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第31節 大分戦

2012-08-31 17:00:02 | ファジアーノ岡山
 開幕直後の対戦では勝てたはずのドロー.そんなチームが今4位にいる.この差はどこにあるのか?そんなことを思いながらの観戦.この日の先発は次の通り.

     川又
   キム  石原
田所 千明  仙石 澤口
 植田  竹田  後藤
     中林

 連戦で,勝てているわけでもないのに選手を入れ替えず.この辺りの決断理由は正直よく分からない.この辺りが大分のとの順位差なのかもしれない.

 試合は森嶋がいきなり削ってくるところから始まり,そして森嶋のシミュレーションで大分がペースを握ろうとしていた.同世代の選手が世界に羽ばたく中,J2に居残っている理由はこの辺にあるのだろう.彼のプレーの志の低さにはいつもがっかりしてしまう.能力はあるのに.

 この試合はいつも以上にファジアーノが積極的だった.前半から押し込みシュートも何本も放つ.ボランチも前に絡みいつも以上にチャンスは広がった.ただ3バックの大分は中央の守備が厚くなかなかチャンスが作れないし,中央へ縦パスが入れられない.だからこそ相手を崩した決定機というのが少なかった.とは言え前半でシュート9本はファジアーノにすれば上出来だった.
 ただこの日は川又がサイドに流れ,中央に得点力の無い選手が揃う状況が多かったのは残念だった.これでは更に得点力が下がってしまう.この日の一番の驚きであったロングスローも,川又が投げてしまっては怖さは1/10だ.ただ他の攻撃よりは余程効果的だったが.

 という引き分けの試合.アウェイのときと同じで「勝てたはずの試合」だった.ここを勝ちきれないのがファジアーノであり,今のチーム力なのだろう.まぁこの日は引き分けられただけマシだが.この日を見ても,これまでを見ても守備に関して大きな問題はない.結局は攻撃が問題で,とはいえ主導権を握れている時間も多いのだから,最後の一工夫というところが問題だろう.どうも「自分のベストのプレーをしよう」と感じるが,そこはもう終わった段階だと思う.それよりも「如何に相手の嫌がるプレーをするか」というところに着眼してプレーするべきだと思う.
 残り11試合.6位との勝ち点差を1試合で最低1は詰めていく必要がある.このままズルズルとシーズンを終えるか,チャレンジして終わるか.もちろん後者である.では何をチャレンジするか.それを楽しみに今シーズンを過ごしたい.

 なんにしろ夏休みのホーム連戦で勝利なし,というのが一番残念だろう.それでは勝手に採点.

川又(5.5)決定機は多かったがこの日は外れ
キム(6.0)田所,川又との連携がチャンスに
石原(4.5)速攻もパスもシュートも雑
田所(6.0)そろそろ次のステップに
千明(6.0)素晴らしいゲームコントロール
仙石(6.0)前半くらい前に絡みたい
澤口(5.5)あのチャンスは決めないと
植田(5.5)森嶋とは楽しくできていたが
竹田(6.0)守れたが危うさも
後藤(5.5)もう少し安定感がほしい
中林(6.5)スーパーセーブが当たり前

関戸(5.5)惜しいプレーは多いが,決定的ではない
三村(5.0)シュートなしは駄目
上條(5.5)ゴール以外は評価されない
真子,篠原,大屋,チアゴ

影山(5.5)
 積極的な采配は良かった.ただこういう試合を物にできるようにするのが今後の課題だろう.

第30節 北九州戦

2012-08-27 15:37:43 | ファジアーノ岡山
 とうとう30節.プレーオフ圏内に残るにはここからは勝たなければならない試合が続く.相手は好調北九州.とは言えホームで負けるわけには行かない.この日の先発は次の通り.

     川又
   キム  石原
田所 千明  仙石 澤口
 植田  竹田  後藤
     中林

 連戦だが選手は入れ替えず.勝っているチームはいじらないということなのだろうか?ただ今までそんなことは見せたことが無い監督なので「コンディションの良い選手」を使ったのだろう.しかし本当にそうなのだろうか?

 その不安は的中した.開始直後から全体的に動きが重く,特に澤口の切れの無さは目立っていた.切り替えの部分が遅れ,行くべきときに行けないような場面も多かった.とは言え現状では控えも心許ない.ここに来て選手層の薄さが目立つようになってきた.
 失点も動きの重さが一つの要因だった.キムが強く当たれず仙石も棒立ちの状態でフリーになった新井がミドルシュート.大宮で期待された若者がこんなところまで流れ着いたのか,と思っていたが,やはりそれなりに持っている選手だ.

 事故のような形で先制されたが,試合自体はそれ程酷くはなかった.チーム力も劣っているわけではない.それどころか中盤の構成力は岡山の方が上だ.ただ中盤が支配できることで,一見良い試合に見えるようになったことが,引き分けでもいいという免罪符になっているようにも感じる.
 いい試合をしようが結局勝てていないことには違いない.結局は川又以外のフィニッシュ力が欠けていることが一番大きな問題だ.キムは今季に入りマークが一段と厳しくなり自由を奪われている.そしてもう1人のシャドーが定まらず,そして総じて能力不足で,更にそこの選手に監督がどういうプレーを求めているかも分からない.裏への抜け出しか,ドリブル突破か,他の2人を生かすプレーか.
 何れにしろ川又以外の選手が相手DFへプレッシャーを与えられない.相手からすれば先制できればBOX内で人数をかけて固めれば守りきれる.

 ただこの日幸運だったのは相手GKの存在だ.前半の早い時間に先制しペースが北九州に傾きかけていたときに,わざわざ挑発するように時間稼ぎをしてチームのペースを崩してくれていた.非常に酷い,いや,ありがたい選手だった(このGKといい,挑発的なFWといい,あれが三浦スタイルなんだろうか?あんまり気持ちのいい相手ではなかった).
 おかげで岡山がペースを握り返し,ちょっとしたパスのこぼれ球が前線に飛び出した仙石の足元に転がりゴール.たまたまだだったが,あそこにボランチが上がれたことがゴールに繋がった.

 試合はそこからは膠着.1-1で終了.シーズン前から問題だった攻撃だが,この日のようにボランチが攻撃に絡むことが大事になってくるだろう.とは言えこの日は得点のとき以外にそういう場面が全く無かった.3バックなのだからもっと勇気を持って前に出ても良いと思うのだが,勇気が無いのか技術が足りないのか.という訳で勝手に採点.

川又(5.5)ゴールを決めて何ぼ
キム(5.5)運動量が不足していた.シュートも枠にほしい
石原(5.0)シャドーは厳しい
田所(6.0)連戦でも止まらない足は素晴らしい
千明(6.0)いつものようにゲームメイク
仙石(6.5)もっと前に出てもいい
澤口(4.5)全体的に切れ無し
植田(6.0)よく守った
竹田(6.0)プレーのムラが減れば
後藤(5.5)単純ミスもあった
中林(5.5)自作自演のスーパーセーブ

チアゴ(5.0)ナイーブ過ぎて使えない
関戸(5.5)周囲と合えばもう少しできるはずだが.プレーはボランチ
三村(5.0)何もできず
真子,篠原,服部,大屋

影山(5.0)
 同レベル以下のスペースの無い相手との戦いで結果を残さないと上は無いだろう.

第29節 岐阜戦

2012-08-24 21:08:12 | ファジアーノ岡山
 3連勝へ向け下位に沈む岐阜には必ず勝っておきたいところ.とは言え今季もホームで敗戦しており地域リーグ時代から相性の悪い相手だ.会場の岐阜は関西からは岡山に行くのと距離は大きく変わらない.しかしスタジアムが駅から遠く,なおかつ新幹線も利用しにくいためカンスタよりも時間が必要だ.しかも帰りのバスに上手く乗れなければ帰りの電車も厳い.なので現地観戦は断念した.カンスタの立地のよさを再認識させられた.
 ちなみに夏休みに岡山に帰って変化を観察してみたが,今はやはりなでしこが全て話題をさらっていた.特に宮間がいるので湯郷ばかり.ちなみに父親は女子サッカーには理解を示したが男子は駄目みたいだ.「あの子ら働きながらやっとるんで」と訳の分からないところが気に入っている様子.あの子らもプロになりたいだろうし,実際宮間はそうなのだが.
 更に訳が分からないのは「五輪は野球が無いけんなぁ.欧州じゃ野球ないんじゃろ?日本から考えたら信じれんわ」と国際感覚に欠ける発言.残念ながらアジアでも野球がある国の方が珍しいのだが.ベトナムなんて野球という言葉さえ無い.そもそもアメリカでも野球は人気No.1スポーツではない.
 結局世間にはこういう老人が多いんだろうし,彼らが変わらないとファジアーノへの投資も伸びないんだろうなぁと感じた.取り敢えずきっかけ作りとしてベルの試合を見に行くことを勧めておいた.俺は見たことあるよ,と.開幕当初のJリーグしか見たこと無い人には色んな意味でインパクトはあると思うんだが.

 話がそれた.この日の先発は次の通り.

     川又
   キム  石原
田所 千明  仙石 澤口
 植田  竹田  後藤
     中林

 今のベストメンバーというところ.最近の守備の不安定さを考えると竹田のところがちょっと怖いのだが.

 試合は苦手な相手ということもあり開始直後は危ない場面を作られた.しかしすぐに岡山が長いパスとピッチを広く使うパスでスペースを作り,ショートパスで相手を崩し,ペースを握り返した.それでも岐阜の縦パスへの対応が甘く,何度か危ない場面を作られていた.ちょっと樋口の動きをつかむまで時間がかかった感じだ.いつかの高校選手権の彼だが,J2ならいい選手だ.

 岡山はボールを持てたのだが最後のところはなかなか崩せない.攻撃の精度の影響もあるが,岐阜がきっちりと戻り固いブロックを作っていたのでなかなか決定機を作れなかった.こういう試合を見ると1対1で勝負できる選手がもう一人ほしいな,と感じる.あとキムと川又は距離感で連携しているのだが,石原がもうひとつ上手く機能しない.この辺りの連携も高める必要があるだろう.
 対する岐阜は基本的に速い攻撃が主体で,岡山の低い位置でボールを奪われると脅威になっていたが,ある程度持ち上がってからだと攻撃に時間が必要となる,もしくは単発になるのでそれ程脅威を感じなかった.ボールを上手く持って戦えばチャンスは来るだろう,と.

 ただなかなかスコアが動かないまま時間が過ぎるとちょっと嫌な空気に.焦ってバランスを崩したりしたら…,と思っていたら川又が前半ATにゴール.完全に個人技による得点で,レンタルの彼に頼りすぎとも感じるが,取り敢えず先生した.これでJ加入4年目にしてようやくファジアーノで初の二桁得点選手となった.以前にも書いたが彼は西野の上位互換というか,西野の能力を一回り高くした感じなので,川又が西野の記録を抜くのは当然というか必然というか.まぁ弱かった時期に西野が記録した9点というのは今年の1.5倍くらいの価値はあるだろうから,川又には15点以上を期待したい.

 後半は岐阜がペースを上げてきた.勝っている岡山は上手く時間を使いながら,リスクを減らした攻撃をすれば良かったのだが,そんな強豪のような試合はできない.不用意に攻めてはカウンターを受けるという形で岐阜にペースを握られる.一番嫌な低い位置でボールを奪われ,前でボールを保持することができなくなった.ああなってしまうと失点は必然だろう.もう少し戦い方はあったはずだ.
 同点になって関戸がシャドーに入り石原が右WBに.この日澤口のクロスがことごとく外れてチャンスを潰していたのでこれは良い交代だった.また関戸は他の2人との距離感も良く上手くチャンスを作れていた.シャドーの選択肢の2番手は今のところ関戸だろう.

 もう一度ペースを掴んだ岡山は素早い攻撃を繰り返し,キムの見事なパスから川又の決勝ゴールを導いた.やはりあの二人はちょっと別格だ.
 しかし川又のようにゴール前で落ち着いて得点を取れるストライカーはJでは貴重だ.もう1年早くJ2に来ていたら五輪も夢ではなかったと思う.

 という2-1の試合.これでJリーグでクラブ2度目の3連勝.初めてと比べてどこかあっさりとした3連勝だった.ただ上位に絡むにはこういう連勝をもっとしないと駄目だろう.そして上位に絡む試合を続けて昇格にかかる様々なプレッシャーを今から知っておいて欲しい.それがこれまでチームに欠けていた勝負強さに繋がるだろう.
 それでは勝手に採点.

川又(7.0)MOM.結果が全て
キム(6.0)厳しいマークでいつもほどではなかった
石原(6.0)得意と不得意がはっきり出た
田所(6.5)初年度の岐阜戦で懲罰交代したのが嘘のよう
千明(6.5)前向きの力を見せた
仙石(6.0)復調気味だが守備はまだか
澤口(5.5)精度の低いクロスで何度もチャンスを失う
植田(5.5)相手に振り回された
竹田(5.5)2列目にてこずった
後藤(5.5)対人は良いがスピードへの弱さが目立った
中林(6.0)平均以上のプレーを継続

関戸(6.5)流れを変えるプレー
チアゴ(6.0)控えにいる怖さはある
三村(5.5)まず枠にシュートを
真子,篠原,大屋,上條

影山(5.5)
 不安定な守備の修正と攻撃陣の連動,組織的な動きをもう少し上げればもう一つ上の世界が見えるだろう

第28節 鳥取戦

2012-08-15 23:55:49 | ファジアーノ岡山
 久しぶりに勝利しこれから調子を上げていくには格好の相手.ダービーの雰囲気も選手には良いモチベーションになるだろう.そんな陰陽ダービーはe2ではまたも録画.こんなんでダービーが盛り上がるはずも無い.ダービーらしさを作っていたのは両チームのサポーターとファン,そして選手だった.この日の先発は次の通り.

     川又
   石原  キム
田所 千明  仙石 澤口
 植田  竹田  後藤
     中林

 川又が先発に復帰.良い休養になったと思いたい.

 試合は鳥取がモチベーション高く激しいプレスをかけてきた.そして久保は無理な体勢からシュートを放つなどしたことでちょっとペースを奪われかけた.ただ残念ながら技術が足りない.あと一歩まで行って肝心なところでミスをする.ちょっと前まで岡山もあんな感じだったのでよく分かる.技術不足だけどそう思うのは嫌で信じて応援するというか.とにかく鳥取は豊富な運動量で作ったギャップを利用してうまく攻めていて悪くないんだけどなぁ、という感じだった.その一歩先がかなり大変なのだが.
 逆に岡山視点で見ると「あそこまで攻められてんじゃねえよ」と思ってしまうできだった.ちょっと優位に立てる相手に対して隙を見せる癖はどうしても治らないみたいだ.ただ桑田が先発を離れてからは攻撃がかなり前向きに積極的になっていたので見る側としては少しだけ気楽だった.この相手なら得点は取れるだろう,と.問題はそのタイミングだった。そしてそれは非常に良いタイミングで,非常に良い形から生まれた.相手のカウンターを凌ぎながら,ポゼッションしてペースをつかむ.そして相手が出てきたところをカウンター.こういうゲームを見ると,J2最下位クラスから抜け出したことを実感する.

 あとは追加点を早い時間に取ってゲームを終わらせるだけ.DFが相手を前に向かせすぎて多少嫌な場面もあったが,そういう個人のミスをカバーしあう守備がはまっているので意外と守れてしまう.まあ上位チームには通用しないのだが.そんな試合だったが結局は追加点を見事な時間に奪いゲームを終わらせることができた.セットプレーで得点出来るようになってきたのはゲームをうまく運ぶ上でも非常に大きい.

 という2-0の試合。試合は鳥取は負けた気がしなかったかもしれないが結果は岡山だった.J2は運動量はストロングポイントになりにくい.それ以外の強さを持てると初めてこういう試合が引き分けに持ち込めるんだと思う.今後もダービーは楽しみたいし,いいスタジアムもあるんだから,何か特徴的なチームになって欲しい.
 ちなみに神戸から獲得した大屋.J1では中庸でこれと言った強みが無かった(だから岡山にいるのだが)が、今の2人に不足している前への推進力があるので,それを生かせれば戦力になるだろう.結構いいレベルでポジション争いができるようになってきた.ちょっと前を考えると嘘みたいな話だが.

 あとこの日の審判はちょっと酷かった.35分の植田のイエローのところは最低でも両者に出すべきだった.それ以外もちょっと判定基準がよく分からなかった.それでも勝てたから良しとしたい.それでは勝手に採点。

川又(6.5)もう少し出来るが結果は出た
キム(6.0)プレーは良かったが息切れが速かった
石原(6.5)MOM.少し精度があればチームは大きく楽になっていた
田所(6.0)中へのプレーに工夫が欲しい
千明(6.5)攻撃を支配した
仙石(6.0)力強い守備で中盤を締めた
澤口(6.0)アシストは良かったが,もっと期待したい
植田(6.5)あの気迫は買いたい
竹田(5.0)点はとったんで+0.5.それ以外はちょっと.
後藤(5.0)軽率なプレーが目立った
中林(6.5)どっかに取られそう

関戸(6.0)ふわふわとしながら流れを持ってきた
上條(5.5)欲しいのは結果.もうそろそろ.
大屋(-.-)とりあえず出ました
真子,篠原,服部,三村

影山(6.0)
 ちょっと守備の破綻が目立つようになって来た.特にサイドの部分は気になるところ.攻撃は少しずつ機能し始めたので,チーム全体のレベルアップを期待したい.

第27節 熊本戦

2012-08-10 17:01:04 | ファジアーノ岡山
 7試合勝利の無い岡山.対するのは連敗中で下位に沈む熊本.今日勝たなくていつ勝つのかという試合.とは言え北嶋を補強し,養父や藤本,南もいるチーム.ネームバリューだけならぼろ負けの相手.名前じゃ試合できないがちょっとうらやましい.先発は次の通り.

     上條
   キム  石原
田所 千明  仙石 澤口
  植田 竹田 後藤
     中林

 この日も桑田を外してたがトップの川又を上條に変えてきた.上條は期待の新人だが3トップの組み合わせをこれだけ変えると攻撃の連携は深まらないだろう.せめて川又と上條の組み合わせでの起用ならもう少し期待できたのだが.3試合無得点の現状をこれで打ち破れるのだろうか?

 試合はファジアーノがこれまでになく前向きなプレーを見せた.上條はゴールを狙う気持ちの強い選手でどんどんと前を向きスペースへ飛び出していた.その動きにより相手DFもラインが下がったためシャドーにスペースができ,どんどん前向きに仕掛けることができた.彼らが前向きでプレーすることでWBもボランチもいつも以上に押し上げることができ,試合を支配できた.これまで数戦の停滞した攻撃からの変化は見られた.
 加えて熊本の攻撃は動きが少なく,特に速い攻撃も無かったことで試合を楽に進めることができた.

 ここ数戦勝利から離れたきっかけはDFの出場停止とキムの負傷離脱ではなく,代わりに桑田と一柳が入ったことだった.攻撃は機能せず守備は不安定になり,好調だったチームは気づけば完全にリズムも自信も失っていた.DFは代えがいなかったので仕方ない部分もあるが,代わりがいた攻撃の選手を変えずに使い続け自ら不調になっていっていたのは間違いなく監督の責任だろう.この日ようやく良くなったわけでなく,これまでが悪すぎたのだ.

 リズムを取り戻したチームは熊本を攻め立てた.それでも流れの中からは中々得点できなかった.やはり前3人の連携不足が響いた.ただようやく改善され始めたセットプレーから得点.この久々の得点でチームの雰囲気は大きく変わった.
 とは言え川又が出場したときに改めて連携の重要さを感じさせられた.キムと川又は非常に息の合ったプレーをし,効果的に攻撃を組み立てることができた.相当コンディションが落ちない限りここは今後も固定しておくべきだろう.残り1人を誰にするか?個人的には上條で良いと思うが,そうやって連携を高めれば一気にチーム状態をトップまで持っていけるのでは無いだろうか?

 という2-0の試合.もしかするとこの日はいつもと逆向きに前半が始まったので最初から後半のように戦えたのかも知れない.何れにしろこの日のように前を意識してプレーすれば中央だけでなくサイドも機能し始める.今後のバロメータになるだろう.ボランチもようやく縦パスが増え始めた.そんなときに神戸からボランチを補強したというのもなんだが,彼には竹田の代わりを期待したい.
 ちなみにこの日の審判は多少熊本寄りだった.上條には厳しすぎたし熊本のラフプレーに対してはファールをとらないし.特に前半42分の南のプレーはファールだしPKだ.その後の福王の態度も大概だったし,48分の藤本なんて最低だった.そのくらい相手がイライラするほど岡山がペースを握っていたと思うことにしよう.というわけで勝手に採点.

上條(5.5)ゴール前で落ち着きを出したい
キム(6.5)完全復活
石原(5.5)昨年基準に戻った.ただ結果が無い
田所(6.5)運動量豊富に攻守に貢献
千明(6.5)パスでリズムを生み出した
仙石(6.0)ようやく積極性がみえた
澤口(5.5)もう少し求めたい
植田(6.5)MOM.最も気持ちを見せた
竹田(5.5)まだ不安定
後藤(5.5)ちょっとしたミスに怖さがある
中林(6.0)ちょっと怖さもあったがそれ以上のセーブ

川又(5.5)ゴール前ではチームのことよりゴールを考えて欲しい
関戸(5.5)途中出場でも存在感を見せたい
三村(5.0)スピードはある.ただ2回の決定機を外していては
真子,篠原,服部,岡崎

影山(5.0)
 最低限の仕事.ここからどれだけ攻撃力を上げるかが今季の課題だった.ようやくスタート地点に戻れた

第26節 千葉戦

2012-08-02 18:19:52 | ファジアーノ岡山
 6試合勝利が無い状況でホームで千葉と対戦.正直勝ち目は殆ど無いだろう.それは山口の存在が大きな理由だ.今季千葉が安定した戦いが出来ているのは彼の加入が非常に大きいと思う.G大阪時代はミスが目立つところもあったが,それはJ1上位チームだからであって,J2になれば圧倒的な経験値と安定感を持ったCBに変わる.そんなDFに対して得点力の無いファジアーノ.勝利は感嘆には期待できない.この日の先発は次の通り.

     川又
   キム  石原
田所 千明  仙石 澤口
  植田 竹田 後藤
     中林

 ようやく桑田を先発から外したが,代わりの石原のシャドーは多少気がかりだ.昨年のような思い切りが消えてしまうと,狭いスペースで技術が不足する彼は殆どプレーできなくなってしまっている.今なら上條を使ってみた方が良いと思う.また植田が復帰し一柳が外れたのは良いが,中央の竹田の存在がどうしても気になる.彼の集中力を欠く時間の多さと押し上げの遅さはチームのボトルネックになっている.中央は澤口にして右に石原を入れる形が現状ベストだと思うのだが.

 試合は予想通り千葉に支配された.ただ内容は予想と違った.ファジアーノはやたらロングボールを多用する攻撃で簡単にボールを失う単純な攻撃ばかりだった.これが新たに取り組んでいる「縦に速い攻撃」なんだろうか?絶望的な気持ちになる.とにかくそれさえも中途半端なので,いったいチームが何を目指しているのか,どういうプランなのかが分からないのが最も大きな問題だろう.
 そんな岡山の攻撃のおかげで千葉は攻撃する時間が大幅に増えた.今季の岡山はボールを保持する時間を増やすことで守備機会を減らして失点が減ったのだが,その逆のことを強い相手に実行すれば耐えられるはずは無かった.

 先制をした千葉は得点力の無い岡山に対し省エネサッカーを仕掛けてきた.できる限りプレータイムを減らしていた.ボールを廻すならともかく,ボールを殺す時間を増やす戦い方は多くの観客の前ですべきでない.特にGKを蹴るまでの時間は他のチームと比べかなり長かった.

 失点以降は千葉がそういうプレーだったので少し自らのサッカーを思い出せ,ペースを握る時間もあった.しかしここのところの不調が尾を引いていたのか,ちょっとしたところでうまくチームが機能しなかった.特にボランチの部分だ.これまで前が信用ならなかったのでプレー位置が低くなってしまっていて,それに慣れていたせいでいい形のときもなかなかポジションを上げられなかった.
 特に仙石は1年通してプレーするのは初めてで疲労の蓄積もあり動きが少なかった.3-4-2-1ならボランチの守備力を少し落とせるのでもう少し攻撃的な組み合わせを試してみる時期かもしれない.

 それ以外にも予想通り機能しなかった石原は得点できない要因のひとつだった.まぁこれはロングボール主体の攻撃と普段からの連携不足が原因だが,根本的に厳しいところもあった.竹田だ.ボールウオッチャーになったり切り替えが遅かったり集中を切らしたり.早く代わりをチーム内外から見つけるべきだろう.
 この日唯一期待できたのは上條のプレーだ.この日はボールが足についていなかったが,玉際に強くスピードもある.そして今チームに足りない縦の動きを積極的にできる.守備に不安はあるが3トップの先発候補だ.

 という0-1の試合.尻上がりに良くなった試合も結局は省エネサッカーの千葉の思い通りに進められただけだった.ただ桑田がいないことで僅かだが前向きの姿勢が強くなったことだけが希望だ.
 不調の今は何をやっても駄目に見えてしまう.だから結果が出ているときに攻撃に何らか手を加える必要があったのだが.それをしなかったツケを今払わされている.あまりに予想通りで呆れてしまう.本当はあと少しだったのだ.それがいきなりロングボール戦術になるなんて・・・.監督に改めて絶望して勝手に採点.

川又(5.0)意地でも中央でプレーしたい
キム(5.0)疲れでプレーに切れ無し
石原(4.5)強みが出せる時間を増やしたい
田所(5.0)相手SBに力負け
千明(5.5)もっと積極的で良い
仙石(4.5)乗り越えなければならない壁
澤口(5.0)試合を決めるポジションなのだがシュートが・・・
植田(5.5)安定して強さを見せた
竹田(4.0)目立って無いだけ
後藤(5.5)ぎりぎりで守った
中林(6.0)0-3でもおかしくない試合だった

上條(6.0)期待込みの点数
桑田(4.0)途中出場ならもっと走れ
関戸(5.5)使われ方がかわいそう
真子,篠原,一柳,服部

影山(2.0)
 驚きの新戦術.選手はよくやっている.監督は選手に勝てる指示を与えているのだろうか?この得点力の無さは選手の責任というには酷すぎる.交代策も遅すぎた.