桑の海 光る雲

桑の海の旅行記・エッセー・書作品と旅の写真

書道について⑰

2007-05-03 21:24:54 | 日記・エッセイ・コラム

○運命の出会い10

1年の夏だった。部活をやっていると私服を着た人がやって来て、先輩達と話している。どうやら卒業生のようだ。話の内容やお土産からすると、筑波大学の書コースに進学したKさんであるようだ。私は面識はないので、挨拶をした後は先輩達が話しているのを聞いているだけだったが、気さくで楽しい人であるらしい。

3年の秋。私は大学でも書道を学ぶことに決め、共通一次試験の結果が良ければ筑波大と新潟大、そうでなければ東京学芸大と新潟大を受験することにしていた。体育系や芸術系に進学する者を除く、クラスメイトのほとんどが部活を引退して受験勉強に励む中、私は相変わらず放課後は書道室で過ごしていた。

ある日の昼休み、私はクラスメイトから頼まれて「目指せ!一橋!」「受かったらもうけもの・大阪大!」などという張り紙を半紙に筆で書いていた。そこに、1年の時に顔を見たことがあるKさんとおぼしき人がやって来た。学校へ顔を出しに来たと見える。挨拶をした後、その人が遠くから見ている中、私はそれらの張り紙を書き続けた。

放課後、私は改めて先生からKさんを紹介された。先生は私を大学でも書道を勉強しようと考えていると紹介した。その後私はKさんといろいろ話した。特に進学先については、まだ模試の結果が今ひとつで、筑波は厳しいことを伝えた。するとKさんは私が書いていた張り紙のことを挙げ、あの張り紙を見る限り、君は相当の力があるから、是非筑波を目指して欲しいと言ってくれた。

これが大学・大学院で先輩となるKさんとの出会いであった。共通一次試験でこれまでの最高の結果を収めた私は、筑波大学と新潟大学のみを受験することに決めた。Kさんに改めて連絡を取って二次試験対策を授かり、日々練習を重ねた。そして、結果として見事合格を勝ち取ることができた。

Kさんとの出会いがなかったら、これほど容易く筑波大に合格することは難しかったかも知れない。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 書道について⑯ | トップ | 書道について⑱ »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

日記・エッセイ・コラム」カテゴリの最新記事