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登山の記50・富士山(2,3回目)

2006-06-04 21:20:51 | 旅行記

富士山のはその後2回登った。いずれも前任校の富士登山ツアーに参加してのものだった。

前任校には夏休み中に希望者を募って富士山に登る、という珍しい企画が4年間ほど続けて行われた。そもそもは山岳部の顧問の先生が考えて生徒に呼びかけたことから始まるのだが、毎年100人以上の参加者があったのは驚きであった。

私はそのうち2回目と3回目(私が富士山に登るのも2回目と3回目だった)に参加した。たまたまこの回は引率できる教員が少なく、暇をもてあましている私に白羽の矢が立ったのであった。

ツアーの内容はほとんど同じだが、仮眠を取るのが2回目はバスの中だったのに対し、3回目は8合目の山小屋だった。前者は夜中に出入りする者が多く眠れない者が多く、後者は慣れない山小屋でやはり眠れない者が多く、睡眠不足で登り、高山の環境に慣れず、体調を崩す者が何人も見られた。特に、日頃から鍛えているはずの運動部員が山頂で吐いたり、横になったまま動けずにいる一方、いつもは青白い顔をした帰宅部の者が平気でいたりと、日頃の様子と山頂での様子が異なる生徒がたくさんいたのは驚いた。我々教師は、バス泊の時はやはり眠れなかったが、山小屋泊の時は別室だったので、ぐっすり眠れ、高地順応もできた。

天候は2回とも大変よく(私が行かなかった1回目と4回目は天候にあまり恵まれなかったそうだ)、見事なご来光を拝むことができた。特に前回の時は8合目から、雲間にのぞくご来光を眺めただけだったので、2回続けて見ることができたのは実によかった。

そして、何と言っても楽しかったのは、日頃接している生徒と一緒に登れたことである。親しくしている生徒の持ち物が妙に本格的なので聞いてみると、父親が県の山岳会の大幹部だったり、日頃からだらしなく、生活面で注意ばかり受けている生徒が真剣な表情で登っていたり、普段口から先に生まれてきたのではないかと思えるほどうるさいヤツが、高山病になりかけてずっと無言だったりと、日頃見られない生徒の様子がうかがえてとても面白かった。

下山してからのビールがこの上なくうまかったのは言うまでもない。管理職は参加していないので、こんなことも平気であった。生徒から「酒飲みましたね?」と指摘されるのがちょっと恥ずかしい程度だった。

生徒と登山するなんてもう絶対無いだろうな、と思っていたが、現任校では毎年遠足という名の登山がある。不思議な巡り合わせである。ちなみに前任校の富士登山は現在では行われていない。

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