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第41節 札幌戦

2009-09-26 02:03:42 | ファジアーノ岡山
 相手は前回の対戦で「パスが速いなぁ」と感じた札幌.この日も全く同じ印象だった.そしてプレスも速く球際も強い.ただ仙台ほど圧倒されたわけでもなかった.早いうちにこのレベルに達したいなぁ,という印象だった.

 中2日のこの試合で前節とメンバーは一緒.いくら前節勝ったとは言えコンディションをもう少し考慮した方が良かったのでは?その不安は現実となった.ただでさえフィジカルに優れない川原は前半完全に消えてしまい,そして後半すぐに交代….他にも悪い選手は居たが,最低でもここだけは変えておくべきだったと思う.
 というのも押し込まれた前半でも三木,保坂,青木,竹田により何度かチャンスを作れていたからだ.もしここに川原(のポジションの選手)が絡めていたらもう少し決定機が作れただろう.

 前半は相手のスピードについて行けなかった印象があるが,最も悪かったのは試合の入りだ.相手が圧倒しようと仕掛けてくる時間に中途半端な対応をすれば…,というのは嫌ほど体験してきた.しかしそれを体験していない選手がいきなりのクリアミス.長期間怪我をしていたとは言え,出てくるなら周囲と同じ意識レベルになっていて欲しい.

 それ以外にどうもチームが1トップ系の相手を苦手にしているように感じた.4-1-4-1の札幌.CBは余って守れるのだが2列目からの飛び出しへのマークが非常に曖昧になる.更にアンカーの選手へのマークが曖昧で,この日喜山は相手選手を後ろから追いかけてばかりだった.
 ただこのプレー以外でも喜山は動きが重かったので何ともいえない部分もある.ポジションはいつもより前めなのだがポジショニングが悪く攻撃の際にボールに絡めない.結局竹田が追い越して攻撃に絡むことが多かった.
 更にボールを持っても横や後ろへの消極的パスが多く,またボールを持つと時間がかかり速攻を潰してしまう場面もあった.

 ただこの日光明もあった.三木がチームにフィットし始めたのだ.36分のゴールを決めておけば三木自身もチームも再度調子に乗れたのだろうが.とにかくフィジカルの強さで楔となり,そしてやわらかい足元でパスを配給する.時には速い反転からシュート.彼が持っている能力がようやく表に出始めた試合だった.


 この日は前半30分過ぎにGKとCBの連携ミスからピンチを作り失点してしまった.李は常にDFとの連携に不安があったが,この日はそれが失点に繋がってしまった.押し込まれていたとは言えあれを抑えていればもう少し違う展開になっただろう.
 またそれ以外にもセットプレーに対する守備が最近非常に悪い.この日はたまたま失点しなかったが2点くらい取られていてもおかしくなかった.要改善だろう.


 と言う試合.札幌は強かったが戦えなくは無かった.ただパススピードやプレスはレベルは違った.また遠征の疲労が強い札幌があれだけ前半から飛ばしてきているのは,前半で勝負を決めることが目的というのはすぐに分かった.そこを抑えきれず,足が止まった後半は攻めきれず.ちょっと序盤と同じような展開になっているのが気になるところだ.今のファジアーノはそこまで力負けするほど弱くはないのだから.

 と言うわけで更に中2日である試合での選手のコンディションが気になりながら勝手に採点.

三木(5.5)ようやく.ただ決定機が多かったので決めたかった.
川原(4.5)軽いプレーが続いた.これでは信頼されない.
保坂(5.5)最後のプレーに精度が欲しい.
青木(6.0)はたいて前へ,と言う動きがとても良い.
喜山(5.0)守備も悪かった.
竹田(6.0)効果的な縦パスが多かった.
野田(5.0)集中を欠いたプレーが多かった.
玉林(5.5)積極的なプレーが良かった.これまでで一番.
野本(5.5)カバーリングなど安定していた.
木村(4.5)最初と失点時と最後に酷いプレーがあった.
李(5.0)連携面,判断に改善点が多い.

妹尾(6.0)ボールを持ってもスピードあるプレーが増えた.
武田(5.5)惜しいが惜しい止まり,というのが多い.
小林優(-.-)評価なし.SBは良いと思うんだけど.

第40節 愛媛戦

2009-09-23 01:32:10 | ファジアーノ岡山
 相手は監督交代があったばかり.選手が締まってモチベーションが上がっているか,それとも内部にゴタゴタが生じて動揺しているか.愛媛サポーターの横断幕からも想像できるように愛媛は内部に多少動揺があるように見え,実際試合が始まってもそんな雰囲気を感じた.
 攻撃には連動が見られ無いため怖さが無く,何度も攻め込まれたが大きく崩されることは少なかった.守備は低いライン設定で格下相手のホームチームとは思えなかった.

 岡山は野田,竹田が出場停止明け.そして左SHには川原が久しぶりの先発で入り,1トップは三木が復帰.CBは大島が久しぶりに外れ木村・野本のコンビとなった.
 現状のベストメンバーに近い岡山.相手の隙を伺いたいところだが,あまり出来は良くない.それは三木は序盤戦の西野のように連動できないことが最も大きかった.そしてチームとしては殆どの攻撃がテンポが遅く,相手の低いラインの守備にピタリとはまってしまった.岡山が相手ゴールに近づいたときには,愛媛の2列に戻られていた.

 それでもファジアーノの攻撃の方が可能性を感じ,得点も近いように見えたが0-0で前半を終えた.後半は足を痛めた三木に代え妹尾が入り青木がワントップに入った.
 以前ならワントップの青木には不安しか感じなかったが,今の青木はどこにいようが関係ないくらい好調だ.とにかく青木がボールを持てば何かが起こる.そう感じさせるほど調子が良い.連携できない三木が下がることで一気に岡山のペースとなった.

 そしてもう1人の好調な選手がいた.竹田だ.田所は彼の動きと自分の動きを比較して欲しい.とにかく居て欲しいところにいる.これにより前節より確実に中央の守備が安定し,更に時折見せる積極的な攻撃参加で攻撃に厚みをつけていた.

 そしてゴールは見事な守備から生まれた.相手がミスしたボールを保坂が奪い,青木→竹田,そしてそこから川原へスルーパス.フリーの川原は…,マイナスのパスを妹尾に出してゴール.正直攻撃の選手があそこでパスするのはどうかと思うし,妹尾がフリーとは言え,かなりリスクもあるプレーだった.ただある程度ゴールへの意識が川原にあったことが良い結果に繋がったのだろう.


 そこから一進一退で,終盤は愛媛の猛攻もあったが守りきり1-0で終了し連敗を脱した.かなり岡山に対し厳しい審判がいる中で勝利できたのはチームにタフさが出てきた証拠だろう.更にここで負ければまた連敗街道もあり得たし,上の順位を見ることは出来なくなっただろう.
 そんな中で一つ上の順位の相手から勝ち点3を奪えたことをチームにとって非常に大きな勝利になった.一つでも上,そして最終的には草津を狙うつもりで戦って欲しい.少なくとも中位以下の相手には全く力負けしないことは分かった.

 この日愛媛で目立ったのは内田.なかなか質の高い選手で将来が楽しみだ.しかし愛媛はちょっと観客が少ない.スタジアムが相当悪いらしいがこのままではそのスタジアムと心中してしまいそうだ.近くのチームなのでもっと頑張って欲しいところだ.

 というわけで次節は1トップ次第で大きく試合が変わるだろうと思いつつ勝手に採点.

三木(4.5)古巣相手で爆発して欲しかった.
川原(6.0)まだ精度は低いが良さを出せるようになってきた.
保坂(6.0)嫌なところに顔を出していた.
青木(7.0)MOM.ゴール奪っていれば最高.
喜山(6.0)速い縦パスと攻撃参加を増やして欲しい.
竹田(6.5)出場停止が良い方向にはたらいた.
野田(5.5)ちょっと軽率なプレーが目立った.
玉林(5.5)クロスの精度を上げたい.
野本(5.5)不安定だった.
木村(5.5)1人だけJのスピードに慣れていない.
李(6.5)好セーブで勝利を引き寄せた.

妹尾(7.0)積極的なプレーで攻撃を活気付けた.
小林優(-.-)評価なし

第39節 C大阪戦

2009-09-19 11:04:32 | ファジアーノ岡山
 ファジアーノはベストメンバーから程遠い状態でC大阪との試合.久しぶりに見に行けるのだが,多分負ける試合を関西から見に行くのは腰が重い….けど行かずに後悔するより行って後悔しよう,と久しぶりに桃スタへ.
 かなり久しぶりだが町の変化は特に無かった.しかし桃スタへ向かう人の多さから町の盛り上がりの変化は感じた.そして代表の香川が来るけどそれ以外大したイベントもないし,カズもいないのに1万1千人越えと言う観衆.J2で下位に沈むチームなのに.もしこれで強くなったら….久々の岡山で想像以上の町のポテンシャルを感じさせられた.

 スタジアムについて気づいたのは屋台の充実ぶりだ.祭りのような,土曜夜市のような雰囲気.Jのクラブができた一つの大きな効果だろう.特に地元の名産やクラブの企画した食べ物があるのはうれしい.西宮の野球場じゃこういうの見たことないし.ただ,購入したホルモンうどんは肉も少なく味もちょっとがっかり.津山のホルモンはもっとうまいはず.



 食べ終わった頃に試合開始.やはり現地は視野が広い.最近ずっとTVだったので全選手の動きが分かりやすくて本当に良い.来て良かったと思った瞬間だった.

 この日の岡山は大きく先発が入れ替わった.DFは左から野本,木村,大島,玉林,ボランチに田所が入り1トップに武田.守って守って武田のスピードで何とか…,という狙いだろう.しかし試合はカウンターさえできない一方的な展開となった.
 この日の守備的な両SBは失敗だった.前に上がれないため相手にサイドを押し下げられた.岡山はボールを奪っても保坂と武田しかいないし,そこにもボールは納まらない.唯一の希望は裏へのボールだったが,相手のGKの広い守備範囲により生かすことができなかった.
 更にC大阪の1トップ2シャドーに対する守備も問題だった.2枚のCBで1トップを守る形になっていたのでCBが大体1枚余っていた.その余った1枚とボランチで2シャドーのケアをするのだが,お互いの連携が悪く,人数は足りているのに守れていない状態だった.結果ボールへのアプローチが遅れ,C大阪にバイタルエリアで自由にされた.気づけば岡山のボランチはDFラインに吸収されるという「ドン引き」状態だった.

 0-0で終えるのがやっとの前半.よく守った.しかし「どうやって点取るの?」「どうしようもねぇな」と何度もつぶやいてしまうほど攻撃は機能しなかった.だからこそHTにどう攻撃を立て直すか?と期待したが,メンバーチェンジも試合内容も変化無く後半の時間は進んだ.この日は采配が消極的だったと思う.もう少しSHを前で使えるような,中央でなくサイドで勝負できる形にしてほしかった.とにかく青木が自陣PA付近で仕事していたらどうしようもない.

 結局後半すぐに2点,3点と取られゲームは決まった.この日の野本や木村の守備を見て失点は覚悟していたので大きな落胆は無かった.スピードは無くボールウォッチャーになりがち.特に野本はサイドで使うには瞬発力が不足していて,狙いが丸分かりの相手のフェイントにもついていけていなかった.
 結局1万1千人以上も集まった観客は終了直前の川原のシュート以外で歓喜する場面は殆ど無かった.いやあの観客の後押しがあの1点を決めさせたのかもしれない.


 この日良かったのは喜山の守備.かなりうまくなった印象.あんな喜山みたくないけど.あとチームにパサーが喜山以外いないことも気になった.青木が何度も良い動き出ししても出せる人がいなかった.調子の上がりつつある川原がに期待したい.
 あとこの日初めて生で見る選手が何人かいた.一人は青木.プレーエリアというかボールを扱える範囲の広さは他の選手と比べると明らかに広かった.
 そして三木.どうしてここまで連携がズレるの?と言うプレーばかりだったが,スケールの大きさは見せてくれた.もっと主張してわがままにプレーして欲しい.来季の軸になってもらわないと.


 という試合.この日試合内容は想像通りだったが観客数は想像以上だった.「客が客を呼ぶ」.つまりスタジアムの盛り上がりに魅了されて新しい客がつく好循環が生まれている.多分初めて来た人はあんな身近にあんな盛り上がりが存在することに驚くのだろう(自分は初めて行ったとき,地域リーグ時代の盛り上がりでも驚いたし).この流れを逃さないようがんばってほしい.チケット完売が一つの目標か.

 というわけで,試合は負けたけど長居での試合の観客数に勝ったということで満足して,勝手に採点.


武田(5.0)体幹強化が必要か.
妹尾(5.0)もっと広い範囲でボールを持ちたい.
保坂(4.5)何もできず.
青木(5.5)守備に奔走した.攻撃の狙いは良かった.
喜山(5.5)位置が低すぎるようにも思う.
田所(5.5)極所極所は悪くは無いが試合全体での印象が薄い.
野本(4.0)ズタズタにされた.
玉林(5.0)できることはした.ボール持てないのは仕方ない.
木村(4.5)相手との距離感が良くない.
大島(5.5)キックの精度を上げたい.
李(5.0)仕方ないが失点が多い.

三木(4.5)消極的な姿勢も連携が向上しない原因か?
小林優(5.5)積極的な動きだった.
川原(6.0)祝J初ゴール.保坂と入れ替えもあるか?

第38節 仙台戦

2009-09-12 01:47:04 | ファジアーノ岡山
 勝利を期待するのは余りにも現実的でない仙台との1戦.昇格争い中のチームで最も安定していると思う.しかもJ2で最も強烈な後押しのあるスタジアム.そんな状況で岡山は西野に続き澤口も負傷欠場.出場停止の野本を含め好調時の選手が3人も抜けた.厳しい以外の言葉は見つからない.

 試合は予想通りの展開となる.試合開始直後から圧倒的な仙台ペース.岡山の良し悪しなど判断する余地も無いほど攻められた.一方的な状況で野田のイエローで良い位置でFKを与える.リャンのキックの精度を考えればセットプレーはできるだけ与えたくなかった.しかし相手の攻撃をしのぐ事で精一杯の岡山にそんなことを考える余裕は無かった.そして見事なゴールが決まった.

 そこからようやく落ち着き,僅かに気を持ち直したファジアーノ.相変わらず三木は何もできなかったが,前節ようやく「らしい」プレーを見せた青木が,それがまぐれでは無いと見せてくれた.尾崎のピンポイントクロスを見事なヘディングでゴール.あれは相手もどうしようもないという素晴らしいゴールだった.

 ただそれでも仙台は強かった.とにかく全ての技術のレベルが岡山より高く,特に前を向いたときの攻撃のスピードは一つレベルが違った.C大阪は飛びぬけた選手がいるが,仙台は全体として質が高いイメージだ.
 その後前半は凌いでいたが,カウンター気味の速い攻撃の2次攻撃で2失点め.植田のマークの緩さはJ2でも通用しないレベルだ.絶対に相手を放さずボールを通させないというような執念でも伝わってくればまだ納得できるのだが.隣にいる大島からは伝わりすぎるが.

 この失点で「終わったかな」という時,それでも岡山は踏ん張った.もう一度青木が決めた.ドリブルで仕掛けてそのまま思い切りよくシュートしてゴール.残りの試合で2桁得点はしてくれそうな,雰囲気あるプレーを見せた.


 2-2という意外なスコアで終えた前半.もしかすると…,という甘い思いもあった.けれどそれは一つのミスで淡く砕け散った.喜山が自陣ゴール前でドリブルし,スペースの無いところへのパスが中途半端になった.それを相手がダイレクトでシュートしゴール.正直あのシュートが入ったのは事故みたいなものだ.何度も入るようなシュートでは無い.ただその前のプレーが….
 喜山がボールを大事に繋ごうとしているのは分かっていた.そうでもしないと攻撃に結びつかないからだ.事実後半に入ってからは自分たちのサッカーができる時間もあった.けれど相手の圧力によりボールを奪う位置がどんどん低くなってしまっていた.ミスをすると失点に繋がるような位置まで.

 喜山ミスが原因とは言え,実質は力負けによる失点だった.もし西野が前にいて起点が作れていたら簡単に前に蹴れたのかもしれない.そう考えると西野の負傷は本当に大きいし,三木のプレーはあまりにも残念なものだった.


 結局攻撃に出た岡山はもう1点取られて試合を終えた.悪い試合だったとは思わない.仙台に真っ向勝負して,後半途中までは十分に戦えた.ミスさえなければ,メンバーが万全ならば,岡山のサッカーは決して負けていなかっただろう.
 決して弱者でも無いし恥じるべき試合でも無かった.J1に行くようなチームにも戦える力がついてきたことを証明する試合だった.そしてチームの将来も見えるような.

 というわけで勝手に採点.

三木(4.5)期待しなくなるかもしれない.
妹尾(5.0)姉尾はサイドに流れては力を出せない.
保坂(5.0)連携がとれず存在感を出せない時間が多い.
青木(6.5)もっと期待する.
喜山(5.5)下を向く必要は無い.
竹田(5.5)守備に疲れが.累積は良い休暇になった.
野田(4.0)守備に課題を残した.退場は審判が悪い.
尾崎(5.0)久々だが悪くなかった.体力はまだまだ.
植田(4.0)ヘディング決めて自身の悪い流れを止めたかった.
大島(5.5)自信を失わないように.
李(5.0)この失点では得点がつけられない.セービングはかなり良い.

武田(5.0)結果を残したい.
川原(5.5)特に何もせず.
玉林(-.-)

オランダ戦

2009-09-06 00:36:08 | Sports:football(A代表)
 来年のW杯へ向けての強化試合の初戦となったこの試合.そんな試合をアウェイで欧州の強豪と戦えるという非常に良い機会だ.
 おかげでオランダはベストメンバーでありカイト,ロッベン,ファン・ペルシ,スナイデルという前の4人を見るだけでも十分だし,日本は良い経験になるだろう.

 対する日本はワントップに玉田を置いて,岡崎,中村憲,中村俊というW杯予選メンバー.ここまでの日本が世界トップレベルでどこが通用するかというのを試すつもりなのだろう.ただ世界トップ4に入るに値するこの日の対戦国の選手の名前と比べると,日本の選手は余りに心細い.名前で試合をするものでは無いのは承知しているが,それでも戦術や組織でカバーできる範囲を超えているように思う.
 特にベンチにいる阿部や今野がW杯本戦で,世界トップクラスと戦うときに本当に戦力になると岡田は見込んでいるのだろうか?使い勝手の良い選手ではあるが,単なる先発メンバーの控えに過ぎない選手だ.先発メンバーの負傷が無い限り間違いなく彼らがW杯で先発としてピッチに立つことは無い.そんな可能性の無い選手をベンチにおいて競争など生まれるのだろうか?
 まあ本田みたいなのばかりをベンチに置けとも思わないが,もう少し可能性のある選手が,特に中盤には欲しい.

 この日の試合は,もしファジアーノの試合を見ている人が見ると「うちの高性能版のサッカーしとるな」と思っただろう.個人的には,ファジアーノが日本代表と同じような試合を技術の劣る選手でやっていると常々思っているのだが.この手法は弱者が強者に挑む一つの道なのだろう.走って,走って,走って.
 しかもこの日の日本はファジアーノが調子悪い頃の高性能版だった.中盤に人を増やして支配するが得点できない.2列目にスピードの無いパサー2人と,ゴール前での動きが素晴らしいFWを置いて,しかもワントップには高さも無いのだからそうなるのも当然だ.中盤を支配できただけでも良かったと言えるだろう.

 岡崎も中村俊も玉田も戻って守備をしてボールを奪っても,位置が低すぎて速攻は成立しない.にもかかわらず速攻中にゴール前で責任逃れのパスを続け更にスピードを落とす.得点できないのは必然だったし,相手に脅威を与えられもしなかった.事実決定的なシュート場面は殆ど無かった.
 ただ1点でも取れれば試合の展開は大きく変わっていただろうと思わせる展開だったのも事実.けれどその確率が限りなく低かったのも事実.W杯でこの低い確率に賭けて,残りの時間を「考えずに走る」サッカーで戦うとすれば,それこそアフリカまで無駄死にしに行くようなものだ.


 予選のときから見えていた岡田のゴールへのプランの無さ.この日の貴重な対戦も,その岡田のプランの無さを確認するために使われてしまった.とにかく前へボールを運べる選手,1対1で優位に立てる選手が不足しているのは分かりきっているのだ.
 それを打開できる可能性のあるプレーヤーとして本田がいたわけだが完全に空回り.というか全く参考にならないプレーと言うか.オランダリーグってそこまでレベルが低いのか?というプレー.ボールを晒して持って,何の策も無く奪われる無様なプレーばかりだった.いや,それ以前にトラップさえままならなかった.


 結局ドイツW杯のように立て続けに3点取られて終了.まぁエリアやフンテラール,ファンデルファールトが控えにいるようなチームとの対戦ではこんなものだろう.ベスト4を目指すには不足しているものが多すぎた.
 現在のようなプランでは,いくら時間をかけて強化しても,何試合戦っても見える結果は大きく変わらないだろう.せめて監督が「考えて指揮する」ようにならないと.

 しかしオランダの選手のボールを扱う範囲の広さには相変わらず驚かされる.それでは勝手に採点.


玉田(5.0)特に内容も無く結果も無く.
岡崎(5.5)可能性を感じさせたが,後半に何か残さないと.
中村憲(4.5)ここぞと言うときに何も出来ず.
中村俊(5.5)テンポを変える事が出来なかった.劣化中?
遠藤(5.5)いつも通り特にインパクトは無く.
長谷部(6.5)負傷明けとは思わせない切れたプレー.
長友(5.5)肝心なところでのミスが目立つ.
内田(5.0)後半は無様なプレーだった.
中澤(5.0)3失点じゃ.
田中(4.5)パスミス多すぎ.2失点目の起点はここ.
川島(5.0)止めた点数も多かった.

本田(4.5)もう一回落ちるところまで落ちた方がいい.
コオロキ(5.0)存在を感じなかった.使うほうが悪い.

岡田(3.5)
 いつも通りのやり方で,分かりきった課題を貴重な相手との対戦で改めて見せ付けた素晴らしい采配.

第37節 福岡戦

2009-09-05 01:28:31 | ファジアーノ岡山
 前節の嫌な逆転負けの記憶を払拭したいこの日.相手は前回対戦時引き分けた福岡.それ以上の結果を期待しての観戦だった.

 先発はこのところ調子の上がらない小林優を外し妹尾(疲労の問題もあるのかも),そして出場停止の野本に代わり植田という布陣.また木村がJ初のベンチ入りとなった.
 試合開始直後は岡山のペースだった.「勝てるんちゃう?」というくらいの印象.というのも福岡の攻撃が全く機能していなかったからだ.岡山と同じ4-5-1の福岡.調子が悪かった頃のファジアーノのようにワントップと周囲の連携ができておらず,全く怖さを感じなかった.

 対する岡山はペースこそ握っていたが攻撃に工夫が無かった.妹尾はサイドに流れるとプレーの幅が無くなり,青木は内側へのドリブルをケアされていた.そして保坂を加えた3人と三木の連携が悪かった.そして三木の運動量は「足が相当悪いの?」と思わせるような少なさで,序盤は殆ど消えていた.結局2列目より前へボールを運ぶのに苦労して時間は過ぎるだけだった.
 そこに福岡は岡山の攻める気持ちをいなす様なプレーで受け流し,それを続けるうちに気づけば福岡にペースを奪われ結局前半のシュート数は2-4となっていた.

 低調な前半が終わると後半は両チームともギアを上げてきた.前半のうちにそうしていればどちらのチームも楽に勝てた試合だろう.そんな中岡山はワントップを青木にして右に三木に変えた武田を入れた.
 これが功を奏した.ここ数戦のようにボールが回り攻撃を組み立てられるようになった.そして野田クロスを,ようやく見せた青木らしい飛込みで足でゴール.その直後には右サイドから左までボールを展開して相手を揺さぶり,そして中央で落としたボールを妹尾がJ初ゴール.2点とも見事なゴールだった.

 と,これで終われば良いのだがこの日は違った.リードした試合の進め方に課題があった.マイボールで前に人が揃わないのにアーリークロスを入れたり,人を掛けて攻撃しているのに中途半端なプレーでボールを奪われたり.
 と試合運びは稚拙だったが,この日同点にされた原因はそれだけでは無い.後半から右MFに武田を入れたことで攻撃は活性化されたが,逆に守備のバランスは大きく崩れていた.これによりボランチやDFラインがその穴を埋める作業をすることで他に穴ができ,それを突かれるということが続いた.

 結局バランスを修正するために木村を入れるまでの時間が長すぎ,同点にされたという試合だった.そもそもあんな厳しい場面で,J初出場の選手を投入するのもどうかとは思うが.
 結局2-2で勝ち点1.勝て無い試合では無かったので残念だが,今の守備力はこの程度ということだろう.まぁ控えに城後や黒部がいるチームに引き分けというので残念と思えるだけマシか.


 しかしこの日の審判は岡山にも福岡にも酷い判定で,驚くほど酷い審判だった.試合は壊れかねなかったし,それは来場している観客を馬鹿にしているようにさえ感じる.池田直寛というらしい.これから要チェックだ.というわけで勝手に採点.


三木(4.5)西野か小林康がいたら出場できないだろう.
妹尾(5.5)祝J初ゴール.工夫の無いプレーが多かった.
保坂(6.0)決定的な仕事ができなかった.
青木(6.0)最後のパスはプロとして失格.
喜山(6.0)攻撃機会が竹田より少ないのはいただけない.
竹田(6.0)ここぞと言うときのパス精度が欲しい.
野田(6.0)クロスは大きな武器.
澤口(5.5)ちょっと守備の連携が悪かった.
植田(4.5)マーク外しすぎ.
大島(5.0)悪くは無いが失点が多い.
李(5.5)何点も防いだがキックの精度が.

武田(5.0)守備が酷すぎる.
木村(5.5)祝J初出場.直後に失点したが.

第36節 水戸戦

2009-09-02 02:32:57 | ファジアーノ岡山
 西野が抜けチーム(ファン?)は多少動揺状態.そこで対戦するのは昇格争いに加わる水戸.過去2回の対戦で大和田と高崎に小林康,金という戦果をあげられている.そんな相手だから,怪我人無く,そして彼ら二人に仕事をさせなければ十分な結果かもしれない.

 試合は西野に代わり三木が入った.これにより組み立てや守備はいつも通りに戦え,好調水戸相手にも圧倒されることなく試合は進んだ.ただ攻撃はやはり連携が多少悪く,特に保坂と三木の連携は西野のときのようにスムーズでなく,単発的な攻撃になりがちだった.ただ前回三木が出場した愛媛戦よりは連携は向上していた.周囲が自信を持ちプレーをしている影響もあったのかもしれない.
 試合は一進一退の中,野田が高い位置でボールを奪い小林とワンツー.それに対する相手3番の寄せが緩く野田がうまくボールをキープしクロス.そのクロスに対し中央のスペースへ顔を出した三木が見事なゴール.あれだけゴールに苦しんでいたのが嘘のように最近はゴールが決まるが,それは西野不在でも変わらなかった.

 この日の三木を見て思ったのは,質の高いスケールの大きな選手ということ.足元はやわらかく,ボールを持つと雰囲気がある.運動量が課題だろうが,どうして今年まで得点数が少ないのか不思議なくらいだ.
 対する水戸は荒田,高崎というJ1でも通用しそうな日本人2トップ.スピードやポジショニングが良く,ただでさえスピードに弱く駆け引きが得意でないファジアーノのDFはレベルの違いを見せ付けられていた.

 だからこそもう1点とって楽にゲームを進めたかった.特に相手が前掛りでチャンスがあったので残念だった.そうしているうちにセットプレーから失点.ここのところセットプレーの守備の甘さは目立っていたが,よりによって大和田に決められてしまった.
 その後も水戸の攻撃陣に岡山守備陣は押されっぱなしだった.ただこの日は荒田が外れの日だったのが幸いし,その攻撃をしのぎながら岡山は逆襲できた.そして前半終了間際に澤口が追加点.保坂がハンド臭かったがそれでもゴールへ向かうプレーを意識していたからこそ生まれた得点だ.これまで奪えなかった良い時間帯での得点は,この日の良い結果を想像させた.


 しかし後半.水戸が一つギアを上げ,更に押し込まれる展開に.岡山としてはカウンターによる攻撃をし,時間を消費しながらの試合となった.その流れで後半21分.相手のプレスの中低い位置でのパス交換.竹田が相手を引き付けワンタッチでCB野本へ開くパス.相手のプレスから逃れる見事なパスだった.
 当然そこから密集を避けて左に開いてビルドアップ…,と思った瞬間,何を思ったのか,時間も無かったわけでもないのにその密集へもう一度野本が縦パスを送る.ただでさえ精度の低い野本のパスは,その精度通り失敗に終わる.よりによって荒田への最悪のパスとなった.

 試合開始直後から相手FWにチンチンにされ続け「テンパってた」というのが正しいのだろう.そしてそれを示すように後半だけで2枚のカードを貰い退場(それまでにもイエロー相当のプレーを何度かあった).彼は技術うんぬんよりもメンタルがプロの厳しい場面で耐えられるレベルでは無いのかもしれない.
 一度のミスなら挽回すれば良かったのだが,そのプレーを引きずり退場するという最悪の内容.一人で試合を決めることのできる選手になっていた.


 結局2-4で敗戦.最近の好調で大量失点した札幌戦や何度も決定的場面を作られた甲府戦などで見せた守備の課題は覆い隠されていた.けれどもこの日の敗戦はそれを再度明確にするものだった.幸運にも西野不在の対応の目処はたった.だからこそこの試合を守備破綻の再確認を行う良いきっかけとして次の試合挑む必要があるだろう.そうすれば今後下を恐れて戦う必要は無いはずだ.

 この日は神戸のカイオを評価して神戸優勝予想を立てるようなすばらしい解説者によるすばらしいTV中継に加え,綺麗な金色の髪と同じような綺麗なプレーを連発する相手FWにハットトリックされ,非常にすがすがしい気分で試合を見終えた.金を払っているTVにあんなすばらしい解説者は不要だし,あんな綺麗な髪の選手は岡山には不要だと思わされた.大和田の李へのチャージ後に止めに入った岡山の選手を振りほどくように腕を振り回す丁寧なしぐさもすばらしかった.

 まぁ本当に良いプレーを見せていたのは遠藤だったと思いながら勝手に採点.

三木(6.5)祝岡山初得点.早く90分できるように.
小林優(5.0)パスミスの多さが目立つ.このままでは厳しい.
保坂(5.0)西野がいないと消えてしまった.
青木(6.0)積極的なプレーが目立った.
喜山(6.0)競り合いも良く,攻撃も良く.
竹田(6.0)押されている時はもっと低い位置でも良いのかも.
野田(5.5)1試合を通じてのプレーの質の向上を.守備は駄目だった.
澤口(6.0)守備をの意識をもう少し.
野本(3.0)MOM.試合を決めた.点数は自己評価どおり.
大島(4.5)相手に振り回されながら奮闘した.
李(6.5)前半から見事なプレー.

妹尾(6.0)シュートを入れる練習をしよう.
植田(5.5)久しぶりだったが,久しぶりらしいプレー.
武田(6.0)短い時間でチャンスを作った.