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開幕

2007-03-12 23:55:23 | Sports:football
 サッカーの2つ目の開幕,ACLが開幕した.ACLはアジア版CL(出場条件は違うが)といったところ.今年は一昨年の天皇杯覇者の浦和とJリーグ2位(浦和が優勝したので)の川崎の出場となった.Jリーグ屈指のサポーターを持ち金銭面で最も裕福で戦力も豊富な浦和と,長身で屈強なDFと抜群の得点力を誇る川崎という2チームとあって,その戦いぶりが注目される(正直なところ昨年でなく今年のG大阪には出て欲しかったが).


 ACLは日本と韓国以外では非常に注目度が高い(昨年の決勝は中東では満員だったが韓国ではガラガラ).昨年は地元でさえ人気の無い勧告チームが優勝する,という最悪の結果だった.日本でもそれほど多くの観客はいなかったが,GW中の万博ではリーグ戦と変わらない観客が入っていた.韓国よりは注目度があがってきている.
 日本で注目度が上がり始めたのはACLがCWCへ直結する大会となったことが影響しているだろう.一般人はともかくサポーターにしてみれば自分のクラブがバルサなんかと公式戦で対決するかも(今年は無理だが)しれない,と考えれば応援にも熱が入る.しかもアジアどころか世界的にも注目されるクラブになるのだから.こういうのは助っ人の補強にも当然影響してくるので,クラブの地位向上にもつながるというのもある.

 このように注目度があがるとアジアの他の国のチーム名も覚えるようになり,覚えることでACL自体もまた面白くなってくる.もしACLが無ければアル・イテハドやアル・ヒラルの中東の国やシドニーFCやら中・韓の国のチームを知ることも無かっただろう.Jリーグの位置づけも分からなかっただろう.そういう意味でアジアのサッカー界にとって非常に重要な大会だ.
 その盛り上がりは今年の浦和により日本でも更に火がつくのでは?と期待している.あのサポーターの数は知らない人にも興味を持たせるだろう.韓国はKリーグが盛り上がらない限り無理そうだが.


 そのACLでJリーグ勢の成績だが,前身の大会はともかくこの大会では1次リーグさえ突破できない有様.実力的には十分可能性はあるのだが,各クラブが力を入れていなかったこと,アジア特有のジャッジがあったこと,そしてリーグがACLを考慮した日程作りをしていなかったこと(確かマリノスはリーグと同じ日か次の日かに試合していた)が影響し,実力どおりの結果を出すことができていなかった.
 しかしCWCとつながったことや,川淵がACLの改革のリーダーになったこともあり,日本国内でもACLを重視する空気は少しずつできてきている.今年こそはまず1次リーグ突破!という目標を果たして欲しい.


 まずは川崎とインドネシアチーム.完全なアウェイ.すごいサポーターがいると聞いていたが本当に凄い.会場は本当の超満員.大歓声.この日3-1で川崎は勝ったが,国際経験の少ないこのクラブにとってみればその勝ち点よりもあのアウェイの中で試合ができたことのほうが余程価値があっただろう.あの観衆だけでなく偏りがちな審判,そして酷いピッチにラフプレー(比較的ラフなプレーの川崎も可愛く見えるほど.思わず「森がんばれ!」と応援してしまった).あの経験は何より大きい.そしてそこで勝ったことも.
 わずかにあそこに来ていた川崎サポーターは偉い.あれも大変だったと思う.

 試合だが,この日の一番大きな誤算は我那覇だろう.相手のラフプレーに萎縮している感があった.どこか痛めた?というくらいに目立たず.黒津に変わり一気にチームが機能し始めたのはそのためだろう.またDFに高さには強いがスピードに難があることも分かった.相手のスピードのあるFWに負け気味だった.
 と書いたが,とにかく勝ったことが一番だ.これで負けていたら本当に後のリーグ戦まで引きずってしまっていただろう.


 次に浦和.こちらは国内ACL史上最高の観衆を集めた.インドネシア相手にあのサポーターの数は見事.ただサポーターが期待したほどの点差はつかなかったのではないだろうか?もし立ち上がりの山ほどあったチャンスを生かしていればもっと楽な試合ができただろう.しかしそれをことごとく外し試合を難しくしてしまった.
 幸運だったのは相手が速攻を挑んでこなかったことだ.パスをまわしてゆっくり攻めるので浦和は十分に守備を固めることができた.浦和くらいのチームに時間を与えればチャンスはそう多く訪れない.相手はこの試合1度として浦和DFを崩すことはできなかった.

 攻撃に関して言えば前戦の横浜FCとの戦いと同様に引いて守られた時に課題を残しただろう.チームとしてこういう相手にどう対応するか?というのがまだ明確になっていない.山田のような選手を中に入れたほうが現時点では機能するとは思うが.オジェックが目指すスタイルがどういうものか?というのが分かるのはもう少し先か?多少メンバーが変わったためかもしれないが変化は見える.


 この2チームの試合を見ていて思ったのだが,両チームとも3バックというのがありどうしてもサイドで数的優位を簡単に作れない.逆に相手はサイドを使って攻撃してくる.このレベルならともかく,この先の競合との対戦ではその辺りが鍵になりそうだ.とにかく幸先良いスタートだった.