Motor Sports Sound

車とスポーツと音楽と

第23節

2010-08-20 13:01:01 | ファジアーノ岡山
 お休み.

 ということでちょっと気になることを書いておきたいと思う.それはファジアーノの練習場に関する署名運動だ.これに関する報道からは「練習場が無いから自治体さん,協力して」「経営状態も厳しいから練習場作れない」「練習場が無いといい選手も入ってこないし今いる選手も大変」というニュアンスが伝わってくる.

 これを聞くと,あまり興味の無い人(特に年配の方々)は「何で一企業の使用物を税金で作らんといけんの?」「俺ら頼んでやってもらっとる訳じゃないし,自分のことは自分でやりゃーえーが」「そもそも俺サッカーなんか興味ないけんそんなとこにお金使ってほしゅー無い」なんて言う感情を抱くだろう.いや興味を持っている人でさえ,最初に書いた感想は頭にあるのでは無いだろうか?
 もしこれが「株式会社Bの駐車場増築を税金で・・・」なんてなれば絶対に反対されるだろう.いや「○○百貨店陸上部の練習場を・・・」と言われてもやはり反対されるだろう.これらと今回のファジアーノの練習場は何が違うのだろうか?

 簡単に言えばその団体の存在意義だ.上の例の株式会社Bは,自社が利益を出すために存在している(もちろん社会貢献も企業の存在意義だが).自分たちの懐にお金を入れるだけの企業に市民・県民から集めた税金を使って彼らを補助するのは論外だろう.
 では○○百貨店陸上部ではどうして駄目なのか?ファジアーノと同じスポーツをやっているじゃないか?となる.この陸上部はその名の通り「企業の持ち物」である.つまり「企業の宣伝・広告および企業福利厚生」のために存在している.結局は株式会社Bの例と同じく会社の利益のための存在なのだ(もちろん表向きにはスポーツ振興なんてアピールするが).そう考えると彼らを優遇する理由は無い.

 これに対してファジアーノはどうだろうか?彼らは何のために存在しているのだろうか?それが一般企業とは異なるのだ.もちろん利益をあげて従業員に給料を与える必要はあるが,その従業員の給料を増やすことを目的に存在しているわけでは無い.
 目的は地域振興なのだ.そしてその手段としてサッカーを使っている団体だ.そしてその活動を継続し,より効果を発揮するために利益を出そうとしているのだ.

 現在の署名運動の推し進め方はこういう観点からのアピールが無さ過ぎると思う.「練習場酷いの.だから欲しいの」というアピールの仕方は子供の我侭と大きく変わらない.もう少し自らの存在意義を理解してもらわないと署名も集まらないし,税金を使うことに対して理解もしてもらえないだろう.

 ただ,それが出来たとしても自分としては,前にも書いたとおり「全部税金でする必要ない.けど少しは補助してやってもバチは無い」という立ち位置だ(一応署名はしたけど).地域振興活動をやっていると言っても,地域にお願いされたのでなければ自分たちの可能な範囲でやるというのが正しいと思うし.ただ多少補助してもいいくらいの結果は残していると思う.
 ただ今のファジアーノの県民への浸透度,理解度を考えたときに,これ以上すると逆に今後の活動の妨げになるかもしれないのでほどほどに,というところ.


 ちなみに署名するときに「今おられない親族の方の名前とかも書いてもらってかまいませんよ」と言われた.「この活動を理解しているかどうかもわからないのに勝手に署名させるの?それはちょっと違うだろ?」と思った.あえて文句は言わなかったが.
 自分たちの欲望のために手段を選ばないような団体に賛同する人はいないと思う.小さなほころびだとは思うが,そういう空気が全体を支配しないようにしてもらいたい.

第22節 徳島戦

2010-08-15 19:59:47 | ファジアーノ岡山
 8ヶ月ぶりの現地観戦.久しぶりに訪れるとスタジアムの立地の良さを改めて感じた.西口から近くは無いが遠くも無い.ただ町を感じるのに適度な時間.それがあの大きな運動公園,そこにあるスタジアムが町の中心にあることを実感させる.本当に「町のクラブ」という雰囲気がある.神戸でもあの感覚はない.あれが球技場なら最高なのだが.
 まぁまずは夏休みくらいあのスタジアムを満員にすることから始めないと.まだまだ田舎では全く縁の無い高校の野球部の大会に熱心な頭の古い人が多いし.お盆にあの観客数はちょっと淋しい.まぁ今の成績と内容なら出来すぎかもしれないが.

 ちなみにこの日は豚かば丼をチョイス.旨いがご当地ぽく無いし量が少ない.行列が無い理由が分かった.不足分はデミカツ丼でカバー.ちなみにHTにはバックスタンドのソフトドリンクが品切れ.「十分な水分補給を」との呼びかけの割にお粗末だった.


 この日はSHに岸田が入り出場停止の田所に代わり福本が入った.試合は岡山のペースで進む.しかしチャンスを生かせず時間が過ぎる.ただ内容は昨年と比べればかなり良くなっていた.人が動くようになったし,ボールも意図的に回せるようになった.声も出るようになった…,って当たり前のことだが昨年はそれさえできていなかったのだ.とにかく選手のレベルの底上げがかなりできていることはわかった.

 そんな岡山ペースの中,守備には怖さがはっきりと感じられた.佐藤が嫌な動きをして近藤を惑わせ,しかも高さで殆ど競り勝っていたからだ.あっさりマークを外す近藤,そして野田との連携も悪い.
 ちょっとやな感じ,と思っている中で決定期を再度逃す.「嫌な感じ」が最高潮に達した29分.楔から左サイドの柿谷にボールが渡ったところへ野田のアプローチが遅れる.そしてそのリターンへの対応を近藤が更に遅れる.何でもないプレーで相手に優位に立たれる.
 そしてゴール前で何でもないプレーが続いている間に野田が柿谷をフリーにする.この3つめが致命的だったが,そこまでの小さなミスの積み重ねが生んだ非常にくだらない,情けない失点だった.あれだけ予兆があったのに何らベンチから指示が出なかったのもいただけなかった.


 上に書いたとおりチームに進化は見られたが変わっていない部分もあった.メンタルだ.失点すると下を向き意気消沈する.この失点のあとチームが意気消沈するのは観客席からでも分かる程だった.それは相手にすれば絶好のチャンス.楔に対し後ろから走りこむ選手に福本が対応できずにフリーに.たった4分で2点を奪われてしまった.あぁいうメンタルで落ちるのはプロとして失格だ.だから弱いのだ.お金を貰って見せるプレーではない.確かに相手にハンドはあったが,セルフジャッジをするのは集中が切れている証拠だ.

 前半はそのまま押されっぱなしで後半に.ここで東明に代えFWとして喜山の投入.個人的には岸田をFWにしてSHに妹尾を入れるか,FWに西野を入れるべきだったと思う.
 喜山はゴール前でプレーするとセンスを発揮できる(はず)なのだが,ボールを触りたがる癖でFWで起用されても位置が低くなり相手の脅威にならない「気の利いたプレー」が多い.どうしても攻撃力が不足する.
 ここからゴールへの脅威を増やそうとしたとき,途中出場の喜山は代えにくいし三木は外せば意味が無い.岸田を下げると縦への脅威が減るし川原は攻撃の鍵を握っており代え難い.

 このメンバーのまま得点できれば良かったが,やはり喜山では相手DFへの脅威が少なく,後半早々に1点の後,追加点を奪えなかった.
 結局残り10分にようやく2枚目として妹尾を入れたが,既にチームはパワープレー主体になっていた.妹尾はボールに触ることもできず,ドリブルしてもスペースも無く.攻撃力はあまり増さずに守備力が落ちて徳島ペースになってしまった.
 交代するごとにチームは機能しなくなった.挙句後半ATに西野でなく何故か植田を投入.試合を壊す采配で非常に後味の悪い終わりだった.


 自ら失った試合という印象が非常に強かった.だから勝ち点も伸びないのだろう.その原因をもっと突き詰めていく必要があると思う.

 それでは勝手に採点.

三木(6.0)良くは無かったが局面で勝てた
東明(4.5)前を向けない,全体的に雑
岸田(5.5)悪くないがシュートが枠から大きく外れる
川原(5.5)良い時間と悪い時間が半分ずつ
福本(4.0)してはいけないところでのミスが多すぎた.判断が悪い
キム(6.0)質の高いプレーを続けた
野田(4.0)守備でミスだらけ.相手に狙われた
山中(4.5)全く効果的な動きができず
近藤(4.5)連携ミスと集中力欠如
後藤(5.5)思った以上に動きが良かった
真子(5.5)良く声が出ていたが守備を立て直せなかった

喜山(4.5)味方に好まれるより相手に嫌がられるプレーを
妹尾(4.5)使われ方も悪かったがプレーも消極的だった
植田(-.-)意味不明

影山(3.5)
 集中を失うチームを立て直せず交代策でチームを失速させた.連携の悪い2トップにこだわる理由も分からない.

第21節 横浜戦

2010-08-13 15:00:31 | ファジアーノ岡山
 前節の勝利の勢いを実力に変えるためにもこの試合は勝利したい.個人的には勝利できると思っていた.しかしカイオの名前を見て「忘れてた」とちょっと自信を失った.それでも引き分けくらい欲しいとは思った.
 しかも岡山は前節からSHの岸田に変えて喜山が先発.攻撃のスピードが落ち,守備も穴が増えることが予想され,更に苦戦が頭をよぎった.

 試合は前半はやや横浜ペースで試合が進む.岡山も取り立てて悪いわけではないが全体的な質で横浜が上回っていた感じだ.風下というのもあったが,特にFWにボールが納まらなかったのが痛かった.そのためにボール保持時間が極端に少なくなり,両SBが加わるような厚みのある攻撃が殆ど出来なかった.
 FWの連携の悪さもあったが,喜山が入ることでスペースへの飛び出しが2トップに限定されたこと,ドリブル突破が川原に限定されてしまったことも攻撃の幅を減らした.とは言え前半は上位チームを相手に善戦していたといえる.

 後半も60分までは戦えていた.しかしチャンスを逃すうちに集中が切れ始め,それは62分の2回のCKに明確に出た.相手のショートコーナへのプレッシャーが緩かったのだ.それが1度ならず2度も起きた.
 ここで手を打つのがベンチの役割だと思うが何も動かない.そもそも1回目のCKで動かなければいけない場面だった.

 そして64分.川原が足を軽く痛めカイオへのプレッシャーをかける選手が曖昧になった.そこで近藤が一瞬付いたのだが,すぐに目を離してしまう.これで勝負アリだった.失点シーンで近藤は誰のマークにもつかないまま田所がアシスト選手とゴール選手の2人を見る状況になっていた.川原の不運もあったが,集中が欠けたことによる連携ミスから失点してしまった.人数も十分にいた場面での残念な失点だった(逆に言えば横浜が一瞬の隙を突いてしっかり得点したとも言えるが).

 そこから白谷,小林,西野とメンバー変更するがチームに変化を生み出せない.特にキムを下げてからは相手にペースを握られるという逆効果を生んだ.メンバーを考えれば川原の交代だったと思うが.とにかくこの監督は先発・交代共にあまり選手起用にセンスが無いように思う.

 最後は白谷がキングにパスを出して駄目押しを喰らってゲーム終了.あまり岡山には良い材料の無い試合だったが,キングのおかげで宣伝になったのが唯一の救いだ.


 という0-2での敗戦.ちょっとベンチから正しい指示か交代があれば十分に勝ち点を奪えた試合であり,選手に自信をつけることが出来たはずの試合だっただけに残念な結果だ.せっかく芽生えた選手の自信を本物にすることのできるチャンスは少ないのだが.

 それでは勝手に採点.

三木(5.5)惜しいプレーが何度か
東国(4.5)ゴール前でのプレーが少なく,その際も落ち着きが無い
川原(5.0)90分安定したプレーが求められる
喜山(5.0)特段語る選手では無くなった.トラップの精度の低さは致命的
田所(6.0)攻守で貢献.カードの多さは残念
キム(6.0)ボールを散らす部分はこのチームの鍵
野田(5.5)プレーのラフさと守備の怖さが気になる
山中(4.5)攻守ともちょっと落ち気味
近藤(5.0)周囲との連携をしっかり
後藤(5.5)悪くない
真子(6.0)好セーブでボロ負けを避けた

白谷(4.5)期待しすぎたか.結果も内容も無い
西野(5.0)試合を変えられなかった
小林(5.0)ちょっとメンタルが落ちたような

影山(4.5)
 未然に対策することができない.そのために試合を落とした.選手はよくやったというのは正しいが,自分の評価も正しくして欲しい

第20節 札幌戦

2010-08-02 21:20:34 | ファジアーノ岡山
 勝ち・引き分けと悪くない結果で中断後2戦をこなしたファジアーノ.この結果を勢いに繋げるため,そして観客が多いことが予想されることも加わり非常に大事な一戦となった.
 相手は札幌.強豪と言っていい.けれど夏のアウェイの札幌に限って言えば怖さは少し減る.あそこから本州に来ると別の国のように感じるくらい気候が異なるからだ.岡山としてはそこを突いていきたい所.
 この日は先発・ベンチとも前節と同じ.後半戦はSH以外はこのメンバーが主体になると思う.

 試合は開始早々から動いた.動きが悪く精度も悪いプレーの続く札幌に対し,ホームの観衆の前で動きが良く厳しく当たる岡山.開始から試合の流れを掴み田所がファインゴール.これまで相手チームされてきたプレーをこの日は岡山ができた.それどころか前半はJに参入して以来初めて相手を圧倒した時間だったと思う.
 とにかくこの日は中盤の守備が素晴らしく相手の縦パスを寸断し,そしてコレクティブカウンターを発動,という連続だった.2トップが連動してタメを作り,そこに川原が受けてゲームを作る.相手にチャンスを与えず,チームは躍動感ある攻撃を繰り返す.

 しかし先制後は何度かあったチャンスを生かせない.「チャンスを逃していると流れは相手に・・・」というサッカーの格言みたいなことが頭に浮かんだときにふと思った.ファジアーノの試合でこういうことを考えたことって初めてじゃないか?と.こんなは当たり前のことを考えるのがこれだけ難しいことなんだと初めて理解した.
 チームは変わりつつあるなと感じたが,よく考えると昨年の開幕先発メンバーでこの日の先発は川原たった一人.実際にチームは変わったのだ.こうしないとJでは通用しない.厳しいがこれが現実なんだろう.


 失点することなく1-0で迎えた後半.一気にペースは札幌に.岡山の足が止まり始めたことに加え,相手のルーズボールへのアクションが速くなりプレーの精度も上がってきたのだ.HTに相当激を入れられたのだろう.
 いつやられてもおかしくない状況.しかし今の岡山の守備は悪くない.選手も自信を持って戦っていた.ただマイボールになったときに焦る癖はそう簡単には抜けずに凌ぐだけで精一杯だった.それでも70分くらいにチームは再度立て直し,80分に中山が入った時点で勝利を確信した.


 この日の観衆は1万1千人超え.週末の夜にこんなゲームを楽しめる環境ができたことが本当に羨ましい(中山であれだけ盛り上がる状況は早く変わって欲しいが).
 岡山にこんな素晴らしい空間が出来たのに,多くのアウェイサポーターが町を訪れるようになったのに,チームが岡山の街の宣伝になっているのに,全く割に合わないサポートしかしない自治体は一体何のために存在しているのだろうか?使い道の無い箱物を作って誰も楽しめない空間を作るためだろうか?プロチームも存在しないのに存在するやたら立派な野球場のような.

 この日から始まった練習場とクラブハウスの整備を求めた署名.全てを提供しろとは思わない.せめて空いている土地くらい無償提供してもバチは当たらないだろう.この状況でもし何もしないようなら,岡山という街に未来はないと思う.他人の町のチームを呼んで喜ぶ寂しい街に逆戻りだ.

 次のホームはお盆.ようやく今年初観戦できそうだ.帰省時期にホームの試合があるのはJFL含めて初めてだと思う.観客席がどうなるか楽しみだ.それでは勝手に採点.

MOM:田所(7.0)
 ゴールも素晴らしかったが,それ以外の攻守も素晴らしかった.試合終了後に倒れこんでいたが,あれくらい毎試合心を込めてプレーしていれば結果は自ずと付いてくるだろう.バイシクルだけ余計だった.

三木(6.5)ゴールを貪欲に狙って欲しい
東明(6.0)ゴールに近づいているように思う.もう1試合
岸田(5.0)判断の悪いところがあった.FWで使いたい
川原(6.0)どうしたの?と思うくらい前向きなプレー
キム(6.5)田所と共にゲームを作った.
野田(6.5)相変わらず好調をキープ
山中(5.5)疲れで後半精度が落ちた.前節より良かった
後藤(6.0)落ち着きという意味ではもう少し
近藤(6.5)近藤をよく抑えた.ゴールもついでに欲しかった
真子(6.5)安定したプレー

小林(4.5)ゲームに入るのに30分かかった.負けていたら敗因だった
白谷(5.5)ちょっと時間が少ない
竹田(-.-)祝復帰

影山(5.5)
 後半選手交代で崩れたバランスを立て直せないまま試合を終えてしまった.相手に助けられたが,上を目指すならもっと高いところを見て欲しい.