森人 もりと

森では人も生きものも ゆっくり流れる時間を生きています

新茶とよもぎ餅

2022-04-20 | 日記


 キタコブシの蕾が開きはじめました。
 今年もいよいよ花盛りの森がスタートしました。
 カタクリも群生しています。



 花が咲き出すと、当然のことながら虫たちが一斉に動き出します。
 なんといっても、真っ先に活動するのがこの赤い蝶です。
 ちょっと変わった蝶で、もちろん花にはくるのですが、こんなふうに地べた
 にもとまります。
 しかも人懐っこいというか、好奇心旺盛というのかわかりませんが、人に
 くっついて飛び回ったりしますし、逆にこちらが近づいても逃げません。
 
 無知な私には名前はわかりませんし、蝶なのか蛾なのかもわかりませんが、
 この赤い子が飛び回ると「春がきた 春がきた あ~ほんとうの春がきた」
 とつぶやいてしまうのはなぜでしょう。



 今日、二十日は「穀雨」です。
 昔は節気など気にも留めなかったのですが、最近は温暖化のせいでしょうか
 この森にも当てはまることがかなりでてきました。
 
 「穀雨」とは「百穀を潤し、芽を出させる雨」ということで、この時季特に
 雨が多いわけではないのですが、菜種梅雨などとも言うそうです。
 「なたねつゆ」・・なんて風情のある名前なのでしょう。
 北国ではストーブをしまい、東日本では冬服を替えて、西日本ではフジの花
 が咲き始める季節で、立夏までの十五日間とのことです。
 
 この時季の食べものとしては、八十八夜の時期がふくまれることから、新し
 く摘み取られる「新茶」が不老長寿の縁起物として古来より珍重されている
 ようです。
 また薬草でもある「よもぎ」が旬なので、これを食するとさらに体に良い
 とのことです。
 ならば「新茶とよもぎ餅」・・・なんとすばらしい組み合わせなのでしょう。
 
 想いおこせばその昔、でっかい「よもぎ」の大福をよく食べました。
 最近、某有名菓子店で懐かしいよもぎ餅を見ましたが、あまりにも小さく
 お上品で、自分にはとうてい不似合いだったので買うのをやめました。
 時代なのでしょうか。
 


 山道を歩くと、道端に小さな可愛い野花が顔をだしています。
 ちゃんと名前を調べて呼んであげよう思いますが、花にしてみれば勝手に
 妙な名前をつけられて、ありがた迷惑なこともあるのかな、と考えたりも
 します。
     「山路来て 何やらゆかし すみれ草」   芭蕉
 
 いよいよ函館の五稜郭公園では今週末に、森町では来週半ばに桜の開花
 予想が伝えられました。
 桜が咲けば、今度は人が活発に動きだします。
 そして、だれもが心が穏やかに優しくなります。
  
     「顔に似ぬ 発句も出でよ 初桜」   芭蕉

 芭蕉さんの句は現代俳句と違って、シンプルで分かりやすく、我々無知な
 民にもよく伝わります。
 松尾さん、ありがとうございます。