ミャンマーチーク屋さんのわが道を行く

日々の出来事と旅と愚痴と文句を勝手に語る日記。

出れない不自由

2020-03-26 21:14:22 | つぶやき
いつの間にかバンコクも大変なことになっている。

非常事態宣言に商業施設の閉鎖、外国人の入国も来月末まではできなくなった。今や飛行機も飛んでいないし、もうほとんどの国に行けない状態になってしまった。日本も多くの国との往来を禁じている。

今回のことで国境というのは極めて政治的な存在なんだなとあらためて思った。ひとたび何かあれば、自国を守るために外国人の入国を禁じる。多くの国が同じ対応をする。国を守るためには当然のことなのだろうとは思う。ただ、いつでも当たり前に思うがままに出かけることができていた外国への渡航が、ちょっとしたことで本当に閉鎖されることもあるのだと、今さらながら思い知ったような気がしている。

昭和の終わりのころに、初めて外国へ出かけるようになった。当時は、まだ冷戦時代だったし、アジアから中近東にかけては政治体制の不安定な国もたくさんあり、普通には行けない国も多かった。今や若い女の子ですら気軽に出かけられるベトナムやカンボジアも普通に旅行など考えられない時代だった。その後、冷戦が終わり90年代半ばくらいから、インドシナを始め、中央アジアなどどんどん行ける国が増えていった。2000年代に入ると、サウジを除く中東の湾岸諸国が開国し、ロシアでさえ自由に歩くことができるようになった。反面、湾岸戦争やシリアの内戦でイラクやアフガニスタンには行けなくなってしまったが、それでも総体的に外国への垣根はどんどん低くなっていった。

私の世代で言えば、世界は本当に近くなったと感じる時代に育ったと言える。

近年ではアジアでも少しづつ出入国スタンプが廃止となり、まっさらのパスポートのまま海外を行き来することが珍しくなくなってきた。こんなところからもボーダレスというのを実感していたここ数年、そこに降って沸いたのがコロナショックだ。多くの国はあっという間に、国境を閉じロックアウトした。30年かけて少しずつ低くなっていった垣根は、ひとつのウイルスでもとの厳然さを取り戻した感じもする。懐かしい気もしないではないが、外国とつながることで仕事をしている人にとっては死活問題でもある。

また、あらためて日本から出られない不自由さに気づかされたこともある。

問題はこの状態がいつまで続くのか、ということに尽きるのだけれど…。

先が見えないストレスはなかなか厄介なものである。

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