桑の海 光る雲

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金峰山

2011-10-10 21:58:18 | 旅行記

10/9(日)

4時に起き、4時半に家を出て、高速をとばして佐久で下り、一路川上村を目指します。道路の右側にウィンドブレーカーを着た大人達があちこちに立っており、じきに向こうから高校生とおぼしき若者が走ってきます。看板を見ると、甲府一高の競歩大会のようでした。となると、目の前に走ってきたのはトップの生徒でしょうか?2日間にわたって実施とあるのは、夜通し行うのでしょうか?甲府からここまで50㎞以上あります。生徒も大変だけど、立ち番の大人達も大変だなぁ、と思いました。

今日は部分的に霧が立ちこめているようで、道路の左右にそびえる山々は霧に隠れたり見えたりしました。川上村の坂を登り切ると、目の前に八ヶ岳。 去年の今日はこの八ヶ岳に登りました。その前の年は越後駒ヶ岳。尾瀬に行った年もあります。毎年この連休はどこかで山に行っています。

川上村から信州峠を越え、瑞牆山荘に着きました。さすが好天に恵まれた三連休の中日です。先月来た時は3分の2くらいしか埋まっていなかった駐車場も満車。幸い前回来た時停めた広い路肩が空いていたので、またここに置きました。この混みようはやはり、金峰山のもっともポピュラーな登山口である大弛峠が林道の通行止めで行けないことによるものでしょう。その分の登山客が、ここ瑞牆山荘と、山の北側にある廻目平にまわってきているのでしょう。

6:55に登り始めます。富士平山荘までは瑞牆山の時と同じです。30分ほどで到着。ここからは別のルートになります。大日小屋までは、まずは尾根筋につけられた樹林帯の道が続きます。木々の根元には一面に苔が広がります。びっしりと張った根を踏み越えて進んでいきます。木漏れ日がまぶしい。こんな気持ちのよい登山道は他にあまりない気がします。

大日岩には1時間半で到着。すでに40分短縮できています。ここからも尾根筋の樹林帯の道が続きます。砂払いの頭に着くと樹林帯を出、一気に視界が広がります。背後には八ヶ岳、そして前回はその全景を見られなかった瑞牆山。南側には南アルプス連峰と雲海の上の富士山、北側には小川山。そして前方には金峰山の五丈岩が遠く眺められます。少し雲が出ていますが素晴らしい眺めです。一番の驚きは瑞牆山を見下ろす高さにいたこと。自分が登ったことがある山をこうして間近で眺めおろしたのはなかなか得難い体験だと思います。それにしても風が冷たい!この冷たさだと、ガスが上がってくる心配はなさそうです。

ここから先は稜線歩きですが、足下の岩には霜が降りており、滑って歩きにくかったです。しかし、とにかく四方の眺めが素晴らしく、ちょうど見頃の紅葉もきれいで、しかも目の前には金峰山のシンボルでもある五丈岩がそびえ、登山道はそれに真正面に向かっていくように続いています。一歩一歩山頂に近づいていく胸の高鳴りを感じながら歩くのは、何ともいいもので、こうした思いに浸れる山はなかなか無いなと思われました。

五丈岩が目の前にそびえると山頂は間近です。岩の横を通って山頂のある岩塊に向かいます。登り始めて2時間40分でした。コースタイムは4時間10分だったので、1時間半も短縮できたわけです。山頂の右手には、秩父山群の最高峰である国師ヶ岳、その右奥にこの間登った甲武信岳、手前に朝日岳がそびえています。風はありますが素晴らしい眺めです。山頂でもいささかはしゃぎながら写真を撮ってもらいました。こちらも何人かの人のためにシャッターを押してあげたりもしました。

山頂からは朝日岳を通って大弛峠に向かう気持ちよさそうな尾根道が続いています。そちらからやって来る人は皆無です。大弛峠への林道は、まだ不通のようです。

昼にする前に、五丈岩に登ってみようと思いました。岩には登った人の名前などが大書されていたからです。でも、見た目では比較的容易に登れそうなこの岩も、実際は取り付くところが皆無で、結局3分の1の高さにまでも登れませんでした。 昼飯は例によってカップうどん。温かいうどんはありがたかったけれど、やはりその温かさだけでは体が温まりきらず、そろそろ俺にとっての山のシーズンは終わりかな、と思わずにはおれませんでした。

後は上ってきた道をそのまま引き返すだけです。帰りは雲に隠れ始めた八ヶ岳、南アルプスの山々、そして瑞牆山を眺めながら下っていきました。このルートは登りはひたすら登り(少しだけ下りもあるので、その部分は登り返さなくてはならない)ですから、下りはひたすら下りとなります。コースタイムは2時間45分。しかし、瑞牆山荘に着くと2時間35分でした。やはり俺は下りは苦手ですねぇ~。

金峰山は、存在そのものは地味な山ですが、とにかく登り後半の尾根道が素晴らしかった!今年の山のシーズンで一番の感動は、この尾根道を歩いたことでしょう。

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