はぐれ遍路のひとりごと

観ながら歩く年寄りのグダグダ紀行

小笠丘陵周回

2017-03-20 11:57:34 | 低山歩き
                   小笠丘陵周回:小笠山から中尾根 

歩行記録                             H29-3-17(金)
歩行時間:7時間25分   休憩時間:1時間25分   延時間:8時間50分
出発時刻:7時15分     到着時刻:16時05分
歩  数: 29、404歩(推定距離20.9km)    GPS距離17.9km
行程表
 掛川駅 1:00> 登山口 0:50> 小笠山 1:00> 中尾根鉄塔 0:10> 山本橋 0:35> 三ツ峰尾根合流 0:20>
 道迷い後三ツ峰尾根合流地点 0:15> 三ツ峰 0:35> 腹摺峠 0:35> 138展望台。 0:50> 六枚屏風 0:20>
 登山口 0:55> 掛川駅
                                  小笠丘陵略図


 掛川駅を発着とした小笠丘陵の周回コースを歩いてきました。今回は六枚屏風の北の尾根を登ることと、昨年何回か歩いてやっと
道を理解できたと思っている山本橋から三ツ峰に抜ける道を歩く事が主目的です。
どちらも一般ルートではないため道標はありませんが、リボンなどの目印はそこそこ付いています。
そして帰りは4時までに掛川駅に戻ること。これは前回ゴールの駅に着いたのが5時過ぎだったため、心配した妻からの厳命です。

  
            遠江33観音1番札所結縁寺                             新しい標識

 掛川駅南口を降り駅前の道を真直ぐ南に向かう。県道403号の上張矢崎の交差点を渡り、すぐ右折して上に行く農道に入る。
そこに去年は無かった新しい標識が立っていた。その後も同じような標識があったので標識の整備をしてくれたようです。

                                 案内板上の周回略図
 

 途中にあった案内板のハイキングコースマップに今日歩くルートを重ねてみました。黄色の丸は案内板に表示がない部分です。
本来の小笠丘陵周回なら小笠神社にも行きたいところだが、今日は省略します。理由は・・・・・ 疲れるから。
これで4時までに掛川駅に戻りたいのですが、戻れるかどうかは神のみぞ知るです。

 
            六枚屏風への分岐                              農道終点(案内板にPとあり)

 いつもならここを左折して六枚屏風の尾根に取付くのだが、今日はそのまま直進して、この先にある尾根から取付きます。
本来なら六枚屏風に先に行きたいのだが、これから行くルートは傾斜がきつく下りには適さないと、数年前に歩いた記憶があります。
その記憶が正しいかどうかは分からないが、一応それを尊重して下りは避けて登りにする事にしました。

          
                  登山道入口(ロープが見える)                            急傾斜

 農道の終点には車数台が置ける空地があり、駐車場の看板は無いが車は置いてもよさそうです。
そこから一歩先は沢状態になっているが、左側を見ると斜面にロープが張ってあるのが見える。矢張り記憶通りの傾斜のようだ。
登りだした坂はかなり急で、小笠丘陵の中では有数の斜度の坂だと思ったが、ロープもあり木の幹や根もあるので登るには特に
支障はなく怖さもない。

 途中にサカキカヅラの冠毛のついた種があちこちに落ちていたので上を見ても木は特定できなかった。特に特徴のない葉なので
竹とんぼ状の実が付いていなければ判別できないし、実の色も葉と同じ緑色なのでこれも見つけにくい。
斜面の上なので、あちこち移動する事も出来ず結局見つける事はできなかった。

 
               粟ヶ岳が見えた                                  横は崖

 左に見える六枚屏風の尾根と同じくらいの高さまでくるとロープ場が終り、視界が開けて掛川の一部と粟ヶ岳が見える。
こんな景色でも小笠丘陵では貴重な展望地なのですから、マー小笠丘陵は眺めが良い山とは云えないでしょう。
ここからは小さなピークを幾つか越えるなだらかな道になるが、登山口までの平らな農道が長かった分、入口が急だったようです。

このルートにも小笠丘陵特有の崖は健在です。崖に近づき覗き込む度胸がないので崖かどうか分かりにくいが、まさしく崖です。

 
                のどかな道もあり                               崖横の道もある

 ロープ場を過ぎれば基本的にはのどかな道が続き、横に崖のある個所も道が広いので怖さを感じず歩く事ができる。
どちらかと云えば六枚屛風の尾根よりも気持ちの良い尾根だが、一度しか歩かなかった理由は、あちら側には六枚屏風という
小笠丘陵随一の奇観があるからに他なりません。

   
                                 気は抜けないが楽しい道

 どうです、こんな感じの道が続いているので余り疲れも感じずに歩く事ができます。

 
               六枚屛風の道と合流                              崖上の道だった

 登り始めて35分で六枚屛風の尾根道と合流した。ここを10分も下れば六枚屛風の入口です。
今歩いて来た道を振り返ると、何と!何と! 道の横は絶壁になっている。歩いている時は崖下は見えない、いや見ないようして
歩いているので恐怖感は湧かないが、この崖を見てからあの道を歩くとなるときっと怖いだろうな・・・・

 
                主尾根合流                                  掛川市街

 そこから5分強で小笠山に続く尾根に合流する。本来ならここを右に138度展望台に向えば、景色を見るのに適している午前中に
展望台に行けるのだが、今日は三ツ峰に県道側から登りたいので左の小笠山に向かう。
太いハイキングコースを歩いて山頂に向かうのも良いが、左の尾根の上の踏み跡を行けば、木の間から掛川の市街を眺めながら
山頂に出る事ができます。
   
             小笠山山頂                                 点の記より小笠山山頂

 広場になった小笠山山頂ですが景色は見えず三角点がポツンとあるだけの淋しい山頂です。
四等三角点の点名は 「小笠山」 標高は246.79m、設置場所住所は 「袋井市愛野字腹摺」 となっています。
ここで少々ビックリ。私はこの先にある小笠神社が掛川市なので、山頂もてっきり掛川だと思い込んでいたので、慌てて地図を
確認すると、北側の市境は小笠山から138°展望台、腹摺峠、三ツ峰に続く尾根だった。
更に南側は小笠山から電波塔、3本目の尾根を境としているので、尾根の下の東側にある小笠神社は。掛川市で当然で、
山頂は丁度市境なので掛川でも袋井どちらでもよかった。
更に気になるのは “愛野” とか “腹摺” とあることで、一般的には愛野は法多山尊永寺がある辺り、それより上のは “豊沢” の
筈です。また、腹摺は字名なので地図では分からないが腹摺峠の場所とは大分離れています。

 先ず “愛野” から調べてみると、矢張り愛野は愛野駅やエコパのある周辺で、それより山(南)側は “豊沢” になっていた。
なので山頂付近は当然豊沢の筈です。一方 “腹摺” は調べる術は無かったが、山頂付近が腹摺とは中々思う事は出来ない。
私が山頂付近に字名を付けるなら “砦” としたい。なぜならこの辺りは戦国時代に徳川家康が武田軍の高天神城を攻めるとき
小笠砦を築いた場所だからです。

 地理院の点の記から略図を複写してしまった。図の右の崖のマークは大袈裟でなく本当に崖になっています。
三角点を中心とした道の上の方に行くと、少し展望が効く場所があります。点線の下は少し先で自然歩道と合流しています。
写真を見ていて気付いたのは、去年まであった白い杭が無い事。どうしたのだろう?

 
                 県道合流                                  のんびりした道

 小笠山から中尾根に行く道は2本あり、1本は山頂すぐ下から右に曲がる道だが、そこには以前は無かった 「中尾根」 への標識が
付いていた。この標識は麓で見た標識とは違う形なので山全体に標識を追加したのかもしれない。
もう1本は更に山頂から小笠神社に向かって行くと、高札場のような案内板のある四辻に出る。そこを右に行けば山頂からの道と
合流する。今日は近道でもある山頂下の道を歩いたが、山頂から約5.6分で県道に合流した。
県道の先には中尾根の道が見えています。

 中尾根は三ツ峰などがある北の尾根に比べ、なだらかで起伏も少なく、また道の横に崖も無くのんびり歩ける道です。

 
             倒木の根の裏の河原石                            袋井と法多山が見えた

 倒木が根の裏を見せて倒れている。そこに付いている石は山石のようにゴツゴツした石ではなく河原の石のように丸みを持った石だ。
以前も紹介したが小笠丘陵は大昔は大井川の川底で、当時大井川は現在の掛川から太平洋に注いでいたらしい。
大井川上流から運ばれてきた土砂は堆積し、長い年月の間に隆起と侵食を繰返し、いつしか現在のような丘陵になったという。

 昨日(16日)地元の歴史講座で 「大井川の生立ち」 の話しを聞いてきたが、その中に小笠丘陵は現在も隆起を続け、何千年後には
千mを超える山になると話していた。
確かにこの倒木や歩いて来た道は砂利や河原石が多く、場所によっては砂利を敷いたような所もあり隆起した事は間違いない。
講座の講師は更にこんな話もしてくれた 『小笠山の語源は 「笠山」 で、隆起した場所の上に木や草が笠のように乗っている事から
名前が付きました。』
オッ!ホントかよぉ? そんな所は見た事はないが。
さらに講師は 「小笠山と同じような場所はトルコのカッパドキアが有名です。」 と、ここまで来ると何か眉に唾を付けたくなるような話だ。
何しろカッパドキアは岩山で、ここは泥(泥層)と石(礫層)の集まりだ。それでも同じなのかなぁ?
 「私の話を確かめたいなら、マー1万年ぐらい長生きをして確かめてください。」 講師の話は面白くアッと言う間の1時間半でした。

 緩やかに高度を落としていく中尾根の道はのんびり歩けて良いのだが、面白味が無いのが欠点だ。景色も時折右に北の尾根が
見えるくらいなので張合いが無い。そんな景色も袋井市街や法多山の屋根が見えてきたら中尾根も終りに近い。

       
                   中電の鉄塔                                 最後の下り坂

 中電の鉄塔が見えてたら尾根も終盤で、後は急な下りが待っているだけです。
2本目の鉄塔を過ぎると下りは更に急になるが、木に掴まったり木の根を踏む事ができるので案外容易に下る事ができる。
下の方まで見える坂を下れば平坦な林で県道はもう目と鼻の先だ。

 
               県道から振り返る                                 山本橋

 県道に出て振り返ってみると尾根の上には今横を歩いて来た鉄塔が見えていた。
県道の20m程先に山本橋が見えている。ここで今日の工程のほぼ半分は終りになり、後は東に向けて引き返す事になる。
時間はまだ11時にもなっていない。この分では三ツ峰が丁度12時ごろになり昼飯に丁度良さそうです。

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5 コメント

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Unknown (松理)
2017-03-20 19:44:30
 掛川駅南口を降りて向かったのは,北ではなくて南でしょう(笑)

>何千年後には千mを超える山になると話していた。
 仮に千年で千mとなると,1年で1mということになります。1万年としても1年で10cmです。そんな隆起は,いくら何でも・・・。何千万年後ではないでしょうか?

 今回は,2つもけちをつけた感じですみません。

 小笠山は,9年前に何度か行ったきりで,最近になって有名になった六枚屏風は,見たことさえありません。
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松理さん (はぐれ)
2017-03-21 09:53:29
仰る通り北ではなく南でした。
右や左、南や北などどうも勘違いすることが多くなってきました。気をつけないといけませんね。

あれは講師の話ですが、疑問も感じず面白く聞いていました。流石松理さんです。

六枚屏風が有名になってきているのですか?
そうですね数年前は六枚屏風の下り口が分からず探したのですが、
今では標識や「絶景 六枚屏風 ここを下る」 などの案内板がありますものね。

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Unknown (松理)
2017-03-21 18:02:52
 日本平は,10万年前から1年に3mmの割合で隆起を続け,現在の約300mになりました。
 大学時代の授業で学んだことが指摘のもとになりました。
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Unknown (あや)
2017-03-21 23:12:55
はぐれさん、なんだか最近めっちゃ精力的じゃないですか!
はぐれさんの小笠山の記事を読むたびに一度行ってみようと思いつつなかなか機会に恵まれません。
今年ももはや花粉が飛び交っているので行くに行けず・・・。
はぐれさんの山行記は紀行文を読んでいるみたいで、毎回楽しんでいます。
が、奥様に心配をかけないようにほどほどにね(^_-)-☆
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あやさん (はぐれ)
2017-03-22 08:50:16
小笠丘陵は標高300mに満たない超低山ですが、それなりに楽しむ事ができます。
若しあやさんが歩くなら、六枚屏風や北の尾根の断崖も見てもらいたいのは勿論ですが、
今は歩かない(怖そうで)、小笠池から無線中継所に抜ける周回コースもきっと楽しむ事ができるでしょう。

田舎育ちのせいか花粉症には縁が無いので、蜘蛛の巣が張られるまでは歩く事ができます。


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