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第5節 山形戦

2012-03-28 00:30:58 | ファジアーノ岡山
 4試合未勝利で勝ち点2.上位を狙うどころか最下位という状況.ホームのこの日に求められるのは勝ち点3のみ.しかし相手はJ1からの降格組の山形.万代,山崎,中島と強力な3トップを擁し好調をキープする.勝利はかなり厳しいだろう.そうなると5戦勝利無しとなり,上位進出を目標とした今季なら監督の責任論が出てきても仕方がない.ただこれまで書いてきたとおり内容は昨年よりマシなのだが.その証拠に決定機の回数は大きく増えた.昨年まで開始20分シュート0なんて普通だったのだから.
 この日の先発は以下の通り.

     チアゴ
   石原  中野
田所 仙石  千明 澤口
 近藤  後藤  一柳
     中林

 チアゴが先発復帰し,田所が今季初先発となった.前節運動量不足だった服部の休養が狙いだろう.相手に押されることを考えればあ悪くない選択だろう.

 この日の相手は4バックであり水戸戦のように苦しむ可能性も考えられた.しかしこの日は大きな守備の破綻も無く試合を進めることが出来た.
 というのも復帰した千明の出来が抜群だったからだ.攻撃では中盤の底からゲームを組み立て,仙石がこれまでより一つ前でプレーできた.これにより3トップと中盤の連携が上がり攻撃に厚みが生まれポゼッションがあがった.関戸が悪かったわけではないし千明には無い良さもあったが,システム理解度とゲームメイク能力で差が生まれたのだろう.外から見ていても分かるくらいチームのリズムが違った.
 それ以上に千明は守備の部分ですばらしいプレーをした.相手の中盤のパスコースを上手く切り,またパスコースを読んでボールを奪い返すなど,相手に簡単にプレーさせなかった.

 試合は岡山が今季初めて流れの中で得点をし先制.中野のファジアーノ初ゴールだった.この日は中野の出来も良かった.ゴールの近くではまだ勝負はできないが,サイドに流れすぎる癖は少し改善され前線で起点になれていた.

 先制した後の最も大きな問題は次の得点をどちらが奪うかだった.岡山は決して好調とはいえない状態.もし相手に追いつかれればどうしてもチームに悪いイメージが湧いてしまう.特に相手が山形という力のあるチームだったので何としても先に追加点を奪いたかった.そんな状態で仙石のすばらしいゴールの価値はもの凄く大きく,チームに勇気を与えるものだった.
 またこの直前に川又を投入していたが,そのタイミングも良かった.ちなみに川又だが,かなりスケールの大きな選手であることは分かった.前線のプレッシャーの中でボールを持てるし,そこで周りを見る力もある.その上ゴールへ向かう積極性もある.得点が奪えればちょっとしたブレイクも期待できるかもしれない.

 この日残念だったのは2点差となった後の戦いかただ.2点差の時間をたった3分しか保つことができなかった.せっかくの優位な時間をうまく使えず自ら首を絞めてしまった.その後はさらに悪かった.中嶋のゴールは守備を崩されたわけではなかったのに必要以上にチームは気落ちしてしまった.更に全体的に足が止まってしまったことで防戦一方となりいつ失点してもおかしくない状態だった.
 ただ幸運なことにこの日の山形はゴールの枠へ飛ばせられない日だった.これまでの岡山のように.サッカーはこういうものだ.

 という2-1の今季初勝利.数年前山形サポーターと話していたときにこんな日が来るとは思ってもいなかった.相手はファジアーノの存在さえ知らなかったし.そんな格上の山形からの勝利の価値は非常に大きい.更にこの日は選手層の厚さも確認できた.左サイドの田所の競争力も確認できたし,前線はチアゴと川又,中野,キム,石原,桑田とアンデルソンが復帰したらどうするんだ?というような状況だ.しかもそんなに低いレベルの争いでもない.こういう切磋琢磨は間違いなくチームを強くするだろう.

 ただ残念なのはこの日の観客の少なさだ.昨年まででJリーグ加入貯金を使い果たしてしまった.それどころか今は借金生活だ.「どうせ弱いんでしょ」「負けゲームばっかりはつまらない」と.チームの基礎を固めることに重点を置きすぎた代償だ.これからは貯金を使った人がもう一度貯金を作る番だろう.今のサッカーは悪くない.低い位置からパスを繋ぎ相手を崩していくJ2では珍しいし日本人好みだ.これで結果を残せば十分それは果たせると思う.それでは勝手に採点.

チアゴ(6.0)初対戦で比較的自由がもらえた
石原(5.0)肝心なところの精度がなかった
中野(6.5)得点が評価だ
田所(6.0)サイドに穴を作らなかった
仙石(7.0)祝初得点.得点を含め攻守に活躍
千明(7.0)MOM.重要さを改めて示した
澤口(5.5)攻撃にアクセントを与えられなかった
近藤(6.5)相手に先を行かせなかった
後藤(6.5)防戦一方の中で強さを見せた
一柳(6.0)万全とは言えなかった
中林(6.5)反応の速さでチームに安定感を与えた

川又(6.5)今後を期待させるプレーぶり
植田(6.0)左WBとしての可能性を見せた
キム(-.-)短時間でも価値を見せた

真子,竹田,服部,関戸

影山(6.0)
 交代策もはまって山形から金星.これを続けることが一番大事.