森人 もりと

森では人も生きものも ゆっくり流れる時間を生きています

曇り空

2019-12-02 | 日記


 この数日間はくもり、雨、みぞれ、時々雪が舞う、こんなお天気の繰り返しです。
 もともと高くはない自分のモチベーションは更に低下しています。
 たまに、薄雲のむこうに太陽が見えると「ありがたや」と拝みたくなります。
 
 今の森でいちばん元気なのはこのミヤマカケスです。
 ドングリをくわえているけれど、食べるのかな? どこかへ運んでなにかに使うのかな?
 と考えるけれども、調べる気にはなりません。「まあ、好きにやってちょうだい」です。
 
 ところがこの子は「ビーツ ビーツ」としわがれた大声で鳴いて、かなりやかましいのです。
 人が近づいても逃げないどころか、時々他の鳥や動物の真似をして変な声を出します。
 それゆえ、この辺りのコタンでは、鳴き声で獲物の居場所を教えてくれる神として敬われて
 いました。



 考えてみると、和人だって多くの動物を神にしています。 
 三輪山の蛇、稲荷の狐、オオスケコスケの鮭、白鳥は産土様、鵜、熊、鹿、猿、と数えたら
 いくらでもいます。

 子どものころは「夜に口笛を吹くと蛇がくるよ」とか「ミミズにおしっこかけるとオチンチ
 ンがはれるよ」とか本気で信じていて、生活のなかに絶えず動物が同居していました。
 十三(大阪)の子たちは、イタチが走ると一斉に手を合わせて「イタチ道切る血道切る 
 われ行く先はいららぎの里 ナムウンケンソワカ ナムウンケンソワカ」と意味も分からず
 唱えていました。なんとかわいらしい光景でしょう。今やったらアホでしょうね。もちろん
 イタチもいません。

 一方西洋渡来のクリスマスやバレンタインは定着して、すっかり日本人の生活のリズムに
 なっています。ハロウィンも根付きそうですが、パリ祭は失敗しましたね。
 ヨーロッパでは、今でもキリスト教伝来以前の森の精霊信仰が生きていて、魔女や魔物が
 いっぱいいます。

 「迷信に満ちた生活も悪くはない 自分だけでもやってみたい」と思います。
 来年は「遠野物語」からちょうど110年になるし、この齢こいで未だに流れ星を見ると
 条件反射的に手を合わせて何かお願いしようとするのだから、しっかり旧日本人体質なの
 だから。

 まあ、とにかく晴れてからにしましょう。