昔に出会う旅

歴史好きの人生は、昔に出会う旅。
何気ないものに意外な歴史を見つけるのも
旅の楽しみです。 妻の油絵もご覧下さい。

北海道旅行No.32 礼文島「スコトン岬」付近の散策

2010年10月06日 | 北海道の旅
7/17 北海道旅行4日目 礼文島の北端「スコトン岬」からすぐ南の集落「鮑古丹[あわびこたん]」を見物した後、尾根沿いのトレッキングコースを少し歩いてみました。



前回の記事にある地図の②地点の三叉路の写真です。

右手が「鮑古丹」、正面が尾根沿いのトレッキングコースです。

尾根沿いの道は、舗装されて比較的なだらかでした。



礼文島観光協会のトレッキングコースのパンフレットにあった4時間コースの図です。

コースは、スコトン岬~澄海岬~浜中で、「アツモリロード」として紹介されていました。



三叉路付近に多かった「タカネナデシコ」[高嶺撫子]です。

「高嶺の花」のイメージはなく、庶民的な親しみを感じます。

桃岩コースでもよく見かけた花ですが、一般に栽培される「ナデシコ」との違いはよく分かりません。



「レブンシオガマ」の小さな群生地がありました。

礼文島南部の桃岩コース付近では満開でしたが、この辺りでは花も終わりに近づいているようです。

小さな礼文島の中でも開花時期がこれほど違うとは意外でした。



なだらかなトレッキングコースが続いています。

向こうに見える小高い山は「トド島展望台」のある辺りでしょうか。

「トド島展望台」までは距離があり、途中で引き返しました。



この花は、「オニシモツケ」[鬼下野]と思われます。

清楚で、素敵な花ですが、何と「バラ科」のようです。

花や、葉の形からまったく信じられない種類になっていました。



トレッキングコースから北方向を見ると遠く、「スコトン岬」や、「海鱸島」が見えます。

辺りの斜面には「エゾニュウ」と、「エゾノヨロイグサ」などセリ科の白い花が咲き乱れていました。



ツボミの様な皮が開き、花や葉がのぞき始めた「エゾニュウ[蝦夷ニュウ] 」です。

赤紫の袋は、葉鞘[ようしょう]と呼ばれるそうで、北海道で初めて見た時には驚きました。



トレッキングコースから東の海岸に「白浜漁港」が見えました。

人数が揃えば「白浜漁港」から「スコトン岬」の沖に浮かぶ無人島「海驢島」へ船便を依頼できるようです。

北海道旅行No.31 礼文島「鮑古丹」の景色

2010年10月05日 | 北海道の旅
7/17 北海道旅行4日目 礼文島の北端「スコトン岬」から澄海岬[すかいみさき]へ向う途中、小さな集落、鮑古丹[あわびこたん]へ立寄りました。



「スコトン岬」の南にある小さな集落「鮑古丹」[あわびこたん]を北から見下ろした景色です。

妻は、雄大で、郷愁を感じさせるこの景色が気に入り、スケッチをしていました。

見下ろす斜面には「エゾニュウ」や、「エゾノヨロイグサ」など白い大きな花が咲いていました。



「鮑古丹」[あわびこたん]付近の地図です。

右上部分は、礼文島全体の地図で、赤い枠部分が「鮑古丹」付近です。

礼文島の北端「スコトン岬」から①の地点を右折し、③の地点付近まで車を走らせました。

途中の②の地点から道が分岐し、尾根を通る舗装されたトレッキングコースがあり、次回の掲載予定です。

「鮑古丹」は、④⑤の地点付近に数軒の家屋がある閑散とした集落でした。



海岸沿いの道を走っていると、草原の丘に建つ赤い鳥居に魅かれます。

向こうには「スコトン岬」や、「海鱸島」が見え、写真右手の青い道路標識辺りが、地図①地点です。

この写真は、地図②の地点からトレッキングコースを進み「スコトン岬」方向を撮ったものです。



道路から赤い鳥居の神社を見上げ、参拝させて頂きました。

神社の入口の上には「須古頓神社」と書かれた板が取り付けられ、アルミサッシの戸や、簡素な建物は北端の厳しい気候に配慮された仕様と思われます。



神社の前から地図①の地点の方向を見た景色です。

向こうに「海鱸島」が潜水艦のような姿で横たわり、一直線に続く岩礁もよく見えます。



地図②地点の三叉路の風景です。

左手に進むと尾根沿いのトレッキングコース、直進すると「鮑古丹」です。

この辺りで車の通行が禁止され、徒歩で進んで行きます。

道案内標識には両方向共に8時間コースとあり、南のゴロタ岬で合流した後、礼文島南部へ続くコースの案内と思われます。



舗装のない道を直進すると眼下に「鮑古丹」や、「ゴロタ岬」が見えて来ました。

岬近くに見える標高180mの「ゴロタ山」の頂上付近には雲がたれ込めています。

低い雲が、あたかも高い山にかかっているような光景は、礼文島で印象に残った景色の一つです。



「ゴロタ岬」を望む道の脇に咲く季節の花です。

写真の下に広がるピンクの花は、「タカネナデシコ」、左手のピンクの花は「レブンシオガマ」でしょうか。

この辺りの道沿いには多くの種類の花が咲いていました



地図③の地点から「スコトン岬」方向を見た景色です。

南の地形と対照的に高い断崖が続いていました。



「鮑古丹」の全景です。

おだやかなこの「鮑古丹」の浜辺も、冬になると荒々しい波に襲われる風景に変わるものと思われます。

未舗装の道が向こうまで続き、写真右手の山の上から海岸まで車道が続いているようです。



海岸に舟を陸揚げする港施設が見えます。

ここでも昆布漁の舟が活躍しているものと思われます。

乗用車や、小型トラックが見え、数棟の建物もありますが、人影は見当たりません。



「ゴロタ岬」に近い地図⑤地点の付近をズームで撮った写真です。

ここにも港の施設があり、三隻の舟や、車も見えます。

山の中腹には白い鳥居の神社があり、参道の下には二人の人影も見えています。

礼文島には集落ごとに神社がありますが、このような数軒しか家屋の見えない集落ではその維持も困難となっているものと思われます。

時代の変化スピードがますます加速し、生産性の低いものが淘汰されて行く先にどんな社会が来るのでしょうか。

北海道旅行No.30 礼文島「スコトン岬」最北限の景色

2010年10月03日 | 北海道の旅
7/17 北海道旅行4日目 礼文島の北東の「金田ノ岬」から北西の「スコトン岬」へ向いました。



まだ観光客が少ない7:50頃、「スコトン岬」へ到着です。

沖に見える「海鱸島[とどしま]」は、「金田ノ岬」から見た形と少し違いますが、やはり同じように人工的に見える不思議な地形でした。



「スコトン岬」付近の地図です。

左下に礼文島全体の地図がありますが、赤い枠で囲まれたこの岬が島の最北端です。

「スコトン岬」の北には無人島の「海鱸島[とどしま]」、その他にも小さな岩礁が多く見られます。

「海鱸島」のさらに北にも島が続き、最北にし「種島」がありますが、宗谷岬や、その北にある「弁天島」より南になります。



左手の国立公園スコトン岬の案内板の前で、妻と記念写真を撮りました。

中央にある石柱は、デジカメを置くちょうど良い台になります。

石柱の下部がコンクリートで丸く固められている所に「元標」「鰊定583」の文字が刻まれていました。

「鰊定」をインターネット検索で調べた範囲では鰊[にしん]漁の定置漁業権の場所を示す標識のように思われます。

「海鱸島」の右手には一直線に岩礁が続き、その先にある岩が地図に標高5mと記載された「マンジュウ岩」のようです。

■写真右手に「スコトン岬」の案内板がありました。
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スコトン岬
ここスコトン岬は、礼文島の最北。
対岸の島は、周囲約4Kmの海馬島。冬になると海馬島周辺の岩にトドが体を休めることがあります。
岬に沈む夕日は、神秘的なおもむきをただよわせてくれます。
天気の良い日には、遠くサハリンの島影を望むこともできますが風の強いところでもあります。
スコトン岬にたたずむと、さいはての旅が感じられるのではないでしょうか。
 -この下に民家があります。石を投げないで下さい- 礼文町
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柵から見下ろすと「スコトン岬」は、更に北に伸びていました。

坂道を下った先端に四角の展望場所があり、まるで大相撲の土俵のようにも見えます。

これは自然の地形なのでしょうか。

柵のすぐ下にはピンクの「ヨツバシオガマ(四葉塩釜)」が咲いていました。

観光バスの観光客で賑わい始めた8時頃の様子です。



「スコトン岬」先端への坂道を下る途中、右下の海岸に建物が見えました。

上の柵のそばの看板に「日本最北限の宿 民宿スコトン岬」とあり、案内板に「石を投げないで下さい」と書かれた民宿でした。

驚くような場所に建つ建物ですが、海辺の部屋では、波音と美しい景色が楽しめるものと思われます。



「スコトン岬」先端に「日本最北限地スコトン岬」の標識が立ち、沖には「海鱸島」やその左手に「メナシトマリ岩」が見えています。

「日本最北限」の表現は、「日本最北端」ではないものの、旅行者にとっても船や車を乗り継いでやっとたどりついた最果てのだけに何となく分かるような気がします。

写真のやや右手の柵の向こうに石の山がのぞいていました。



四角い展望台の先にはほぼ同じ高さの自然に出来たと思われる石の山がありました。

それにしても「海鱸島」と同様、この四角の展望台や、石の山と云い、「スコトン岬」も不思議な地形です。



「スコトン岬」石の山の向こうに「海鱸島[とどしま]」に立つ「海驢島灯台」が見えます。

「海鱸島」は、標高44mと意外に高い島で、「海驢島灯台」は、灯塔高11.5mとかなり高い場所で光る灯台のようです。

案内板の説明では島の周辺の岩にトドがいるようですが、残念ながらここからは見えませんでした。

ところで、「海驢島」[とどしま]の漢字は、国土地理院の地図に表記されていますが、上に記載した「スコトン岬」の案内板では「海馬島」の漢字が使われていることが気になり、調べてみました。

辞書で「海驢」を調べると「アシカ」で、「海馬」は、「セイウチの別名」「タツノオトシゴの別名」とし、「トド」はどちらも出て来ません。

しかし、ひらがなの「とど」を辞書で調べると「海馬」と書かれており、何が本当なのか分からなくなってきます。

考えてみると「トド」「アシカ」「セイウチ」の違いもよく分からず、辞書の説明が分かるはずもありません。

まあ、固有名称は、決めてしまえばそれが正しいのだ!! と割り切ってこのブログでは国土地理院の「海驢島」を採用しています。



先端の展望台から帰る坂道の様子です。

左手には「民宿スコトン岬」の建物があり、細い坂道が続いていました。

斜面のあちこちには高山植物の花も見られ、心を和ませてくれます。



坂道を上った南方向の景色です。

ここからやや左手に利尻山が見えるようですが、空は曇り、すぐ先の山も霞んでいました。

左手の道に観光バスツアーの人達が向こうの駐車場から賑やかに歩いて来ています。

中央の建物は売店で、右手の建物はトイレです。



入口に「最北限のトイレ スコトン岬」と書かれたトイレがありました。

断崖の下の民宿の名も「スコトン岬」でしたが、このトイレもまた「スコトン岬」の名が付けられていました。

おかしさがこみ上げてきましたが、記念に利用させて頂きました。

アイヌ語で「ス」は「夏」の意味、「コタン」は「集落」の意味で、この辺りには夏に漁をする集落があったようです。

冬に住むことが困難な極寒のこの地は、まさに「最北限」の名にふさわしい岬だったものと思われます。



「スコトン岬」の売店です。

店内は、朝からお土産を買う観光バスのお客さんで賑わっていました。

店先にソフトクリームの看板があり、ここにも「最北限のソフトクリーム」と書かれていました。

「昆布ソフト 300円」が名物のようでしたが、民宿のボリュームのある朝食の後だったので、パスしました。

油絵「彼岸花」

2010年10月02日 | 妻の油絵

妻の油絵「彼岸花」(F6号)です。

花瓶の上に広がる、軽やかでリスミカルな赤い彼岸花の姿に魅せられ、描いたそうです。

彼岸花のカールした赤い雄しべや、花びらは、とても神秘的で、ひとつの宇宙を見ているような気持ちにさえなります。

去年10月3日、このブログで赤と、白の彼岸花を掲載しました。

絵の背景色は、昨年の絵と同じですが、意識せず同じ色にしていたそうです。



今日は、尾道市の町を散策、滋賀直哉旧居へ向う路地に咲いていた彼岸花です。

細い路地の石垣の上の庭に2色の花がさりげなく咲いていました。

尾道駅から天寧寺までの散策でしたが、寺の風格ある建物、庭や、尾道水道の景色に堪能しました。

尾道の町のあちこちに、先日始まったNHK連続デレビ小説「てっぱん」のポスターが貼られ、「てっぱん」フィーバーが始まる気配です。

尾道では年々観光客も増え、喫茶店や、食堂に入って話を聞くと、町の人が元気になっているような印象を受けました。

北海道旅行No.29 礼文島「上泊崎」から「金田ノ岬」

2010年10月01日 | 北海道の旅
7/17 北海道旅行4日目 前日午後から訪れた礼文島の2日目が始まりです。



早朝の4時頃、礼文島の民宿「龍神丸」の窓から見えた日の出です。

空のほとんどが曇に覆われ、水平線上に横たわる雲の上の隙間に朝日が見えています。

最北の島「礼文島」の朝は、赤銅色に輝く波静かな海の景色から始まりました。



礼文島北部の地図です。

カニのハサミのような形の礼文島は、北海道の北端にある2本のツノ「ノシャップ岬」「宗谷岬」とも似ているようです。

東端の「上泊崎」近くにある民宿「神龍丸」から海岸沿いを「金田岬」まで進み、更に「スコトン岬」を目指します。



民宿「神龍丸」の前日の夕食です。

漁師さんの民宿というだけに新鮮なお魚の料理が並びました。

舟盛りの刺身、ホッケのチャンチャン焼、殻付きウニ、カニ・・・。

他の3組のお客さんも揃い、ご主人から料理の説明などを聞きながら楽しく食事を頂きました。



一番気に入った料理、「ホッケのチャンチャン焼」です。

生のホッケを食卓で加熱し、熱が通った時点で写真のように身をほぐして味噌ダレで頂きます。

おかみさん創作の味噌ダレのレシピを妻がおたずねしたところ、概略を教えて頂きました。

しかし、こちらでは新鮮なホッケが入手できず、同じ味は再現出来ていません。



朝7時頃、民宿「神龍丸」の前を歩いてみました。

道路を挟んで防波堤が続く海岸で、海に突き出た施設があります。



防波堤の前の施設には、漁船3隻を陸揚げし、収納していました。

漁船に取り付けられたワイヤーを坂の上に設置されたウインチで巻き取ると、枕木の上を滑って漁船が陸揚げされる仕掛けと思われます。

冬が長く、波の荒い最北の島ではこのような陸揚形式の施設が適しているのでしょうか。

付近にも同様の施設が見え、数軒で共用する簡易な港施設と思われます。

右手の道路がカーブしている先に、礼文島の東端「上泊崎」があるようです。



海に突き出た施設から北に続く海岸の景色です。

海には数種類の海藻が生えて、昆布だけが目立つ利尻島の海とは様子が違います。

しかし、海の底一面に生い茂る状況は同じで、北の海の豊かさを実感しました。



7時過ぎに民宿を出発、北に進むと礼文島の北東端「金田ノ岬」が見えて来ました。

岬の先端近くに大きな岩がそびえ、その横に「あとい」と書かれた食堂があります。

この大岩の形は、手造りの「おにぎり」にも見えます。

いっそ「金田ノ岬のおにぎり岩」とでも名付けたら岬の名物になるのでは??



路肩に車を止め、上を見上げると小さな灯台がありました。

地図で見ると「金田ノ岬灯台」のようです。

灯台の先端が白く、その下に赤い色が見えることから北海道北部でよく見る紅白のストライプの灯台と思われます。

ここに駐車場と、灯台好きのための階段などがあるといいですね。



「金田ノ岬」の海岸から西の「スコトン岬」辺りを見た風景です。

水平線上の左手に「スコトン岬」、その右手に「海鱸島[とどしま]」が見えています。

岬の西は、コンクリートの護岸壁がなく、自然の海岸と思われます。



海岸近くの岩に海鵜が沖をながめ、羽を休めていました。

この二羽は、つがいだったのでしょうか。

「金田ノ岬」で、ちょっと風情のある風景を見ることが出来ました。



「スコトン岬」の沖に浮かぶ「海鱸島[とどしま]」をズームで撮ってみました。

島影が直線的で、どう見ても自然の地形には見えません。

特に人の手を加えた情報も無いようで、ここから見ると不思議な地形に思えてきます。

間近に「海鱸島[とどしま]」を見ようと「スコトン岬」へ車を走らせました。