桑の海 光る雲

桑の海の旅行記・エッセー・書作品と旅の写真

登山の記73・摩周岳1

2006-07-29 13:27:41 | 旅行記

展望台から摩周湖を眺めると、正面に大きな火口を持った山が見える。と言うか、摩周湖の写真には、まず間違いなくこの摩周岳が一緒に写っていると言ってよい。

私は摩周湖には何度か足を運んだことがあるが、夏場はいつも霧であることが多い。だから、摩周岳の姿は冬に2度見たくらいである。

ある年の夏、清里YHからドライブに出た私は、厚岸駅でかきめし弁当を買ってどこかで食べようとドライブを続けていた。この時は、清里方面では天気が今ひとつで、釧路方面は晴れているという、いつもとは異なる天気だった。釧路方面から弟子屈方面へ向かって進んでいくと、摩周湖を形作るなだらかな山と、その横に鋭く聳える摩周岳が見えてきた。空は雲一つ無い青空である。私は摩周岳の山頂でかきめし弁当を食べようと決めた。

展望台の駐車場に車を置き、山登りにしては軽装で、摩周湖を形作る外輪山の縁を歩き始めた。結構アップダウンがあり、歩きにくい。また、見通しが良くなく、湖も見えない上、結構蒸し暑い。

歩いていくうちに、見た顔の男性が前から歩いてきた。礼文で以前一緒になった人だった。その人も私を覚えていてくれた。挨拶を交わして更に進むと、やはり見た顔の面々が歩いてきた。YHで同宿の人たちだった。西別岳を登り、そのまま摩周湖まで縦走してきたのである。西別岳はさほど高さはないが、皆かなりばてているところを見ると、結構ハードなコースなのだろう。

それにしても、歩いても歩いても、摩周岳の山体に登る気配がない。アップダウンのある道を進むばかりである。

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