みちのくの山野草

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論文「創造性の起原」

2018-01-08 09:00:00 | 賢治に関する不思議
別冊『意識と感覚の脳科学』(日経サイエンス社、2014年10月22日号)
 さて、前回の〝共有脆弱性モデル〟をもって、S.カーソン(ハーバード大学)の論文〝「天才と変人」 解き放された知性〟についての投稿は終わった。
 ところが、雑誌『意識と感覚の脳科学』には、次にD.K.シモントン(カリフォルニア大学)の論文〝創造性の起原〟が載っていて、その論文もまた S.カーソンの研究について言及していたので、今回は次にその紹介をしたい。
 ドライデンの言葉を引用するなら、「才知と狂気は縁つづきで、薄い仕切りによって分けられている」のだ。
 ハーバード大学の心理学者カーソン(Shelley Carson)らが行っている最近の研究は、こうした薄い仕切りを特定することを目指してきた。創造的な業績は、認知的脱抑制(一見無関係に思われるアイディアやイメージ、刺激を率直に受け入れる姿勢)と、より高い知能やより大きな作業記憶の両方に確実に関連している。こうした知的能力は、脱抑制の悪影響を潜在的に緩和するとともに、より有用な目的に導くことさえもできる。この相乗効果は、セレンディピティ(訳注:偶然に素晴らしい発見をする才能)の認知的基礎をなしている可能性がある。
             〈『意識と感覚の脳科学』105p〉
とあった。ただし、この論文を読む前は大いに期待していたのだが、私にとって役立つ情報は新たに得られるものは殆どなかった。とりわけ、この「セレンディピティ」についても、同論文は続けて、
 湯が浴槽から溢れたり、リンゴが木から落ちたりといったありふれた出来事が持つ深遠な内容に誰でもが気付くわけではないが、アルキメデストニュートンは気づいたのだ。
だけだった。

 そこで、私の頭の中は肩すかし状態だからもう少し知りたいと思って探し出して注文したのが、やはり『日経サイエンス社 2013年6月号特集天才脳の秘密』だった。ところが、届いた同誌の頁をわくわくしながら早速捲ってみたところ、別冊『意識と感覚の脳科学』に載っているものと全く同一のもばかりであった。

 ならばということで、 ネットで探してみたところ「認知的脱抑制」について言及していると思われる本『解離性障害』(柴山雅俊著、ちくま新書)が見つかったので、注文した。というわけで、この投稿のつづきは注文したこの本が届いてからの予定です。

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 『共有脆弱性と認知的脱抑制』の目次へ。
********************************《三陸支援の呼びかけ》*********************************
 東日本大震災によって罹災したが、それにも負けずに健気に頑張っている(花巻から見て東に位置する)大槌町の子どもたちを支援したいという方がおられましたならば、下記宛先に図書カードを直接郵送をしていただければ、大槌町教育委員会が喜んで受け付けて下さるはずです。新設された小中一貫校・大槌町立『大槌学園』の図書購入のために使われますので、大槌の子どもたちを支援できることになります。

 〒 028-1121
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        大槌町教育委員会事務局(電話番号0193-42―6100)
                  教育長 様   
 なお、私のところに送って頂いた場合には、責任を持って大槌町教育委員会へ私からお届けします。私の住所は、
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 電話 0198-24-9813    鈴 木  守
です。
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