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別冊『意識と感覚の脳科学』(日経サイエンス社、2014年10月22日号)
さて、前回の〝共有脆弱性モデル〟をもって、S.カーソン(ハーバード大学)の論文〝「天才と変人」 解き放された知性〟についての投稿は終わった。ところが、雑誌『意識と感覚の脳科学』には、次にD.K.シモントン(カリフォルニア大学)の論文〝創造性の起原〟が載っていて、その論文もまた S.カーソンの研究について言及していたので、今回は次にその紹介をしたい。
ドライデンの言葉を引用するなら、「才知と狂気は縁つづきで、薄い仕切りによって分けられている」のだ。
ハーバード大学の心理学者カーソン(Shelley Carson)らが行っている最近の研究は、こうした薄い仕切りを特定することを目指してきた。創造的な業績は、認知的脱抑制(一見無関係に思われるアイディアやイメージ、刺激を率直に受け入れる姿勢)と、より高い知能やより大きな作業記憶の両方に確実に関連している。こうした知的能力は、脱抑制の悪影響を潜在的に緩和するとともに、より有用な目的に導くことさえもできる。この相乗効果は、セレンディピティ(訳注:偶然に素晴らしい発見をする才能)の認知的基礎をなしている可能性がある。
〈『意識と感覚の脳科学』105p〉ハーバード大学の心理学者カーソン(Shelley Carson)らが行っている最近の研究は、こうした薄い仕切りを特定することを目指してきた。創造的な業績は、認知的脱抑制(一見無関係に思われるアイディアやイメージ、刺激を率直に受け入れる姿勢)と、より高い知能やより大きな作業記憶の両方に確実に関連している。こうした知的能力は、脱抑制の悪影響を潜在的に緩和するとともに、より有用な目的に導くことさえもできる。この相乗効果は、セレンディピティ(訳注:偶然に素晴らしい発見をする才能)の認知的基礎をなしている可能性がある。
とあった。ただし、この論文を読む前は大いに期待していたのだが、私にとって役立つ情報は新たに得られるものは殆どなかった。とりわけ、この「セレンディピティ」についても、同論文は続けて、
湯が浴槽から溢れたり、リンゴが木から落ちたりといったありふれた出来事が持つ深遠な内容に誰でもが気付くわけではないが、アルキメデストニュートンは気づいたのだ。
だけだった。そこで、私の頭の中は肩すかし状態だからもう少し知りたいと思って探し出して注文したのが、やはり『日経サイエンス社 2013年6月号特集天才脳の秘密』だった。ところが、届いた同誌の頁をわくわくしながら早速捲ってみたところ、
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ならばということで、 ネットで探してみたところ「認知的脱抑制」について言及していると思われる本『解離性障害』(柴山雅俊著、ちくま新書)が見つかったので、注文した。というわけで、この投稿のつづきは注文したこの本が届いてからの予定です。
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