迷走していた「たんなさん」のつぶやき

※個人の感想です・・・

週末のフール/伊坂幸太郎

2008年02月17日 | 
重松清の「その日のまえに」という作品は、いくつかの短編集が一冊にまとまって全ての話が完結するという、本当に見事な作品でした。
この作品にもそんな期待を持って、なんとか最後まで読んでみたのですが、期待したようなことはありませんでした。
最初の「終末のフール」を読んだ段階で、私には合わないと感じましたが、やはりそれは正しかったようです。
「隕石が落ちてきて、人類は滅亡する」という暗い設定も影響しているのかもしれません。
第4回「2007年本屋大賞」の4位なのですが、私はまったく評価できませんでした。
隕石が落ちてきて、人類は滅亡する……。
『陽気なギャングが地球を回す』が映画化され、『死神の精度』『重力ピエロ』『アヒルと鴨のコインロッカー』などの作品で多くの読者を魅了する伊坂幸太郎。彼の最新作は、“地球に隕石が落ちてくる”という、どこかの映画やアニメで見たことがあるような設定で描かれる。
いったいどんなパニックが? どんなスーパーヒーローが隕石に立ち向かうのか!?
と、思わず想像してしまう人も多いと思うんだけど、実はこの小説では、そうしたことは描かれない。「終末のフール」「太陽のシール」「籠城のビール」「冬眠のガール」「鋼鉄のウール」「天体のヨール」「演劇のオール」「深海のポール」。8つの短編を通じて描かれるのは、パニックが起こるだけ起きて一段落、治安もかなり回復した仙台で、生き残った人々の様子だ。
★☆☆☆☆(星1つ)