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ACL GL第1節

2009-03-15 00:35:44 | Sports:football
G大阪と三東

 試合はほぼG大阪が支配.実力差はかなりのものだった.G大阪はいつものようにポゼッションサッカーをかなり自由に行っていた.特にレアンドロが裏へ,2・3列目の間へ,とうまくポジションを取り攻撃の起点となり続けた.
 実力差はロングボールにも出た.相手のクリアは本当に前に蹴りだすだけ.J1のチームでは有り得ないレベル.対するG大阪はクリアもつなぐことを意識したもので相手にボールを与えないサッカーを続けた.

 そしてレアンドロが先制.昨年足りなかった1ピースを彼が十分に埋める存在であることはJリーグの開幕戦とこの試合を見るだけで十分に分かった.先制後も相手は人数をかけた攻撃はできず防戦一方.追加点を早めに奪い試合を決めてしまいたかったがそれはできなかった.というのもレアンドロと周囲の連携が十分では無かったからだ.個々のできは良かったのだが.
 後半はしばらく相手のペースになった.しかしG大阪は格が違った.相手が攻勢に来ても決定的なチャンスは与えなかった.そして追加点を奪い試合を決めた.

 この日気になったのは安田のクロスの精度と橋本の疲れ.特に橋本は全体的に切れが無かった.
 あと一つ良かったのは相手サポーターの声が聞こえてきたことだ.あの国の応援はアジアカップや五輪で大嫌いなのだが,ACLが発展していくには日本だけでなく各国で盛り上がりが欲しい.そう考えると相手サポーターの来襲というのは歓迎すべきだろう.そこまで注目されていることの証明なのだから.
 あと中国チームのくせに思ったよりラフプレーが少なかった.半島にある国基準になってしまっているのかも.

 というわけで核の違いを見せ付けた3-0の勝利だった.


名古屋とヒュンダイ

 ACL初登場の名古屋.しかも舞台はアウェイ.そんな不慣れな状況で名古屋がどう戦うかが見ものだった.特に国際経験豊富な選手も少ないこのチームはかなり未知数なところがあった.
 試合序盤は名古屋はそれなりに攻撃ができた.しかしあの国らしい肉弾戦を挑まれ徐々にペースを失った.さらにFWが起点になれず中盤は動きが少ない.多少疲労もあるのだろうか?
 しかしあの国は理解しがたい.あれ程代表が人気があるのにクラブチームではこの日のようにガラガラのスタンド.相手が宿敵日本にも関わらず.あの場で戦っている選手は何を励みにしているのだろう?

 そして彼らは肉弾サッカーだけならともかく,自分たちは競り合いで大袈裟に倒れファールをアピールするという見るものが不快になるだけのサッカーだ.こんなんだからこそ客が入らないのか?嫌な見世物だ.

 試合は名古屋が主導権を握れないまま先制される.その流れは後半になっても変わらない.こんなときはセットプレー頼み.そう思った矢先にセットプレーから得点.そんなこともあるもんだ.その後は名古屋の動きが変わる.全体的に動きが生まれ多少マシなサッカーになった.
 結局名古屋はセットプレーのみで3点を奪い逆転勝ち.名古屋の左SBは面白い存在になるかも.あと相手の10番は来年くらいに日本にいるのかも.あと楢崎が復帰して無かったらどうなったかと思わされる試合だった.


鹿島と水原

 Kリーグのビッグクラブらしい水原.確かにJ2並みの観客はいる.そのビッグクラブに対するのはJリーグチャンピオン鹿島.しかし彼らは「内弁慶」と一部で言われているようにACLでは結果を残せていない.昨年はG大阪が全く寄せ付けなかったアデレードに敗退.今年こそ汚名返上したいと思っているはずだ.
 試合は相手は3バック.だったらゼロックス同様両サイドを攻めれば攻略は簡単かな?と思ってみていた.しかし実際は水原は5バックだった.ラインは低く攻撃は3,4人でという,昨年までの浦和のようなチーム.

 鹿島のサッカーは相手に合わせるリアクションサッカーに近いものがある.そういうサッカーはこういう風に後ろ荷重のチームにはかみ合わせが悪い.それはこの日もそうだった.そこにかの国特有のバイオレンスサッカー.鹿島は彼らの行動に腰が引けてしまった.

 そして無残な1-4の敗戦.Jリーグチームもわざとこういうサッカーをやるチームがあってもいいんじゃないかな?と思わせた.ただビッグクラブがあのサッカーでは恥ずかしいが.


川崎と天津

 この試合は流してみたので簡単に.相手にはトンマージという選手こそいるが全体としてレベルは低い.対する川崎は4-2-4というスタイルになり,どうしても後ろと前の距離が開きバランスを崩す.結局は前の外国籍選手4人の調子次第になってしまいがち.

 この日も例外ではなく,勝利こそしたが常にちぐはぐした攻撃が繰り返された.トップレベル以外の海外リーグってこんな感じなんだろうと思わされる攻撃陣の連動のなさだった.日本では特殊だし,こういうチームもいいんだろうけど,アジアでトップのリーグを目指し,欧州と肩を並べたいリーグならこういうチームが勝てないようにならないと駄目かもしれない.トップレベルから落ちたリーグという証明になるし.


 という4試合.G大阪は確実に決勝トーナメントに行くだろう.その他は次の試合次第か.

釜玉

2009-01-29 00:27:44 | Sports:football
 CSでやっていた釜玉特集,というか羽中田特集を見た.お隣香川の地域リーグのチームだが,岡山にとって香川は非常に身近な県だ.他の県からしたら「なんで?」と思うかもしれないが,それはTV局が同じという事情のためだ.だから広島や鳥取,兵庫と比べるとかなり身近に感じる.というわけで讃岐の動向は結構気にかけている.

 そんな讃岐の特集を見て思ったことは,まず「地域リーグのくせに特集してもらって良いなぁ」ということ,そして「羽中田を美化しすぎ」ということか.スカパーの解説者だったこともあるんだろうけど,ちょっと前に地上波でも特集されていた通り,この監督の人生で背負うものがTV向けでもあるんだろう.彼が許せるなら,それはチームのために使ってしまえばいい.


 そんな監督と,一風変わったチーム名のおかげで知名度はその他地域リーグのクラブと比べかなり高い方だろう.そして胸スポンサーにはスポーツ界に理解のある地元有力企業(ちょっとやばそうだけど)の穴吹がついている.高校サッカーも昔から比較的強く「結構恵まれとるよなぁ」という印象が強かった.しかしこの特集を見てちょっと印象は変わった.

 彼らは2度目の決勝大会出場.プロへ向けての経営の体制も整ってきつつある.ファジアーノで言えばちょうど2006年あたりだろうか.あの頃と照らし合わせて見ると,思った以上に恵まれていない.
 練習で映ったグラウンドは全て土だったこともあるが,最も違って見えたのはサポーターの少なさだった.確かに2年前のファジアーノの決勝大会もサポーターの数は少なかったが,讃岐は隣県高知にも関わらず10数人….TVで特集されるようなチームからはかけ離れた注目度だった.

 やはり長年プロスポーツ空白地だった岡山,香川は施設も整っていないし,スポーツを応援する文化が圧倒的に少ないのだろう.bjが出来た香川はもう少しマシだと思っていたのだが.


 特集では地域リーグ決勝大会の模様が多く映されていた.地上波では,サッカー専門番組と名前がついていても見ることの出来ない大会.その結果さえも流されない.多くの海外リーグの情報は伝えられるのだが.
 だからこそ映像で見るこの大会は,新鮮に当時のことを思い出させる.あの1点にどれだけの思いが詰まっているか.たった1点を取るだけで涙が出そうになるくらい緊張が解けたのを思い出す.

 ちなみに讃岐は1次リーグで敗退した.上を目指すチームとして今年決勝リーグを体験できなかったのは痛かった.1次リーグでも異常な緊迫感だが,それ以上の,異様としか言いようが無い決勝リーグの舞台を知っているかいないかは今季にも大きな影響を与えるだろうからだ.
 今季彼らは勝負の年になるだろう.NEC/トーキンや加古川のように地域リーグに投資するスポンサーなど物好きでしかないのだから.

 「笑う」ことが強調されたこの特集.どうせ笑うなら負けて笑うより勝って笑った方がいいだろう.あの喜びは他とは比べようが無い.山陽ダービーも良いが瀬戸大橋ダービーも楽しみだ.

選手権

2009-01-13 20:00:01 | Sports:football
 最初は選手権でも.今年はTV局の特定選手への変な煽りが激しいのと,作陽が早々に負けてしまったので見れる試合も殆ど見なかった.ただお隣のライバルとは言え,中国地方のチームが,しかも作陽に勝ったチームが優勝したというのはちょっと嬉しい.

 試合内容は強力2トップに頼りチーム全体として多少レベルの落ちる城西と,JのJYで基礎技術を仕込まれ,そして戦術理解も高い選手が多く揃う皆実というチームの試合だった.質は明らかに皆実が上.しかしそんなチームでも強行に突破できる強力な選手がいたために勝ちあがれたのが城西.だからこそこの日も質の高い相手から2点奪うことができた.
 対する皆実のパス回しはJチームのユースを見ているようだった.攻撃の組み立ても綺麗で試合を支配していたのは皆実だった.守備的というレッテルには違和感があった.ただ彼らには,自身が言うとおり飛びぬけた才能がいなかった.そういう才能は広島Yにいくからだ.それでも優勝できたのは広島という地域全体のサッカーレベルの向上のおかげだろう.Jユースに選手を出しても優勝できる.岡山もJチーム(嬉しい響きだ)を中心にそうありたいものだ.


 現在この年代の最高峰の舞台は高円宮杯になっている.それは優勝した皆実からプロへ行く選手も飛びぬけた才能もいないことや,この大会にこの年代の日本代表は殆どいないことがそれをよく示している.この日の城西の守備の脆さもそれを示す一つだろう.
 この大会は一発勝負のトーナメントで,試合もベスト8までは40分ハーフという世界基準からずれた規格で行われており,育成に相応しい形態とは言えない.そして試合の時期も受験直前の冬休みで,3年が引退しているチームもある.高校世代を代表する大会としては問題が多い.
 ただこの種の大会の存在が無意味とは思わない.試合の少ない部活チーム(特に普通の高校チーム)には,大会があるだけでも貴重だからだ.それなりに運営すれば,それなりの価値はあるだろう.

 しかしこの大会をTV局がショーアップし,この大会の本来の姿を歪めて放送しているために,この大会の存在自体に大きな違和感を感じてしまう.彼らは高円宮杯に触れることも無く,この大会をあたかも「世代No.1を決める大会」と詐欺のような放送をする.その放送は高校世代のサッカー支援など微塵も感じさせない.TV局が視聴率を取るために都合良く試合や選手をショーアップしているだけとしか思えない.
 その象徴が今大会得点王の過剰な報道であり,試合の内容を伝えず選手や応援席のエピソードを押し付けがましく伝える実況だ.彼らのショーのために,TVがスターを作り試合のシナリオさえ決め付けて(実況シナリオが外れるとアナが驚いたりするのは滑稽だ)放送しているのだ.

 このように放送する価値の低い大会を,TVの都合であたかも「世代No.1」を決める大会として大々的に放送していることがこの大会の最も大きな問題なのだ.別に高校のNo.1を決める大会の存在は大きな問題では無い.偽っているのが問題なのだ.日テレは「世代No.1」を伝えたいなら,TV朝日から,ロクに放送していない高円宮杯の放映権を買ってきて堂々と放映すればいいのだ.
 そしてサッカー界の人は,この大会をみて「レベルが下がった」などとくだらない辛口評論をする前に,この大会の放送のあり方について真っ先に文句を言うべきだろう.こういう下衆な演出がこの大会スポンサーの望むところなんだろうか?


 しかし年末のCWCから年始の選手権であの日テレの実況を連続して聞くのは余りにつらい.お願いだから副音声で「会場の音声のみ」というのを作って欲しいものだ.

CWC3位決定戦

2008-12-25 00:52:45 | Sports:football
 G大阪とパチューカ.Jリーグ勢ににとってはマンチェスターU戦以上に大事な試合だ.明らかに差のある欧州勢よりもレベル差が少ない他の大陸とのガチンコの勝負で,世界におけるJリーグの位置づけを知ることが出来るからだ.逆にマンチェスターUと良い試合をしても,ここで負けては「やっぱりあれは相手が手を抜いていた」とJリーグはやっぱりレベルが低いと思われてしまう.

 この試合の見所は,どちらもパスサッカーをしているチームという点だ.G大阪のパスサッカーが,メキシコのパスサッカーと比べてどの程度のものなのかは非常に興味深い.
 試合のポゼッションはパチューカ.選手のコメントにもあったようにG大阪がJリーグであのくらい相手にパスを廻されることは少ない(Jリーグにパスサッカーをするチームが少ないからというのもあるが).
 そんなパスサッカーに対応するG大阪の選手は非常に落ち着いていた.確かに決定機は何度か作られていたが,どちらが試合を支配していたか?といわれるとG大阪の方だった.ある程度相手にパスを廻させ,ある程度は支配して,という展開.

 ただG大阪はそこに速攻と浅いラインの裏を狙う攻撃を絡める.パチューカはそういった攻撃に弱かった.彼らは国内や中南米のカップ戦では,G大阪レベルでポゼッションと速攻を絡める相手との対戦が少ないのだろう.
 そしてG大阪はその意図どおりに攻撃を組み立て先制.格上といっても良い戦い方だった.それはその後何度も訪れたチャンスでも分かった.もしG大阪にFWがいればこの試合ももっと展開が変わっていただろう.

 後半もG大阪ペースだったが70分を過ぎた頃に1日休養が少ない影響が出始めた.その後はこの試合で初めてパチューカが支配した.ここで失点すれば「やっぱG大阪は守備が駄目だな」と言われるところだったが,ここはG大阪のプライドが上回ったのだろう.パワープレーにも負けず1-0で勝利した.


 北中米の強豪パチューカからの勝利.マンチェスターUの試合よりもこの試合の内容・結果の方が意味があるように思う.しかし「世界3位」という,西野も苦笑いする結果しか報道されていないのは悲しいところだ.
 メキシコと言えば国レベルではかなりの強豪の位置する.その国の一番のクラブチームにG大阪が自らのスタイルで彼らのスタイルを上回り勝利した.CWC3位よりも余程その事実に価値がある.この事実を正しく伝えれば,誤解を招く「世界3位」などという言葉など必要ないはずだ.

 昨年は浦和が消極的スタイルながらアフリカ代表を倒し3位になった.G大阪は北中米代表を真っ向勝負で倒し3位になった.これらの事実はJリーグの質の向上を示している.G大阪にはその経験をJリーグに還元して欲しいものだ.
 次は欧州と南米.…と言いたいところだが,それはまだ先の話だ.世界がJリーグにもっと目を向け,お金でなくサッカーで優良な外国人が多く来日するようにならなければ難しいだろう.
 それには次のCWCで,アウェイで再度結果を残して欲しい.「日本の大会だから」というフィルタを外して見られたとき,その評価はもう一つ高くなるだろう.来年のACL出場チームは川崎や名古屋のように魅力的なチームがいる.期待したい.

CWC準決勝第2戦

2008-12-21 01:14:43 | Sports:football
 G大阪とマンチェスターU.もしかすると攻撃的なG大阪でも引いて守るかも知れない.そのくらいの相手だった.しかしその予想は見事に否定された.G大阪は真っ向勝負をした.世界でもユナイテッド相手に正面から立ち向かうチームは極わずかだ.そんな相手に対し弱小アジアの1国のG大阪が世界大会で真っ向勝負した.その姿勢だけでも賞賛にあたる.

 プレミアでもユナイテッドがここまでポゼッションされ,見事に崩されることはそうそう無い.ユナイテッドは確かに動きが悪かった.けれどそこまで悪くもなかった.当然局面局面では全力だった.もしG大阪にFWがいれば試合はどうなっていたか.
 そう思っている間にG大阪は失点した.そこまではまだ許容範囲だったが前半ロスタイムに更に失点.これこそG大阪が今年Jリーグで8位だった理由だ.これがある限り彼らはJリーグで上位になれないし,当然ユナイテッドにも勝てない.いやユナイテッドもJリーグの上位が相手だったらこれ程あっさりと得点できなかったということにもなると思う.

 0-2の前半.ユナイテッドがG大阪の弱点を突くようなサイドチェンジを繰り返され主導権を握るまでは良い戦いを出来ていた.
 後半はG大阪はもう一度巻き返した.その流れでG大阪がとうとう得点.一矢報いた.この得点は相手の油断でも何でもない.実力で得たものだった.Jリーグと欧州では確かに差はある.しかし埋められない程の大きな差では無い.それを示す素晴らしい得点だった.彼らと異なるのは「経験」だけだ.

 しかしG大阪が不運だったのは,この得点の直前にルーニーを投入されていたことだ.いやルーニーが先発にいなかったからあのように戦えていたのかもしれない.そのくらい彼は素晴らしい選手だ.
 そんな選手が前半から飛ばしていたG大阪の選手の中に入ってくれば5分で3点も不思議では無い.この失点の中で最も悪かったのは得点直後に失点したことだ(これもG大阪が8位である原因の一つだと思うが).そこだけ守っていればもっと戦えただろう.彼らが感じるべき部分はユナイテッドとの技術の差よりも,こういった部分だろう.


 せっかくの善戦も5-1ではぶち壊しだ.結果だけを見る日本(海外も?)の知ったかぶりには「ボロ負け」と評価されてしまう.せっかくの貴重な得点も台無しだ.と,思っていたが,そんな状況でも真っ向勝負を続けるG大阪にまたチャンスが訪れた.
 まずはPK(ある意味この日最も期待されていたプレかもしれないが).それだけでは「まぁ1点はPKだし」という「知ったかぶり」の反応が待っていただろう.そんなのも嫌だ,と思っていたロスタイム.橋本が完全に相手を崩して見事なゴール.
 1点目に続いた見事なゴールの意味は大きかった.これが無ければこの日決まらなかった他の決定期は単なる盆プレーになっていただろう.1点目は「まぐれ」になっていただろう.
 逆にユナイテッドは全く言い訳の出来ないくらい見事に点を奪われてしまった.プレゼントには多すぎる3点だったし,力を抜いたにしては演技力が高すぎた.


 試合は5-3で終わった.この日の英語実況を含め多くの賞賛が国外でもあった.G大阪は日本の,Jリーグの評価を高めたことは間違いない.賞賛していた彼らに彼らがJリーグで8位で2万人しか入らないスタジアムで地元マスメディアに冷遇されているクラブ,ということを是非伝えたいものだ.もっと驚くことだろう.

 こんな良い試合だったが残念なことも数点あった.

 1つは赤い服を着た日本人(こういう人http://www.jsgoal.jp/photo/00041100/00041156.html).その代表がスタジオにいた魚の名前の糞芸人だと思うが(もし彼らがユナイテッドの関係者ならまだ許せるが).どうして彼らは偉そうに自分のもののように他国を語り,自らの国の日本をけなせるのか?日本人では無いのか?もしヴェトナム人がACLでG大阪にヴェトナムのチームがボロ負けしていて「5-1になったときはゲラゲラ笑ったよ」と言ったらどう思うだろう?多分彼らはサッカーを知らないのだと思う.

 2つめはフジのすぽるとの女の似非アナウンサー.そこにいた兵庫県の企業野球チームの選手に「同じ大阪ですが応援していますか?」と質問したこと(そこにいた選手も「そうですね」と答えたけど).まぁ親会社の本社は大阪なんで間違ってはいないが,スポーツ番組のアナウンサーの質問では無い.そもそも企業スポーツに地元も糞も無い.彼らの地元は親会社だ.

 そして3つめは過去最低の実況.これまでも多くの酷い実況を続けてきた日テレだが,この試合は飛びぬけて酷かった.「ガンバがシュートを打ちました!!!」,「ガンバはロングボールを使いませんよ!!!」.10分も耐えられず英語実況に変更した.吐き気がするほど酷かった.レベルが低いとか,資料読みが多いとか,そういう問題でなく,実況ではなかった.サッカーに対しほぼ無知である彼が,試合の映像も見ることも現場に行くこともなく,選手・監督のコメントを読むだけで作り上げた妄想を語っているだけだった.実況が無い方が100倍マシだった.


 と日本のサッカーの発展を喜ぶ最中に日本サッカー(スポーツ)を取り巻く環境の悪さを痛感した.翌日朝のFMのニュースでG大阪の結果さえ取り上げられなかったことには驚いた.
 それでも周囲の比較的Jを見ないサッカー好きの興奮した反応で,この試合の価値を再確認できた.いつかこの試合は大きな転換点として語られるかもしれない.そうなるには余りに多くの障害がある.

CWC5位決定戦

2008-12-19 22:27:12 | Sports:football
 昨年は無かった5位決定戦.1試合で帰国するチームのことを考えれば良いかも知れないが,さすがに魅力は無い.この日も欧州チームの前座ということでかろうじて成り立ち,そして観客も試合が終わるにつれて増えだした.ここまでしないと客が入らない試合がある時点でこの世界大会には問題があることが分かる.

 試合はアデレードとアルアハリ.アジア2位とアフリカ1位.当然アフリカ1位の方が上という予想だろうし,アジア2位がオーストラリアと聞くとその気持ちは更に強くなる.
 しかし試合はほぼアデレードペース.アデレードはラグビーフットボールから大きな進歩をこの大会で示したが,それでもそんな一夜漬け.そんなサッカーが通用したのはアルアハリのモチベーションが限りなく少なかったためだ.

 著しい無気力試合.この日のアルアハリにアフリカ王者のプライドは無かった.確かにパチューカ戦での負け方は悲惨だったし,目標を失った彼らに良い試合を望むのは間違いだったかもしれない.けれどそんな彼らにも応援してくれる人々がいるし,彼らに負けた多くのクラブがある.
 そしてアフリカサッカーの発展のためにこの大会を価値あるものにする義務がある.それでも彼らにそんな理屈は通用しなかった.

 結局はアルアハリはこの大会で自信を失うのみでなく,アジア2位に負けるという屈辱を味わって帰国することになった.ここで負けたことにより本当に得るものの無い大会になってしまった.
 対するアデレードはモチベーションが低かったとは言え「アフリカチャンピオン」に勝つという,歴史の浅いクラブ,歴史の浅いリーグにとってはこれ以上無い名誉を得て帰国することになった.これによりAリーグは更に発展のスピードを高め,近い将来Jリーグとアジアを引っ張ることになるだろう.それはJリーグにとっても非常に価値のあることになるだろう.


CWC準決勝第1戦

2008-12-18 21:04:41 | Sports:football
 パチューカとキト.エクアドルのクラブということで今大会は「初めて南米が負けるかも」と変な期待があった.しかしその間違いは試合開始後すぐに分かった.彼らのボールタッチを見て「やっぱり南米王者だね」とため息をついてしまった.パチューカのパス回しも面白かったが,キトのボール扱いを見ると彼らのプレーは玉遊びに見えてしまった.キトは技術があり,そしてサッカーがうまかった.

 そんな実力差が見えた瞬間にキトが得点.それが試合を決めてしまうものとなった.キトはパチューカのショートパスの弱点を突いた.パチューカは自陣でも短い横パスを多用する.そこへキトは人数をかけプレスをすることで彼らから自由を奪った.
 なおかつ攻め込まれたときの守備もうまかった.ゴール前はしっかり固め,相手がいくらパスを回しても崩れない.非常にポジション取りが良く,組織化された守備だった.

 そこに2点目が追加され勝負あったと思った.しかし1つ計算していなかったのはキトのコンディションだった.後半10分を過ぎると完全に足は止まり一方的に攻められる展開となった.ただそれでもキトの守備はうまかった.南米の強豪相手に勝ち抜いたクラブだけはある.結局パチューカは決定機を作れないままの敗戦だった.

 キトは確かに強かった.けれど後半の試合はエンターテイメントからは程遠い,余りに結果を重視した,全く感動の無いものだった.まぁ今の南米はこのサッカーで勝ち抜けるような状況なのだろう.サッカーのサイクルが他の世界とずれているように思う.


 パチューカは日本の目指すスタイルに近く,変な親しみが湧く.ただそのスタイルに固執しすぎる余り,強いサッカーにはなれなかった.3バックのスタイルも彼らの必要以上の頑固さを感じさせた.
 彼らはメキシコ国内では強豪なのだろう.国内では変化を必要とされていないのだろう.しかし世界は数年先を進んでいる.この大会がきっかけで彼らのレベルをもう一つ上に上げる可能性もある.

 対するキトは思った以上に良いチームだった.まぁ日本人の感覚ではルーズに見える場面も多くあったが,彼らのサッカーは強かった.日本で言えば鹿島が近いスタイルだろうか?
 この大会を見ていて思うのは,南米のサッカーって意外に面白くない.多分守備的サッカーがまだ通じているということから,個人技はともかく選手の入れ替えが大きすぎてチーム戦術が未発達なんだろう.

CWC第3戦

2008-12-17 20:46:40 | Sports:football
 G大阪とアデレード.ACL決勝に続いて3度目の対戦.まずCWCはこの組み合わせを真っ先に変更すべきだろう.余りにおかしなシステムだ.

 G大阪はACLのタイトルを獲得したがリーグ戦は不甲斐ない成績で終わった.しかもここ数戦のG大阪を見ているとこの試合の勝利さえ危うく感じていた.
 そしてその予感どおり試合はアデレードが押す.ACL決勝第2戦のように激しいプレスを繰り返す.ACLではかいくぐれたプレスもこの日のG大阪はかわせない.確かに世界大会の緊張感もあったし,アデレードも修正してきて良いサッカーをしていた.
 ただそれ以上に大きな敵がいた.芝だ.滑るのでなく芝の根付きが悪く足をとられる.パスもはねる.G大阪の特徴が失われていた.

 この試合に向け修正してきたアデレードだが,個人能力の修正まではできなかった.もう少し質の高い選手がいたならば数回あった大きなチャンスでゲームを決められていただろう.G大阪は相手に助けられた部分が大きかった.
 そして先制したのはG大阪.佐々木の負傷退場が逆に良い方に働いた.中央を固められボールを納められなかったG大阪だが,佐々木が抜けることで遠藤が両サイドに開くことができた.これによりサイドに起点を持て,そこから攻撃を展開できるようになっていた.

 その後もACLから修正してきたアデレードにより最後まで厳しい戦いを強いられた.そんな中,西野の致命的なミスも加わった.
 怪我から復帰したばかりの二川.痛々しいテーピングが彼の状態を示していたし,走り方にもそれが出ていた.1-0の状態で彼を下げるのは難しかったかもしれない.それでも彼の動きを見ると下げるべきだった.山崎の投入はまさにそのタイミングだった.
 しかし下げたのは途中交代で入った播戸.そして直後に二川は負傷.来季にも響きかねない.名監督に違いない西野だが,ひとつだけある大きな問題.同じ選手ばかり使うこと.そのツケをこんなところで払わされることとなった.使って伸びる選手もいると思うのだが・・・.

 結局1-0でG大阪の勝利.相手に優位に試合を進められたが,結局は単純クロスとカウンター以外に攻め手を与えなかったのはG大阪の底力だろう.というかこれがそれぞれのチームの持つ実力差だ.

 順当な勝利でユナイテッドへの挑戦権を得た.ただ二川と佐々木を欠いたことでG大阪の勝機は限りなく減った.世界の舞台ではベストな布陣で戦う姿を見たかった.

CWC第2戦

2008-12-16 01:38:34 | Sports:football
 パチューカとアルアハリ.この試合から一気に「W杯」の色が濃くなった.やたらパスを繋ぐパチューカとシステマチックかつオーソドックスかつシンプルに戦うアルアハリ.世界に存在する様々なサッカーを楽しめるCWCの良い例だ.プレミアリーグの下位同士の対決より余程見所は多い.

 試合はアルアハリが2点先制するがチームとしてのキャパシティはパチューカの方が上.パチューカは前回もそのポテンシャルを生かしきれなかったという印象だがこの試合も・・・,と思わせられた.しかしこの日は彼らにも運が回ってきた.見事に同点に追いつき延長へ.そして逆転し4-2.ギターのパフォーマンスはかっこ良かった.
 両チームとも質は高く面白いゲームをした.レベルはほぼ同じで異なるスタイル.単純にサッカーとして面白かった.ただ個人技にしても,チーム力にしてもJリーグより下かな?と感じた.少なくとも決勝に進むほどのチームでは無いだろう.


 個人的にはパチューカのパスサッカーとG大阪のポゼッションサッカーの対決は見てみたい.まぁ結論は「ゴール決めんと」って感じに落ち着くのかもしれないが.
 そんな対決もこの大会がなければ実現しなかっただろうし,そもそも彼らの存在さえ知ることは無かっただろう.そして日本サッカーのレベルの客観的評価も出来なかっただろう.こういった機会が出来たことに価値がある.

 中米にも,アフリカにも,そしてアジアにも素晴らしいサッカーが,素晴らしいクラブが存在する.まだまだ欧州での認識は低いようだが,徐々にだがそういった認識が広まって欲しい.
 それは現代のサッカーは欧州のウェイトが大きくなりすぎ,そのことがサッカーの持つ本当のポテンシャルを失わせていたように思うからだ.サッカーの持つ本当の価値は第3勢力によって初めて表に出てくるのかもしれない.

CWC初戦

2008-12-14 01:22:16 | Sports:football
 ワイタケレとアデレード.ワイタケレはプロ1人のアマチュアクラブ.今年のファジアーノよりも運営資金は少ない.それを聞けばどの程度のレベルかというのはすぐに分かる.対するアデレードはACL2位.とは言えG大阪には完敗したチーム.そもそもAリーグもできて4年.両チームとも「世界」という名の大会に出るのはふさわしくないと言われても仕方ないだろう.

 試合が始まる.レベルは予想通りのもの.ラグビーフットボールという方が良いのではと思わせる内容.しかしそこに賭ける彼らの思いの強さは伝わってきた.
 ワイタケレは昨年よりも落ち着いたプレーで冷静に引いて守った.ただ監督は「アデレードに前半走らせて後半足が止まったところ勝負」とのコメントが気になった.攻められっぱなしの方が疲れるに決まっている.多分後半勝負になったらワイタケレの負け.逆に前半に何かの間違いで点が取ってリードして前半を守りきれば,あのレベル差ならば可能性はあるように感じた.

 しかしワイタケレはセットプレーで守備の危うさが目立ち,守りきるのはほぼ不可能,そう思ったときにFKからGKのファンブルを誘って「何かの間違い」が起きた.サッカーの怖さを改めて感じた.しかしその先制点直後に,元々危うかったセットプレーの守備を突かれて失点.これで勝負は決まった.


 予想通り後半足が止まったワイタケレ.前半のようにセカンドボールを拾えずカウンターさえもできないまま.攻撃らしい攻撃は後半はできなかった.延長まで粘れば可能性もあっただろうがあえなく失点し試合を終えた.
 この試合,ワイタケレは善戦したが,それ以上にアデレードのできの悪さも目立った.彼らは単調な攻撃ばかりで,引いた相手を崩す術さえ持っていないチームだった.そんなチームが鹿島に勝ってアジア2位ということはちょっと複雑な気分にさせられた.


 元々マニアックな試合は好きなので,こういう試合を見ることが出来るのは面白い.けれど多くの人にとっては全く面白くないレベルの低い試合だったろう.そしてそんな試合があることがCWCの価値を落としているようにも感じる.
 けれど欧州中心,欧州独占のサッカーを世界のサッカーにするきっかけを作っているこの大会の意義は,何年か後に評価されると思う.