御座山行きは、中間テストの中日に設定された。紅葉も終わりに近いものの、まだかなり楽しめると思われた。メンバーはW先生、S先生、I先生の4人。S先生は、シャクナゲで知られるこの山に、大分前に登ったことがあるそうだ。
10月中旬のある日。私が家を出た時はまだ辺りは真っ暗だったが、集合場所から1台の車に乗って高速を飛ばしていくうちに空も白み始めた。雲一つ無い素晴らしい天気である。素晴らしい山行になることが期待された。
佐久で高速を降り、国道を南下した。北相木の方に向かって東に折れ、山道をどんどん登っていく。集落の切れ目辺りから山の方へ向かう細い道を折れ、夏場は野菜畑と思われる畑の中を進んでいくと、登山口に着いた。
辺りには真っ白に霜が降りている。車は一台だけ停まっており、私達の他に登山者はこの車に乗ってきた人だけらしい。平日ということもあって、とても静かな山行になりそうである。
登り始めはまず針葉樹林の中を行く。見通しはきかず、ジグザグに続く道をひたすら登って高度を稼いでいく。それが終わると、落葉樹に覆われた、明るい尾根筋の道に出た。登山道には一面に落ち葉が散り敷き、サクサクと音を立てて落ち葉を踏みしめながら登っていった。木々の間には真っ青な空が覗いている。風もなく、この先の登山への期待がさらに膨らんだ。