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コインブラジャパン総括 選手編

2006-06-28 02:54:02 | Sports:football(A代表)
 選手についても一応書いてみよう.

 そう思ったけれどとても難しい.無策の監督がいるために選手が実力どおりの動きを出来なかった部分があるからだ.例えば選手が暑さで走れなかったこと.これは前線とDFラインが間延びしやすいシステムをとっている代表では避けられないことだった.
 DFは基本的にオフサイドを取らない.そうするとどうしても引き気味になる.けれどFWは前からチェイスしないとやられたい放題.そうしたら普通以上に走るしかない.そんな無理が祟った部分があるからだ.

 さらにDFは中盤のチェイスがうまくいかない状況でよいボールを相手FWへ入れられたらその対応はシビアになる.1回1回の対応は非常に消耗させられる.しかも高さに負ける日本DFはジャンプのたびに肉弾戦で必要以上の力が必要で,そこで更に走ることができるわけも無いし,冷静さを保つことも困難だったに違いない.


 こういった意味で選手がどうこう,というのは言いにくい部分があるのは確かだ.けれど明らかに劣った部分がある.

 ひとつはDFのパス回しの精度,そしてそこからのビルドアップの仕方.ここは本当に3流だった.今回攻撃の組み立てが上手く行かなかった原因の一つにでもある.現代サッカーは攻撃の組み立ての位置がどんどん後ろに下がっている.今はDFラインが組み立てる部分も少しずつ出てきているし,今後は更にその重要性が増す戦術が流行るんじゃないだろうか?予想だけど.そういった意味でDFのパスの稚拙さは今後の課題になる.

 そして二つめは中盤のパス回しの精度.ただ,これは無策のチームで決まり事が無いためにお互いの感覚が少しずつのズレ,その蓄積が表れたのだと思う.こういうレベルの大会ではそれが大きな差となっていた.
 だから全て選手のせいにするわけにはいかない.しかしその精度と速さはやはりひとつ落ちるものだった.

 そして三つ目はFWの得点能力の低さ.これは散々いわれているからいいが,FWまでの形も出来ていない部分があるので全てを選手のせいにするわけにはいかない.ただ,その組み立て過程のポストプレーやシュート力,突破力は明らかに強豪国の控えにも値するものでなかった.更に言えば,彼らに勝っている点が殆ど無かった.
 シュートレンジの狭さはW杯出場国でトップクラスだった.いや,勝負しようとする範囲の狭さがトップなんだろう.


 シュートレンジの狭いFWを選択し,走れなく前に行かない中盤のパスだけの連携に期待し,フィジカルに劣るDFを用い,統一した意思も持たないまま走らせる監督の元ではこの状況は仕方ないのかもしれない.だから批判もしにくい.

 しかし一人だけ言いたい.この大会を壊したのは小野だ.それだけは間違いない.丸太戦でボロカスだった小野を使ったコインブラも悪いが,それでも「楽しむ」「点を取って歴史に名を残す」そんなことのためにチームのことを無視した選手を責めないわけにはいかないだろう.
 他の選手には細かい優劣はあると思う.戦う準備の出来ていない選手だっていただろう.けれど彼はそんなレベルにすら至っていなかった.思えばアテネを壊したのもこの選手だった気がする.

 リフティング芸人なら他にもいるだろう.どうしてあの丸太戦で彼のW杯を終わらせなかったのか?それだけが本当に後悔だ.素人が見ても分かるのに・・・.あ,監督が素人以下だったから仕方ないのか.


 ちなみ良かった選手はというと,中田,加地,川口,中澤,巻くらいかな?(玉田も良かったけど彼は選出ミスだから余り触れたくない).基本的に必死に食らいつこうとしている姿勢が見えれば十分だから.それ以上の技術やフィジカルの差は埋めようが無いが,気持ちは埋めることができる.それさえあれば可能になることもある.ただ個々が熱くなっても冷めた気持ちのメンバーが多いとろくなことにはならないんだけれど.

 精神論なんて・・・,て言うかもしれないが色んなことをして,弱いチームってそういうのばっかだった.素晴らしい人がいるチームでもまとまらなければ勝てなかった.弱いチームなんてまとまらないと勝負にならなかった.強い気持ちを失うと大敗した.


 ほんと松井でもいれば彼がどのくらい通じるか楽しみに見れたんだけど.何の驚きも発見も無かった.僅かな期待だけはしていたのだが.やっぱ駄目なものは駄目,と割り切らないとね.

コインブラジャパン 監督総括編

2006-06-27 02:21:32 | Sports:football(A代表)
 FIFAから「後退した」と言われたのはコインブラの生え際ではなく,コインブラ率いる日本代表だ.そのコインブラジャパンの中核,監督のコインブラの評価をしたい.


 まず監督に必要なもの,というと「説得力」だと思う.田舎の部活の監督のように未経験者に「シュートの仕方が・・・」と言われても誰も納得しないだろう.つまり監督になるべき人は,その言葉に説得力がなければ個性はの揃うトップクラスのアスリートは率いることは出来ない.
 ただ,この説得力には「嘘」があっても良い.如何に選手,および取り巻きを「信じ込ませるか?」が問題だ.極端な話,信じ込ませてしまえばどれだけむちゃくちゃをやってもいいのだ.成績が出なかったことも「嘘」を信じ込ませればそれは名将だ.

 そういう意味ではコインブラはメディアにより「信じ込ませる」監督になっていて,にわかファンには「名監督」の位置をある程度確立していた.実際批判的なレポートはマスメディアではそれほど露骨に出てこない(専門誌とかは別で).
 しかし実際のところ彼には説得力が無かった.彼が持つバックボーンは「世界的名選手」という肩書きのみ.たしかにそれは凄いが,今の時代そんなものがどれほど意味があるか?といわれると・・・.また,彼は「鹿島総監督だった」とか「実質監督だった」とか「ブラジルのTDだった」とか言うが,結局「監督ではなかった」という事実には変わりない.
 それでも彼が選手を辞めてから戦術や監督に関する知識を山ほど勉強し,色んなチームや監督を見てきた,などという情報があれば何とかなったかもしれない.しかしそんなことが一切無い彼は「信じ込ませる」監督になるしかなかった.裸の王様も透明の服を作ってしまえばいいのだ.

 けれど彼はそれほど頭が良くなく,そういったプランは全く無く,自分が素晴らしい監督ということを信じてならなかった.結局「W杯出場」という結果のみを残しただけで,それがW杯の時点で彼を監督いる唯一の説得力だった.そう考えると解任されなかったのは本当に彼の持つ強運だろう.さすが世界トップクラスの選手だ.運は強い.

 この全く説得力の無いコインブラジャパンはパワステの無いスーパーアグリの4年落ちの車のような鈍い動きを繰り返した.

 まず彼は日本代表に一体何をコーチングしたのだろうか?「自由」という合言葉はあるが,具体的に何をどうするのが「自由」なのか?
 なんでもして良いのか?というとそれは違う.制約はある.しかし,どこまでは決まりごとでどこからどこまで自由にして良いか?をはっきりさせなければならない.もし全て自由なら,選手の「自分勝手」になってしまう.「自分勝手」が11人いる集団になればその団体は何かを達成することは不可能だろう.
 結果代表は「自分勝手」な集団のままW杯に挑むこととなった.

 結局その「自由」は拠り所が全く無い状態を作った.豪州戦の小野の投入後の小野の動きだったり,ブラジル戦の前半ロスタイムから後半に掛けてのチームの動きがそれだ.厳しい局面に立つと個々人が何の拠り所も無くもがくのみ.そして「後退した」といわれる代表になったのだ.

 ちなみにトルシエの手法でも自由は取り入れられた.自由に対して積極的かそうでないかの差だけで.コインブラには「自由」しか無かったのが問題だった.


 またコインブラも「自由」だった.彼の選手選考は小学生のTVゲームでの選手選考と同じだった.それまでの実績のみ(画面上の数字のみ)で現在の調子は考慮せず,目先の試合のみしか見ることが出来ず.

 その大きな問題点のひとつはチームのバックアップをできる選手がいなかったことだ.W杯の田中誠が抜けた時のCBなどがいい例だ.そもそも3バックでCBのサポートが一人しかいないって言う時点で馬鹿丸出しだが.また宮本のいない4バックも記憶を辿っても見たことが無い.
 加地の控えもそうだ.一体駒野はW杯前にどれだけあのメンバーで練習と試合をしたというんだろう?記憶では東アジア選手権くらいしか思い当たらないんだけれど.

 表に出たのはこれだけだが,例えば左サイドバック.ナカタコがSBで出た試合も殆ど知らない(ボランチでもだが).また中村の代わりは?4-4-2なら誰?小笠原は使ってるし.中田はレジスタとしてしか殆ど出てないし,遠藤や小野はテストで2列目で使えないことは明らかだったし.なのに控えが・・・.

 バックアップだけなら怪我人が出なければまだマシ.けれどスタメン自体に問題があればどうしようもない.問題の二つ目はこれだ.ゲームプランの見えない選手起用はだった.
 中盤は象徴的だった.W杯で2列目,2.5列めから最前線に顔を出した選手は一人もいなかった.ミドルシュートだけだった.多分32カ国で唯一だろう.あんな勝負しない中盤は.それで得点力不足を嘆くコインブラがいるのだから・・・.
 結局中村をリケルメ役にして「おまかせ」というプランだった.成功できるわけが無い.
 DFもしかり.退任会見で「フィジカルが・・・」とか言いながら170中盤の選手をCBに.「自分馬鹿ですからやってみるまで分かりませんでした」と言っているようなもんだ.

 コインブラは「選手に合ったシステムを使う」とかいいながら,宮本に最も合わない4バックを採用した.機能するわけが無い.同じ選手構成ならシステムは変わらないはずだが変えたりしていたし.


 そして最も問題なのが「調子のいい選手を選ばない」ことだったろう.これにより調子の良い若手の代表入りの機会を奪い世代交代を円滑に出来なかった.更にこれはJリーガのモチベーションを大いに下げた.Jリーグでの調子なんて全く考慮していないのだから.もし考慮していればどうして玉田がメンバー入りできるだろうか?どうして小野がメンバー入りできるだろうか?スタメン落ちも珍しくない宮本がどうしてメンバー入りできるのか?そして彼ら3人は活躍しただろうか?
 Jリーグ以外でも怪我してたヤナギ,シーズン1得点の高原,2部リーグで得点をろくに出来ないオフサイド大黒,これだけいた.
 対してリーグで動きの良い巻はもっともFWらしい動きをしていた.

 問題なのは結果だけでなく,選出の時点で「彼らのベスト以上は望めない」のに起用したことだ.要するに調子が良くなってようやく「彼らのベスト」のプレーが見れるわけで,それ以上は望めないし,ほぼそれ以下なのだ.それがロナウドやアドリアーノならまだ起用の価値はあるが.
 そして相手にも簡単に戦力分析されるメンバーとなっていた.

 ただ,固定したメンバーで戦い続けることもメリットは当然ある.戦術が浸透できチーム力が上がる.しかしコインブラにそんな戦術論など無かった.戦術がないのだから浸透するものも無いわけだ.


 また彼の試合での采配は語るに及ばないだろう.あれだけ選手として活躍していても,臆病者はろくな決断は出来ない.なぜ?と思う回数は最後には諦めにより減ってしまったが.


 とにかく批判だらけのコインブラだが,これは全て「監督」コインブラに対してだ.選手「ジーコ」に対するものでないことははっきりさせておきたい.そして今回の監督選考でコインブラを選ばずとも,必ず一度はこういった大間違いを犯しただろう.それが早い時期で良かった,と思うしかない.
 だからこういった選考をした人間は必ず責められるべきなのだ.前にも書いたが「選んだ奴が悪い」だ.

 次の監督もまたいいかげんな形で決まろうとしている.個人的にはオシムには千葉のようなクラブを鍛えてもらい,新たに素晴らしい監督を代表に呼ぶことで,クラブおよび代表でのレベルアップが見込めると思っている.

 オシムに代表を任せて,代表だけになってしまえばそれは問題だし,もしそれでオシムが結果を出せずに解任になってしまったら日本のサッカー界への打撃は計り知れないのだから.

地味な話題

2006-06-27 00:56:05 | ファジアーノ岡山
 けれど大きな一歩.

http://www.sanyo.oni.co.jp/sanyonews/2006/06/26/2006062610133782007.html

 多分このチームを追いかけだして初めて「本気になったかな?」と思った瞬間だった.山陽新聞もトップで扱えよ,などと思いつつ.昨年は地域リーグ2位でもおまけで決勝大会(名前忘れた)に行けたけど,今年は1位で無いと無理.いまんとこ1位(暫定?)なのだが,シーズン始めにセントラル中国にボロ負けしていて「今年も駄目か・・・」と思っていた.

 しかし今回のこの話題.オシム就任よりよっぽど嬉しかった.まぁW杯期間に地域リーグの結果に一喜一憂して日本代表よりある意味緊張して結果を見ていたくらいだし.

 ようやく「サポータ始めました」と宣言しようかな?ホント遠くにいるとどこまで本気なのか分からなかったし.とりあえず他の用事の都合がつけば,次のホームは行ってみようと思う.遠いけど.


 まぁ「陰から応援する」から「ちょっとだけ日向に出て応援」に変えます.まずはJFL昇格!!!

まとめ

2006-06-25 02:49:32 | Sports:football(A代表)
 とりあえず日本が終わったので採点もしていいだろう.

 まず1戦め.
FW
柳沢(4.0)シュート禁止という場所はない.
高原(4.0)走ってないのに疲れていても仕方ない.
大黒(-.-)今ごろいれんじゃねぇよ!と切れてもいい.
MF
中村(5.0)後半「代えて」って言えばよかったのに.
中田(6.0)そんな凄いプレーをしたわけではない.普通.
福西(6.0)小野を止めても良かった.他はバランサーとして機能した.
小野(1.0)本気で「W杯で点を取る」という気だったの?チームはどうでもいい,と.
DF
サントス(6.0)間違った評価じゃないと思う.
駒野(5.0)レギュラー組ともっと試合してたらね.クロスの精度というより意図.
宮本(4.0)相手に穴と思われました.
中澤(6.5)守備を主体的に統括してよかったかもしれない.まだ出来た.
坪井(5.0)無駄な交代.緊張とか関係ない.心の準備不足.
茂庭(5.5)急に呼んで急に試合って.これこそジーコの被害者.
GK
川口(5.5)あのロングスローの前に調子に乗った.見ていて分かるくらいに.
HC
ジーコ(0.0)
 監督として最低の仕事.交代の采配は素人以下.CBの控えの問題などは準備不足を明らかにするもの.意図どおりに選手が動かない=監督として統率力がない.この時点でチームは崩れた.

 で,第2戦.
FW
柳沢(3.0)この先ずっと言われる芸術的シュート.ポストプレーも最悪.
高原(2.5)地味に柳沢以下.ずっと日陰にでもいたのか?
玉田(4.5)審判と勝負するには技術が足りない.
大黒(-.-)何で玉田が先やねん.
MF
中村(4.5)体調不良.けれど代わりがいない.誰のせい?
中田(6.5)普通のプレー.中田以上はもう無理.
小笠原(5.5)地味にいいプレーしてたけどのんびりサッカーは嫌い.
福西(4.0)ここまで駄目な福西も初めて.自信喪失って感じ.
稲本(6.0)イナも成長したなぁ.今回はレギュラーでよかったと思うけど.
DF
加地(6.0)豪州戦にいて欲しかったな.安定感が違う.
サントス(6.0)良かったよ.意外に.他が悪すぎたのか?
宮本(2.0)PKはACLを思い出した.あの無様な抜かれ方を.
中澤(6.0)無失点は良く頑張った.
GK
川口(6.5)神になった日.
HC
ジーコ
 采配に関しては無難にこなした.ただ大黒の投入が遅かったのは否めない.敗戦からの期間で勝つためのメンタリティーを選手に与えられなかった指導力の無さも明らかになった.チームは1戦めと何も変わらなかった.変わったのは相手の国名と決定力だけ.

 で,第3戦.
FW
巻(5.5)もっとシュートへの工夫が欲しかった.ただチームとしては起点が出来てやりやすそうだった.
玉田(6.0)1点取ったしね.ただそれだけ.
高原(1.0)怪我するタイミングも悪いね.
大黒(4.5)やっぱフランス行ってから思うように動けてないね.
MF
中村(4.5)パスミス多すぎ.走れないの?
中田(5.5)パスミス多すぎ.
稲本(5.5)フィジカルが安定してるから余裕がある.
小笠原(4.5)そのプレーじゃ通用しない.
中たこ(4.5)ドイツの思い出.ジーコの恩.思ったより良かったけどね.
DF
サントス(5.5)良かったよ.戻りが遅いけど.
加地(5.5)やっぱ良かった.あとひとつ.
中澤(5.0)1点目のボールウォッチャーぶりで幻滅した.
坪井(5.0)4点取られたら.
GK
川口(5.5)俺のせいじゃねぇよ,というのが本音だろう.
HC
ジーコ
 今更スタメン隠してどうなるの?隠すなら1戦めだろ?行き当たりばったりのジーコの集大成,という感じ.勝負したいときに勝負できる選手がベンチにいない.この程度の監督だった.

さよならゲーム

2006-06-24 19:36:42 | Sports:football(A代表)
 06W杯第3戦ブラジル.

 僅かな期待をもって迎えたこの試合.相手は王者ブラジルの1.5軍.何て言うけれどこのメンバーが弱いと思った人はいないだろう.

 この日の日本はこの3戦の中で最も日本らしい戦い方が出来ていただろう.失点するまでは.ただこの日は日本の出来どうこうを語る日ではなかった.ブラジルの調子が一気に上がってしまっていたのだから.

 相手は立ち上がりからダイナミックなサイドチェンジを多用し,日本のマークをずらしにかかる.そういった状況が出来ればあのデブでもシュートへ持ち込むことが出来る.更にはその周りにホビーニョが動き回る.カカは相変わらず動きが良い.ホナウジーニョはそれほど調子が上がっているわけではないが,自由にプレーする.

 この日も川口のセーブが無ければ何点失っていただろうか?と思わせる状況だった.これほどまでにブラジルが調子が上がったのは,ひとつに動くFWが入ったこと,というのがある.それに加えて3戦目であること,プレッシャーが無いこと,控えのモチベーションが高いこと,という理由が考えられる.

 そして最大の要因は,日本が2点差で勝ちに行かなければならない状況だった,ということだろう.今までの相手のように守ってこない.しかもそれがフィジカルに劣る日本であれば尚更だ.

 つまりこの日に「2点差で勝つ」という状況にしてしまった次点で半分以上勝負は決まってしまった.もし1点なら引きこもって粘ってカウンターで1点とってあと逃げる,ということも考えられたが,先制点をとっても更に攻めるしかない,という状況は相手のプライドを考えても勝ち目は無い.


 最後に屈辱的な「キーパーのお試し」をされ負けた日本.この日戦っていた大半の選手よりブラジルの選手の方が貪欲だった,という時点で日本は敗退すべきチームだったと言えるだろう.

F組2順め

2006-06-20 18:57:17 | Sports:football
 残りの試合も見た.

 ブラジルは相変わらず気分屋サッカー.戦術もくそもない.対して豪州は戦術ガチガチのヒディンク.点を取られるまでは引いて守ってカウンター.狙いは「引き分け」.とてもつまらないサッカーを見せていた.
 けれどそんな戦術を簡単に上回る個人の能力で突破したのがブラジル.豪州は日本のFWに慣れてしまったか?あそこであの化け物にあれだけ甘くマークしたら終わり.そんなあまくない.

 と,書いたが正直ブラジルは負けてもおかしくない展開だった.ただカカがキレキレ.次戦はできるなら休んで欲しい.そこにボランチ2人が絡む.この3人でほぼ勝負を決めたといっても過言じゃないだろう.
 ここまではいいが,FW2人はのんびりサッカーしてるし,ホナウジーニョはまだ本調子でない.カフー,ロベカルは気にするほどでもない.これでも勝ち進むんだからどれだけ個の力が強いか,ということだ.
 途中から入ったホビーニョも怖いが,正直デブの全盛期に比べりゃマシかな?という感じ.いや凄いけどね,絶対的ではない分マシ.


 次戦は両サイドバックを落としてくるかもしれないのが不安だ.シシーニョとか入って来る方がよっぽど嫌だ.デブは先発するらしいから一安心だが.とにかくカカさえ休んでくれればそこそこ勝負になるかな?

 オーストラリアは次は負けるんじゃないかな?クロアチアとは相性が悪そう.そしたらまた面白いことになりそうなんだけど.まぁ奇跡は無いけど朝4時には起きよう.
 ただ,負けるならジーコの無能ぶりが世界に広まるような形がいいな.選手ばかり責められるのはちょっとかわいそうだ.

第2戦

2006-06-19 00:33:11 | Sports:football(A代表)
 06W杯第2戦.まぁこんなもん,というのが感想.

 とにかく日本サッカー界の初めてのアウェイでの勝ち点に拍手.いや,みんな期待しすぎ.まぁ期待してたけど.

 とにかく日本はDFが弱い.ようやく中澤という世界レベルで何とか戦えるDFが出てきた状況.
 どういうことかというと,サッカーではどうしても攻撃的ポジションに才能を持った選手が集まって,その中から脱落した選手がDFへ,という形になる(それが全てとは言わないけれど).多分どこの国も同じで,攻撃的ポジションの選手のレベルが上がれば上がるほど,守備的ポジションに行く選手が増えていく.そうやって全体のレベルが上がっていくのだ.弱小国,という国に世界的なDFがいる,というのを聞いたこと無いし.

 ただ日本はちょっと特殊で,中盤からレベルが上がっていって,次のFW,GK,最後にDFという形になっている.
 で,唯一海外に出てないのがDF.そういった状況が「ようやく世界に通用するDFが出てきた状況」ということだ.中澤のこと良く言いすぎかな?


 ただしその速度は他の国より相当速いペースで上がっている.控えにプレミアやオランダで活躍した選手がいれば,フランス2部,スイス上位チームの選手もいて,フランス1部やリーガの選手が代表から外れている.この状況が8年前に考えられただろうか?

 だからそこ「うまくやってれば」と思ってしまうのも仕方ない.けれどこれが国全体の実力だろう.これ以上を望むのは酷だ.


 ここから日本はどう実力を伸ばすか?簡単に言えばJリーグの充実だろう.やはり自国のリーグがしっかりしないと何も変わらない.全員海外になんて行けないしね.FWやDFのやたら強いチーム,なんてJで出てきたらまた変わってくるんだろうけど.チーム作りにもコンセプトが欲しい.
 その上で「日本のサッカー」を作り上げていくこと.多分ショートパスと俊敏性を生かした攻撃サッカーなんだろうけど(この国の人はなんだかんだ言って攻撃的だし).


 ちなみにW杯の評価はしたくないが,最高点は中澤と川口で決定だろう.次点に加地で.

E組2まわりめ

2006-06-18 19:33:56 | Sports:football
 ここが一番混戦.

 元々わかっていた話だけれど,Cよりよっぽどきついグループ.アメリカとチェコにそれほど差があるわけではなかったし,大会始まってみるとガーナが良いチームで,そこにチェコの怪我人が加わって更に混戦となった.

 まずガーナとチェコ.完全にガーナペース.チェコはネドヴェド,ロシツキ以外で有効な攻め手を持たなかった.そこへガーナの先制点.完全にチェコは浮き足立った.ガーナは最初から最後までよく走るチーム.集中が切れるのが難点だがそれ以外問題なく試合を進めた.決勝トーナメントはここが行ってしまいそうだ.
 チェコは結構上位に行くと思っていたがコレルとバロシュがいないと平均以下のチームになってしまった.


 そしてイタリア対US.最初からぶつかり合いばかりの試合で全く面白さの無い試合が続き,こういう展開なら強いのがイタリア.というわけで先制点はイタリアだった.しかし予想外の自体はここから立て続けに起こった.
 まずイタリアのオウンゴール.まさか,である.あのアメリカの動きを見たら前半は1点を守りに来るだろう,と思ったのに.

 更に前半のぶつかり合いがイタリアのレッドカードを呼ぶ.これは多分今大会で初めての「明らかな故意の」肘打ち.ただでさえイタリアサッカーは今イメージが悪い.それを払拭するために頑張っているんだ,と思ってみていたがそんな思いは吹っ飛んだ.一回潰れた方がいい.そんな風に思った.

 そんな目で見出すとそのあとの光景はイタリアがお金を出しているとしか思えない展開に見えた.それ以降アメリカは2人の退場者.確かにファールはファールだったが「そこまでしなくても・・・」と思うものだった.審判もそこまで試合を壊す権利は無い.
 そしてその疑念が最高潮に達したのがアメリカの完全なゴールを「オフサイド」とされたこと.前回韓国にいかさまされたからってお前らもしなくて良いだろ?と思った.


 というわけで今大会ダントツで最低の試合だった.日本戦よりもね.よかったよかった.サッカーではアメリカに強くなって欲しくないから応援したくないけど,今回は応援しよう,と思った.

 けどアメリカと日本のサッカー界はよく似た位置付けにある.そこそこ強くなってきたが,自国内のメディアによって虐げられている,というところ.そんな環境で頑張っていると思うとちょっと共感してしまうところがある.

批判される人

2006-06-18 04:29:20 | Sports:football(A代表)
 今日本で一番批判されている人.

 間違いなくジーコだと思う.いろんな方向から批判されて大変だ.だから誰も代表監督なんてやらなくなる.

 別にジーコを擁護する気は全く無い.いつも批判してるし.ただ,評価すべきところ,責任の所在を冷静に整理しないと,「全てジーコが悪い」といったくだらない結論しか導き出せない.

 まず最も批判すべきは「ジーコを選んだ人」だろう.ジーコは選ばれるべきではなかった,なのに選んでしまった人だ.

 ジーコを選出する時点で分かっていた最も大きなリスクは監督経験が無い(彼はあると思っているらしい)ことだ.この場合成功すればよいが,失敗した場合絶対にそこに批判や不満が行く.またバックボーンが無いため,同じことをやるにも説得力も薄れる.彼が物凄いサッカーの理論を持っていた,ということも聞いたことが無い.
 それに加えてある特定チームとの関係が深いことだ.これによりその他のチームの人間からは何を言おうと不平不満が出てくる.いくら公平にしても「関西には来ない」とか「柳沢の怪我の様子だけは毎日のようにチェックする」などと言われるのだ.事実かどうかは知らないが.

 こういった分かりきった問題点を上回る良さが彼にある,と思って選んだのであればそれはそれでよいが,選出の時点でそれが見えていたとは到底思えない.あの時点で想定できることは「日本のことをよく理解している」,そして「偉大な選手」ということくらいだろう.これ以上のコメントを聞いたことがない.

 よって今回の結果を招いたのはジーコを選んだ人だ.それさえなければ今は無い.


 そして監督ジーコを評価するとどうなるか?ここで高評価であれば今のように非難一辺倒とはならなかったのだろう.

 褒めるべき点を探す.「選手に敬意を払うこと」くらいか.あ,「選手の能力を見る眼」も少し褒めてもいいところかも知れない.あと「強豪国に顔負けしない」ということもあるか.

 以上良い点.

 批判すべき点は多すぎる.まず基本方針の揺らぎ.言っていることが急に変わる.説明も無く.一番良い例が4バックで代表を始めて,そのときに「システムに選手を合わせることは無い」とか言いながら3バックの方が選手が慣れてるから3バック,なんて変更をしたところか?とにかくひとつのチームをひとつの目標へ導くための基本方針が殆ど無い.
 それが無いことが日本代表が安定したパフォーマンスを出せない原因になっている.うまくいかなくなったときすがるところが何も無いからだ.

 最近よく言われている「自由」というキーワードもそんなたいした話ではない.確かにトルシエの頃はシステマチックすぎた部分もあるが,いくらシステマチックにしても「自由」というのはあるのだ.それを積極的に奨励するかしないか,というだけの差だ.本当の自由というものはある土台の上にあるものだ.しかしジーコの自由は「放置」だ.

 例えればサッカーコートの中でボールだけ渡して「あとは勝手にしていいよ」というのと,広大な大陸に連れて行って「あとはキミたちの自由だ」という違いか.前者では「どういうゲームしようか?」という議論になるだろうが,後者では「死ぬかもしれんから生き残る方法考えよ」という議論くらいしかないだろう.つまり「仕方無しに考える」だけだ.まぁこの方法で生き残れば物凄い団結は生まれるかもしれないが.

 このように自由を浸透させる方向は正しいだろうが,方法は大間違いだった.非難されるべきところだろう.

 そして最も彼が監督に向いていない点は,「リスクマネージメント能力の低さ」だ.彼の行動は全て結果待ちで,失敗するまで変える判断を出来ないのだ.東アジア杯のように「やらせたら疲れてた」から選手を総入れ替えする,とか「ボロ負けした」から4バックに変える,とか.
 選手選考だけは簡単に変えられなくて,次の機会もその失敗を忘れて同じ失敗を犯し続けてきたのだが.だからW杯に同じような中盤の選手ばかり連れて行っているのだが.バックアップは半年振りに代表のピッチに出た,なんて状況もあるのだが.

 まぁ多くの批判は「目先のことしか見えない」彼の特性に行き着くんだろう.結局それは人間の性格に近い部分であるので変えるのは難しい.

 結局選出時点で大きなメリットが見つからないのに選んだやつが悪いのだ.そしてやってみたら「性格的に難がありました」というだけ.ジーコを責めるべきではない.彼には監督の資質は元々あの程度しか無かったのだから.


 そもそも日本サッカーは何を目指しているのだろうか?ブラジルのようなサッカーを目指しているのだろうか?単に「強くなりたい」という漠然とした目標が今の位置のように感じる.それが一番批判されるべきかも知れない.


 この大会では変な戦術は無いので,本当の意味での日本の実力が分かるんじゃないだろうか?それはそれで楽しみだ.

D組2順め

2006-06-18 01:37:54 | Sports:football
 2順目といってもこのグループは殆ど試合を見ていない.

 まぁ都合が悪かったのと興味が殆ど無かった,という両方が重なった.組み分け見た瞬間どこが勝ち抜けするかも殆ど決まったような感じだったのもあったし.

 で,その予想通り上二つにいわゆる強豪が来ていてポルトガルは一抜け.ただこの日のイラン戦は意外に「やばいかな?」と思ってみていた.ポルトガルは守備が強固でなく,攻撃もそれほどバリエーションが多くはなさそう.ベスト8が限界,という感じ.ロナウドもそんな好きじゃないし.
 イランには十分チャンスがあったが,そこで勝てないのが弱小と強豪の差.この差を埋めるのには相当時間がかかる.それは単にW杯の時だけのサッカーでは到底無理な話だ.


 というわけでメキシコ対ポルトガルくらいは見ようかな?