0-1の敗戦.ただの敗戦ではなく内容も無く将来にも期待できない敗戦だった.
■試合前からの違和感
スタメンを見て「良くて引き分け」という印象を受けた.その理由は3バックの採用だ.3バックが悪いわけではなく,監督が変わって以来試合で1度も試していない形だからだ.それをいきなり公式戦,しかも大事なW杯予選で採用するという無謀な作戦.
更には阿部,中澤,今野という3バックの組み合わせは初.右に駒野,左に安田というのも初.更には遠藤を外したのも初,中盤より後ろは殆ど初めての組み合わせ.「初めての面子が簡単に機能する分けないだろ?」というのが常識的な感覚だ.しかも鈴木は殆どDF.サイドが支配されればDFが6人もいるような形になる.これでは前3人+時々中村という組み合わせの攻撃しか期待できない.攻撃で数的優位など期待できない.孤立した攻撃陣が目に浮かぶ.・・・どこかで見たような光景,そうコインブラ時代のサッカーだ.
それに3バック採用は「相手に合わせたサッカーをする」と宣言したようなものだった.相手が怖いからこそのシステムチェンジ.そうでないならいつも通りできたはずだ.
■再現される過去
試合は開始直後から蹴り合いになった.しかしそれは互角ではなかった.バーレーンの守備は積極的に日本の攻撃を潰すプレス.日本はバーレーンの攻撃を凌ぐだけの消極的な守備.ボールを奪われる位置は低く,そしてボールを奪う位置は更に低い.
更に状況を悪くしたのはは日本はビルドアップが全くできずロングボールを多用せざるを得なかったことだ.特にこの日は相手の中央でのプレスが厳しく巻はポストとしての機能を全く果たすことが出来なかった.サイドに展開しても3バックなので両サイドは数的不利になりボールを落ち着かせる場所がDFやボランチには見当たらなかった.もちろん選手の足が動いてなかったことも影響していた.
攻撃のリズムは全くできず,稀にボールが繋がったときのみ攻撃.その機会も孤立した攻撃陣は相手のプレスにただボールを奪われるだけだった.初シュートまで30分,更に言えば2本目のシュートは後半20分過ぎ.60分でたった2本しかシュートが打てなかった.
この日は今野の出来が悪かった.守備はともかく攻撃時にボールを捌けない.判断が遅くパスをしようとしたときにはプレッシャーを受けプレーが制限された.ただそれは周囲のフォローが遅くパスコースがなかったこともある.不慣れな布陣のチームが機能していなかったためにそういう連携ができていなかった.選手は「考えて走る」を実行しようにも考えても答えが出ないために走れないように見えた.
それはまさにコインブラジャパンの再現.ただ「コインブラ監督ならこの試合もその強運で最低引き分けられる」と思い出した.残念?だが監督は違う.
悪いことに前半走らされた日本は形が作れ出した後半20分を過ぎたときには疲れきっていた.そして相手のFK時に集中力を失いスペースにフリーで相手を走らせた.そしてこの日終止符安定なプレーを見せていた川口が致命的なミスを犯し失点.この結果は必然だった.
■プランの無いサッカー
この日長らく代表の主力として扱われた遠藤が外された.それにより単に新しいメンバーにして3バックにしたこと以上にチームはバランスを失った.タメを作る選手が不在だったのだ.それは山瀬,中村がそういうタイプで無い以上十分に予測できた.予測できなかったにしても一度試しておけば問題点も具体的に見えていたはずだ.
そして調子の悪い遠藤を外す機会は十分にあった.しかしその機会は使われなかった.そしてそれを試すのがW杯予選という場になった.更に「3バックに慣れていない」という理由であれだけ重用していた内田をベンチからも外した.これまでに積み上げてきたものをいきなり捨てたのだ.
この2つの事実はこの監督が大きなプランを描けず,そして細部の検討もできておらず,目の前しか見えなくなっていることを示している.「バーレーンの攻撃を防ぐために3バックだ」.そう考えた監督はそのこと以外考えられなくなっていた.
完全に戦術で相手に翻弄され機能不全に陥る日本.前任者が作り上げたサッカーはプランを見失った監督により見事に消し去られた.
■世界をあっと驚かせる
この日見せたサッカーは非常に醜いものだった.強い相手に対して守備的なサッカーをして勝つ.それで世界は驚くだろうか?日本らしさのある良いサッカーでをして初めて世界は驚くだろう.それは勝敗に関係なく.そういう意思を就任時に見せたこの監督はプランも描けず志も貫けなかった.「世界をあっと驚かせる」ための手段はW杯を逃すことくらいしか思い浮かばなかった.
リアリストの彼は「アジアで勝ち抜くサッカーもある」というコメントを言っていたと思う.そのときから信用できなかった.W杯ではバーレーンなんかよりはるかに強いチームばかりが集う.バーレーンに対して自らのサッカーを変えてしまうようなチームがW杯で急に「日本らしいサッカー」に切り替えられるだろうか?
日本らしいサッカーをして予選を勝ち抜いて初めて日本らしいサッカーで強国と戦う自信がつく.もし日本らしいサッカーを捨ててW杯も逃したら一体何が残るのだろうか?彼が日本らしいサッカーで勝ち抜く勇気のある監督でないことはこの日よく分かった.前任者がそれを可能にする力を持っていたからこそその落胆は大きかった.
バーレーンに力負けしたわけではなく力さえ出させてもらえなかった.戦うことさえ出来なかった選手にはストレスが溜まった試合だっただろう.ドイツでの豪州戦以来の大惨敗にも関わらずこの監督を解任する動きが全く出てこない.またコインブラの過ちを繰り返すのか?期間が開く今がそのベストタイミングなのだが.
では勝手に採点・・・しようと思ったが止める.この日の出来は戦術に大きく影響されたからだ.最も良かった選手は中澤ということだけ書いておこう.彼だけはW杯予選をいつもどおりに戦っていた.
監督の祭典は勝手にやっておく.
岡田(2.0)
アウェイとは言え解任に値する采配だった.次負ければ間違いなく解任だ.協会はこの開いた期間で後任者を探しておくべきだろう.懐かしい点数をつけた.
■試合前からの違和感
スタメンを見て「良くて引き分け」という印象を受けた.その理由は3バックの採用だ.3バックが悪いわけではなく,監督が変わって以来試合で1度も試していない形だからだ.それをいきなり公式戦,しかも大事なW杯予選で採用するという無謀な作戦.
更には阿部,中澤,今野という3バックの組み合わせは初.右に駒野,左に安田というのも初.更には遠藤を外したのも初,中盤より後ろは殆ど初めての組み合わせ.「初めての面子が簡単に機能する分けないだろ?」というのが常識的な感覚だ.しかも鈴木は殆どDF.サイドが支配されればDFが6人もいるような形になる.これでは前3人+時々中村という組み合わせの攻撃しか期待できない.攻撃で数的優位など期待できない.孤立した攻撃陣が目に浮かぶ.・・・どこかで見たような光景,そうコインブラ時代のサッカーだ.
それに3バック採用は「相手に合わせたサッカーをする」と宣言したようなものだった.相手が怖いからこそのシステムチェンジ.そうでないならいつも通りできたはずだ.
■再現される過去
試合は開始直後から蹴り合いになった.しかしそれは互角ではなかった.バーレーンの守備は積極的に日本の攻撃を潰すプレス.日本はバーレーンの攻撃を凌ぐだけの消極的な守備.ボールを奪われる位置は低く,そしてボールを奪う位置は更に低い.
更に状況を悪くしたのはは日本はビルドアップが全くできずロングボールを多用せざるを得なかったことだ.特にこの日は相手の中央でのプレスが厳しく巻はポストとしての機能を全く果たすことが出来なかった.サイドに展開しても3バックなので両サイドは数的不利になりボールを落ち着かせる場所がDFやボランチには見当たらなかった.もちろん選手の足が動いてなかったことも影響していた.
攻撃のリズムは全くできず,稀にボールが繋がったときのみ攻撃.その機会も孤立した攻撃陣は相手のプレスにただボールを奪われるだけだった.初シュートまで30分,更に言えば2本目のシュートは後半20分過ぎ.60分でたった2本しかシュートが打てなかった.
この日は今野の出来が悪かった.守備はともかく攻撃時にボールを捌けない.判断が遅くパスをしようとしたときにはプレッシャーを受けプレーが制限された.ただそれは周囲のフォローが遅くパスコースがなかったこともある.不慣れな布陣のチームが機能していなかったためにそういう連携ができていなかった.選手は「考えて走る」を実行しようにも考えても答えが出ないために走れないように見えた.
それはまさにコインブラジャパンの再現.ただ「コインブラ監督ならこの試合もその強運で最低引き分けられる」と思い出した.残念?だが監督は違う.
悪いことに前半走らされた日本は形が作れ出した後半20分を過ぎたときには疲れきっていた.そして相手のFK時に集中力を失いスペースにフリーで相手を走らせた.そしてこの日終止符安定なプレーを見せていた川口が致命的なミスを犯し失点.この結果は必然だった.
■プランの無いサッカー
この日長らく代表の主力として扱われた遠藤が外された.それにより単に新しいメンバーにして3バックにしたこと以上にチームはバランスを失った.タメを作る選手が不在だったのだ.それは山瀬,中村がそういうタイプで無い以上十分に予測できた.予測できなかったにしても一度試しておけば問題点も具体的に見えていたはずだ.
そして調子の悪い遠藤を外す機会は十分にあった.しかしその機会は使われなかった.そしてそれを試すのがW杯予選という場になった.更に「3バックに慣れていない」という理由であれだけ重用していた内田をベンチからも外した.これまでに積み上げてきたものをいきなり捨てたのだ.
この2つの事実はこの監督が大きなプランを描けず,そして細部の検討もできておらず,目の前しか見えなくなっていることを示している.「バーレーンの攻撃を防ぐために3バックだ」.そう考えた監督はそのこと以外考えられなくなっていた.
完全に戦術で相手に翻弄され機能不全に陥る日本.前任者が作り上げたサッカーはプランを見失った監督により見事に消し去られた.
■世界をあっと驚かせる
この日見せたサッカーは非常に醜いものだった.強い相手に対して守備的なサッカーをして勝つ.それで世界は驚くだろうか?日本らしさのある良いサッカーでをして初めて世界は驚くだろう.それは勝敗に関係なく.そういう意思を就任時に見せたこの監督はプランも描けず志も貫けなかった.「世界をあっと驚かせる」ための手段はW杯を逃すことくらいしか思い浮かばなかった.
リアリストの彼は「アジアで勝ち抜くサッカーもある」というコメントを言っていたと思う.そのときから信用できなかった.W杯ではバーレーンなんかよりはるかに強いチームばかりが集う.バーレーンに対して自らのサッカーを変えてしまうようなチームがW杯で急に「日本らしいサッカー」に切り替えられるだろうか?
日本らしいサッカーをして予選を勝ち抜いて初めて日本らしいサッカーで強国と戦う自信がつく.もし日本らしいサッカーを捨ててW杯も逃したら一体何が残るのだろうか?彼が日本らしいサッカーで勝ち抜く勇気のある監督でないことはこの日よく分かった.前任者がそれを可能にする力を持っていたからこそその落胆は大きかった.
バーレーンに力負けしたわけではなく力さえ出させてもらえなかった.戦うことさえ出来なかった選手にはストレスが溜まった試合だっただろう.ドイツでの豪州戦以来の大惨敗にも関わらずこの監督を解任する動きが全く出てこない.またコインブラの過ちを繰り返すのか?期間が開く今がそのベストタイミングなのだが.
では勝手に採点・・・しようと思ったが止める.この日の出来は戦術に大きく影響されたからだ.最も良かった選手は中澤ということだけ書いておこう.彼だけはW杯予選をいつもどおりに戦っていた.
監督の祭典は勝手にやっておく.
岡田(2.0)
アウェイとは言え解任に値する采配だった.次負ければ間違いなく解任だ.協会はこの開いた期間で後任者を探しておくべきだろう.懐かしい点数をつけた.