスで状況打破
澤口(6.0)ボランチは向いているとは思わないが
近藤(6.0)人への強さを見せた
後藤(4.5)ミスが多すぎた
一柳(6.5)攻撃部分は評価したい
中林(6.5)守備範囲の広さを見せた

関戸(6.0)キックの質と正確性有り.後はゴール.
石原(6.5)途中出場で流れを変えた
植田(-.-)時間稼ぎ

真子,竹田,田所,チアゴ

影山(6.5)
 選手起用が見事にはまり,交代も上手く機能した.特に前半の厳しい流れから後半に持ち直せたのは評価したい