森人 もりと

森では人も生きものも ゆっくり流れる時間を生きています

カラマツの大変身

2022-11-06 | 日記


 広葉樹の紅葉が終わって、いよいよカラマツが冬を迎える大変身を
 始めました。
 ちょっと前まで深い緑をまとっていた巨大な樹木は、じょじょに
 黄金色に衣装替えをしています。
 カラマツは、ゆうに30mを超えるまっすぐですらりと伸びた幹に、
 上方の枝は空に向かって、中間の枝は真横に、下方は地に向かって
 長く伸び、最上部には三角錐の樹冠を被っています。
 カラマツは、この森ではまさに堂々たる存在なのです。
 


 カラマツは大変めずらしい落葉する松です。
 ですから、周辺の地上は徐々に針葉で埋まっていき、道路が埋め尽く
 されると黄金色の長い絨毯を敷いたようになります。
 このとき森の生きものたちは、まるでディズニー映画のワンシーンを
 観るような、幻想的な世界に入り込みます。
 冬がくる前の一瞬の楽しみです。
 ただしカラマツは樹脂が多いため、この絨毯の道はとても滑りやすく
 坂道などは危険になります。特に車は要注意です。

 なを、カラマツは唐(中国)から来たと思っている人が多いのですが
 そうではなく日本の固有種です。
 北海道には信州の山地から来たとか、シベリアなどの北方から来た
 とかいわれていますが、その昔大規模な植林をおこなったことは
 確かです。
 日本以外にはヨーロッパカラマツがあり、シベリア、ポーランドにも
 固有種があります。
 そしてこれらの国々には、不思議な樹カラマツにかかわる神話や
 民話が残されています。
 以前簡単に調べたときには、残念ながらこの種のお話は日本には
 見当たらなかったので、今一度良く調べてみるつもりです。
 これもまた老後の楽しみです。

 11月に入って、森は急に冷え込んできました。
 もう、日中でも二桁気温にはなりません。
 おととい駒ケ岳の初冠雪がありましたし、地上は朝霜で真っ白に
 なっています。
 本格的な冬支度をしなくちゃ。