森人 もりと

森では人も生きものも ゆっくり流れる時間を生きています

元気をもらおう

2022-03-14 | 日記


 湖氷上にあった雪山が、日中のプラス気温ですっかりヘタッてしまって、
 情けない形になりました。
 湖面全体も、やわらかいシャーベット状になっていましたから、あと十日
 もすればすべて融解するでしょう。

 岸辺では植物たちが、いきいきと活動をはじめました。
 


 周辺の山の雪解け水を、湖へ流し込む小さな川の淵に、フキノトウがひとつ
 だけ現れました。今春の第一号です。
 しかし、まだ雪が深くて近くには寄れません。
 一週間ほど待てば、たくさん出てきますし、雪もかなり解けるので一ケいただ
 くつもりです。
 毎年ここの清流でとれたフキノトウで作るフキ味噌を、炊き立てご飯にのっけ
 て食べます。
 口の中が春の香りでいっぱいになって、春到来の実感が湧いてきます。
 これが、山奥で暮らす民の迎春の儀式なのです。 地味ですが。



 去年から根雪に埋もれていたササの葉が、何か月ぶりかで姿を現しました。
 少し枯れていますが元気いっぱいです。
 あの分厚い雪の荷重に押し曲げられ、しかも日光は遮断されているのに、
 決して負けません。
 雪が薄くなるとピョコンと元に戻って、何ごともなかったかようにすぐに緑を
 増やしていきます。
 こんなササのしなやかさと力強さは、年老いた人々に元気と勇気を与えてくれ
 ます。

 雪を割って、名前の知らない植物がどんどん出てきます。
 なんと力強いのでしょうか。
 
 これからの森は、自分のイーハトヴなのです。