森人 もりと

森では人も生きものも ゆっくり流れる時間を生きています

台風

2019-10-13 | 日記


 ありがたいことに、この森では今回の巨大台風の風雨もそれほど酷くはなく、今朝には
 通り過ぎてくれました。
 内地では大きな被害が発生して、みなさん大変なご苦労をしておられます。つい先の台
 風の傷跡が癒えるどころか、二つ重なり合っての災禍はあまりにも気の毒です。



 ひと雨ごとに秋が深まり、風景が色づいていきます。
 キノコたちも傘が開いてきたから、そろそろ今年の活躍は終わりです。
 まちがいなく来年も元気な顔を見せてくれるでしょう。



 台風にも朝晩の冷え込みにもめげず、けなげに咲いている野の花がいます。
 だれに観られるでもなく、北国の短い秋を彩って終えていきます。しかしこの子たちに
 はまた来年があるから淋しさは感じられません。

 人はどうなのかなぁ?
  
  「人生はとても短い。振り返って間違いがあったと気づいても、それを正すチャンス
   はない。人は多くの間違いを犯したことを受け入れ、生きていくしかないのです」

 カズオイシグロさんが東京へきたときの言葉です。またこんなことも話しておられました。
   
  「わたしにとって小説を書くことは、小さな部屋で自分と静かに向き合うことなのです」

 確かに人生は短いです。アッという間のできごとです。
 この短い間に、すべてを受け入れて生きていこうとする人、自分以外を受け入れたくない人
 さまざまな人を観てきました。でも、みんなじきに終わってそれまでです。
 
 さて、ところで自分はどうなんだろう?
 時々立ち止まって己と向き合うことが必要かもしれません。とくにこんな台風の後には。



 大風に吹き飛ばされた紅い葉が二枚だけ残っていました。 
 まるで双子さんのようです。
 「今年はもう台風がこなければいいね」と話しあっているようでした。


                                動(yurugi)
 
 
  
    

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