森人 もりと

森では人も生きものも ゆっくり流れる時間を生きています

少雪

2020-02-10 | 日記


 立春のあとは毎日雪が降り続いて、気がつけば森はいつもの年とあまり変わらない景色に
 なっていました。
 これまでの二カ月間の少雪は、雪掻き仕事がかなり減って、ずいぶんラクに過ごせました。
 ただし今日あたりは気温がグンと下がって、内陸の方では、またもや記録的な低温になっ
 ています。
 今までラクできた分、かえって骨身にしみていることでしょう。気の毒です。



 雪の止み間を見て、街へ食料の買い出しに行きました。
 トンネルを抜けると急に雪は少なくなり、主要幹線に入るとまったく解けていて、アスフ
 ァルトがむきだしです。
 やはりこの時季としては驚きの異常少雪です。



 実は、この温暖化によってめちゃくちゃ得している国はかなりあります。
 地球規模で穀倉地帯の北部への移動が徐々に始まっていますから、この恩恵に与っている国々。
 永久凍土と思われて諦めていた地下資源が、凍土融解によって採掘可能になった国々。すでに
 大車輪で稼働しています。
 氷山融解による極地交通の新ルートの出現。
 もともとなかった二酸化炭素排出権を設定して、それを売買する排出権取引所を運営する国。
 などなどです。

 今すぐCO2増加にストップかけなければ、大変な時代が来ることは分かっていても、これらの
 甘い蜜には勝てない。だから無関心を決めつけて、今しばらくこの恩恵を享受したいのです。
 新しい時代の新しい経済格差の構図が決まるまで。

 身近な所では、世界の有名ワイナリーがその葡萄園を、国境を越えて北部へ移動させ始めてい
 ます。葡萄栽培は本格的稼働までには何十年もかかるので、先を読んで動きが早いのです。

 しかし一番の問題は地球的高温環境による有害ウイルスの多発、蔓延です。国境も地域もなく
 移動する度に体内で変性していく耐性菌が出現したら、世界中が中世のペストのような状態に
 なるのでしょう。まさに人類の危機です。

 みんなで知恵を絞らなくちゃ。偉い人たちが桜を観てるのもいいけれど。

 
 寒さの中でも陽が出ると、ちょっとだけ春の柔らかさを感じます。
 ここまで来てしまえば、もう春は手の届くところにあります。