森人 もりと

森では人も生きものも ゆっくり流れる時間を生きています

白鳥伝説

2021-01-20 | 日記


 世界中に白鳥伝説は数多くあります。もちろん日本にもたくさんあって、今日
 まで語り継がれています。
 なかでも有名なのは古代史のヒーロー、ヤマトタケルのお話です。
 絵本や小説をはじめとして、映画、漫画、アニメ、さらにオペラやスーパー歌
 舞伎、などなど、だれでも知っている神話の英雄譚です。
 ヤマトタケルは生涯、白鳥と縁のある人生を歩み、その死の瞬間に白鳥となって
 天空に飛び立ちます。 これがクライマックスとして演じられます。

 また白鳥信仰も各地に残されています。
 近い所では、津軽海峡を渡った青森県小湊の浅所海岸にある雷電神社に、神の
 使いとしての白鳥が祀られています。
 それには、古くからのいわれがあるのですが、村人は白鳥を「おぼすなさま」と
 呼んで崇敬しています。
 
 なにしろ、その季節になると決まって天空の一角から、純白でしかも広げた羽が
 2.5メートルもあり、重さが10キロもある、でっかい生きものが集団で降りて
 くるのですから、そりゃ~たまげるというよりも、衝撃的なものです。
 誰もが「霊界からの使者がきた」と考えても、不思議ではありません。
 宮城県の白石近くでも村民たちに「しろとりさま」と崇められています。



 これは4年前の、まだ大沼にオオハクチョウがたくさんきていたころの画像です。
 その昔は日本各地で、河川や湖沼を埋め尽くすほどの、大飛来だったのでしょう。
 もちろん、この列島に人がくる遥か以前からのことですから、時には人々の貴重な
 食糧源になったかもしれません。それは縄文時代由来のクマやシャケ信仰に共通す
 るものと思います。
 
 他方で、天皇家よりかなり古くからこの国の中央部を支配していた、勇壮な民俗で
 ある、物部と蝦夷(えみし)もまた白鳥信仰であったことが、彼らの遺物から伝え
 られています。
 戦いに敗れた彼らの北進により、国内の民族大移動がおこり、それとともに白鳥信
 仰や伝説が、各地に根付いたと考える方もおられます。

 大沼のオオハクチョウを眺めていると「あゝ あのころの人々もまったく同じ光景
 を観ていたのだ」と縄文が終わって、弥生から古墳時代に移行するころの人々と、
 同じ思考、同じ精神性を感じます。
 もしや、物部と同盟していた蝦夷と、今のアイヌの人々との関連も少しは解明でき
 そうな気がしてきて、コツコツと調べていこうと思いました。
 

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