海外クラブ

　神戸対ボルトン，磐田対Rマドリー．見ていて思ったこと．

　数年前までは「日本あのクラブが来る!!!」で客が入っていたし，Jのチームも「試合をやらせてもらって感激」といった感じだった．それが今ではその様相も様変わりした．日本のサポータのレベルも上がったものだ，と感じる．まぁ私がこれだけサッカーに詳しくなったんだから，周りも詳しくなるよな．

　昨日のレアルの試合で，レアルが後ろでボール回しをしてまさか「ブーイング」が起きるとは思わなかった．あくまで親善試合であるにも関わらず，サポーターは「ガチンコ」モード．見ていて「失礼やろ」と思ってしまった．しかし，相手が「手を抜く」のを見抜けるようになった，という好意的な見方もできる．
　そして試合の盛り上がりも「ベッカムがボールを持ったから」，というだけでは全く盛り上がらない．それは東京V戦で試合が全く盛り上がらなかったことからも良く分かる．本当にいいプレーにだけサポーターが反応するようになった．選手にしても気持ちの良い盛り上がり方だったろう．

　そして選手の側も「こっちはシーズン中やで」という自負が見えるようになった．ボルトンにしてもRマドリーにしても，以前のようにあからさまに手を抜くことは出来なくなったし，そうすると負けてしまう，ということも起こり得るようになってきた．執拗に動き回る日本の選手は，シーズン前の欧州クラブの選手にはそこそこいいテストマッチになっているのではないだろうか？

　ただ，システマチックな部分や，個々の能力の差があるので，最後はそこで「勝利」を簡単に奪っていくが，それも以前に比べれば余裕の無いものになってきている．日本のクラブにとっても，相手がいくら動きが悪くても，フィジカルや懐の深さ，キック力の強さ，ボール扱いの丁寧さ，そういったものを学ぶのにとてもよいテストマッチになっている．

　もはや日本ツアーは「親善試合」を超えたものになりつつある．「テストマッチ」という意味合いが増えてきたことは歓迎すべきだし，サポーターとしてもより良いプレーを目の当たりにできる機会が増えてとてもいいだろう．


　この2戦を見て，磐田と神戸で気付いたこと．磐田は若手が育ってないなぁ，ということ．カレンは相変わらずボール扱いが雑だし，成岡はようやくコンディションが上がってきた感じだけど名波には遠く及ばない．神戸は穴だらけのディフェンスと体力のあるときのカズ以上の動きをできるFWがいない，パクはちょっとレベル下，チソンだったらいいのに，ということ．問題は多いなぁ，という感じだ．

　一つ良かったのは，この試合，サンテレビとフジテレビで見たが，日テレとは大違いの実況でとてもよかった．サンテレビはカメラワークこそ悪いが，淡々としたしゃべり口調が良く，フジは青島さんの慣れたしゃべりが良かった．つかみ所を知っている感じだ．


　最後に，代表について．ジーコが選出した千葉の巻．まさか選ばれるとは思っていなかったので驚きだ．一応ちゃんと見てるんだな．ちゃんとしたメディア以外は目も付けてないような選手．まだまだ荒削りだが高いレベルでどう動けるか楽しみだ．しかしオシムの育てた選手（村井，茶野，阿部，巻）がこれだけ選ばれるってのは凄いね．次は佐藤や羽生かな？磐田の期待の監督は，どう育てるんだろう？今のとこ一人もいないけど．

弱小チーム

　東京Vとレアルマドリーの対戦．正直何も期待していなかったが，それ以下の内容だった．語るにも値しない．

　「広島に負けたうちが勝てるとは思わなかった」

　この相馬のコメントが全てだろう．J1で下から2番目．最近は大量失点がお家芸の東京V．みどころはレアルが何点取るか？というところだった．普段なら10-0くらいが妥当なところか？いや，そこまで点を取ってくれないか？
　で，結果は0-3で東京V．ここ6戦で勝利すらない状態で，引き分けも下位のFC東京と最下位の神戸に対してのみ．そんなチームの久しぶりの勝利がレアルマドリー．やっている選手の「まさか」という気持ちも分からなくない．

　0-3という結果だが，東京Vが良かったのでは？と思うかもしれないが，それは無いと断言する．この動きの鈍いレアルに対しても守備面では遅れがちで，中でも戸田や相馬，林が目立った．
　戸田の荒々しく見えた動きは「動き出しが遅い」だけ．「こんな選手が日本にいることを見せたい」といった自信過剰の相馬は攻守ともに見せ場なし．そしていつも遅れて後ろを向いてディフェンスしている林は背番号ばかりがTVに映った．抜かれた後のゆっくりした動きは潔かった．
　攻撃は戻れないレアルにカウンターを当てるだけ．ボールを支配してもプレッシャーも無いのにパスミス．シーズン中なのに連携も酷い．17位は伊達じゃない．

　そしてファンの少なさが更に試合を寂しくさせた．日本にはもう「讀賣ジャイアンツ」は出来ないことが分かったことはよかった．


　最後に．日テレのサッカー実況は最低だ．「あのレアルから得点を!!!!」なんて無理に大げさに盛り上げようとするところはもう気分が悪くて仕方なかった．この日のレアルがJ1の中でも最低レベル，というのは見たらわかる話だ．野球と同じように常に「虚像」を作り上げようとする実況は，まるで洗脳をするかの国の放送のようだった．
　「絶対に・・・」といいわけのわからん脅しと盛り上げをするテレ朝と同レベルだ．何でこんなに日本のTV局ってレベルが低いんだろ？

F-1ドイツGP

　今年の優勝が決まった．

　不運というものは，特定の人に襲いかかる．強い，弱いにかかわらず．しかもその特定の人の運の良いように感じるときに襲い掛かる．今のライコネンの強さはアロンソと比べものにならないくらいだ．そして圧倒的な差をつけているその時に，運の悪いことが起こる．そして起こってほしいアロンソ側には何一つ問題はおきない．
　これでポイント差は36ポイント．残り7戦．ライコネンが全優勝で70ポイント．アロンソが全部3位で42ポイント．これでもアロンソはチャンピオンだ．ライコネン全勝なんてことはほぼ無い，と考えて良いから，殆ど間違いなくアロンソのワールドチャンピオンは決定だろう．もうここに対して議論する余地は無い．残りは見ている側にはあまり面白みの無いコンストラクターの争いだけしかない．

　しかしこう考えると今のポイントシステムは面白みに欠ける．優勝回数が一番多くてもワールドチャンピオンになれない，ということに対してだ．できるなら1位のポイントを増やすなり，昔のように成績の良い何レースかをポイント対象にするなりしないと，成績が拮抗していながらシーズン中盤でチャンピオンが決まってしまう．ここ最近はミハエルが独走していたので出てこなかった問題点だろう．

　まぁ今は今の制度なので，アロンソの最年少チャンピオンを心から祝福したい．


　そしてライコネンとは比べ物にならないくらいの不運な男がいる．未だにドライバーズランキング最下位，0ポイントの佐藤君だ．このレースでもまたもや撃沈．正直なところ，燃料大目で予選最初の方に走って8番手は，ものすごく評価のできる速さだ．確実にバトンより前にゴールできただろう．にも拘らず1周目にクラッシュ．しかも好スタートで6位くらいまで順位を上げていたときに，だ．やっぱ厄払いに早く行ったほうがいい．このままいけば唯一のノーポイントドライバーになる可能性が高い．

　ちなみにバトン君．遅い．明らかに燃料の軽い状態でスタートに失敗して追い越しもできず．ミハエルの後ろについたときも，バトンの方が燃料軽いにも関わらず抜けない．ミハエルのタイヤは溝も見えないくらい磨耗していたのに．
　絶対にこのレースは佐藤君の方が速かったし，絶対に抜かれていた．やはり彼は1流にはなれない．このまま年をとってクルサードのポジションを奪ってほしい．私がスポンサーなら，あんな地味にしかポイントを稼げないドライバーには金を払えないだろう．チャンピオンという夢を感じることができない．

　そしてミハエル．母国ドイツであんな諦めたコメントを出すなんて，相当ひどい状態なんだろう．ファンに「今年は諦めてくれ」というようなコメント．彼の本当の実力を見ることができなくてあまりに悲しい．もうちょっと良いときにアロンソと勝負して世代交代してほしかった．

Max

　K-1Maxを見た．

　今回はマサトが調子良かっただけに骨折はちょっと残念．ただ，だからと言って決勝の第2，第3，延長1ラウンドをカットするTBSはどうなん？確かにチャンピオンは疲れていて正直いい試合とは言えなかったし，あの勝者に何の意味があるのか疑問に感じるところはあるが，1R終わってCM明けにいきなり判定って．見逃したのかと勘違いした．
　それなら，超凡試合を繰り広げたコヒー君の試合をカットすれば良かったんじゃないか？正直今回のコヒー君は酷かった．いくら間合いが合わない，と言ってもあの試合は無い．ブーイングが起きなかったのが不思議なくらいだ．一度も見せ場も作れず判定負け．あれでマサトと張り合おうってのは無理があるし，チャンピオンなんて口が裂けても言っちゃ駄目だ．

　別に誰に思い入れがあるわけでもないので，いい試合を見せてくれればいい．そういう意味ではマサトといい勝負をして負けた選手を，マサトの代わりに出して欲しかったな．代わりに出てきた日本人は，「大技」というトリッキーな技ばかり出していたが，あぁいうのはたまに出すからいいし，何度も出して一人でこけている姿を見ると，見ていて興ざめする．


　というわけであんまり面白くない観戦だった．一番興ざめだったのは，マサトが戦えないことが分かる前のCMの入りに「次はマサト登場」なんて文字を画面に出したTBSの行為だ．そこまでして視聴率が欲しいのか？マサトが負けても視聴率良かったんだから，次からはそんな小細工は辞めて欲しい．

王様

　キングが移籍する．

　神戸はキングを切る役目をパベルに任せたのか？ヤスがつれてきた監督を切り，ヤスも切り，そしてカズも切る．もう決まっていたかのうような切り捨て劇は余り印象の良いものでない．そのくらいしても「チームを刷新する」という意思なのだろうか？それにしては行き先の見えない意思だ．行き当たりばったり，という印象だ．

　しかしカズには横浜フリューゲルスでがんばって欲しい．ちょっとジョーとカズって言う時点で「ほんとに大丈夫？」という運営方法で，神戸チックではあるが，よっぽど神戸より希望はあるだろう．フリューゲルスの名前はJ1に上がったら使えるとか，そんな話があったと思うし，悲しい終わり方をしたチームであるので，ぜひともJ1に上げて欲しい．今年は無理だろうけど．


　さて神戸．チームは来年間違いなくJ2となる．それを考えると若手主体にしなければならない．しかしそういった動きがあるわけではない．過去の有名どころ，平瀬や小島を起用しているところを見て，「若手」という印象は全く無い．チームの目指すべき形も見えてこない．

　いくらよく考えても，5年くらいJ2にいるだろう．とても山形とかより強い，と言い切れない．そのころ運営会社はどうしているんだろうか？スポンサーを撤退しても，運営会社撤退とは簡単にはいかないと思うのだが．野球的な考えでやってしまうかもしれないが．

　まぁ，年齢不詳のアイドルをそのころになっても呼んでいるんだろう．それがチームの目指す形なのだろうから．選手が余りにかわいそうだ．

新戦力

　サッカー日本代表に新戦力が選出された．

　田中，村井，今野．阿部と茂庭も実質新戦力．この選出は今関係者やファンの希望と合致しており，ジーコも人の意見を聞くのだ，とちょっとだけ感心した．

　ただし，今の代表で最も層の厚いディフェンシブハーフが二人，というのはどういう意図なのだろう？今の代表になじませて，ドイツ後の中心になってね，ということだろうか？福西，小野，稲本，遠藤，中田を超えて選ばれる可能性なんて0に等しいが．
　逆にいえば，それだけメンバーのいるポジションで選ばれるくらい才能を買われている，と考えるのがいいだろう．

　今野も阿部もタイプは違うが，非常に質の高いプレーを見せる．潰し役今野は今の代表にはいないタイプで（中田ボランチに近い），今の代表でどう機能するか見てみたい．彼がいればワンボランチというシステムも考えられる．
　テクニックがあり攻撃的で，世界レベルのFKを蹴れる阿部．トルシエの頃から代表合宿に呼ばれるくらい才能の光る存在だ．個人的には一番見てみたい選手だ．アテネでは無能監督によりDFで使われ才能を発揮できなかっただけにより期待が高まる．


　そして残りの選手の選考は非常に理にかなったものだ．最終予選とコンフェデで明らかになった，人材不足のポジションの追加だ．
　田中はタイプとして玉田にかなり近いものがあるので，ここでの活躍が不調玉田を蹴落とす可能性もある．大久保が日本にいれば大久保の方が選ばれただろうが．
　そして村井．三都主しかいない左サイド．日本代表の大きな「穴」．そこを埋める人材として熱望されている．攻撃的な選手，というイメージがあるので，3バックのウィングバックはともかく，2バックのサイドバックはどうなん？という気もするが，三都主以下，ということはないだろう．本当に村井には頑張って，この大きな「穴」を埋めて欲しい．三都主がピッチから去るだけで，見るときのストレスが半減するだろうから．
　そして中澤不在時の対策としての茂庭．茶野もいるが．このポジションは「うっかりツネ様」もいるので，中澤に近い存在感を見せ付ければメンバーに残る可能性は高い．センターバックが安定すれば4バックの採用もスムーズになるはずだ．


　という期待を込めて東アジア選手権を見るが，多分出場「10分」とかで終わるんだろうなぁ・・・．練習から気合入れて最低でもこの大会でレギュラーを狙って欲しい．


※追記
　久保が辞退するようだから，ぜひ広島の前田を選んで欲しい．平山よりはよっぽど面白いと思うんだけど．

改革案

　ドラフト改革案が提出されたらしい．

　内容は色々なところに書かれているので詳しくは書かないが，「自由枠1」と「高校生分離」が「目玉」のようだ．
　これは「改革案」だそうだ．ところで，一体何を改革したのだろう？何を目指したのだろう？
　この案を簡単にまとめていえば

「昨年の不祥事は自由枠のせいだから，それを一つに減らしてマスコミの矛先を変えます」

ということだろうか？そうに違いない．それ以外に「目指すところ」つまり「理念」は全く見えないのだから．しかもこれ以降の改革は「しばらく先送り」するため2年後にまた考えるらしい．FAの改革も「同時に」といっていたが「先送り」のようだ．結局は，今の制度の大枠を守ったまま雑音が消えるまで静かにする，というのが目指すところの理念のようだ．


　今のように腐った状態が長く続いたプロ野球で変革を一気に求めること自体間違いだ．だけれども，少しくらい「先」の見える話が出てくる，と思っていた．この状態で改革しないでどうする？と．しかし今回の案では「何一つ」新たな改革は無かった．本来ならば，今のプロ・アマの垣根を崩すような「光」が出なければならない状態であるのに．

　これであと2年はプロ野球は改革が無い．2年後に迎えるプロ野球の惨状が楽しみだ．気付いた頃には終わっているんじゃないのだろうか．

バレー

　昨日初めて見た．

　とにかくこの競技が嫌いだ．いや，フジTVが放送するバレーが嫌いだ．なぜ試合の途中にジャニーズを映すのか？逆にそれがバレーの現状をよく表している．

　女子バレー．絶対男の方が興味深く見るはずだ．可愛い子がいればみんな見に行く．なのに，会場は揃ったように「女声」．普段絶対見てないだろう，っていう人たちが一所懸命になって応援する．気持ち悪い．
　サッカー日本代表のような「にわかファン」ならまだ分かる．バレーの会場は「ジャニーさん」のファンしかいないように見える．彼らがいるから応援に来て，彼らが応援しようって言うから応援する．

　確かに，不人気スポーツを盛り上げようという姿勢は分からなくは無い．しかし，スポーツの本質をおうことなく，アイドルを呼んで盛り上げる，なんていうのはなんて無意味なんだろう，と思う．


　国内リーグはスポーツニュースでも殆ど触れられない．優勝しても伝えられない．そんな状態で「代表」だけが無意味に盛り上がる．「サッカーだって」というが，サッカーはそんなことしなくても盛り上がっている．Vリーグと比べれば．あとから蚊取りのような芸能人が付いて来ただけだ．

　フジテレビにお願いしたい．一度ジャニーズを呼ばないで，主題歌にも使わないでバレーをしてみてくれないか？それなら私も見るのだが．「プリンセスメグ」なんて長持ちしなかった偶像がいなくとも．元々美人の多い競技なのだから．

あるべき姿

　プロ野球の人気．本来正しい手法をとっていればこうなっていただろう，という例がある．阪神タイガース．今ではプロ野球1の人気球団だ．地元だけでなく，全国各地に熱烈なファンが存在する．存在するだけでなく，皆こぞって球場に足を運ぶ．なぜこうなっているか？

　Jリーグができるまでプロ野球はスポーツ観戦の殆どを占めていた．であるので，野球に興味のあるなしに関わらず多くの人の気持ちを惹きつけていた．それを「本当の球団の人気」と勘違いしていたのがJリーグなどによる興味の拡散により明らかになった．それで一気にファンが減ったのが讀賣（それでも十分多いが）である．しかし阪神は殆ど減っていない．いや，近年の成績でまた増えだしたくらいだ．

　これは，阪神球団が意図しないながら，プロ野球界で最も「地域密着になっていた」からである．Jリーグのように地道な活動をしていたわけではないが，「サンテレビ」という放送局が関西圏でほぼ毎試合試合終了まで阪神戦を放映していた．小さな地方局で全国波で流れている讀賣戦よりも派手さも無い．けれどもそこで放映していることが「阪神」への愛着をよんだ．しかも小さな地方局が全国波に対抗する，という図式も関西人の東京対抗気質に合ったのだろう．
　そしてそこでは野球中継だけでなく，選手の細かな話題もよく出てくる．若手の情報もたくさんある．自ずと阪神の選手を身近に感じていく．「次はあの選手やで」と．そしてそれは「チームへの愛着」となり，いわゆる「おらがチーム」になっていったのだ．

　阪神地方，関西圏という大きな範囲で地域密着が出来た結果，そのファンの土台はとてつもなく大きくなった．企業の東京移転などで多くの関西人が東京などに移住するようになったおかげで，その土台の大きさが余計に目立つようになった．「おらがチーム」はどこへ引っ越しても変わらないのだ．誰が活躍しようと，どれだけ弱かろうと，心のどこかに応援する気持ちがあるのだ．

　これが「プロ野球独占時代」に「地域密着」をしていた場合の結果だ．阪神がとりわけ人気があるように見えるのは，「普通」にしていたからなのだ．独占していて野球自体のファンの数がとてつもない数だったのだから，頑張ればあのくらいの人気は簡単に勝ち得たはずだったのだ．これがあるべき姿だったのだ．これだけ歴史があるのだから．
　あれだけ全国的人気があるはずだった讀賣も，「おらがチーム」と思える地域密着をしていなかったがために，選手の話題がなくなり，サッカーなどが盛んになると，他に興味を奪われ，あっという間にファンの心が離れてしまった．元々人気の無かったヤクルトなどは，今は無残としか言いようが無い．

　今，プロ野球は「あるべき姿」をJリーグに作られてしまった．今となっては追いかける形だ．その象徴が埼玉の浦和と西武の関係だろう．その地域に何十年も歴史がある球団が，今から地元に歴史を作り始めなければならないのだ．
　ただ，元々人気の無かった球団は，あるべき姿に早く軌道修正し，千葉，福岡，仙台，北海道，と成功しつつある．逆に中途半端に人気のあったヤクルトや西武，横浜は危機的状況にある．こういった球団は未だに球場に「ラップを流す」だとか，「ミスターを呼ぶ」なんていう目先のことしかできていない．親に全国メディアがいると，こういった縛られた活動しか出来ないのかもしれないが．親が時代に乗り遅れているのだから．

　何を言っても未だに野球ファンの底辺は広い．少し頑張ればかなりの結果が得られるのだ．関西ほど人口のいない地域でも，地元では「阪神」と同等の人気を得ることは難しくない．あるべき姿になれるはずだ．

　一つだけ問題がある．来年にもまたW杯のあるサッカーは，野球ほどゆっくりとした時間で動いてくれないことだ．

世界大会

　野球の．これに参加しろとかしないとか．日本は今のとこ「条件付」の参加だそうだ．

　この「国別対抗戦」に参加する必要が本当にあるのだろうか？そしてファンは本当にそうしてほしいと思っているのだろうか？少なくとも私は違う．

　まず，この大会は決して「野球の国際普及のため」ではない．なぜならば，メジャーリーグが主催だからだ．もし，本当に国際普及を目的とするなら，ちゃんとした運営組織，そして競技の世界的組織が必須となる．そのくらいしなければ普及できないほど，野球の普及率は低いからだ．しかし，今回の主催のメジャーリーグは，現在の国際組織にさえ参加していない．論外である．

　ならば「国別対抗戦」というお題目があるじゃないか？というが，本当に「国別対抗戦」だけのためにこんな大会に参加するべきなのだろうか？それに参加することで，今後の「メジャー主導」を後押しするだけじゃないのか？そして，普及している国のみで盛り上がるだけである．いや，普及している国でも盛り上がりに欠けるかもしれない．なぜならそこにドラマが無いからだ．


　日本が参加するにしろしないにしろ，結果は見えている．こんな形を続ければ，野球は廃れる．アメリカでもニュースを見たらわかるように，一部以外ではガラガラだ（オールスターは史上最低の視聴率だったらしい）．日本は足を引っ張る勢力が，努力を打ち消している．韓国ではすでに廃れている．
　この競技を主導している国々がこれで，こんな世界大会をしていれば，間違いなく消え去る運命だろう．IOCも先見の明がある．世界中に広まっているフットボールに対抗するには相当な努力が要ることを全く誰も気づいていないようだ．

　参加することに意義があるのはオリンピックだけで良い．